ジャガーノーツのTCGカタログ
猫耳トレーディングカードゲーム『ぽわぽわ』のルール解説。
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ぽわぽわ
Last Update 2022/9/10 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
複数(4人程度)による目標達成競争。プレイヤーは「ねこ耳」のブリーダーとなり、それぞれのねこ耳を育成してコンテストでの優勝を目指す。
● 原作
オリジナル。
● 世界設定
あなたは世界一のねこ耳ブリーダー。もちろんあなたのねこ耳も世界一。
ちょっとわがままで病弱で他のねこ耳とけんかもするけど、あなたのねこ耳こそが世界一かわいいねこ耳なのです。
● 本ゲームについて
トレーディングカードゲームが世に出るよりもはるか以前から、同人カードゲームというのはいくつも存在してきました。
しかし本ゲームの登場に、同人業界は震撼し、以後世の趨勢はトレーディングカードゲーム1色に塗り変わっていったのです。
さて同人TCGから商業TCGとして新しく生まれ変わった本ゲームは、TCGとパーティーゲームの長所を併せ持つ、一風変わった存在になっています。
システム的にもTCGというよりは、トレーディングカードの長所をとりいれたパーティーゲームという意味合いが強く、独特な雰囲気を醸し出しているのです。
なお本ゲームはシリーズごとにルールが大きく変化していますが、ここでは最終ルールである Ver. 2 セカンドルールを紹介します。
基本構成
勝利条件
- コンテストで自分のねこ耳を優勝させる(評価ポイントで最高値を獲得する)。
- 自分以外のブリーダーがすべて脱落する(デッキが尽きる)。
事前準備
● デッキ(山札: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 60枚以上。
- 構築条件:
新シリーズ(Ver. 2 ~ )のカードで構成されていること。
ねこ耳カード以外で構成されていること。
同一絵柄カードはデッキに 4枚まで。
オープンカードと《ぴいまん》《にんじん》に限り、1st版と 2nd版のどちらか一方のカードで統一されていること(同一制限がおかしくなるので混在できない)。
● ねこ耳(1人分の補助カードセット)
- 頭数: 4匹(4組)以下。
- 構築条件:
新シリーズ(Ver. 2 ~ )のカードで構成されていること。
1匹分が規定の同一ねこ耳(第 1 ~ 4段階およびダメージカードによる 5枚一組)で構成されていること。
同じねこ耳を複数使用しない(すべて違うねこ耳である)こと。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ: 無し。
- 開始手札: 6枚。上限も同じ(自ターン内に調整有り)。
※開始手札にオープンカードが含まれている場合はオープンカードはすべて捨て札となり、残りの手札のみでゲームを開始する。
- マリガン: 手札が全てオープンカードの時に任意で交換する。交換は本人のみ。
- ファーストドロー制限: 無し(最初のブリーダーは 1ターン目からカードを引く)。
- テリトリーの全体での上限: 今回のブリーダー数の 4倍。
その他
● 基本構成細則
- カードの行動表現: 無し(近い物としてダメージカードが存在)。
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 有り(引けなければ脱落する。勝利条件に関係)。
- 3人以上でのプレイ: 可能(多人数用)。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(蓄積コストの概念が存在しない)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: 考慮不要。
- けんかは第2段階以降のねこ耳同士による 1 対 1で行われる。
ゲームの流れ
開始準備
- 準備したねこ耳の中から任意の 1匹を、第1成長段階の状態で場に出す。
残りのねこ耳は、第1成長段階の状態でゆりかごの中で待機させる。
- それぞれ自分のデッキより手札を 6枚引く。
※ここで登場したオープンカードは、効果を発揮しないまますべて破棄される。
- 必要に応じてマリガン処理を行う。
全体の基本進行
それぞれ時計回りにターンと呼ばれる手順を繰り返す。この時に以下の条件を満たすとゲーム終了となる。
- 1人を除きゲームから脱落した(デッキが尽きた)時。
- コンテストが開催される(コンテスト開催の宣言よりターンが1巡し宣言したブリーダーのターン終了時に、エントリーしたねこ耳が 1匹でも場にいる)時。
ターン(自分の手番)の進行
○ ドローフェイズ
- デッキからカードを 1枚引く。
引いたカードがオープンカードの場合は全員に公開(した上で効果を使用後破棄)し、それ以外のカードは手札に加える。
※カードを引けない場合はゲームから脱落する。
○ 第1アクションフェイズ
- ブリーダーのアクションを行う。アクションは以下の中から 1つを任意に実行する。
- デッキからカードを 1枚引く(詳細はドローフェイズと同じ)。
- 手札からねこ耳にアイテムカードを付ける。
- 手札から《時計》で《ブリーダー使用》のイベントカードを使用する。
- 手札から自分のねこ耳にタレントカードを付ける。
- 場外の自分のねこ耳を捜索する。
- その他ブリーダーアクションと指定されたカードを使用する。
○ 第2アクションフェイズ
- ねこ耳のアクションを行う。行動可能な自分のねこ耳1匹ごとにつき 1回、以下のアクションから任意に実行する。
※実際はブリーダーが行うにしても、形としてはねこ耳自身が行動したものとして処理する。
※場外や行動不能中のねこ耳は、アクションを行うことができない。
- 行動するねこ耳に手札からテリトリーを 1つ付ける。
- 行動するねこ耳のテリトリーを1つ他のねこ耳に移す。
- 場外にいる任意ブリーダーのねこ耳のテリトリーを 1つ外す。
- 《時計》で《ねこ耳使用》のイベントカードを使用する。
- 行動するねこ耳でけんかを仕掛ける(後述)。
- その他ねこ耳アクションと指定されたカードを使用する。
けんかについて
けんかは相手のねこ耳の成長要素の排除、および一時的に行動不能にする手段として、1 対 1で以下のように行われる。
※攻撃/防御力を持たない第1段階のねこ耳は、けんかを仕掛けることもけんかの相手とすることもできない。
※行動不能中のねこ耳を、けんかの相手にすることはできない。
▽ けんかの宣言(1)
- けんかを仕掛けるねこ耳 1匹を攻撃側として指定する。
- 攻撃側がけんかの相手となるねこ耳 1匹を指定する。
- 攻撃側が任意で手札からけんかカードを裏向きで出す(成長段階の数まで)。
- 攻撃側が任意でイベントカードを使用する。
▽ けんかの宣言(2)
- けんかを仕掛けられた相手のねこ耳が防御側となり、けんかを受けるかどうかを選択する。
※アイテムやテリトリーが 1枚も付いていないねこ耳は、必ずけんかを受けなければならない。
- けんかを受けない場合は、以下の処理を行うことでけんかを終了する。
- 防御側は、自身に付いているアイテムかテリトリーの中からいずれか 1枚を選択して捨て札とする。
- 攻撃側は、まだアクションを行っていない(そのねこ耳がもう 1回行動を行える)扱いとする。
- 以降の処理を飛ばし、“けんかの終了”に進む。
- けんかを受ける場合、防御側が今回けんかを行うテリトリーを決定する。
- 防御側が任意で手札からけんかカードを裏向きで出す(成長段階の数まで)。
- 防御側が任意でけんか用のイベントカードを使用する。
▽ けんかの解決
- 攻撃・防御の当事者以外がけんか用のイベントカードを使用したい場合、ここで任意に使用する。
- それぞれが出したけんかカードを任意で表向きにし、記載効果を発揮する(一部だけを表向きにしてもよい)。
- 今回けんかを行うそれぞれのねこ耳が決定される。
※どちらもねこ耳自身の代わりに、けんか(代理)カードによるけんかを行うことができる。
- それぞれ各種修正を加え、攻撃・防御側それぞれの今回の最終的な攻撃力・防御力が決定される。
- 攻撃・防御側それぞれのねこ耳が、相手に対してのダメージ判定を行う。
それぞれ自身の攻撃力が相手の防御力より大きい場合に、相手のねこ耳(代理を含む)はダメージを受ける。
この時どちらも代理を使わずねこ耳同士によるけんかであった場合、ダメージを受けたねこ耳は行動不能となる。
※一方でも代理が関与した時は、勝敗判定のみとなり行動不能の判定は行われない。
これは代理が“けんかのプロ”なので、怪我しない範囲で決着をつけるからだと思われる。
- 相手に一方的にダメージを与えた場合(代理分を含む)、攻撃・防御に関わらず与えた側が今回のけんかに勝利する。
※互いにダメージを与えた場合やお互いにダメージがない場合は引き分けとなる。
- けんかに勝利した側は、相手のねこ耳に付いているアイテムかテリトリーの中からいずれか 1枚を選択して捨て札とする。
▽ けんかの終了
- それぞれの裏向きのままのけんかカードを自分の手札に戻す(表にしたものはすべて破棄)。
- 今回のけんかが終了する。
○ 宣言フェイズ (第3アクションフェイズ)
- コンテスト開催宣言条件が整っている時、任意でコンテスト開催宣言を行う。
開催宣言は、自分の第4段階に達したねこ耳のうち 1匹でも行動できる状態で場にいる場合にのみ行うことができる。
- 既に開催宣言がなされ、コンテスト開催までの間のターンは、宣言フェイズを第3アクションフェイズとして扱う。
第3アクションフェイズではブリーダー・ねこ耳を問わず 1回だけ任意にアクションを行う。ねこ耳が複数いてもアクションは 1回のみ。
※基本は宣言フェイズであり、開催宣言をするまでは何もしないことに注意。
○ 回復フェイズ
- 現ターン開始時以前に行動不能となった自分のねこ耳の状態を回復する。
- 場に自分のねこ耳が 1匹も存在しない場合、ペナルティとして 4枚強制ドローが課される。
○ エンドフェイズ
- コンテスト開催宣言中の場合、任意で自身のねこ耳のコンテストへのエントリー宣言をする。
エントリーは、第3段階以上の場で行動できるねこ耳が行うことができる(複数エントリーも可能)。
- 手札が上限を超えている場合、上限に収まるようにカードを捨てる。
- 終了の宣言をする。
※現ターンが通常ターンでなく、コンテスト開催の宣言より手順が 1巡しての宣言したブリーダーのターンである場合は以下の処理を行う。
- エントリーしたねこ耳が 1匹でも場に存在するならば、コンテスト開催の処理に進む。
- エントリーしたねこ耳が 1匹も場にいないならば、今回のコンテスト(およびエントリー)はすべて無効となり、以降も通常のターンが繰り返される。
コンテスト開催
自分のねこ耳が最優秀であることを証明するためにコンテストを行う。コンテストでの優勝こそがゲームの最終目標となり、以下の手順で行われる。
- コンテストにエントリーしているねこ耳が存在する場合のみ行われる。
- それぞれエントリーしているねこ耳のカリスマ値に各種修正を加え、基準となる評価ポイントを算出する。カリスマ値以外の修正は以下のとおり。
- エントリーしていること自体: 参加点として +5点。
- 持っているテリトリー: 1枚に付き +1点。
- 持っているタレント: 行動不能でなければ、1枚に付き +1点。
- 自身が持っているアイテム: 行動不能でなければ、1枚に付き +2点。
- 付いているイベント: 1枚に付き -1点。
- コンテストに自身のねこ耳がエントリーしているブリーダーによるファン投票を行う。
ファン投票として、エントリーしているねこ耳ごとにそれぞれの成長段階数までの枚数のカードをそのブリーダーの手札・デッキから配置し、
配置したカードの種類によって以下の値を評価ポイントに加算する。
- オープンカード: +5点。
- タレントカード: +1点。
- アイテムカード: +2点。
- テリトリーカード: +1点。
- イベントカード: -1点。
- けんかカード: -1点。
- 最終的に評価ポイントが最も高いねこ耳が、コンテストに優勝する(そのねこ耳のブリーダーが勝利する)。
1ゲーム終了時の処理
- 特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール部分
● テリトリーについて
- 属性概念としてテリトリーが存在し、ねこ耳の成長条件などに影響を及ぼす。
- テリトリーには 家・街・野原・水辺 の 4種類が存在する。
※成長条件の足跡マークは無属性に相当し、テリトリーでさえあれば属性を問わないということを意味する。
● カードのマーク一覧
ねこ耳以外のカードには、能力表示用のマークが中央部に 4項目存在する。それぞれの詳細は以下のとおり。
- 1列目: 永続/瞬間使用の判別
- リボン: 永続、又は期限付き永続カード
- 無印: 瞬間使用カード
- 2列目: アクションの判別
- 時計: 自アクションフェイズにアクションとして使用するカード
- 無印: 相手ターンでも使用可能なアクション以外のカード
- 3列目: カードの使用者
- 鈴: ブリーダーだけが使用するカード
- 猫顔: ねこ耳だけが使用するカード
- 無印: 特定の使用者を持たないカード
- 4列目: カードの使用対象
- 鈴: ブリーダーが対象のカード
- 猫顔: ねこ耳が対象のカード
- 足跡: 場にあるテリトリーが対象のカード
- カード: 記載された特定カードが対象のカード
- 無印: 特殊な対象、又は特定の対象を持たないカード
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ ねこ耳カード (配置に《ぽわぽわ》が必要)
- ブリーダーの飼育しているねこ耳。猫とも人間とも微妙に異なる。
- 各成長段階ごとの 4枚と行動不能中を表示するダメージカードの計 5枚で、1匹分のねこ耳が構成される。
- ゲーム開始時点ではそれぞれ 1匹だけ飼育し、それぞれ最大 4匹まで飼育できる。
- 第1段階から順に成長していき、最終的に第4段階となる。
成長は条件を満たしている(記載分のテリトリーが付いている)時に、オープンカードの記載効果によって行われる。
- 第2段階より攻撃力/防御力/カリスマ値のそれぞれの項目が登場し、以降はけんかを行う対象となる。
- 第3段階よりコンテストエントリーが可能となり、第4段階になると(飼育するブリーダーが)コンテストの開催を行えるようになる。
- その他に性別やテリトリー(保有上限や次の成長に必要な数)などの項目が存在する。
- 場外に送られることはあるが除去されることは無い。ただしけんかにおいてダメージを受けた場合には、回復フェイズまで行動不能となる。
- ブリーダー自身が名付け親になるという趣旨のため、ねこ耳カードにはカード名が存在しない。番号なども特にないためカードの判別はイラストで行われる。
※デフォルト名は一応あるのだが(関連グッズなどで公表)、公式でも名無しのままというねこ耳もそれなりに存在する。
○ テリトリーカード (配置時にねこ耳アクションを消費)
- ねこ耳が成長するのに必要な遊び場。
- 自分のねこ耳に付ける形で場に配置する(形としてはねこ耳が獲得してきた扱いとなる)。
- 1匹のねこ耳に対して、上限の範囲内で望むだけのテリトリーを付けることができる。
- 1枚のテリトリーは 1匹のねこ耳のためだけに場に存在し、自身の複数のねこ耳間でのやり取り(テリトリーの移動)は可能だが、共有はできない。
- ブリーダー全体で配置できる枚数に上限があり、ゲーム開始時のブリーダー数の 4倍の枚数まで場に存在できる。
※上限値がかなり低いため、けんかなどで他のねこ耳のテリトリーを減らす必要が出てくる。
○ アイテムカード (配置時にブリーダーアクションを消費)
- ねこ耳の成長を促すための道具。ブリーダーが使用する物と、直接ねこ耳が身につける物、ねこ耳のテリトリーを強化する物などがある。
- ねこ耳に付ける形で場に配置する。なお対戦相手のねこ耳に付けることもできる。
※アイテムは基本的には外せないので、外す場合は専用のカード効果が必要となる。
- 各ねこ耳(付いているテリトリーに付けるものを含む)に付けるアイテムの最大数は、それぞれそのねこ耳の成長段階数まで。
テリトリーに付けるアイテムは、各テリトリーにつき1枚まで。
○ タレントカード (配置時にブリーダーアクションを消費)
- ねこ耳が覚える? 特技。
- 自分のねこ耳に付ける形で場に配置する。
- 各ねこ耳ごとに1枚だけ付けることができる。
● 瞬間・永続的に使用するカード
○ イベントカード (使用条件はカードごとに異なる)
● 瞬間的に使用するカード
○ けんかカード (けんかの最中のみ使用可能)
- ねこ耳がけんかの時に繰り出すさまざまな手段。
- 一度にそのねこ耳の成長段階の値の枚数まで使用できる。
- ねこ耳自体を強化するものや、ねこ耳の代わりにけんかしてくれる代理カードなどが存在する。
○ オープンカード (引いた瞬間に必ず使用)
- ゲーム内での時間経過を表すランダム要素。主にねこ耳の成長に関係する。
- カードの効果はさまざまで、(成長条件を満たした)ねこ耳を成長させたり新たなねこ耳を登場(誕生)させたりする。
- いついかなる時であっても、デッキから引いたと同時に(記載能力を使用するかどうかにかかわらず)全員に提示しなければならない。
場の構成
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- ねこ耳は、まずゆりかごという空間に存在し、《ぽわぽわ》の使用によってのみ場に登場(誕生)する。
※ゆりかごの中のねこ耳には、《ぽわぽわ》以外干渉できない。
- 通常の場とは異なる空間として、場外という空間が存在する。
場外へ送られたねこ耳は、特定の手段によってのみ場に復帰できる。
- ねこ耳以外の永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は捨て札という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: S.A.R.A.双樹(Ver. 2 2nd版はポプルス)
○ 発売開始: 1997年10月(新シリーズ版、旧シリーズは 1995年)
- ○ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
|
Ver. 2.00 ファーストエディション
| 1997/10
| 283
| スターター(2500)、ねこブースター(10/400)、ゲームブースター(10/400)
|
Ver. 2 セカンドエディション
| 1998/9
| 303
| スターター(65/1400)、ブースター(11/400)
|
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