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トレーディングカードゲーム『The Lord of the Rings(ザ ロード オブ ザ リング)』のルール解説。
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The Lord of the Rings Trading Card Game
ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)
Last Update 2022/3/19 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
複数対戦による陣地到達競争。プレイヤーは“旅の仲間”となり、友を引き連れて指輪を処分する旅を遂行する。
● 原作
ファンタジー小説『指輪物語』。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ。
● 世界設定
絶大な力と危険な誘惑を併せ持つ“一つの指輪”。
その力が悪用されぬよう、滅びの谷に捨ててしまうことを決断したフロドとその一行。
指輪奪還をもくろむ冥王サウロンの追手が迫る中、わずかな仲間と共に壮大な旅に挑むのであった。
● 本ゲームについて
劇場版の指輪物語を取り扱ったTCGです。
壮大な物語の中で、今回は主役となる指輪の運び手に焦点を当てた作品となっています。
特徴としてはプレイヤーそれぞれが、パラレルな関係で“指輪の運び手”を演じていること。
要はプレイヤー 1人でゲームマスターに挑む冒険ゲームを、交互に演じつつ攻略スピードを競うシステムになっています。
基本構成
勝利条件
- 自分の“旅の仲間”がサイト番号 9のサイトに到達し、かつ“指輪所持者”となっているキャラクターが生き延びた状態で衝突フェイズすべてを終了する。
- 対戦相手がすべてゲームから脱落する。それぞれが脱落する条件は以下のとおり。
- 自分の“指輪所持者”が死亡し、引き継ぐことができない。
- 自分の“指輪所持者”が堕落し、引き継ぐことができない。
事前準備
● ドローデッキ(Draw Deck: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 61枚以上(指輪所持者となる 1枚 + 60枚以上の偶数)。
- 構築条件:
フォーマットで指定されたセットのカードで構成されていること。
“一つの指輪およびサイトカード”以外のカードで構成されていること。
同名カードはデッキに 4枚まで。
指輪所持者用に、抵抗アイコンか指輪アイコンを持つコンパニオンカードが 1枚以上投入されていること。
指輪所持者となるカード 1枚を取り除いた状態で、“自由の民”のカードと“影の軍勢”カードの枚数が同数となること。
※ルール記載では指輪所持者がデッキ外扱いとなっている。ただし大会によっては対戦ごとの所持者入れ替えも可能なので、ここでは纏めた状態で記述する。
● アドベンチャーデッキ(Adventure Deck: 1人分の補助デッキ)
- デッキ枚数: 9枚ちょうど。
- 構築条件:
フォーマットで指定されたセットのカードで構成されていること。
サイトカードで構築されていること。
同一カードはデッキに 1枚まで。
初期フォーマットの場合は、カードの記載サイト番号が 1 ~ 9まですべて揃っていること。
※カードが混じるため、それぞれ相手とは異なる柄のスリーブを使用することが望ましい。
※アドベンチャーデッキは第二の手札概念として、本人のみ確認できる状態でそれぞれの場のそばに裏向き配置される。
● その他準備
○ 一つの指輪カード: それぞれ任意の 1枚。
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ プレイヤーマーカー: 他のプレイヤーと区別がつきサイトカードの上に乗せられる物を、それぞれ 1個。
○ 傷トークン: おはじき状の物を適当数。できれば赤色が望ましい。
○ 重圧トークン: おはじき状の物を適当数。黒または他と区別できる物が望ましい。
○ 黄昏トークン: 共有でおはじき状の物を適当数。できれば黒色が望ましい。
○ 各種表示用トークン: おはじき状の物を適当数。他と区別できる物が望ましい。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ: 無し。
- 開始手札: 8枚。上限も 8枚(各ターンごとに調整有り)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(先攻の 1ターン目から再編成が行われる)。
その他構成
● 基本構成細則
- カードの行動表現: 無し。
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 無し(そのまま続行)。
- 3人以上でのプレイ: 可能。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 有り。
- ユニーク処理: カード名の頭に“・”を持つカード、自軍ユニーク、先出し生存(キャラクターは死者置き場にいる分を含む)。
- キャラクターの攻撃は常に対立属性のキャラクターを対象とし、影の軍勢プレイヤー側から順に 1 対 1で割り当てていく。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれ今回のフォーマットを確認し、それに対応したデッキ群を用意する。
- 以下の方法で先攻・後攻を決定する。
- それぞれ自分の初期重圧として、相手に見えないようにして任意数の重圧トークンを入札する(0個でもかまわない)。
- 全員が同時に、自分が入札した重圧トークンを公開する。
- 重圧トークンの数が最も多いプレイヤーが、自分のプレイ順を決定する。
※同値の場合は重圧トークンはそのままで、順番は別の方法で決めること。
※多人数プレイでは多い順から自分の順番をそれぞれ決めていく。そして時計回りの順番になるように車座になる。
- それぞれ自分のアドベンチャーデッキを、第二の手札扱いで場のそばに裏向きで配置する。
- 先攻(最初)のプレイヤーが、以下の方法でアドベンチャーパスを作成する。
- 初期フォーマット:
- 自分のアドベンチャーデッキから、サイト番号 1のサイトカードを選ぶ。
- 選んだカードを、アドベンチャーパスの 1枚目となる“サイト 1”として場に配置する。
- 後期フォーマット:
- 自分のアドベンチャーデッキから、任意のサイトカード 1枚を選ぶ。
- 選んだカードを、アドベンチャーパスの 1枚目となる“サイト 1”として場に配置する。
- それぞれ自分のプレイヤーマーカーを、アドベンチャーパスのサイト 1の上に配置する。
- 以下の方法で、それぞれのスタート時の“旅の仲間”を配置する。
- 自分のドローデッキから、抵抗・指輪アイコンを持つ任意のコンパニオンカード 1枚を選ぶ。
選んだカードを旅の仲間スタート時(の中の指輪所持者)として場に配置する。
- 指輪所持者の下に、一つの指輪カードを自分の“一つの指輪”として配置する。
配置する際は、指輪の内容が確認できるように少しずらして配置すること。
- 指輪所持者に、先ほど入札した分の重圧トークンを重圧として配置する。
- 自分のドローデッキから任意でコンパニオンカードを、黄昏コストが 4以下となる範囲内で選ぶ。
選んだコンパニオンカードを、場の旅の仲間スタート時に追加配置する。
- それぞれのドローデッキをシャッフルする。
- それぞれ自分のドローデッキから、手札としてカードを 8枚引く。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、いずれかが勝利条件を満たした時にゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ 旅の仲間(Fellowship)フェイズ
- 黄昏プールを空にする(共用空間である黄昏プールから、すべての黄昏トークンを取り除く)。
- 旅の仲間が聖域(サイト 3 またはサイト 6)にいる場合、任意でコンパニオンの傷を 5つ分まで治療する(傷トークンを取り除く)。
- 任意で以下の旅の仲間アクションを行う。
※旅の仲間アクションでドローデッキからカードを引く場合、1ターンに合計で 4枚までとなる。
- 手札から自由の民のコンパニオンカード 1枚を、コンパニオンとして場の“旅の仲間”に追加配置する。
※ただし配置できるコンパニオンカードは、自分の場と死者置き場にいる数を合計して 9枚までとなる。
- 手札から自由の民のアリーカード 1枚を、アリーとして場のサポートエリアに配置する。
- 手札から自由の民のポゼッションカード 1枚を、ポゼッションとして場のいずれかのキャラクターに付ける形で配置する。
- 手札から自由の民のアーティファクトカード 1枚を、アーティファクトとして場のいずれかのキャラクターに付ける形で配置する。
- 手札から自由の民のフォロワーカード 1枚を、フォロワーとして場のサポートエリアに配置する。
- 手札から自由の民のコンディションカード 1枚を、コンディションとして場のサポートエリアに配置する。
- 手札からこのタイミングで使用できるイベントカード 1枚を使用する。
- 場のカードのこのタイミングで使用できる能力 1つを使用する。
- “破棄による治療”として自分のユニークなコンパニオン・アリーの傷 1つを、手札から同タイトルカードを捨てることで治療する。
○ 旅の仲間の移動
- 以下の方法で、旅の仲間の移動を行う。
- ターンプレイヤーのプレイヤーマーカーが、カードが配置されている中で番号が最大のサイトにいる場合、以下の方法で新規サイトの配置を行う。
- 初期フォーマット:
- 相手プレイヤーが自分のアドベンチャーデッキから、現在の最新サイト番号の次の番号のサイトカードを選ぶ。
※多人数戦の場合は、配置前時点で最新のサイトに記載された(ターンプレイヤーから見ての)矢印側のプレイヤーが行う。
- 相手は選んだカードを、次のサイト番号のサイトとしてアドベンチャーパスに追加配置する。
- 後期フォーマット:
- 相手プレイヤーが自分のアドベンチャーデッキから、任意のカードを 1枚選ぶ。
- 相手は選んだカードを、次のサイト番号を持つサイトとしてアドベンチャーパスに追加配置する。
※既に配置されているサイトカードと同一カードであってもかまなわい(それぞれ同名の別サイトとして扱われる)。
- ターンプレイヤーのプレイヤーマーカーを、現在いるサイトから次の番号のサイトに 1マス分移動させる。
- それぞれがこのタイミングで使用できるカードや効果などを任意で使用する。
- 以下の値の合計分だけの黄昏トークンが、黄昏プールに補充される。
- 移動先のサイトに記載されているシャドウ番号。
- 後期フォーマットのみ: サイト番号が 4 ~ 6の時は追加で 3、7 ~ 9の時は追加で 6。
- 自分の旅の仲間にいるコンパニオンの数。
○ 影の軍勢(Shadow)フェイズ
※多人数戦の場合は、ターンプレイヤーの右側のプレイヤーから反時計回り順で、“影の軍勢フェイズ”をそれぞれ 1回ずつ行う。
- 相手プレイヤーが、任意で以下の影の軍勢アクションを行う。
- 手札から影の軍勢のミニオンカード 1枚を、ミニオンとして場に配置する。
- 手札から影の軍勢のポゼッションカード 1枚を、ポゼッションとして場の指定キャラクターに付ける形で配置する。
- 手札から影の軍勢のアーティファクトカード 1枚を、アーティファクトとして場の指定キャラクターに付ける形で配置する。
- 手札から影の軍勢のコンディションカード 1枚を、コンディションとして場に配置する。
- 手札からこのタイミングで使用できるイベントカード 1枚を使用する。
- 場のカードのこのタイミングで使用できる能力 1つを使用する。
○ 作戦(Maneuver)フェイズ
- ターンプレイヤーから順番に、全員が連続でパスするまでそれぞれが以下の作戦アクションを行う。
- 手札からこのタイミングで使用できるイベントカード 1枚を使用する。
- 場のカードのこのタイミングで使用できる能力 1つを使用する。
- パスする。
- この時点でターンプレイヤーを除いたプレイヤーの場すべてにミニオンがいない場合、以降の処理を飛ばし“再編成フェイズ”に進む。
○ 弓撃(Archery)フェイズ
- ターンプレイヤーから順番に、全員が連続でパスするまでそれぞれが以下の弓撃アクションを行う。
- 手札からこのタイミングで使用できるイベントカード 1枚を使用する。
- 場のカードのこのタイミングで使用できる能力 1つを使用する。
- パスする。
- 相手プレイヤーすべての場の、“弓撃”能力を持つミニオンの数を合計する。
この合計値分の弓撃による傷を、ターンプレイヤーの旅の仲間に対して与える。
- ターンプレイヤーは、受けた弓撃による傷を自分のコンパニオン(および一緒にいるアリー)に対して振り分ける(傷トークンを乗せる)。
※これにより生命力が 0になったキャラクターは死亡する。
- ターンプレイヤーの旅の仲間に現在いる、“弓撃”能力を持つキャラクターンの数を合計する。
この合計値分の弓撃による傷を、任意の相手プレイヤー 1人に対して与える。
- 弓撃をうけた相手プレイヤーは、弓撃による傷を自分のミニオンに対して振り分ける。
○ 割り当て(Assignment)フェイズ
- ターンプレイヤーから順番に、全員が連続でパスするまでそれぞれが以下の割り当てアクションを行う。
- 相手プレイヤーのみ: 自分のまだ(攻撃の)割り当てをしていないミニオン 1体を、ターンプレイヤーのまだ衝突相手が割り当てられていないコンパニオン 1体に対して割り当てる。
- 手札からこのタイミングで使用できるイベントカード 1枚を使用する。
- 場のカードのこのタイミングで使用できる能力 1つを使用する。
- パスする。
- ターンプレイヤーは、自分のまだ(防御の)割り当てをしていないコンパニオン 1体を、いずれかの相手プレイヤーのまだ衝突相手が割り当てられていないミニオン 1体に対して割り当てる。
- 相手プレイヤーは、自分のまだ割り当てをしていないミニオン 1体を、ターンプレイヤーの任意のコンパニオン 1体に対して割り当てる。
※この処理に関しては、すでに割り当てが行われているコンパニオンに対しても割り当てることができる。
○ 衝突(Skirmish)フェイズ
ターンプレイヤーが防御側となり、相手プレイヤーすべてが攻撃側となる。
そして防御側がミニオンが割り当てられたコンパニオン単位で、以下の衝突フェイズ群を任意の順番で行う。
※本作の“衝突フェイズ”は、戦闘全体ではなく個別戦闘一つ一つの処理の意味として使われている。
※通常は“衝突フェイズ”を一通り行うことで処理が終了するが、“Fierce”能力を持つミニオンが生き残った場合は割り当てフェイズに戻っての二周目が発生する。
各衝突フェイズの処理
▽ 衝突アクションの実行
- 防御側から順番に、全員が連続でパスするまでそれぞれが以下の衝突アクションを行う。
- 手札からこのタイミングで使用できるイベントカード 1枚を使用する。
- 場のカードのこのタイミングで使用できる能力 1つを使用する。
- パスする。
- 今回の衝突に参加する攻撃側と防御側のキャラクターが確定する。
※この時点でどちらかの側のキャラクターしかいない場合は、以降の処理を飛ばし“個別の衝突フェイズの終了”に進む。
▽ 衝突の解決
- それぞれのキャラクターの体力値に各種修正を加えた上で合計し、今回の衝突における戦力を算出する。
- 攻撃側と防御側の戦力を比較する。
比較により値が大きい側が衝突に勝利し(同値は攻撃側勝利)、さらにその比率により衝突結果が決定される。
- 衝突勝利時の戦力比率により、敗北側は以下の傷処理を行う。
- 勝利側の戦力が敗北側の 2倍未満: 以下の処理を行う。
- 敗北した側の衝突参加キャラクターぞれぞれが、1つずつ傷を受ける(傷トークンを乗せる)。
- 傷を受けたことで生命力が 0になったキャラクターは死亡する。
- 勝利側の戦力が敗北側の 2倍以上: 敗北側の参加キャラクターが、(生命力に関係なく)すべて死亡する。
▽ 個別の衝突フェイズの終了
- 衝突フェイズでのみ発動する効果がすべて終了する。
- 今回の衝突フェイズが終了する。
- すべての衝突フェイズが終了した時点で、指輪所持者がサイト 9で生き残っていればゲームに勝利する。
○ 再編成(Regroup)フェイズ
- 相手プレイヤーが、それぞれ以下の再編成処理を行う。
- 任意で手札 1枚を捨てる。
- 手札が 8枚未満の場合、8枚ちょうどになるようにドローデッキからカードを引いて手札に加える。
9枚以上の場合、8枚ちょうどになるように任意の手札を捨てる。
- ターンプレイヤーが、以下のどちらかの処理を行う。
- さらに移動する: 自ターンの旅の仲間フェイズの“旅の仲間の移動”の部分から、もう一度同じ処理を繰り返す。
※旅を進める(さらに次のサイトへと移動する)のであって、これまでの処理を帳消しにして巻き戻す訳ではない。
※1ターンでの移動には上限が存在し、2 ~ 3人対戦では合計 2サイト、それ以上は人数分のサイト数まで移動できる。
- 再編成を行う: ターンプレイヤーが、以下の再編成処理を行う。
- 任意で手札 1枚を捨てる。
- 手札が 8枚未満の場合、8枚ちょうどになるようにドローデッキからカードを引いて手札に加える。
9枚以上の場合、8枚ちょうどになるように任意の手札を捨てる。
- すべての場のミニオン(および付いているカード)が、すべて破棄される。
- コンパニオンに付けられているフォロワーが、すべて外される(サポートエリアに戻される)。
- 今回のターンが終了する。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードなどが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール細則
● 属性と文化について
- (一つの指輪とサイトを除く)カードには属性と文化の概念が存在し、さまざまな場面で使用される。
- 属性と文化は合わせて一つの概念であり、属性ごとにそれぞれの文化が存在する。
- 属性は 自由の民(Free People)と影の軍勢(Shadow) の 2種類が存在する。
- 自由の民の文化は、以下の 7種が存在する。
- ドワーフ(Dwarven)
- エルフ(Elven)
- ガンダルフ(Gandalf)
- ゴラム(Gollum)
- ゴンドール(Gondor)
- ローハン(Rohan)
- ホビット庄(Shire)
- 影の軍勢の文化は、以下の 10種が存在する(ゴラムは両方に存在する)。
- 褐色人の国(Dunland)
- ゴラム(Gollum)
- アイゼンガルド(Isengard)
- 人間(Men)
- モリア(Moria)
- オーク(Orc)
- 乗手(Raider)
- サウロン(Sauron)
- ウルク=ハイ(Uruk-hai)
- 幽鬼(Wraith)
- 本作では属性によって役割が完全に分けられている。
自ターンには自由の民カードのみを、それ以外のターンでは影の軍勢カードのみを使用することができる。
※使用できないターンには、それぞれが場に存在しないも同然の扱いとなる。
● 黄昏コストについて
- カードにはコスト概念として黄昏コストが存在し、カードの使用・配置には指定値分のコストを支払う必要がある。
- コストは黄昏トークンによって支払われ、全員で共用する黄昏プールへのトークンの出し入れが行われる。
なお黄昏プールは各ターンごとに初期化される。
- 黄昏トークンはゲーム外空間に無尽蔵に存在し、そこから必要に応じて黄昏プールにトークンが供給される。
- 本ゲームでは属性(ターンプレイヤーか否か)によって黄昏コストの意味合いが異なる。
共に黄昏トークンを使用することでコストを支払うが、自由の民はプールへの蓄積、影の軍勢はプールからの消費を意味する。
※いわゆるコスト支払いに相当するのは影の軍勢カードの場合のみで、自由の民の支払いは敵に対してのエネルギー補充に相当する。
- 自由の民のカードの場合は、黄昏トークン 1つを黄昏プールに蓄積するごとに、コストが 1だけ支払われる。
- 影の軍勢のカードの場合は、黄昏トークン 1つを黄昏プールにから取り除くごとに、コストが 1だけ支払われる。
※多人数戦の場合は影の軍勢プレイヤー全員で黄昏プールを共用するので、コスト配分には注意すること。
● 旅の仲間について
- 本ゲームでは、主人公となるキャラクターたちは“旅の仲間”というパーティーの形で場に配置される。
- 旅の仲間は各プレイヤーそれぞれにつき一組ずつの存在で、なおかつプレイヤーごとに完全にパラレルな扱いを受ける。
すなわち自ターンにのみ自分の旅の仲間が場に登場し、相手ターンには存在しないも同然の扱いを受ける。
- 旅の仲間はプレイヤーマーカー 1つと、コンパニオンやアリーの一群の合わせて一組で構成される。
プレイヤーマーカーは場のアドベンチャーパス上に配置されて、旅の現在位置を表示するために用いられる。
カード群はそれぞれの場に存在し、データ管理チャートのような存在として用いられる。
- 旅の仲間のカードは、《一つの指輪》を持った指輪所持者が中心となり、仲間となるコンパニオンやアリーとその所持品などで構成される。
- 旅の仲間のプレイヤーマーカーは、アドベンチャーパス上において当初はサイト番号が 1のサイトに配置される。
そして順に 1サイトずつ移動し、最終目的地であるサイト 9に到着したうえで指輪所持者を守り抜くことでゲームに勝利する。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ サイト(Site)カード (コスト不要)
- 旅の仲間が訪れるさまざまな場所。場にサイトとして配置される。
- 横向きのカードで、アドベンチャーデッキに入れて使用される。
場では共用されるものの、デッキとしては個人それぞれで用意する。
- いずれかの旅の仲間が新たなサイトに移動するごとに、場のアドベンチャーパスに追加配置される。
- シャドウ番号(Shadow number)の値を持ち、移動時に記載分の黄昏トークンが黄昏プールに補充される。
- ブロックシンボルのアイコンを持ち、フォーマット選定におけるセットの判別に使用される。
- シリーズの前半(初期フォーマット用)と後半(Shadows以降、後期フォーマット用)で内容が異なっている。
両者の混在はできないため、それぞれ採用フォーマットに対応するセットのカードでデッキを構成する必要がある。
- シリーズ前半のカードは、以下の特徴を持つ。
- それぞれ 1 ~ 9のいずれかのサイト番号を持ち、アドベンチャーパスの対応サイトにのみ配置できる。
- サイト番号が 3と 6のカードは、通常は“聖域”の能力を持つ。
自ターン開始時に聖域にいる旅の仲間は、コンパニオンの傷の治療を 5つ分まで行うことができる(傷トークンを取り除く)。
- シリーズ後半のカードは、以下の特徴を持つ。
- サイト番号を持たない。アドベンチャーパスに配置することで、そのサイトのサイト番号が決定される。
- 配置によって(自分と相手の)同一カードがアドベンチャーパスに並ぶ場合があるが、それぞれ別のサイトとして扱われる。
- リージョンの概念が与えられ、リージョンの番号により黄昏トークンの追加補充が行われる。
リージョン番号はサイト番号に対応し、サイト番号 1 ~ 3がリージョン 1、4 ~ 6がリージョン 2、7 ~ 9がリージョン 3となる。
- カード記載とは別に、サイト番号が 3と 6のカードは“聖域”として使用される。
- 基本的に破壊されることは無く、場に留まり続ける。
- それぞれのカードが入り混じるので、ゲーム終了後はカードが混ざらないように注意すること。
○ 一つの指輪(The One Ring)カード (コスト不要)
- この物語の中心となる、強大な力を持つ指輪。
- デッキとは別に、それぞれ 1枚ずつを使用する。
- “一つ”と言いつつも複数の種類が存在するので、それぞれ任意の 1枚を選んで使用する。
※指輪自体は複数の機能を持つものの、所持者が耐えられるのは 1種の効果使用が限界ということらしい。
- それぞれゲーム開始時に選んだ“指輪所持者”が保有する形で場に配置される。
- 一つの指輪自体は(ゲームに勝利するまでは)破壊されず、それぞれの旅の仲間の中で永続する。
なお指輪を運んでいる指輪所持者自身は、堕落したり死亡する(ゲーム脱落となる)こともある。
○ コンパニオン(Companion)カード (コスト必要)
- 指輪処分に挑む旅の一行。場にキャラクターの一種であるコンパニオンとして配置される。
- ドローデッキに入れて使用される。
- 一律で自由の民属性で、それぞれいずれかの自由の民文化に属している。
- 配置により旅の仲間の一員に加えられる。なお配置数には上限があり、死者置き場を含めて合計 9体までとなる。
※一応は善のパーティーなので、仲間を使い潰すような戦術は許されないのだと思われる。
※死者置き場のカードは、コンパニオンの配置上限に加えてユニーク判定でも参照される(なお破棄治療の分は捨て札であることに注意)。
- 体力(Strength)の値を持ち、指輪所持者を守る力となる。
- 生命力(Vitality)の値を持ち、値分までの傷に耐えることができる。
- 抵抗力(Resistance)の値を持ち、値分までの重圧に耐えることができる。
※初期カードは値を持っていない場合もあるが、その時は一律 6として扱われる。
- 弓撃や衝突での敗北などで傷を受ける。受けた傷の分だけ生命力は減少し、生命力が 0以下となった場合に死亡する。
※ 指輪所持者(Ring-bearer)
- 一つの指輪の運搬を担うコンパニオン。ゲーム開始時にそれぞれの旅の仲間の一人目として場に配置される。
- 抵抗アイコンを持っているか抵抗値に指輪アイコンが付いているコンパニオンのみが、指輪所持者になることができる。
※能力的な都合により、物語の主人公でもある《フロド/ Frodo》のカードの中から選ぶのが基本となる。
- ゲーム開始時に指輪所持者とした際に、“Ring-bound”の能力が与えられる。
- 可能であれば、別のコンパニオンに指輪所持者を引き継がせる(一つの指輪を受け渡す)こともできる。
- カード効果などにより重圧を受ける(重圧トークンが乗る)。
重圧の分だけ抵抗力は減少し、指輪所持者が抵抗力が 0以下となった時点で堕落してゲームから脱落する。
○ アリー(Ally)カード (コスト必要)
- 旅の途中で出会うさまざまな種族。場にキャラクターの一種であるアリーとして配置される。
- ドローデッキに入れて使用される。
- 一律で自由の民属性で、それぞれいずれかの自由の民文化に属している。
- 場のサポートエリアに配置される。配置上限は無いが、ユニーク判定では死者置き場も含められる。
- 初期フォーマットで登場したカードで、ホームとしていずれかのサイト番号が記載されている。
ホームサイトとして指定番号のサイトにいる扱いとなり、旅の仲間がそのサイトにいる間に限り行動を共にする。
- 通常は弓術や衝突には参加しない。ただし旅の仲間と一緒の間は能力を使用でき(能力次第では衝突も可能)、弓術の傷を受け持つこともできる。
- 体力の値を持ち、状況によっては旅の仲間に加勢する。
- 生命力の値を持つ。受けた傷の分だけ生命力は減少し、生命力が 0以下となった場合に死亡する。
○ ポゼッション(Possession)カード (コスト必要)
- 旅で使う道具や武器など。場にポゼッションとして配置される。
- ドローデッキに入れて使用される。
- 自由の民か影の軍勢のどちらかに属し、それぞれ該当する文化を持っている。
- その多くは体力のボーナス(Strength Bonus)の値を持ち、プレイヤーの武器となる。
- 自分の(基本的には同一属性の)キャラクターに付ける形で場に配置される。
- その多くはクラスを持っており、各キャラクターごとに各クラスを 1つずつ付けることができる。
- 再びコストを支払うことで、旅の仲間(および一緒にいるアリー)の間で受け渡す(付け替える)ことができる。
- 付けたキャラクターが場を離れる際に、ポゼッションは破棄される。
○ アーティファクト(Artifact)カード (コスト必要)
- 魔力を秘めた道具など。場にアーティファクトとして配置される。
- ドローデッキに入れて使用される。
- ポゼッションとほぼ同等の存在である。向こうが武器など攻撃目的であるのに対し、アーティファクトは防御的な存在となる。
- 自由の民か影の軍勢のどちらかに属し、それぞれ該当する文化を持っている。
- その多くは耐久力のボーナス(Vitality Bonus)の値を持ち、プレイヤーの防具となる。
- 自分の(基本的には同一属性の)キャラクターに付ける形で場に配置される。
- その多くはクラスを持っており、各キャラクターごとに各クラスを 1つずつ付けることができる。
- 再びコストを支払うことで、旅の仲間(および一緒にいるアリー)の間で受け渡すことができる。
- 付けたキャラクターが場を離れる際に、アーティファクトは破棄される。
○ フォロワー(Follower)カード (コスト必要)
- 旅の支援者からの一時的な援助。場にフォロワーとして配置される。
- ドローデッキに入れて使用される。
- 一律で自由の民属性で、それぞれいずれかの自由の民文化に属している。
- 場のサポートエリアに配置されるが、配置された時点では何の効果も発揮しない。
- 一律で“Aid”効果を持っており、ターン限定で自分のコンパニオンに付けることができる。
付けたことにより、コンパニオンにフォロワーの記載能力が追加される。
- 付けたままでキャラクターが場を離れた場合は、フォロワーは破棄される。
- コンパニオンに付けたフォロワーはターン終了時に分離され、サポートエリアに送られる。
○ コンディション(Condition)カード (コスト必要)
- 旅におけるさまざまな環境。場にコンディションとして配置される。
- ドローデッキに入れて使用される。
- 自由の民か影の軍勢のどちらかに属し、それぞれ該当する文化を持っている。
- 通常は場のサポートエリアに配置され、何らかの効果を発揮する。
ただし一部のカードは、何らかのカードに付く形で場に配置される。
● 一時的に使用するカード
○ ミニオン(Minion)カード (コスト必要)
- 冥王が差し向けた兵士たち。場にキャラクターの一種であるミニオンとして配置される。
- ドローデッキに入れて使用される。
- 他のキャラクターとは異なり、相手の旅の仲間を妨害するための使い捨て部隊である。
- 一律で影の軍勢で、それぞれいずれかの影の軍勢文化に属している。
- サイト番号(Site number)の値を持ち、配置の適正値として使用される。
ターンプレイヤーの旅の仲間がいるサイトが記載サイト番号より小さい場合は、本来のコストに加え 2コスト余計に払う必要がある。
- 場のミニオン置き場に、一時的に配置される。
- 体力の値を持ち、プレイヤーの武器となる。
- 生命力の値を持つ。受けた傷の分だけ生命力は減少し、生命力が 0以下となった場合に死亡する。
ただしミニオンの死亡時は、死者置き場ではなく捨て札置き場に送られる。
- 生き残ったミニオンは、ターン終了時にすべて捨て札置き場に送られる。
○ イベント(Event)カード (コスト必要)
- ゲーム中に起きるさまざまな出来事。効果もさまざま。
- ドローデッキに入れて使用される。
- 自由の民か影の軍勢のどちらかに属し、それぞれ該当する文化を持っている。
- 使い捨てのカードであり、使用後は捨て札となる。
場の構成
9 | | 相手の場 |
8 | |
7 | |
6 | | |
5 | |
4 | |
3 | | 自分の場 |
2 | |
1 | |
- 永続カードは、共用のアドベンチャーパスとそれぞれの場という空間に存在する(上図は一方から見た 2人対戦時の構成図)。
- アドベンチャーパス(Adventure path)は、中つ国における冒険の道筋を表した地図である。
それぞれのパーティーはそれぞれパラレルな存在として指輪破棄に挑むのであるが、その地形は全員が同じものを共有することになる。
※処理的にはスピードを競うレースゲームとなる。それぞれ自ターンに自機を進め、相手ターンは妨害に徹する。
- アドベンチャーパスはそれぞれのプレイヤーによって配置されるサイトカードで構成される。
一番最初に配置されたカードが“サイト 1”となる。そして最終地である“サイト 9”になるまで一列に、移動の際に 1枚ずつ配置される。
- 旅を行うそれぞれの“旅の仲間”は、アドベンチャーパスのカード上に配置されるプレイヤーマーカーで表示される。
ゲーム開始時はそれぞれ“サイト 1”上に存在し、逐次その歩みを進めていくことになる。
- それぞれの場はミニオンの置き場、旅の仲間、サポートエリアなどに大別される。
- 自分の場の旅の仲間はプレイヤーマーカーの内訳を表現する管理チャートとしての役割を持ち、マーカーと一組で旅の仲間として運用される。
- 場の他にも、全員で共用する黄昏プールなどの空間が存在する。
- 永続カードが破壊された時や使い捨てカードの使用後は、捨て札置き場(Discard pile)という空間に集められる。
- コンパニオンとアリーの死亡後は、死者置き場(Dead pile)という空間に集められる。
- 捨て札置き場と死者置き場は似ているが、両者は明確に区別される。
商品情報
● メーカー: Decipher
○ 発売開始: 2001年
- ○ ラインナップ
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- The Fellowship of the Ring
- The Mines of Moria
- Realms of the Elf-lords
- The Two Towers
- Battle of Helm's Deep
- Ents of Fangorn
- The Return of the King
- Siege of Gondor
- Mount Doom
- Shadows
- Black Rider
- Bloodlines
- The Hunters
- Rise of Saruman
- Treachery and Deceit
- Age's End
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