ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『はじめの一歩TCG』のルール解説。
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はじめの一歩 トレーディングカードゲーム
Last Update 2019/11/16 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるライフ破壊戦。プレイヤーはボクサーとなり、相手をノックアウトする。
● 原作
コミック『はじめの一歩』(講談社刊)。
● 世界設定
ボクシングは相手がいる格闘技ではあるが、同時に己との闘いでもある。
相手からの攻撃に耐え続け、ここぞという時に必殺のブローを放つのである。
● 本ゲームについて
原作版一歩のTCGです。プレイヤー自身が選手であるため、物語部分よりもボクシング競技の再現のほうが主体となっています。
カードダス版がタイミング勝負のゲームだったのに対して、こちらは技の一つ一つをカードとして表現しています。
※複数の対戦レギュレーションが存在しますが、ここでは10回戦ルールを紹介します。
基本構成
勝利条件
- 相手のスタミナが 0になる(K.O. 勝ち)。
- 相手がノックダウン状態になった時、10回の復帰処理の間に立ち上がれない(K.O. 勝ち)。
- 相手を 1ラウンドの間に 3回ノックダウンする(T.K.O. 勝ち)。
- 相手が投了する(T.K.O. 勝ち)。
- 時間制限などで対戦が続行できなくなった時、相手よりスタミナが多い。
事前準備
● デッキ(山札: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 60枚ちょうど。
- 構築条件: 同一番号カードはデッキに4枚まで。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ 各種表示用マーカー: スタミナやノックダウン回数のカウント用に適当数。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ(スタミナ): 20点。上限も同じ。
- ノックダウン回数: 0回。同一ラウンド中は上昇する。
- 開始手札: 5枚。上限も5枚(自ターン内で調整を行う)。
- マリガン: 手札にディフェンスカードが無いか全部ディフェンスカードの時、戻して引き直し。
- ファーストドロー制限: 有り(先攻は1ターン目に手札調整フェイズが存在しない)。
その他構成
● カードの行動表現
- カード縦: アンタップ状態。
- カード横: タップ状態。
● 基本構成細則
- ディスカード: 無し(ただし手札調整が存在)。
- ライブラリアウト: 有り(そのまま続行)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(各フェイズ単位で消滅)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: 無し。
- プレイヤー自身が格闘選手であり、個別のカードは自分の中で技として使用準備が整っているものを意味する。
ブローカードによる攻撃は常に相手プレイヤーを対象とし、ブロックの指定は防御側が任意に選択する。
- 1枚のブローカードの攻撃を、複数のディフェンスカードでブロックできる。
ゲームの流れ
開始準備
- 今回の対戦レギュレーションなどを確認する。
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- 先攻・後攻を決定する。
- それぞれ自分のデッキから手札としてカードを5枚引く。
- 必要に応じてマリガン処理を行う。
- 先攻から順に初期配置として、手札からブロー・ディフェンス・サポートカードを任意で場に配置する。
ただしここで配置できるのは、1つのカードタイプに付き最大で3枚まで。
- それぞれの初期配置カードをすべて表向きにする。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ セコンドアウトフェイズ
○ 手札調整フェイズ
- 手札から任意数のカードを破棄する。この時手札が必ず5枚以下になるようにすること。
- 手札が5枚になるように、デッキからカードを補充する。
○ 配置フェイズ
以下の行動を任意で行う。
- 手札からディフェンスカードを場に配置する(合わせて場に6枚まで)。
- 手札からブローカードを場に配置する(合わせて場に6枚まで)。
- 手札からサポートカードを場に配置する(場に3枚まで)。
- 手札のこのタイミングで使用できるファイトカードを使用する。
- 場のこのタイミングで使用できるカードの特殊能力を使用する。
○ ボクシングフェイズ
- 任意で“ボックス宣言”を行うことで、ブローカード単位でボックス(後述)を可能な範囲で好きなだけ行う。
宣言を行わない場合は、そのままボクシングフェイズが終了する。
※ターンプレイヤーが攻撃側・相手プレイヤーが防御側となる。
※ボクシングフェイズに使用できるファイトカードや特殊能力などは、それぞれ任意に基本の処理の合間に割り込んで使用できる。
- 任意分のボックスを行った後は、“ボックス終了”としてボクシングフェイズを終了する。
各ボックスの処理
▽ アタック宣言
- 攻撃側が自分の場のアンタップ状態のブローカードの中から、今回攻撃を行うカード 1枚を選択する。
- 攻撃側が攻撃を行うカードの起動コストを払ったうえで、そのカードを状態はそのままでリングに移動させる。
▽ ブロック宣言
- 防御側が自分の場のアンタップ状態のディフェンスカードの中から、今回ブロック(防御)を行うカードを任意数だけ選択する。
※ブロックは任意であり、行わなくてもよい。まだ複数のカードでブロックしてもよい。
- ブロックを行う場合、防御側はそのカード(群)を(状態そのままかつコスト不要で)リングに移動させる。
▽ ダメージ判定
- 攻撃側が攻撃を行うカードの打撃力に各種修正を加え、今回のボックスでの打撃力を算出する。
※この時点でタップ状態の場合、他の修正に関わらず打撃力が 0となる。
- 防御側がブロックを行う場合、ブロックを行うカード群の防御力の合計値に各種修正を加え、今回の防御力を算出する。
※この時点ですべてタップ状態の場合、他の修正に関わらず防御力が 0となる。
- ブロックの有無により、それぞれ以下の処理を行う。
- ブロックされていない場合:
攻撃側の打撃力の値分だけのダメージを、防御側プレイヤーに与える。
防御側は、受けたダメージの値分だけ自分のスタミナを減少させる。
- ブロックされている場合: 今回の打撃力と防御力の値を比較し、それぞれ以下の処理を行う。
- 打撃力 > 防御力:
- ブロックを行ったすべてのカードが破壊される。
- 打撃力から防御力を引いた差分値だけのダメージを、防御側プレイヤーに与える。
防御側は、受けたダメージの値分だけ自分のスタミナを減少させる。
- 打撃力 = 防御力:
- 攻撃・ブロックを行ったすべてのカードが破壊される。
- 打撃力 < 防御力:
- ブロックを行ったカードそれぞれに対し、攻撃側が打撃力の値を任意の割合で割り振っていく。
自身の防御力分の値を割り振られたカードは破壊される。
- 攻撃を行ったカードが破壊される。
- この時点で攻撃を行ったカードが破壊されていなければ、攻撃側はそのカードをタップ状態にして自分の場に戻す。
- この時点でブロックを行って破壊されていないカードがあれば、防御側はそのカードをそのままの状態で自分の場に戻す。
▽ ダメージ処理の適用
- 今回攻撃を行ったカードがダメージ効果を持ち、防御側プレイヤーに1点以上のダメージを与えた場合は記載のダメージ効果が発動する。
※要するに“ノックダウン”に関する一連の判定を行う。
○ インターバルフェイズ
- 手札から任意数のカードを破棄する(必ず5枚以下にすること)。
- 手札が5枚になるように、デッキからカードを補充する。
- このタイミングで使用できるファイトカードや特殊能力を任意で使用する。
1ゲーム終了時の処理
特に無し。
ルール細則
基本ルール細則
● 属性について
- カードには属性の概念が存在し、さまざまな場面で使用される。
- 属性は 勇気(赤)・カン(黄)・技術(緑)・冷静(青) の4種類が存在する。また無属性も存在する。
※属性には色がついているが、これはカードの色(カード種類で分けられている)とは無関係。
● ブロータイプとディフェンスタイプについて
- 属性とは別の種類概念として、攻撃の種類を表す ブロー/ ブロックタイプの概念が存在する。
- ブロータイプはブローカード・ブロックタイプはディフェンスカードで用いられる。
ただし特定のブロータイプに対する防御手段がブロックタイプなので、両者は種類としては同じものとなる。
※ブロック時の能力はブロックタイプと相手のブロータイプとの一致が条件となる場合が多いため、必然的に防御時に参照されることが多くなる。
- ブロー/ ブロックタイプの種類は以下の通り。
- ストレート: 直線的なブロー/ 対処法。
- フック: 横方向からのブロー/ 対処法。
- アッパー: 下から突き上げるブロー/ 対処法。
- スペシャル: 特殊なブロー/ 対処法。
● コストとパワーについて
- カードにはコストの概念が存在し、カードの使用には指定値分のコストを支払う必要がある。
なお本ゲームでは永続カードの配置にコストは不要であり、能力使用時の際にコストが要求される。
- コストはそれぞれ支払方法が指定されているが、代表的な物としてパワーを消費する属性コスト(および無属性コスト)が存在する。
※他にタップやカード破棄を要求するコストが存在する。
- パワーは主にディフェンスカードを使用することで発生し、未使用分は各フェイズ終了時に消滅する。
- ディフェンスカード1枚の存在によって、記載された値分の属性パワーが発生する。
※基本的にタップなどは要求されておらず、ただディフェンスカードが存在することで発生しているらしい。
※サポートカードの特殊能力などでパワーを出すこともできる。ただしこちらは発動に使用コストが要求される。
- 属性コストは、一致する属性の属性パワーを指定分だけ消費することで支払われる。
無属性コストは、属性に関わらず指定分の(無属性を含む)属性パワーを消費することで支払われる。
- カードを用いないパワー発生手段として、自身のスタミナを1減少させることで無属性パワーが 1だけ発生する。
● ラウンドについて
- ボクシング競技では3分の時間単位で試合が行われる。この単位がラウンドとなる。
- 本ゲームではゲーム進行の単位としてターンが用いられるが、実はラウンドの単位も存在している。
ただしターンとラウンドはそれぞれ独立しており、特殊な場合にのみラウンドの区切りが発生する。
※全体の流れの大きさとしては ゲーム > ラウンド > ターン であり、ラウンド終了によりそのターンも事実上終了となる。
※ラウンドが表に出ないでゲームが終わった場合、物語上の時間としては1ラウンド(3分以内)で決着が付いた扱いとなる。
- ラウンドは一部のカードが持つ“ラウンドUP”の能力が発動した時に(1ラウンド分が)終了する。
ラウンドUP発動により、以下の処理が行われる。
※本ゲームのラウンドは現実のラウンドとは別概念であるので、ラウンドUPが何回発動してもゲームの終了条件とはならない。
- 現在使用されているファイトカードの効果が終了する。
- 現在進行しているボクシングフェイズが終了する。
- リング内にあるすべてのカードが、それぞれのコーナー(場)に戻る。
- それぞれ自分のすべてのカードをアンタップできる。
- それぞれのノックアウト回数(カウンターの値)が 0になる。
- 攻撃側(ターンプレイヤー)のインターバルフェイズに進む。
● ノックダウンについて
- ボクシング競技では体力が尽きる前に、意識が遠のき倒れて起き上がれない場合がある。これを再現したものがノックダウンである。
- 一部のブローカードは、効果の中に“ノックダウン”の項目を持つ。
この効果を持つカードにより防御側プレイヤーがダメージを受けた場合はノックダウンとして倒れた扱いとなり、立ち上がる処理が必要となる。
- ノックダウンした時点で、そのプレイヤーのノックダウンカウンターが 1上昇する。
- 立ち上がる処理は以下のようにして行われる。
ただし1回のノックダウンで行うことができるのは10回(テンカウント)までで、10回失敗した(あるいはデッキ切れで行えない)場合は即座にゲームに敗北する。
- デッキからカードを1枚めくる。
- めくったカードがブローカードなら、立ち上がった(成功した)ことになる。
それ以外のカードの場合は、今回のカウントでは立ち上がれなかった(失敗した)扱いとなる。
- ノックダウンして立ち上がることができなければ、相手は K.O. (ノックアウト)勝ちとなる。
ノックダウンを同一ラウンド中に 3回してしまう(カウンターの値が3になる)と、相手は T.K.O. (テクニカルノックアウト)勝ちとなる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ ディフェンスカード (能力使用時にコスト必要)
- プレイヤーのさまざまな防御行動。防御そのものに加えコスト発生源を兼ねる。
- 防御力の値を持ち、プレイヤーが行う防御として使用される。
- それぞれブローカードと合わせて場に6枚まで配置できる。
- 配置の際にはコスト不要である。しかし特殊能力を持つ場合は、使用時に指定分の使用コストが必要となる。
- 発生パワーの項目を持ち、コスト支払いに用いるパワーを発生させることができる。
- ボックスにおいて、防御力以上の打撃力を受けた場合に破壊される。
○ ブローカード (起動時にコスト必要)
- プレイヤーのさまざまな攻撃行動。
- 打撃力の値を持ち、プレイヤーによる攻撃として使用される。
- それぞれディフェンスカードと合わせて場に6枚まで配置できる。
- 配置の際にはコスト不要である。しかしボックスにおいて攻撃に用いるごとに、指定分の起動コストが必要となる。
- ボックスにおいて、ブロックされて打撃力以上の防御力で受けられた場合に破壊される。
○ サポートカード (能力使用時にコスト必要)
- 声援やセコンドの指示など。場にサポートして配置される。
- 配置の際にはコスト不要である。しかし記載能力を使用時に指定分の使用コストが必要となる。
- それぞれ場に3枚まで配置できる。
● 瞬間的に使用するカード
○ ファイトカード (使用コスト必要)
- とっさの判断などで行う行動。効果はさまざま。
- それぞれ行動タイミングが記載され、指定されたタイミングでのみ使用できる。
場の構成
Support area | 相手サポートカードエリア |
Blow area | 相手ブロー&ディフェンスカードエリア |
| Ring | | リング |
Blow area | 自分ブロー&ディフェンスカードエリア |
Support area | 自分サポートカードエリア |
- 永続カードは、コーナーという空間に存在する。
- コーナーは共用のリング部分と、それぞれの場の部分で構成される。
- それぞれの場は、ブロー&ディフェンスカードエリアとサポートカードエリアに大別される(上図はコーナーの構成図)。
ブロー&ディフェンスカードエリアには、ブローカードとディフェンスカードが合計で6枚まで配置される。
サポートカードエリアには、サポートカードが3枚まで配置される。
- ボックス(戦闘処理)において、それぞれの場のカードが一時的にリングに移動して行われる。
- 永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は捨て札という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: 講談社
○ 発売開始: 2001年12月
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
|
基本セット
| 2001/12
| 162
| スターター(60/1500)、ブースター(15/400)、ビギナーセット(3000)
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