ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『Mythos』のルール解説。
|
Mythos
The Cthulhu Collectable Card Game
Last Update 2021/6/19 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
複数対戦によるポイント獲得戦。プレイヤーは探索者となり、味方の協力を得ながら世界の謎の真相に近づく。
● 原作
ファンタジーホラー小説『クトゥルフ神話』関連。
● 世界設定
世界大戦が終了して間もない1920年代。世界は復興に邁進するもこれまでの常識が通じなくなり、人々は大きく振り回されていた。
そんな中、各地で小規模だが通常では起こりえない不可解な事件が頻発する。
そしてさまざまな立場の人間が、意図せずしてまだ見ぬ世界への扉を開けることになるのである。
● 本ゲームについて
大人気のホラー小説である、クトゥルフ神話の世界を再現するTCGです。
TRPGで名をはせた“正気度”の概念が本作にも存在し、プレイの進行に深く関わっています。
勝利するためには、アドベンチャーによる得点獲得と相手正気度の減少という 2つの手段を同時進行させていく必要があります。
基本構成
勝利条件
- ゲーム終了時に、探索者の正気度と解決したアドベンチャーの勝利ポイントの総合計が最も高い。
※最も高いプレイヤーが複数の場合は、アドベンチャーの値の合計が高い側の勝利(それも同値の場合は引き分け)。
ゲーム終了条件は、以下のとおり。
- いずれかのプレイヤーが使用する探索者の正気度が 0になる。
- いずれかのプレイヤーが獲得したアドベンチャーの勝利ポイントの合計が 20点以上になる。
事前準備
● 神話デッキ (1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 52枚以上。
- 構築条件:
探索者以外のカードで構成されていること。
同名カードはデッキに 4枚まで。ただし“Uniqueness Dot”を持つカードはそれぞれ 1枚まで。
● その他準備
○ 探索者カード: 任意の 1枚。
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ サイコロ: 通常の 6面ダイスを適当数。
○ 各種表示用カウンター: 適当数。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ: 正気度がプレイヤーライフに相当する。
※各探索者ごとに、開始時の値と最大値の 2項目が記載されている。
- 勝利ポイント: 獲得したアドベンチャーの値の合計値に、正気度を加えた物。
- 開始手札: 各探索者記載の補充手札枚数(通常は 13枚)。
なお上限は各探索者記載の終了時最大手札枚数(ラウンド終了時に調整有り、補充手札枚数よりも値が小さい)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(それぞれ同時に手札調整を行う)。
その他構成
● カードの行動表現
- カード正位置: 通常状態。
- カード横向き: 通常配置時(近隣移動中)のロケーション。1ラウンド経過した“神”。
- カード逆位置: ゲート使用時(モンスター配置後)のロケーション。
- カード裏向き: “神話の脅威”に配置されたカード。および探索者が使用した後の呪文。
● 基本構成細則
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 無し(捨て札を再使用。その際に正気度が 1だけ減少する)。
- 3人以上でのプレイ: 可能(2人以上の任意数)。
- 召喚酔い: 通常は無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理:
ロケーション、自軍ユニーク、後出し生存。
“神”およびアドベンチャー、自軍ユニーク、先出し生存。
- バトルはいずれかのプレイヤー同士による 1 対 1で行われる。
それぞれがいずれかの相手に対してモンスターによる攻撃を行い、相手が任意で味方による防御を行う。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれ自分の探索者カードを、探索者として任意の側で場に配置する。
- それぞれの神話デッキをシャッフルする。
全体の基本進行
ラウンドと呼ばれる手順を繰り返し、いずれかが終了条件を満たした時にゲーム終了。
ラウンド(1回の手順)の進行
○ ラウンドの開始
- それぞれ自分の手札が探索者の保有手札枚数ちょうどになるように、神話デッキからカードを引き手札に加える。
○ ターン(Turn)
- 現時点の正気度が最も低いプレイヤーから時計回り順で全員が、それぞれターンと呼ばれる処理を繰り返す。
この繰り返しは、一巡の間に複数のプレイヤーがパスを行った時点で終了となる。
※正気度が同じプレイヤーが複数いる場合は、その中で教育値が高いプレイヤーから順に行動する(それも同値ならサイコロなどで決定)。
※2人対戦の場合は、双方がパスした時点で終了となる。
各ターン(自分の手番)の処理
以下のいずれかの処理を 1つだけ行う。
- カードの使用: 手札からカード 1枚を場のそれぞれの指定位置に配置する。
※結合として、関連する複数のカードを同時使用することもできる。
- 移動の完了: 横向き(移動途中)のロケーションを正位置にすることで、そのロケーションが現在地となる。
- アーティファクトの使用: 場のアーティファクト 1つの効果を使用する。
- 呪文の使用: 表向きで配置されている呪文カード 1枚を使用する。
- カードの効果使用・アクション: ターン消費が必要な、カード効果の使用や行動などを行う。
- 裏向きカードの反転: 呪文以外の裏向きのカード 1枚を、表向きにする。
- パス: 何もしない。
○ コンバット(Combat)
● モンスターの派遣
- それぞれが以下の手順で、場のモンスターを対戦相手に対して派遣する。
※正気度が最も低いプレイヤーから時計回り順で、全員が行動する。
正気度が同じプレイヤーが複数いる場合は、その中で教育値が高いプレイヤーから順に行動する。
- 自分の脅威に存在するすべてのモンスターを、裏向きのままでいずれかの対戦相手に差し向ける。
※対戦相手が複数の場合は、任意の対戦相手に対してそれぞれを任意配分で割り振る。
※1人のプレイヤーに差し向けるモンスターの一群は、個別脅威(Directed Threat)と呼ばれる。
※例外的に派遣されないモンスターや、モンスターと共に派遣されるイベントなども存在する。
● 味方の派遣
- それぞれが以下の手順で、場の味方を対戦相手が差し向けてきたモンスターに対して派遣する。
※正気度が最も低いプレイヤーから時計回り順で、全員が以下の行動を任意で行う。
- 自分に対して差し向けられたモンスター群それぞれに対して、自分の味方を表向きで差し向ける。
※味方の派遣は任意。また複数の相手から差し向けられた時は、どれに対して派遣するかを任意配分で割り振る。
- 任意で魔力武器を装備している自分の味方を、表向きのまま自分が派遣した指定脅威に追加する。
※通常の味方と同じように、攻撃ではなく防御に割り当ててもよい。
● 呪文・アーティファクトの使用
- それぞれが任意で、このタイミングで使用可能な呪文やアーティファクトの効果を使用する。
● バトルの実施
- モンスターの派遣状況によって、今回行われるバトルの組み合わせが決定される。
バトルはモンスターの派遣側と派遣先の、両プレイヤー間による 1 対 1で行われる。
※お互いにモンスターを派遣しあった場合は 1つのバトルとして纏められ、どちらも派遣していないプレイヤー同士ではバトルが起きない。
つまり 2人対戦なら 0 ~ 1回、4人対戦なら 0 ~ 6回のバトルが行われることになる。
- それぞれのバトルを行う(後述)。
※バトルの順番は、正気度の低いプレイヤーが関わる物から順次解決していく。まず該当者が関わるバトルを任意順で処理していき、残りを次のプレイヤーが順次行う。
各バトルの処理
▽ モンスターの具現化
- それぞれ今回のバトルに派遣した個別脅威(のモンスターたち)を、すべて表向きにする。
- それぞれこの時点で使用されるモンスターの能力(可視/不可視の選択など)を発動する。
- それぞれ今回のモンスターに関連するイベントなどの効果を発動する。
※効果の発動順が問題になる時は、正気度の低い者から左隣へと順に解決される。
▽ コズミックバトル
- それぞれ今回のバトルに対して派遣したモンスターたちの能力値の合計に各種修正を加え、今回のバトルにおける能力値を算出する。
- それぞれの自分の個別脅威の能力値を合計し、その値をダメージ値として相手に与える。
- それぞれ相手から受けたダメージ値を、自分の個別脅威のモンスターたちに任意に割り振る。
※1体のモンスターに割り振れるのは、能力値の値分まで。割り振られきった時は息絶えた扱いとなる。
- 割り振れずに残った値が、それぞれの現時点での(人間界にあふれ出た)ダメージ値となる。
※特殊効果などを考慮しなければ、ダメージとして“合計値を比較した時の差分値”を値が低い側に与えることになる。
▽ 味方による防御
- それぞれ今回のバトルで防御を行う(個別脅威に派遣した)味方の能力値に各種修正を加え、今回のバトルにおける能力値を算出する。
- 今回のバトルをおこなうそれぞれの探索者がまったく同じ現在地(ロケーションカード)の場合は、互いに突撃が行われる。
これにより今回のバトルで防御を行う味方の能力値の合計が、相手に与える現時点のダメージ値にそれぞれ加えられる。
※要するに味方同士によるバトルが行われる。なお突撃は個別脅威への参加とは別概念であり、埋葬に直接は影響を与えない。
- それぞれ相手から受けた現時点のダメージ値を、防御している自分の味方に任意に割り振る。
※1体の味方に割り振れるのは、能力値の値分まで。
- 割り振れずに残った値が、それぞれの探索者へのダメージ値となる。
▽ 正気度喪失
- それぞれの自分の探索者の正気度を、現時点で自分が受けているダメージ値分だけ減少させる。
▽ 追加能力発動
- それぞれこの時点で健在なモンスターの追加能力を発動する。
▽ 埋葬
- 今回のバトルにおけるそれぞれの個別脅威(のモンスターたち)を、すべてそれぞれのストーリーデッキに埋葬する。
- 今回のバトルの中で、1点でもダメージ値を割り振られた味方を、すべてそれぞれのストーリーデッキに埋葬する。
- 今回のバトルが終了する。
● コンバットの終了
- それぞれがこのラウンドに配置した“神”が、すべて横向きになる。
それぞれの(前のラウンドに配置した)横向きの神が、すべて埋葬される。
○ ラウンドの終了
- ディスカード:
それぞれ自分の手札が探索者に記載された終了時最少手札枚数以上の場合は、任意枚数の手札を捨てる。
ただし捨てることで、必ず手札が終了時最少手札枚数と終了時最大手札枚数の範囲内に収まるようにしなければならない。
- フリップ: それぞれ自分の裏向きのカードをすべて表向きにする。
- 自発的ロボトミー: それぞれ任意で以下の処理を行う。
- 正気度を 1だけ減少し、自分の神話デッキと手札をすべて捨てる。
- (デッキと手札を加えた)捨て札をシャッフルし、新たな神話デッキとする。
- 手札としてデッキからカードを 1枚引く(終了時最少手札枚数より小さくても問題ない)。
- 再シャッフル: それぞれ任意で以下の処理を行う(自発的ロボトミーとは、手札の扱いが異なる)。
- 正気度を 1だけ減少し、自分の神話デッキをすべて捨てる。
- (デッキを加えた)捨て札をシャッフルし、新たな神話デッキとする。
- それぞれの裏向きで存在する呪文が、すべて表向きになる。
- 今回のラウンドが終了する。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール細則
● 正気度について
- 本作ではプレイヤーのライフ値として、探索者の正気度(Sanity)という値が存在する。
- 正気度は探索者が精神的どの程度耐えられるかを表した値で、カードの使用などで常に変化する。
- それぞれが使用する探索者カードに、ゲーム開始時の正気度の値が記載されている。
同じく正気度が増えてもそれ以上には上がらない、最大値も記載されている。
- 正気度はゲームの終了条件として使用され、いずれかの探索者の正気度が 0になった時点でゲーム終了となる。
- 一部のカードは右下部分に五角形のアイコンと、そこに記載された正気度の修正値の値を持つ。
カードを使用・配置した際に、記載の修正分だけ正気度の値が増減する(使用コストに近い概念となる)。
※赤い五角形は正気度を減少させ、緑は増加させる。黄色は呪文カード用。
※ロケーションカードは現在地となった時、呪文カードは効果発動時に修正が行われる。
● ストーリーデッキについて
- 本ゲームでは、探索者が行った行動がストーリーデッキとして蓄積される。
- ストーリーデッキは、ゲーム開始時のデッキ(神話デッキ)とは別の存在である。
探索者の日記や旅の思い出、あるいは行動ログのようなものである。
- ストーリーデッキは場の探索者の右上部分に、積み重ねる形で配置される。
この中で一番上のロケーション以外のカードは、場に存在してはいるが効果などは持たない(アクティブではない)存在として扱われる。
- ストーリーデッキの一番上が探索者が現在いる場所(現在地)となり、ロケーションが 1枚配置される。
- 使用によって“埋葬”されたカードは、ストーリーデッキの底に送られる。
※埋葬とカード破棄(捨て札に送られる)は、似ているが別の概念なので注意すること。
- ストーリーデッキを蓄積することで、アドベンチャーカードの獲得などの目的に使用される。
なおアドベンチャーカードの獲得するごとに、ストーリーデッキは一番上のロケーションを除いてすべて破棄される。
※報酬を得たことでこれまでの冒険が一旦終了し、改めて次の依頼や冒険に出向くことになる。
● 次元と現在地について
- 多くのカードには属性概念として次元(Dimension)が存在し、さまざまな場面で使用される。
- 次元は探索者がその時点で存在する世界を示し、以下の次元表示(Dimension Indicator)アイコンによって表される。
- 覚醒世界 (Waking World): アイコン指定無し。原作者であるラブクラフトがいた 1920年代の現実世界。
- ドリームランド (Dreamlands): 星アイコン。夢を通して移動する他の惑星や異世界など。
- ニューイオン (NewAEon): 原子アイコン。ラブクラフトから見た未来で、要するに現代(本作が登場した 20世紀末)。
- 次元は、主にロケーションや味方の配置などで参照される。
※次元表示の無いロケーションカードと味方カードは、特別な指定が無い限り覚醒世界にいるときにのみ配置できる。
※次元表示の無いロケーション・味方以外のカードは、どの次元にいても配置できる。
- ゲーム中の探索者は、常に(ゲーム的な意味で)いずれかの場所に存在している。この場所をそれぞれの現在地と呼ぶ。
- ゲーム開始時点のそれぞれの探索者は、日中(Day)の屋外(Outside)にいる扱いとなる。
そして何も無い状態で最初にロケーションカードを配置する時に限り、直接手札から正位置で配置できる。
- それぞれの現在地は、自分のストーリーデッキに新たなロケーションを配置することで変化する(その場所に移動したことになる)。
※ロケーションが横向きだったりストーリーデッキの一番上がロケーション以外の時は、移動中ということで屋外にいる扱いとなる。
- アーティファクトや味方なども、現在地に存在している(探索者が保有したり同行している)扱いとなる。
- ロケーションを新たに配置する際には、特定の移動手段を使わない限りは現在地の次元と同じ次元のカードのみを配置できる。
- 味方を新たに配置する際には、原則として現在地と同じ次元のカードのみを配置できる(どの次元でも配置できるカードも存在する)。
● 結合について
- 手札からカードを使用・配置する場合、通常はそれぞれを 1枚ずつ使用していく。
しかし結合として、複数のカードを同時使用することもできる。
- 結合は関連するカード同士によって行われる。
種類単位で決まっている組み合わせもあるし、カードごとに個別指定されている場合もある。
- 結合の主な例は以下の通り。
- 味方カードと武器のアーティファクトカードを同時に用いることで、武装させた味方を配置できる。
- 同一の呪文アイコンを持つ書物カードと呪文カードを同時に用いることで、呪文を装填した書物を配置できる。
- カードごとに指定されたモンスターカードを同時に用いることで、一度に大量のモンスターを配置できる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ 探索者(Investigator)カード
- プレイヤーの分身。場に探索者として配置される。
※基本的には一般人だが、異形生物の探索者も存在する。
- ゲーム開始時から最後まで場に配置され、プレイマット(の中心点)の役割も果たす。
- 両面仕様となっており、各面にそれぞれ異なる種類の探索者が記載されている。
ゲーム開始時に、どちらか一方の面の探索者を選んで使用する。
- 通常の 2倍のサイズのカードであり、通常カードとは仕様が異なる。
※宣伝チラシのような見た目をしており、二つ折りの状態でスターターに封入されている。
- さまざまなカードの置き場(の方向)が記載されており、ゲームにおけるすべての起点となる。
- 正気度(Sanity)の値が記載されており、プレイヤーの精神的な意味での生命力として使用される。
正気度はゲーム開始時の値と最大値の 2種類が記載されており、何らかの手段で回復しても最大値を超えることはできない。
- 教育(Education)の値と習得している言語の項目を持ち、さまざまな判定で使用される。
- ラウンド開始時の補充手札枚数が記載されており、開始時に手札の枚数がその値ちょうどになるようデッキからカードを引く。
※値は 13が基本であり、通常の探索者であれば補充によって手札が 13枚ちょうどとなる。
- ラウンド終了時の手札枚数の最大値と最小値(上限と下限)が記載されている。
ラウンド終了時の手札が最大値以上の場合、上限と下限の間の任意枚数になるように手札を捨てる必要がある。
- 固有の効果を持つカードも存在する(能力を持つ代わりにさまざまな値が低めとなる)。
○ ロケーション(Location)カード (一部に配置条件が存在)
- 探索者が存在する場所。場にロケーションとして配置される。
- デッキに入れて使用される。
- 現在地として、それぞれのストーリーデッキの一番上に表向きに配置される。
複数配置した場合は最後の 1枚のみが有効となり、残りはストーリーデッキの下に順次埋もれていく(過去に立ち寄った場所となる)。
- 次元表示(Dimension Indicator)アイコンを持つ場合があり、配置条件などに使用される(持たない場合は“覚醒世界”となる)。
- 地域の項目を持ち、配置条件などに使用される。
- 地理的な特徴などの副次要素を持ち、さまざまな場面で用いられる。アイコン化している物は以下の通り。
- 屋外 (Outside): 基本状態。目的地への移動中も屋外扱いとなる。
- 屋内 (Inside): 屋外とは排他関係となる。
- 水辺 (Water): 海や川など。
- 森林 (Forest): 郊外など。
- 墓地 (Cemetery): かなりの確率でゲートアイコンを持つ。
- ゲーム開始時点には配置されておらず、新たにロケーションを配置することでその場所に移動した扱いとなる。
※最初の配置については、(当初からその場にいたものとして)横向きではなく正位置で配置される。
- 他のカードの配置条件となる場合が多いため、他のカードより優先的に配置されることになる。
- 追加で配置するロケーションが現在地と同一次元かつ同一地域であれば、手札から横向きに配置される(近隣への手軽な移動となる)。
横向きの間は移動中として扱われ、1ターン消費して正位置にすることで追加分が新たな現在地となる(到着する)。
※同一次元同一地域かつ“都市(City)”同士での移動であれば、横向きにすることなく直接正位置で配置できる。
- 異なる次元・地域・島など特殊な場所への移動は、それぞれ個別の移動カード(旅行イベントなど)を使用することで行われる。
- 一部のカードはゲート(渦巻き模様)アイコンを持ち、モンスターの配置を行うことが出来る。
モンスターの配置に使用した場合、ゲート使用済みとして上下逆位置となる。
※現在地である時にのみゲートを使用できる。なおモンスター配置以外では、逆位置と正位置とで扱いの違いは無い。
○ 味方(Ally)カード (配置条件が存在)
- 探索の手伝いをする人間や友好的な生物など。場に味方として配置される。
- デッキに入れて使用される。
- 探索者の右側に任意数が配置される。配置後は探索者と同じ場所にいて、一緒に行動している扱いとなる。
- 通常は何らかの配置条件が記載されており、現在地となるロケーションが条件を満たしている時に配置できる。
- 能力値を持ち、バトルなどで使用される。何らかの効果で値が 0になった場合は、ストーリーデッキに埋葬される。
- バトルでまた防御に用いて、 1点でもダメージを割り振られた場合に埋葬される。
- 健全(Steadfast)か堕落(Corrupt)のどちらかの精神状態であり、一部カードの効果などで参照される。
- いずれかの言語を習得しており、習得言語で書かれている書物を読む(使用する)ことができる。
- 一部のカードは呪文を使用でき、呪文カードを装填して探索者の代わりに唱えることができる。
※呪文アイコンに関わらず、任意の呪文カードを 1枚だけ装填できる。
※呪文使用で探索者の正気度は減少しないが、使用した呪文カードはストーリーデッキに埋葬される。
○ アーティファクト(Artifact)カード
- 探索中に発見したさまざまな人工物。場にアーティファクトとして配置される。
- デッキに入れて使用される。
- 通常は探索者の左側に独立して任意数が配置される。ただし一部のカードは他のカードに付ける形で配置される。
- 通常はいずれかの効果を持つ。なお効果発動のタイミングはカードによって異なる。
※配置直後から効果を発揮するカードもあれば、効果発動に正気度の減少やターン消費が必要なカードも存在する。
- 一部のカードは呪文を使用でき、呪文カードを装填して探索者の代わりに唱えることができる。
※呪文アイコンに関わらず、任意の呪文カードを 1枚だけ装填できる。
※呪文使用で探索者の正気度は減少しないが、使用した呪文カードはストーリーデッキに埋葬される。
※ 武器(Weapon)
- アーティファクトカードの一種で、味方が装備するさまざまな武器。
- 場の味方に付ける(味方が装備する)形で配置される。ちなみに探索者は装備できない。
- 味方 1体につき、1枚だけ付けることができる。
- 能力の修正値を持ち、記載分だけ味方の能力値を強化する。
- 武器の一種として魔力武器(Enchanted Weapon)が存在する。魔力武器は以下の能力が追加される。
- バトルでの味方派遣時において、防御ではなく攻撃(個別脅威)に加えることができる。
※ただし脅威に加えた場合、バトル終了時に味方・魔力武器ともども埋葬される。
- バトルにおいて、通常は防御できない“不可視”のモンスターを防御できる。
○ 書物(Tome)カード (配置条件が存在)
- 探索中に発見した魔導書など。場に書物として配置される。
- デッキに入れて使用される。
- 以下の 2種類の配置条件が存在し、どちらも満たしている場合にのみ配置できる。
- 記載された場所に、探索者が存在する(現在地となるロケーションが、書物の条件を満たす)。
- 記載された言語を、探索者か味方のいずれかが読める(習得している)。
※図書館や書庫といった場所で入手する物であり、読めない書物を選んで持ち出すことは考えられない。
※配置された後は翻訳された扱いとなり、読める味方がいなくなっても使用することができる。
- 通常は探索者の左側に独立して任意数が配置される。ただし一部のカードは味方に保有(一体化)させることができる。
※呪文を装填している場合は、探索者ではなく味方がその呪文を使用する。
- 一部のカードは呪文アイコンを持ち、一致するアイコンの呪文を装填することができる。
また呪文を装填できる値が記載されており、指定値分の枚数の呪文カードを装填することができる。
※装填された呪文は、任意タイミングに使用することができる。
※結合使用することで、書物の配置時に条件を満たす呪文カードを 1枚だけ同時使用(書物に装填)できる。
※すでに配置された書物に対し、1ターン消費することで手札の条件を満たす呪文を装填させることができる。
- 書物に装填させた呪文は、探索者が任意に使用することができる。
※使用した呪文は裏向きとなり、表向きになるまでは再び使用できない。
○ モンスター(Monster)カード (配置条件が存在)
- 探索中にである異形の生物的な存在。場にモンスターとして配置される。
- 他のカードが基本的に自分が冒険で体験する内容であるのに対し、モンスターは対戦相手が体験する障害となる。
※モンスターに関する部分については、TRPG版におけるゲームキーパーの役割を担うことになる。
- デッキに入れて使用される。
- 現在地となるロケーションがゲートアイコンを持つ時に配置できる。
※各ロケーションともモンスター配置に使えるのは 1回だけであり、使用後は上下逆位置となる。
- 配置時は“神話の脅威”の一部として、探索者の左上部分に裏向きに任意数が配置される。
- バトルのために派遣した時に表向きとなり、相手探索者の正気度を下げるために使用される。バトル終了後は埋葬される。
- 能力値を持ち、バトルの際に使用される。
※ 旧支配者と外なる神(Great Old Ones, Outer Gods)
- モンスターの一種で、かつて邪神として崇められていた強大無比な存在。
- 旧支配者と外なる神はそれぞれ異なる存在である。
ただし本作では(探索者の立場からすれば)両者に違いは無く、一律で“神”として扱われる。
- 神はそれぞれの場に 1体だけ配置できる。
- 配置条件として複数のカードが指定されており、それらがすべて(ストーリーデッキ内を除く)自分の場に存在する時に配置できる。
- 配置時は神話の脅威の脇に表向きで配置され、即座に記載効果を発動する。
※表向きの存在であるため、アドベンチャーカードの使用条件として用いられる。
- 能力値の代わりに、護符としてエルダーサイン(旧神の印)が描かれている。
※バトルを考慮するレベルの存在ではないため値が無いのだが、本体そのものではなく影響力が具現化しただけだとも考えられる。
- 神は直接はバトルには関与せず、配置したラウンドのバトル終了時に横向き状態となって場に残る。
横向き状態の神は、次のラウンドのバトル終了時に埋葬される(つまり 2ラウンド存在し続ける)。
● 永続・一時的に使用するカード
○ イベント(Event)カード (コスト不要)
- ゲーム中に起きるさまざまな出来事。効果はさまざま。
- デッキに入れて使用される。
- カードによって使用法やタイミングなどが異なる。
※カードによって瞬間使用であったり、一定期間場に永続したりする。
- 他のカードと結合して使用することで、一度に複数の効果を発動できる場合もある。
- 同じイベントの効果は重複しない。また値を増減させる効果が同時発動した時は、必ず増加した後に減少される。
※ 旅行イベント(Travel Event)
- イベントカードの一種で、遠くに移動する手段。行き先はさまざま。
- ロケーションカードと組み合わせることで、これまでとは異なる場所への移動を可能とする。
- 使用した際に、ストーリーデッキの一番上に正位置で一時的に配置される。
※カードによっては、次のロケーションが配置されるまでの現在地として扱われるカードも存在する。
○ 呪文(Spell)カード (配置条件が存在)
- 探索者が途中で取得したさまざまな呪文。効果はさまざま。
- デッキに入れて使用される。
- いずれかの呪文アイコンを持ち、配置条件として使用される。
- 大抵は正気度の増減値が記載されており、探索者が使用した場合に正気度を増減させる。
- 使用するのに複数の手順が必要で、まずは何らかの器に装填という形で場に表側正位置で配置する必要がある。
装填は主に書物に対して行われるが、一部のアーティファクトや味方に行うこともできる。
※結合で同時使用した場合を除き、呪文カード 1枚を装填させるために 1ターンを消費する。
※書物に対する装填は、呪文アイコンが一致する場合にのみ行うことができる。
※一度に装填できる数には上限がある。特に記載が無い場合は、それぞれの対象に 1枚だけ装填できる。
- 装填された呪文は、使用可能なタイミングに任意に使用することができる。
使用する際は何に装填したか(誰が使用したか)が重要となり、使用時の処理が変化する。
- 独立配置されている書物に装填された呪文は探索者によって使用され、以下の処理が行われる。
- 使用時に、記載された正気度の増減が行われる。
- 使用した呪文は裏向きになり、ラウンド終了時に表向きになるまでは再び使用できない(場に残る)。
- アーティファクトに装填された呪文は(探索者の意志であっても)アーティファクト自身により使用され、以下の処理となる。
- 正気度の増減は行われない。
- 使用した呪文は埋葬され、ストーリーデッキの底に送られる。
- 味方に装填された呪文は味方によって使用され、以下の処理となる。
※味方が保有している書物に装填した場合も、味方が使用した扱いとなる。
- 正気度の増減は行われない。
- 使用した呪文は埋葬され、ストーリーデッキの底に送られる。
● 一時的に使用するカード
○ アドベンチャー(Adventure)カード (使用条件が存在)
- 探索者が調べている案件。場にアドベンチャーとして配置される。
- デッキに入れて使用される。
- このカードを獲得し、記載得点を貯めることが本ゲームの主要目標である。
- 使用することで“獲得されたアドベンチャー”置き場に配置され、得点となる。
- 勝利ポイントの値が記載されており、獲得された際に使用される。
- イラストを持たない文字のみのカードである。
- 一連の物語が記載されており、探索者が記載内容を忠実に再現することで使用できる。
つまり訪問地や遭遇者として数種のカード名が書かれており、自分の場に対象カードがすべて揃っていれば条件達成となる。
※自分の場の表向きカード(つまり神話の脅威は含まない)とストーリーデッキの中に存在するカードすべてが、判定の対象カードとなる。
※対象カードは直接のカード名ではなく、特徴などの副次要素で指定されている場合もある。
※判定部分は大文字で記載されている(さらに後期のカードは文字が強調されている)。
- 1回のゲーム中に、同一のアドベンチャーカードを複数獲得することはできない。
- アドベンチャーカードを獲得された時、獲得したプレイヤーは以下の処理を行う。
- 対象カードを獲得されたアドベンチャー置き場に配置し、勝利ポイントの獲得と正気度の増減を行う。
- 現在地となるロケーション 1枚以外のストーリーデッキを、すべて捨て札とする(これまでの冒険が終了する)。
- 捨て札を神話デッキに加えシャッフルし、新たな神話デッキとする(ここでは正気度が減少しないことに注意)。
場の構成
| | | |
| 神話の脅威 | ストーリーデッキ | |
書物人工物 | 探索者 | 味方 |
| 獲得されたアドベンチャー | |
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- 場は共用のプレイ部分とそれぞれの場に大別される。
それぞれの場は配置した探索者が起点となり、他のカードは探索者に記載された位置に配置される(上図は一人分の場の構成図)。
- 攻撃に使用したカードや使用したイベントは、埋葬という形でストーリーデッキという空間に集められる。
ストーリーデッキには表向きにカードが積まれ、使用したカードはデッキの底に送られる。
ストーリーデッキの一番上には、探索者の現在地としてロケーションが配置される。
- 神話の脅威には、モンスターカードなどが裏向きに配置される。
ここから他のプレイヤーに対しての攻撃が行われる。
- 条件を満たして獲得されたアドベンチャーカードは、場に付随する専用の置き場に配置される。
※探索者で置き場を指定されているが、“獲得されたアドベンチャー”は場から独立した空間となる。
- ストーリーデッキの廃棄や手札調整などでの破棄は、捨て札という空間に集められる。
- 獲得されたアドベンチャー・ストーリーデッキ・捨て札は、それぞれ異なる空間である。カードの使用後は行先に注意すること。
商品情報
● メーカー: Chaosium
○ 発売開始: 1996年
- ○ ラインナップ
-
- 基本セット
- Expeditions of Miskatonic University
- Cthulhu Rising
- Legend of the Necronomicon
- Dreamlands
- New Aeon
Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
◆ Back ◆