ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『Call of Cthulhu』のルール解説。
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Call of Cthulhu Collectible Card Game
クトゥルフの呼び声
Last Update 2021/1/23 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるポイント獲得戦。プレイヤーはホラー作家となり、魅力的なキャラクターを出演させて相手より多くのストーリー執筆を物にする。
● 原作
ファンタジーホラー小説『クトゥルフ神話』関連。
● 世界設定
とあるホラー・ファンタジー関連の出版社。いまここでは“クトゥルフ神話アンソロジー”の出版を計画していた。
掲載内容は全 10話で各話のテーマは決定済みだが、それぞれを誰にどれだけ執筆依頼するかは現在検討中、できれば執筆意欲旺盛な新鋭作家にとりくんでもらいたい。
そこで編集部は、複数の作家にテーマに沿った作品を提出してもらい、その中からもっとも優れた作品の掲載を決定したのであった。
● 本ゲームについて
一部に熱狂的なファン(信者?)を持つ、クトゥルフ神話のTCGです。同一テーマの『Mythos』と比べて、競技性を重視した作品です。
なお本作においてプレイヤーは「我先に 3つの世界の物語を獲得する」ことを目的とします。
ただ目的意図がいまいち釈然としないので、本ページではあえて出版社という要素を加えての独自解釈を行います。
すなわち「我先に 3つの物語の執筆権を獲得する」というニュアンスで説明させていただきます。
基本構成
勝利条件
- 先に 3つのストーリーを獲得する(その瞬間)。
※各ストーリーは、それぞれ成功トークンを(相手より先に) 5つ乗せることで獲得される。
- 相手のデッキが尽きる(その瞬間)。
事前準備
● デッキ (1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 47枚以上(ドメインカードと併せて 50枚以上)。
- 構築条件:
キャラクター・サポート・イベントカードで構成されていること。
同名カードはデッキに 4枚まで。
※あらかじめ使用するストーリーデッキの内容を確認したうえで、デッキを構築することが望ましい。
● ストーリーデッキ (全員で共用する補助デッキ)
- デッキ枚数: 10枚ちょうど。
- 構築条件:
ストーリーカードのみで構成されていること。
いずれかのスターターに内容固定で封入されている 10枚一組のカードセットを、そのまま使用する(同一カードは各 1枚まで)。
※カード構成はエディション単位で決まっているので、どのセットを使用するかは事前に協議しておくこと。
● その他準備
○ ドメインカード: 各 3枚ずつ。
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ 各種表示用カウンター: ドメインの使用済みカウンターや負傷表示カウンターなどを適当数。
○ 成功トークン: おはじき状の物を適当数(各 15個程度、対戦相手との区別が付く物が望ましい)。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 勝利ポイント (獲得ストーリーカード): 0枚。以後蓄積する。
- 開始手札: 5枚(+3枚分のリソース)。上限は無し。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 有り(先攻が 1ターン目に引くカードは 1枚のみ。さらに 1ターン目にはストーリーフェイズを行わない)。
その他構成
● カードの行動表現
- カード表・縦向き: 通常状態(Ready)。
- カード表・横向き: 消耗状態(Exhausted)。
- カード表・逆位置: リソースとして配置状態。
- カード裏向き: 錯乱状態(Insane)。
● 基本構成細則
- ディスカード: 無し。
- ライブラリアウト: 有り(勝利条件に関係)。
- 3人以上でのプレイ: 可能(多人数用ルールが別途存在)。
- 召喚酔い: 無し(配置時に通常状態)。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 有り(負傷カウンターで表示)。
- ユニーク処理: “ユニークカード”自軍ユニーク、先出し生存。
- 対決はストーリー獲得作業の一環として発生する場合がある。
ゲームの流れ
開始準備
- 今回のストーリーデッキを確認し、それに応じたデッキをそれぞれ用意する。
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- ストーリーデッキをシャッフルする。
- ストーリーデッキから 3枚のカードが引かれ、それぞれ表向きに場に配置される。
- それぞれ自分のドメインカード 3枚を、ドメインとして場に配置する。
- それぞれ自分のデッキより手札としてカードを 8枚引く。
- それぞれ自分の手札から任意の 3枚を、リソースとしてそれぞれのドメインに配置する。
- 先攻・後攻を決定する。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ リフレッシュ(Refresh)フェイズ
- 自分の消耗状態のカードを、すべて通常状態にする。
- 自分の錯乱状態のカードから任意の 1枚を、消耗状態にする。
- 自分のドメインから使用済みカウンターをすべて取り除き、未使用状態にする。
○ ドロー(Draw)フェイズ
○ リソース(Resource)フェイズ
- 任意で自分の手札のカード 1枚を、リソースとして自分のいずれかのドメインに配置する。
○ オペレーション(Operations)フェイズ
- 任意で手札のキャラクターカードやサポートカードを自分の場に配置する。
○ ストーリー(Story)フェイズ
- ターンプレイヤーが任意で、自分の場のキャラクターを場のストーリーに派遣する。派遣方法は以下の通り。
- 準備状態のキャラクターのみ派遣することができ、派遣することで消耗状態となる。
- それぞれ場のストーリーのいずれか 1つに派遣できる。
- 各ストーリーとも、複数のキャラクターを派遣できる。
- 派遣は任意であり、すべてのキャラクターを派遣する必要は無い。
- 相手プレイヤーが任意で、自分の場のキャラクターを場のストーリーに派遣する。
※ターンプレイヤー側の処理に準ずるが、相手側は解決ではなく解決の妨害が主目的となる。
- いずれかのキャラクターが派遣されたストーリーごとに、以下のストーリー獲得を試みる。
※解決順はターンプレイヤーが任意に選択する。)
各ストーリーの解決処理
▽ 恐怖対決
- ストーリーが持つ(追加アイコン分を含む)“恐怖”の対決アイコンの個数分だけ、以下の処理を行う。
- それぞれが対象のイベントに派遣した現存する自分のキャラクターが持つ恐怖の能力アイコンの合計数を算出する。
その値に各種修正を加え、今回の対決における数値を算出する。
- それぞれの対決数値を比較し、値が高い側が対決に勝利する(同値は引き分けで、勝ち負けなし)。
- 対決に“敗北”した側が、以下の処理を行う。
- 対象のストーリーに派遣した自分のキャラクターの中で、恐怖の能力アイコンを持たないいずれか 1体を錯乱状態にする。
※錯乱状態になったキャラクターは、回復するまで何もできない(以降派遣していないのと同じ扱いとなる)。
※恐怖の能力アイコンまたはウィルパワー能力を持つキャラクターは対象外。全員が持っている場合は、何も起こらない。
▽ 戦闘対決
- ストーリーが持つ“戦闘”の対決アイコンの個数分だけ、以下の処理を行う。
- それぞれが戦闘の能力アイコンの合計に各種修正を加え、今回の対決における数値を算出する(恐怖対決に準ずる)。
- それぞれの対決数値を比較し、値が高い側が対決に勝利する。
- 対決に“敗北”した側が、以下の処理を行う。
- 対象のストーリーに派遣した自分のキャラクターの中で、いずれか 1体に負傷カウンターを 1つ乗せる。
- タフネス値以上の負傷カウンターが乗ったキャラクターは、破壊される。
※特に記載が無い場合、キャラクターは一律で 1のタフネスとなる。
※不死能力を持つキャラクターは対象外。全員が持っている場合は、何も起こらない。
▽ 神秘術対決
- ストーリーが持つ“神秘術”の対決アイコンの個数分だけ、以下の処理を行う。
- それぞれが神秘術の能力アイコンの合計に各種修正を加え、今回の対決における数値を算出する。
- それぞれの対決数値を比較し、値が高い側が対決に勝利する。
- 対決に“勝利”した側が、以下の処理を行う。
- 対象のストーリーに派遣した自分のキャラクターの中で、消耗状態のいずれか 1体を通常状態にする。
▽ 捜査対決
- ストーリーが持つ“捜査”の対決アイコンの個数分だけ、以下の処理を行う。
- それぞれが捜査の能力アイコンの合計に各種修正を加え、今回の対決における数値を算出する。
- それぞれの対決数値を比較し、値が高い側が対決に勝利する。
- 対決に“勝利”した側は、“ストーリーの解決”に成功する。そして以下の処理を行う。
※相手プレイヤーも成功させることができる。
- そのストーリーに、自分の成功トークンを 1つ乗せる。
- 以降の処理を飛ばし、“解決処理の終了”の処理に進む。
▽ 成功判定
- それぞれが対象のイベントに派遣した現存する自分のキャラクターが持つスキルの値の合計数を算出する。
その値に各種修正を加え、今回のストーリーにおける判定値を算出する。
- それぞれの判定値を比較し、ターンプレイヤー側の値が 1以上かつ相手側よりも値が高い場合に、ストーリーの解決に成功する。
※同値以下の場合は失敗。ここではターンプレイヤーのみ成功させることができる。
- ストーリーの解決を成功させた場合、ストーリーに自分の成功トークンを 1つ乗せる。
▽ 解決処理の終了
- 対象のストーリーに自分の成功トークンが 5つ乗っている場合、そのプレイヤーが対象ストーリーを獲得する。
※カード効果などで双方が同時に獲得できてしまう場合は、ターンプレイヤー側が獲得する。
- いずれかのプレイヤーがストーリーを獲得した場合、以下の処理を行う。
- 任意でそのストーリーの記載効果を発動する。
- そのストーリーを獲得する(自分の獲得ストーリーの置き場に移動させる)。
- ストーリーデッキからカードを 1枚引き、新たなストーリーとして獲得されたストーリーがあった位置に配置する。
- そのストーリーに派遣しているそれぞれのキャラクターの派遣が終了となる。
- そのストーリーに乗せられている成功トークンをすべて取り除く。
- ストーリーの解決処理が終了する。
○ ターン終了
- それぞれストーリーに派遣していたキャラクターを、すべて自分の場に戻す。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール細則
● 派閥について
- ほとんどのカードには属性概念として派閥が存在し、さまざまな場面で使用される。
- 派閥は以下の 7種類が存在する。また中立(無派閥)のカードも存在する。
- 水: エージェント、警察アイコン。
- 橙: ミスカトニック大学、巻物アイコン。
- 茶: シンジケート、組織の紋章? アイコン。
- 緑: クトゥルフ、蛸アイコン。
- 黄: ハスター、イエローサイン(ハスターの印)アイコン。
- 紫: ヨグ=ソトース、鍵アイコン。
- 赤: シュブ=ニグラス、牛アイコン。
● リソースとコストについて
- デッキに入るカードには、本来の役割とは別にコスト概念であるリソースとしての役割が存在する。
- 手札のカードを、3か所あるドメインのいずれかの下側に配置することでリソースとなる。
なお配置時は表・上下逆位置にして、カード下面の派閥(ドメインアイコン)が見えるようにずらして表向きに重ねていく。
- リソースは 1つのドメインに、何枚でも配置することができる。
- 手札のカードを本来の目的で使用・配置する際には、コストを支払う必要がある。
- コストは、自分の場にある未使用のドメインいずれか 1つを使用済みにする(カウンターを乗せる)ことで支払われる。
ただしドメインが以下の条件をすべて満たす必要がある。
- 対象のコストの値以上の枚数のリソースが付いている。
- リソース内に対象の派閥と一致する派閥が 1つ以上存在する(リソースマッチする)。
- 使用したドメインには使用済みカウンターが乗せられる。このカウンターは自ターン開始時に取り除かれる(未使用状態となる)。
- カード 1枚の使用・配置につき使用するのはドメイン 1つのみ。複数ドメインを同時使用することはできない。
- コスト 0のカードは、ドメインを使用しなくても使用・配置ができる。
- 派閥が中立のカードは、コストの値分のリソースさえ付いていれば支払うことができる。
- コスト支払いの時に要求値よりもリソース数のほうが多くても、過剰分は無視される。
- “忠誠”の効果を持つカードは、コストの値分の枚数だけリソース内に対象の派閥と一致する派閥のカードが必要となる。
● 対決について
- ストーリーを解決する際には、双方のプレイヤーが解決する権利をかけての対決が行われる。
- 対決は以下の 4種類が存在し、それぞれアイコンの形で指定されている。
- 触手: 恐怖対決。敗者側のキャラクター 1体が錯乱状態となる可能性がある。
- 骸骨: 戦闘対決。敗者側のキャラクター 1体が負傷する。
- 本: 神秘術(アルカナ)対決。勝者側のキャラクター 1体の消耗状態が回復する。
- ルーペ: 捜査操作。通常の手段を経る前にストーリーを解決できる。
- ストーリーカードには一定数の対決アイコンが存在し、記載された種類の対決のみが行われる。
※通常は上記 4種の対決アイコンが、それぞれひとつづつ記載されている。
- 一部のカードは、ストーリーに対決を追加する追加アイコンを持つ。
対決の追加は、サポート配置やキャラクター派遣によって各ストーリーごとに行われる。
1つのストーリー上に追加アイコンが存在する場合、本来の対決に加えてアイコンで追加された対決も行われる。
※つまりストーリーが持っている対決 1種と同じアイコンが 2つ追加されたならば、その対決を 3回連続で行うことになる。
- 基本的に対決はストーリーの解決そのものではなく、解決のための障害排除として行われる(捜査対決は例外)。
- それぞれの対決は、各ストーリーに派遣されたそれぞれのキャラクター群同士により行われる。
- キャラクターカードには、能力アイコンとして対決アイコンと同じ形のアイコンが一定数だけ記載いる。
それぞれの対決は、対決と同じ種類の能力アイコンの個数の合計値による大小比較で行われる。
- キャラクターによっては能力アイコンと追加アイコンの両方を持っている。
それぞれは同じ形のアイコンであるが別の概念であある。両者を混同しないよう注意すること。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ ストーリー(Story)カード (コスト不要)
- 神話学者やホラーファンが収集している怪異な話。
- “ストーリー”という単語ではあまりに漠然としているので、当ページでは以下のように独自解釈する。
「全10話で構成されるクトゥルフアンソロジーの、それぞれのお題。」
- 通常のデッキとは独立した存在として、ストーリーデッキに入れられて全員で共用される。
- 各エディションごとに 10種類ずつ存在し、それぞれを投入した 10枚を一組として使用する。
- 各エディションごとに内容が異なるため、どの組(エディション)を用いるかはあらかじめ決めておくこと。
- ゲーム中は、場に常時 3枚分のストーリーが配置される。
いずれかのプレイヤーがストーリーを獲得した場合、ストーリーデッキから次のストーリーが即座に補充される。
- 配置されたストーリーは、成功トークンを先に 5つ配置することで獲得することができる。
ストーリーを 3枚分獲得することが、本ゲームの基本的な勝利条件となる。
- いずれかの対決アイコンを持ち、獲得処理の際に記載された種類の対決が行われる。
- 一部のカードは固有の能力を持ち、獲得された時に記載効果を発動する。
○ ドメイン(Domain)カード (コスト不要)
- コスト支払い用に蓄積したカードを配置するための表示用カード。
- デッキとは別に用意され、ゲーム開始時から終了時までそれぞれ 3枚ずつ配置される。
- ドメイン自体はカードと言うよりは配置位置を示すマーカーに相当し、能力値などは記載されていない。
○ キャラクター(Character)カード (コスト必要)
- ストーリーに登場する人物たち。ただし人間とは限らない。
- デッキに入れて使用され、場にキャラクターとして配置される。
- 一定個数の戦闘アイコンを持ち、ストーリー解決における対決の際に使用される。
能力アイコンはいずれかの対決に対応しており、保有するアイコンの種類や個数などはそれぞれで異なる。
- スキルの値を持ち、各種判定において使用される。
- 擬似的な値としてタフネスの項目を持つ。特に記載が無い場合、タフネスの値は 1となる。
- 戦闘によってタフネス値以上の負傷カウンターを乗せられた時(つまり通常は 1つ乗った時点で)破壊される。このカウンターは蓄積する。
○ サポート(Support)カード (コスト必要)
- キャラクターが使用するさまざまな施設や小道具。
- デッキに入れて使用される。
- ロケーション・アイテム・書物・車両・アタッチメント などさまざまな種類が存在する。
場に直接配置するか他のカード(キャラクターなど)に付ける形で配置するかどうかは、カードにより異なる。
- 基本的にいずれかのカード効果で取り除かない限りは、場に永続する。
ただし他のカードに付けるタイプのカードは、付いている対象が場を離れる時に一緒に場を離れる(捨て札となる)。
● 瞬間的に使用するカード
○ イベント(Event)カード (コスト必要)
- ストーリーの中で起こるさまざまな出来事。効果はさまざま。
- デッキに入れて使用される。
- 指定されたタイミングに手札から使用し、使用後は捨て札となる。
場の構成
地 | 地 | 地 | 相手ドメイン |
場所 | 相手の場 |
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話 | | 話 | | 話 | ストーリー |
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場所 | 自分の場 |
地 | 地 | 地 | 自分ドメイン |
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- 場はそれぞれの場と、共用空間である 3枚分のストーリーに大別される(上図は場の構成図)。
- それぞれの場に付随して、3か所のドメインが存在する。各ドメインにはリソースが蓄積される。
- キャラクターはそれぞれの場に配置され、獲得のためにいずれかのストーリーに派遣される。
- 場とは別に、それぞれが獲得したストーリーの置き場などが存在する。
- 永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は捨て札という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: Fantasy Flight Games
○ 発売開始: 2004年7月
- ○ ラインナップ
-
- Arkham Edition(基本セット)
- Unspeakable Tales
- Forbidden Relics
- Eldritch Edition
- Masks of Nyarlathotep
- Forgotten Cities
- Dunwich Horror
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