ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『.hack// ENEMY』のルール解説。
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.hack//ENEMY Trading Card Game
ドットハック
Last Update 2003/10/24 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるポイント獲得戦。プレイヤーはオンラインRPGのユーザー(の中のパーティーリーダー)となり、パーティーを組んで相手パーティーに戦い(プレイヤーKILL)を挑んで経験地を稼ぐ。
● 原作
コンシューマーゲーム『.hack//』シリーズ。
TVアニメーション『.hack//SIGN』(とりあえず『黄昏の腕輪伝説』は未収録)。
● 世界設定
オンラインRPG『The World』の混乱。ゲーム内の秩序を担う自警団“紅衣の騎士団”は、混乱の現況と思われる一人のマジックユーザー“司”を追い続ける。
確かに彼は混乱の現況に深くかかわり“アウラ”という謎の少女の覚醒のためにネット内にとらわれ現実世界と切り離されていたのであるが、
事態は彼らの知らないところで未曾有の危機をはらんでいたのである。
● 本ゲームについて
MMORPG(ネットワークオンラインRPG)を題材にしたコンシューマーゲームおよびTVアニメのTCGです。
同タイトルのTCGがすでに日本で発売されていますが、日本版が宝探し的要素が強いのにくらべ、本ゲームはモンスターでキャラクターを倒すという、オンラインRPGとはある種正反対の目的を持っています。
ちょうど『天田版セーラームーンTCG』が妖魔を活躍させるのと同じようなシステムです。
まあ、同情的な見方をすれば、これは『The World』に従来とは異なるキャラクタークラス“召喚師”が追加されプレイヤーはそれを演じている、と考えればつじつまが合います。
この召喚師がモンスターを操って敵を倒せば、ちょうど本ゲームのシステムと合致するかと。なんたって、仲間のキャラクターが自分の盾がわりにしか役立ってない訳ですし(笑)。
※バンダイの同名TCG(.hack//TC)とは別物です。
基本構成
勝利条件
- 勝利ポイント(Victory point)を 7点以上獲得する。
- いずれかのプレイヤーのデッキが尽きたターンの終了時点で、相手より獲得勝利ポイントが多い(同点の場合は引き分け)。
事前準備
● デッキ (1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 60枚ちょうど。
- 構築条件:
同名カードはデッキに 3枚まで。
レベルアップカード以外で構成されていること。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ レベルアップカード: 一部のトーナメントのみで使用。枚数などは大会主催者に従うこと。
● 開始時基本設定
- 勝利ポイント: 0ポイント。以後蓄積する。
- 開始手札: 4枚。上限は 5枚(自ターン内に調整有り)。
- マリガン: 類似概念が存在。それぞれの最初のターンに手札を任意枚数捨てることができる。
- ファーストドロー制限: 無し(先攻は 1ターン目からカードを引く)。
その他構成
● カードの行動表現
- カード縦: 通常状態
- カード横: ダメージ状態(キャラクターのみ)
- カード裏向き: 伏せカードの配置状態
● 基本構成細則
- ディスカード: 有り(ターン開始時に調整)。
- ライブラリアウト: 無し(捨て札を再利用。ただし終了条件に直結)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(ターン終了時に消滅)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 有り。
- ユニーク処理:
キャラクター、自軍ユニーク、先出し生存。
カード名に先頭に“●”が付いたモンスター、両軍でユニーク、先出し生存(得点となった物も含む)。
- モンスターの攻撃は、常に相手プレイヤーを対象とし、ブロックするキャラクターの指定は防御側が任意に選択する。
ゲームの流れ
開始準備
- 運命数を引くことで、先攻・後攻を決定する。
- それぞれ自分のデッキより手札としてカードを 4枚引く。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ ドロー(Draw)ステップ
- デッキからカードを 1枚引く。
- 手札枚数が 5枚ちょうどになるように調整する
(6枚以上なら手札を捨て、4枚以下なら追加でカードを引く)。
○ プレイ(Play)ステップ
以下の条件にしたがって、任意にカードを使用する。
なお、それぞれの 1番最初のターンに限り、手札を任意に捨てることができる。
- キャラクターカード: 3枚まで。自分の場に同名カードは複数配置できない。
- アイテムカード: 場に存在するキャラクターに対して配置する。1体のキャラクターにつき、武器と鎧をそれぞれ 1枚ずつのみ。
- フィールドカード: 場に 1枚まで。新たなカードを配置でき、その場合前のカードが破棄される。
- モンスターカード: 1ターンに 1枚のみ。出現口(Portal)に配置すること。
- 伏せカード(アクションカード): 場に 5枚まで。裏向きに配置する。
※本来はアクションカードのみだが、ダミーとして他のカードを配置することも可能(もちろん使用できないし、何らかの破棄手段が無い限り自分で破棄もできないのだが)。
- イベントカード: そのまま手札から使用し、即座に効果を発揮する。
○ アタック(Attack)ステップ
任意に以下の攻撃を行う。
攻撃の処理
▽ 攻撃宣言
自分の場にいるモンスターを使って攻撃宣言を行う。
攻撃宣言は1ターンにつき 1度だけで、原則 1体のモンスターだけが攻撃に参加できる。
ただし、大半のモンスターは援軍能力(Storable)を持っているため、その能力を使用することで、同時に複数のモンスターが攻撃に参加することが可能となる。
▽ 防御側の対応決定
攻撃を受ける(防御)側のプレイヤーは、攻撃を受けるか避けるかどちらかを選択する。
この際、防御側のキャラクターが存在しなければ、無条件に攻撃を避けることになる。
- 攻撃を避けて通る場合:
無条件に勝利したとみなし、個別戦闘の“報酬・勝利ポイントの獲得”と同じ処理(下記)を行う。
処理を実行した後、攻撃の終了となる。
※個別戦闘をした場合は最大 3回分の勝利ポイントが獲得できるが、この場合は 1回分だけ。
- まず攻撃に参加した全てのモンスターの報酬能力(Reward)を任意に使用する。
- 攻撃に参加したモンスターのうち、勝利ポイント値が存在する任意の 1体のモンスターを得点置き場に送り、送ったモンスターに記載された勝利ポイント分の値を、勝利ポイントとして獲得する
(勝利ポイント値を持つモンスターが 1体もいなければ、勝利ポイントは獲得できない)。
- 得点置き場に送った 1体以外のモンスター全てを、捨て札置き場に送る。
- 攻撃を受けてたつ場合: 次の処理に進む。
▽ 防御側のキャラクター対峙指示
防御側は自分のキャラクターを、攻撃に参加したどのモンスターと戦闘させるかを決定する。
この時点では攻撃側モンスターと防御側キャラクターは 1 対 1で対応させる必要があり、モンスターの数の方が少ない場合でない限り、全てのキャラクターを戦闘に使用しなければならない
(モンスター数の方が少なければ、戦闘に参加しないキャラクターが発生する)。
▽ 余剰モンスターの割り振り
攻撃側は攻撃に参加したモンスターのうち、まだキャラクターと対峙していないモンスターを、どの戦闘に参加させるか任意に割り振る(必ず戦闘には参加させること)。
この結果、場の 1体のキャラクターに対し複数のモンスターで襲い掛かる状況が発生する。
▽ 個別の戦闘判定
任意の順番で戦闘に参加したキャラクター単位での戦闘を行う。
★☆ 各戦闘の処理 ☆★
☆ アクションカードの発動
それぞれ任意に伏せてあるアクションカードを表向きにして、その効果を発動する。
☆ 運命数ボーナス
それぞれデッキからカードを 1枚引き、引いたカードに記載された運命数をそれぞれの戦闘力の合計に追加する。
☆ 戦闘力判定
それぞれの戦闘力の合計値を比較する(モンスターが複数の場合、戦闘力は合算する)。
- モンスターの戦闘力がキャラクターの戦闘力未満(攻撃側敗北):
戦闘に参加したモンスターすべてを捨て札置き場に送る。なおキャラクターはそのまま。
ここで今回の戦闘処理が終了となる。
- モンスターの戦闘力がキャラクターの戦闘力以上(攻撃側勝利):
比較した戦闘力の差分数値を覚えたうえで、次の処理へ進む。
☆ 報酬・勝利ポイントの獲得
- 戦闘に参加したすべてのモンスターの報酬能力(Reward)を任意に使用する。
- 戦闘に参加したモンスターのうち、勝利ポイント値が存在する任意の 1体のモンスターを得点置き場に送り、
送ったモンスターに記載された勝利ポイント分の値を、勝利ポイントとして獲得する
(勝利ポイント値を持つモンスターが 1体もいなければ、勝利ポイントは獲得できない)。
- 得点置き場に送った 1体以外のモンスターすべてを、捨て札置き場に送る。
☆ キャラクターのダメージ適用
先に覚えておいた戦闘力の差分数値と、敗北したキャラクターの装甲値(Tolerance)を比較する。
- 装甲値が差分数値以上:
キャラクターはダメージを受けていないとみなし、そのまま場に残す。
- 装甲値が存在しないか、装甲値が差分数値未満:
キャラクターがダメージを受けたとみなし、カードを横向き(ダメージ状態)にする。
すでにダメージ状態でダメージを受けた場合、そのキャラクターは捨て札置き場に送られる。
▽ 攻撃の終了
すべての戦闘が終わった時点で、攻撃が終了する。
攻撃が終わった時点で、自動的にターン終了を迎える。
1ゲーム終了時の処理
特になし。
ルール細則
基本ルール細則
● 属性について
- キャラクターを除くほとんどのカードには属性が存在し、モンスターの配置条件などで使用される(属性の無いカードも存在する)。
- 属性は 木・大地・火・水・闇・雷 の 6種が存在する。
- 一部のモンスターカードの配置条件として、属性マークの存在(Spot)という項目がある場合が有る。
これは現在のすべての場(相手の場や得点置き場を含む)に指定された数と同じ数以上の属性マークのカードが存在していれば、
対象のモンスターカードを配置できるという意味である(存在さえすればいいのであって、属性を消費したりはしない)。
● 運命数について
- みなさんお待ちかね。Decipher社お得意の運命数です(笑)。
- 全てのゲーム用カードの右肩部分に、運命数と呼ばれる数値が記載されている。この数値を用いて、さまざまな判定や追加ボーナスの設定を行う。
- 運命数は、それぞれのデッキからカードを 1枚引くことで行われる。
- もし運命数を引く途中でデッキが尽きた場合、捨て札をシャッフルしデッキとして再使用する(ただし、ゲームはそのターンで終了となる)。
- 運命数に使用したカードは、そのまま捨て札となる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ キャラクター(PC)カード (配置条件なし)
- プレイヤーの味方キャラクター。プレイヤー自身は含まれない。
※何故かプレイヤー自身のキャラを示すものは、カードとして存在していない。
- 戦闘力を備えプレイヤーと共に戦ってくれる存在だが、事実上盾の役目しか果たしていない。
- 戦闘において負けるとダメージを受け、2度ダメージを受けると破壊される。
- 一部のカードは装甲値(Tolerance、銀鋲アイコンの数)を持ち、戦闘に負けた場合でも、戦闘力差が装甲値以下ならばダメージを受けずにすむ(ただし戦闘自体は負けたまま)。
- 場に 3枚まで配置できる。
○ アイテム(Item)カード (配置条件有り)
- キャラクターの装備品。武器と鎧の 2種類が存在する。
- 戦闘力や装甲値などを持ち、キャラクターの能力を強化する。
- キャラクターに付けて使用する。1枚のキャラクターにつき、武器と鎧をそれぞれ 1つずつ付けることができる。
○ モンスター(Monster)カード (配置条件有り)
- プレイヤーが繰り出すモンスター。はっきり言ってキャラクターより重要となる。
- 戦闘力を備え、プレイヤーの使い捨ての武器として活躍する。
- 戦闘に勝利すると報酬能力(Reward)を使用でき、さらにそのうちの1枚が勝利ポイントに換算される(残りは捨て札)。
- 1回の攻撃につき本来は 1体しか参加できないのだが、大半のモンスターは援軍能力(Storable)を持っているので、たいていは大勢で攻撃に参加することになる。
○ アクション(Action)カード (表向きにするための条件有り)
- キャラクターのとっさの行動や作戦など。
- 場に“伏せカード”として裏向きに配置し、戦闘中などに表向きにすることで効果を発揮する。
- 使用後は捨て札となる。
○ フィールド(Field)カード (配置条件なし)
- 冒険の舞台となる場所。
- 自分の場に 1枚しか存在できず、新しいカードを配置した場合、以前のカードは捨て札となる。
● 瞬間的に使用するカード
○ イベント(Event)カード (使用条件なし)
- ゲーム内で起きるさまざまな事件など。
- 自分のターンでのみ使用できる。
● その他のカード
○ レベルアップ(Level Up!)カード
- トーナメントで使用する特殊カード。ゲームでは直接は使用しない。
場の構成
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- 場にはそれぞれのカードの専用置き場が存在する(モンスターは出現口(Portal)に配置)。
- 永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は捨て札置き場という空間に集められる。
- モンスターカードが戦闘に勝利した場合、そのうちの 1枚が得点置き場という空間に集められる。
- 捨て札置き場と得点置き場は似ているが、両者は明確に区別される。特に捨て札置き場は場の外の概念とみなされるが、得点置き場は場の一部とみなされるので注意すること。
商品情報
● メーカー: Decipher
○ 発売開始: 2003年10月
- ○ ラインナップ
-
- Contagion(基本セット)
- Distortion
- Epidemic
- Isolation
- Breakout
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