ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『ドットハック(.hack//)TCG』のルール解説。
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.hack// トレーディングカードゲーム
Last Update 2020/5/9 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるポイント獲得戦。プレイヤーはオンラインRPGのユーザーとなり、パーティーを組んでイベントに臨む。
● 原作
TVアニメーション『.hack// SIGN』(1作目のみ)。
コンシューマーゲーム『.hack//』シリーズ。
● 世界設定
日本全土で人気を博しているオンラインRPG『The World』。
HMDを装着することで実際にその世界にいるかのような臨場感を味わうことができ、多くのプレイヤーが熱中していた。
しかし、最近このゲームに異変が生じていた。
ゲームの世界にとらわれたまま、意識が戻らないユーザーが続出していたのである。
● 本ゲームについて
MMORPG(ネットワークオンラインRPG)を題材にしたTVアニメおよびコンシューマーゲームのTCGです。
その後に展開したコンシューマーゲーム(非オンライン)の存在もあり、アニメはカルト的な人気がありました。
本ゲームは、その世界設定となっているオンラインゲームの世界を再現したものです。
※Decipher社の同名TCG(.hack//ENEMY)とは別物です。
基本構成
勝利条件
- 経験点を 5以上獲得する(経験置き場に戦果カウンターを 5個以上貯める)。
事前準備
● デッキ (山札: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 30枚ちょうど。
- 構築条件:
同一カードはデッキに 3枚まで。
記載された経験の値の合計が 5以上となるだけの枚数の、シナリオカードを投入すること。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ 6面ダイス: 適当数。
○ 戦果(財宝)表示用カウンター: 適当数。
○ 戦果(経験)表示用カウンター: 適当数。
※財宝と経験は共に戦果であるが、両者は異なる存在なので可能ならばそれぞれで異なるカウンターを用意したい。
○ ダメージ表示用カウンター: 適当数。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 勝利ポイント (経験点): 0点。以後蓄積する。
- 開始手札: 5枚。上限は 7枚(各ターン内に調整有り)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(双方とも同一ターンで行動を行うので考慮不要)。
その他構成
● カードの行動表現
- カード縦: 未行動状態。
- カード横: 行動済み状態。および破壊直後のシナリオ。
● 基本構成細則
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 無し(捨て札を再使用、ただしペナルティが存在)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 有り。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 有り。
- ユニーク処理: ネームドPC、自軍ユニーク、先出し生存。
- PCは基本的にはシナリオ攻略のみを行うが、相手シナリオが存在しない場合にのみ相手のデッキを攻撃することができる。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれの財宝置き場に、戦果カウンターを 5個ずつ配置する。
- それぞれ「よろしくお願いします」と声を出して挨拶する。
- それぞれ自分のデッキより手札としてカードを 5枚引く。
全体の基本進行
ターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
※同一ターン内に双方とも行動するためターンプレイヤーの概念は無い(ただし各ターンごとにそのターンの親が決定される)。
ターン(1回の手番)の進行
○ イニシアティブフェイズ
- 今回のターンの親を、以下の条件順で決定する。
- 経験点が一番少ない。
- 自分の場の PCのコストの合計値が一番少ない。
- 上記の条件で決まらない場合は、ジャンケンの勝者が今回の親となる。
- それぞれ自分の場の PCをすべて未行動状態にする。
○ ドローフェイズ
親から順に、以下の行動を行う。
- それぞれデッキからカードを 1枚引き手札に加える。
※デッキが尽きた場合、相手に経験点を 2点与えた上で、墓場のカードをシャッフルしてデッキとして再使用する。
- 任意で財宝置き場のカウンターを 1個消費することで、追加でもう 1枚カードを引くことができる(それぞれ 1ターンに付き 1回のみ)。
○ 配置フェイズ
親から順に、以下の行動を任意で行う(どちらもそれぞれ 1度ずつ行える)。
- 手札の PCカード 1枚ををPCとして場のPC置き場に配置する。
- 手札のシナリオカード 1枚を自分の場の空いているカオスゲートに裏向きで配置する。
○ 挑戦フェイズ
親から順に、以下の行動を繰り返すことで、PCをいずれかのシナリオに挑戦させる。
※全員の PC置き場に未行動状態の PCがいなくなるか、すべてのシナリオにキャラクターを上限分だけ挑戦させた時点で次のフェイズに進む。
- 自分の PC置き場の中から、未行動状態の PCを 1体選ぶ。
※未行動状態の PCがいない場合は“パス”をして相手の番に移る。
- 選んだ PCを、いずれかのカオスゲートに存在するシナリオ 1つに移動(挑戦)させる。
1枚のシナリオに対して挑戦させることができるのは、各プレイヤーごとにキャラクター 3体までとなる。
ただし相手のカオスゲートにシナリオが 1枚も無い場合に限り、挑戦の代わりに相手のデッキを直接攻撃(後述)できる。
- 相手のデッキの攻撃 1回分は、PC置き場の未行動状態の PC 1体を行動済み状態にすることで行われる。
行動済み状態にした PCの攻撃力の値分だけ、相手のデッキのカードが上から順に墓場に送られる。
○ バトルフェイズ
親のカオスゲートから順に、そこにあるシナリオがいずれかの PCから挑戦されている場合にシナリオの解決(戦闘)を行う。
それぞれの戦闘は以下の手順で行われる。
各シナリオ解決の処理
- シナリオが裏向きの場合、表向きにする。
- 親から順に交互で、シナリオが破壊されるか双方がパスするまで以下の処理を繰り返す。
- 攻撃: 以下の方法で PCによるシナリオへの攻撃を行う。。
- そのシナリオに挑戦中の自分の未行動状態のPC 1体を選び、攻撃を行う PCとして行動済み状態にする。
- 同じシナリオに挑戦中の相手の未行動状態のPC 1体か、対象シナリオ自体かのいずれかを、今回の攻撃対象として 1つ選ぶ。
- 命中判定を行い、今回の攻撃が成功したかどうかを判定する。
命中判定はダイス 1つを振ることで行われ、出た目が記載命中値以下であれば攻撃成功となる。
- 攻撃が成功した場合、今回の攻撃対象にダメージを与える。
※ダメージが対象の HPを超えると破壊される。PCの場合は墓場に送られ、シナリオの場合は繰り返し処理が終了し次の処理へ進む。
- ワザを使う: 以下の方法で記載のワザを使う。
- そのシナリオに挑戦中の自分の未行動状態のPC 1体を選び、ワザを使う PCとして行動済み状態にする。
- その PCのワザ(記載効果)を適用する。
- ウェイブカードを使う: 手札のウェイブカード 1枚を、PCが使用する。
- パス: 何もしない。
- シナリオが破壊された場合は、シナリオを破壊した側がシナリオの“報酬”部分の記載効果を適用する。
破壊されたシナリオは横向きとなる。
○ 戦果フェイズ
- 親のカオスゲートから順に、このターンに破壊されたシナリオごとに戦果の配分を行う。
配分は配置されているカオスゲートの現状によって、以下のように行われる。
- 片方のプレイヤーの PCだけが残っている場合:
残っている PCの持ち主が、シナリオに記載された値分の経験と財宝の両方を戦果として獲得する。
※自身の経験置き場に値分の戦果カウンターを、財宝置き場に値分の戦果カウンターを配置する。
- どちらの PCも残っている場合:
シナリオを破壊した(とどめを刺した) PCの持ち主が、経験と財宝の 2つの中からどちらか一方を選択する。
そして破壊した側のプレイヤーが選択した方の戦果を、もう一方のプレイヤーが選択されなかった方の戦果を獲得する。
- このターンに破壊されたシナリオを、すべて持ち主の墓場に送る。
○ 終了フェイズ
- 親のカオスゲートから順に、カオスゲートにいる(シナリオに挑戦してた)すべての PCを、それぞれの PC置き場に移動させる。
- 手札が上限を超えている場合、上限に収まるようにカードを捨てる。
- このターンのみ発揮する効果がすべて終了する。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール細則
● コストについて
- カードにはコストの概念が存在し、カードの配置時などに指定値分のコストを支払う必要がある。
- コストは財宝によって支払われ、財宝置き場の戦果カウンター 1つを取り除くことでコストが 1だけ支払われる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ PC(プレイヤーズ キャラクター)カード (コスト必要)
- ネットゲームの中でプレイヤーが演じるキャラクター。場に PCとして配置される。
- 本ゲームにおいては、自分自身のキャラクターに加えパーティーを組んだ仲間への指示も行うことになる(つまり複数を同時操作する)。
- 場の PC置き場に配置され、そこからカオスゲートに挑戦(移動)させてシナリオ解決に挑む。
- PC置き場に何体でも配置できる。シナリオ(カオスゲート)へはそれぞれ一か所につき 3体まで挑戦できる(相手のシナリオにも挑戦できる)。
- 命中率と攻撃力の値を持ち、プレイヤーの武器となる。
命中率はダイス 1個を振った時の判定値であり、記載値以上の目を出せば命中となる。
攻撃力は対象へのダメージであり、攻撃命中時の相手へのダメージとなる。
- レベル値の概念を持ち、ウェイブカードの使用条件に使用される。
レベルは能力値として持っているのではなく、記載コストにプレイヤーの獲得経験点を加えた値がその PCのレベルとなる。
- 職業の項目を持ち、ウェイブカードの使用条件として使用される。
※本作のキャラクターはいわゆるモブであり職業がカード名を兼ねている。一部のネームドPCを除けば、職業と性別を合わせた物がカード名となる。
- HPの値を持ち、この値以上のダメージを受けると破壊され墓場へ送られる。
ダメージはカウンターを載せることで表示され、場にいる間は蓄積する。
○ シナリオカード (コスト不要)
- ネットゲームの主催者が用意した単発の攻略シナリオ。場にシナリオとして配置される。
- 経験と財宝の値を持ち、このシナリオを破壊(解決)することでそれぞれを戦果として獲得することができる。
※経験と財宝はそれぞれ独立した戦果であり、どちらか片方のみを獲得する場合も存在する。
- 自分の場の空いているカオスゲートにそれぞれ 1枚だけ配置することができる。
- カードによっては“試練”の項目を持ち、シナリオ攻略の際にさまざまな影響を与える。
- カードによっては“報酬”の項目を持ち、シナリオを破壊したプレイヤーは戦果とは別に記載効果を得る。
- HPの値を持ち、この値以上のダメージを受けると破壊される。ダメージは蓄積する。
- シナリオは破壊されてもすぐには墓場へ行かない。
まず横向きになり破壊したプレイヤーに報酬を与える。そして戦果フェイズに戦果を提供した後で持ち主の墓場へと送られる。
● 瞬間・永続的に使用するカード
○ ウェイブカード (使用条件が存在)
- PCが使用する術や装備する武器など。
- 技系統と武器系統(“装備”を持つカード)の 2種類が存在する。
技系統のカードは通常は瞬間使用で、武器系統の場合 PCに付ける形で場に永続する。
- レベルの値と職業の項目を持ち、カードの使用条件となる。
使用する際には記載条件をすべて満たした PCが使用者として場に存在する必要がある。
※現在レベルがウェイブカードの記載レベル値以上で、かつ職業が(指定されている時は)記載職業と一致している場合に使用できる。
- ダイスの値を持ち、本来の役割とは別にサイコロの肩代わりをすることができる。
手札から 1枚捨てることで、サイコロを振る行為の代わりに“そのダイス目を出した”扱いにできる。
※ダイスの値はどれも 1 ~ 6のいずれかの値となっている。
● その他のカード
○ .hack// SIGN トレーディングカード
場の構成
PC | 敵陣 PC置き場 |
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門 | 門 | 敵陣 カオスゲート |
門 | 門 | 自陣 カオスゲート |
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PC | 自陣 PC置き場 |
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- 場はそれぞれの PC置き場と、それぞれ 2つ(双方で 4つ)のカオスゲートに大別される(上図は場の構成図)。
- PC置き場にはそれぞれの PCが配置され、カオスゲートに配置されるシナリオ(相手配置分も含む)に都度挑戦する。
- 戦果カウンターの置き場として、獲得した財宝(所持金)を置く財宝置き場と、獲得した経験点を置く経験置き場が存在する。
両者はともに戦果ではあるがそれぞれ別の概念であるため、混ざらないように注意すること。
- 永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は墓場という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: バンダイ
○ 発売開始: 2002年9月
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
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基本セット
| 2002/9
| 171(内TCG 90)
| ブースター(14/400)
|
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