ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『ロックマンエグゼ(ロックマンEXE)』のルール解説。
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ロックマンエグゼ カードゲーム
Last Update 2019/9/14 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるライフ破壊戦。プレイヤーはネットバトルのオペレーターとなり、ナビに指示を与えて相手を撃退する。
● 原作
コンシューマーゲーム(GBA用)『ロックマンエグゼ』シリーズ。
TVアニメ『ロックマンエグゼ』。
● 世界設定
我々とはモバイル環境がちょっとだけ異なる現代日本。
そこでは携帯電話やパソコンの代わりに“PET”と呼ばれるハンドヘルドコンピューターが小学生にまで普及しており、
人々はPETに実装された“ナビ”と呼ばれる擬似人格を持つメール&スケジュール管理ソフトで
eメールのやり取りから宿題の作成まで、現代の我々以上にモバイル環境に適応した社会生活を営んでいた。
しかし高度なネット社会は同時にネット内での犯罪や事故が直接大惨事を巻き起こすことにもなりかねない。
人々が穏やかに暮らす影で、ネット社会の治安を守るネットエージェントがひそかに活躍していたのだ。
● 本ゲームについて
ロックマンのTCGです。ただし本世界は少年ロボット“ロックマン”が戦う従来シリーズではなく、
主人公の少年(熱斗)が別に存在し、ロックマン自身はパソコン秘書ソフト(笑)という外伝的なシリーズ『ロックマンエグゼ』が原作です。
本ゲームはまるでキャプテンシステム(!)が普及したユビキタス社会を描いたかのような見事なSF考証部分はあまり使われていませんが、
ゲームボーイ版を特徴付けるネットバトルにおけるさまざまな能力について実に効果的に再現した作品となっています。
※タカラ(アクセス版)・Decipher社の同タイトルTCGとはそれぞれ別物です。
基本構成
勝利条件
- 相手の HPゲージが 0になる(その瞬間。双方同時に 0なった時は引き分け)。
事前準備
● デッキ (1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 30枚ちょうど。
- 構築条件:
同名カードはデッキに 3枚まで。
ナビカードが合計で 1 ~ 5枚の範囲で入っていること。
※カードが混じる場合があるので、それぞれ異なる柄のスリーブを使用することが望ましい。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ 各種表示用カウンター: 適当数。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ (HP): 200。上限も同じ。
- 開始手札: 5枚(ターン開始後に引く)。上限も 5枚(ターン内に調整有り)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(先攻は 1ターン目からカードを引く)。
その他構成
● カードの行動表現
- カード縦: 未行動状態。
- カード横: 行動済み状態。
● 基本構成細則
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 無し(捨て札を再使用)。ただしペナルティとして HPが 30減らされる。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 無し(未行動状態で配置時)。
- 手番を跨ぐコスト蓄積: 考慮不要(蓄積コストの概念が存在しない)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: 無し。
- キャラの攻撃はカードの効果として実行され、常に相手キャラ 1体を対象とする。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれ自分のデッキからナビカードを 1枚取り出し、自分のエリアの中央に裏向きに配置する(下図参照)。
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれ自分のデッキよりカードを 1枚、HP表示カウンターとして場の HPゲージの 200の部分に裏向きに配置する。
- それぞれ場に配置したナビカードを表向きにする。
全体の基本進行
ターンと呼ばれる手順を繰り返し、いずれかが勝利条件を満たした時点でゲーム終了。
※同一ターン内で、双方のプレイヤーがそれぞれに処理を行う。
ターン(1回の手順)の進行
○ 順番決めフェイズ
- 今回のターンでの先攻・後攻を以下の方法で決定する。
- ゲーム開始時(1ターン目)に限り、ジャンケンなど任意方法で決定する。
- 残り HPを比較し、より少ないほうが先攻。
- HPが同じ場合、エリア&チップ置き場にあるカードの合計数が少ないほうが先攻。
- 合計数も同じ場合、ジャンケンなど任意方法で決定する。
○ ドローフェイズ
- それぞれ自分のデッキよりカードを引いて、手札が 5枚になるようにする。
- もし自分のデッキが尽きてしまった場合は、ペナルティとして HPを 30減らす。
その上で捨て札をシャッフルして、新たなデッキとして再使用する。
○ 転送フェイズ
- 先攻から交互に、場にキャラ(ナビおよびウイルス)・チップカードを任意で配置する。
※それぞれ 1ターンにつき、キャラ1枚とチップ 1枚ずつのみを配置できる。
○ バトルフェイズ
先攻から交互に、本ゲームにおけるさまざまな基本行動を行う。選択できる行動は以下の通り。
- キャラの移動:移動コストとして手札の任意のカードを 1枚捨て札にした上で、場のキャラ 1体を隣接する 1マスに移動する。
※行動済みのキャラであっても移動できる。なお斜め方向は隣接とはみなさない。
- キャラの攻撃: 未行動のキャラを行動済みにすることで、そのキャラの能力を使用する(攻撃を行う)。
- チップカードの使用: 場に配置されたチップカードを、場のナビが使用する扱いで任意に使用する。
※行動済みのナビであっても使用できる。なおウイルスはチップを使用できない。
- バトラーカードの使用: 手札のバトラーカードを任意に使用する。
- パス: 何もせずに相手に行動権を渡す。
○ エンドフェイズ
- 場のそれぞれの行動済みのカードを、すべて未行動状態にする。
- 場のそれぞれのウイルスが受けているダメージを、すべて 0にする。
- それぞれ手札枚数が上限値を超えている場合、いずれかのカードを捨てて上限値ちょうどにする。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール細則
● ダメージについて
- 本ゲームは独自処理としての攻撃は存在せず、カードの固有能力として攻撃が行われる。
攻撃を行うことで、相手キャラに対して記載攻撃力分のダメージが与えられる。
- 攻撃の範囲や対象は各キャラごとに異なる。場合によっては味方のキャラもダメージを受ける場合がある。
- ダメージは対象となったキャラに対して与えられるが、ダメージの適用はカードの種類によってそれぞれ以下のように行われる。
- 対象のナビ:
どのナビが受けたダメージであろうとも、すべて持ち主であるプレイヤーへのダメージとなる。
受けたダメージの値だけ、プレイヤーの HPを減らす。
- 対象のウイルス: 以下の手順でダメージが適用される。
- ウイルスの防御力を算出する。行動済みのウイルスは一律防御力 0で、未行動の場合はカード記載の防御力となる。
- 防御力と受けたダメージを比較する。
ダメージの値が防御力未満の場合は今回のダメージは 0となる。
ダメージの値が防御力以上の場合はダメージすべてがウイルスに対して与えられる。
- ターン中に与えられたダメージの累積値がウイルスのHPを超えた場合、そのウイルスは破壊される。
● レベルについて
- プレイヤーとウイルス・チップカードにはレベルの概念が存在する。
- プレイヤーのレベルは HP(ヒットポイント)に対応しており、HPの減少に伴いレベルが上昇する。
レベルとヒットポイントの対応関係は次の通り。
- レベル1: HP 110以上
- レベル2: HP 100 ~ 60
- レベル3: HP 50以下
- ウイルス・チップの各カードは、カードレベルが現在のプレイヤーレベルより低い場合にのみ使用できる。
- ウイルスカードは独自能力としてレベルアップ機能を持つが、この能力はプレイヤーレベルを一切考慮せず使用することができる。
● マスの破壊について
- エリア内の各マスは、カードの効果により破壊される場合がある。
- マスを破壊した場合、そのマスに破壊マーカーが配置される。
破壊マーカーは、マスを破壊したプレイヤーのデッキの一番上のカード 1枚を裏向きで配置することで表される。
- 破壊されたマスへは移動できない。
- 破壊されたマスが(“ランドリセット”などの効果で)修復された場合は、破壊マーカーは捨て札となる。
● エリアの移動について
- 場の中での自分と相手のエリアの範囲は、ゲーム中逐次変化する。
- 双方のエリアの範囲は、それぞれのデッキを勢力圏表示マーカーとして境界部分に配置することで表示される。
- エリアの範囲が(“エリアスチール”などの効果で)変更された場合は、勢力圏表示マーカーを新たな境界部分に移動すること。
※基本的に勢力範囲は、列単位で変更される。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ ナビカード (配置条件なし)
- プレイヤーの所有する多目的電脳人格プログラム、通称“ネットナビ”。いわゆる電子秘書だが自意識を持っている。
- 本ゲームにおいては、プレイヤーの代理として電脳世界での戦い(ネットバトル)を実行する。
- ウイルスカードとあわせて、場においては“キャラ”として扱う。
- 自分の空いているマスに配置され、以降は自分のエリア内を任意に移動できる。
- 攻撃力の値と固有の能力を持ち、カードの能力として相手キャラに対して攻撃力分のダメージを与えることができる。
※カードによっては攻撃以外の能力を持つ場合もある。
- ウイルスカードと異なり進化できないが、スタイルカードやチップカードを使用することができる。
- 受けたダメージはナビではなくプレイヤーに直接適用されるため、ダメージは蓄積しない。
○ ウイルスカード (レベルによる配置条件が存在)
- 戦闘用の自立プログラム。ネットナビほどではないが単純な自意識を持っている。
- ナビカードとあわせて、場においては“キャラ”として扱う。
- レベルの値を持ち、配置条件として用いられる。
- 自分の空いているマスに配置され、以降は自分のエリア内を任意に移動できる。
- 攻撃力の値と固有の能力を持ち、カードの能力として相手キャラに対して攻撃力分のダメージを与えることができる。
- ナビカードと異なりスタイルカードやチップカードは使用できないが、別のウイルスに進化(レベルアップ)することができる。
- “レベルアップ”として、場に存在する進化前のウイルスカードを進化後のカードと交換することができる。
進化対象については、それぞれのカードの進化条件を参照すること。
- 防御力の値を持ち、受けたダメージを軽減する。ただし行動済みの状態のときは、防御力が記載値ではなく 0となる。
- HP(ヒットポイント)の値を持ち、値以上の蓄積ダメージを受けた時に破壊される。なおダメージはターン終了時に初期化される。
※プレイヤーの HPとは別概念である。
○ スタイルカード (配置条件なし)
- ネットナビが、現在の環境に適応するように自らの形態・性能を変化させる能力。
- 原作ではロックマンの特技であるが、本ゲームではロックマン以外のナビもスタイルチェンジを行うことができる。
- ナビカードに付けて使用し、ナビカードの能力を向上させる。
- 1体のナビに対し、ナビカードを 1枚つけることができる。
● 一時的に使用するカード
○ バトラーカード (使用条件なし)
- ネットナビを操作する人間のオペレーター。効果はさまざま。
- 本ゲームにおけるバトラーカードは、プレイヤーが直接とる行動や仲間の応援を意味する。
- 手札から直接使用し、使用後は捨て札となる。
○ チップカード (レベルによる使用条件が存在)
- ネットナビに使用させる使い捨ての武器プログラム。未使用時は“チップ”と呼ばれる外部記憶に保存されている。
- レベルの値を持ち、使用条件として用いられる。
- プレイヤーではなく、場に存在するナビがその効果を使用する(ウイルスは使用できない)。
- チップを使用とナビの行動は無関係。行動済みでもチップを使用できるし、チップを使用しても行動済みにならない。
- 事前にチップ置き場に裏向きに配置してき、使用する瞬間に表向きにする(使用後は捨て札となる)。
場の構成
- 永続カードは、エリアという空間に存在する。
- エリアは 3 * 6 の計 18個のマスに分割された共用空間を中心に構成される(上図がエリアの概略図)。
- エリアはゲーム開始時点では、中央部で自分のエリアと相手のエリアに分割されている(上図で下半分が、ゲーム開始時の自分のエリア)。
ゲームの進行によってこのエリアの勢力分布は逐次変化していく(通常はデッキを勢力圏表示マーカーとして兼用し、境目を表示する)。
- それぞれの勢力の大小は、カード配置(の余力)などに影響を与える。
- ゲーム開始時に、それぞれのエリアの中央部(上図で“自”と“敵”と書かれた部分)に、各自のナビを配置する。
- 各マスはカードの効果により破壊される場合がある。
- エリアのほかにも、チップカード置き場やHPゲージなど特定のカードを配置する空間がいくつか存在する。
- 永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は捨て札という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: バンダイ (カードガムはロッテ)
○ 発売開始: 2001年4月
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
|
パート1
| 2001/4
| 60
| スターター(32/800)、カードダス(4/100)
|
パート2
| 2001/7
| 42
| カードダス(4/100)
|
パート3
| 2002/4
| 48
| カードダス(4/100)
|
パート4
| 2002/7
| 42
| カードダス(4/100)
|
オペレーターズデッキ
| 2002/8
| 2種
| 構築済みスターター(32/800)
|
パート5
| 2002/11
| 49
| カードダス(4/100)
|
パート6
| 2003/1
| 48
| カードダス(4/100)
|
スターターセット3
| 2003/2
| 2種
| 構築済みスターター(32/800)
|
パート7
| 2003/3
| 56
| カードダス(4/100)
|
カードガム
| 2002/12
| 36
| 関連商品(1/60) ※1&2の再録版
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