ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『World of Warcraft』のルール解説。
|
World of Warcraft Trading Card Game
Last Update 2021/11/6 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるダメージの与え合い戦。プレイヤーはファンタジー世界の英雄となり、仲間たちを率いて相手を撃滅する。
● 原作
ネットワークゲーム『World of Warcraft』。
● 世界設定
アゼロスと呼ばれるファンタジー世界。ここでは人類を中心とするアライアンスと、オークを中心とするホードが長きに渡って対立していた。
● 本ゲームについて
オンラインRPGのTCGです。日本では無名ですが、海外では非常に人気のあるオンラインゲームなのだそうです。本ゲームもプレイヤーの分身であるヒーローと、それを支える仲間たちという構成になっています。
基本構成
勝利条件
- 相手のヒーローを破壊する(ヘルス値以上のダメージを与える)。
- 相手のデッキが尽きる(引くべき時に引けない)。
事前準備
● デッキ (1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 60枚以上。
- 構築条件:
ヒーローカード以外のカードで構成されていること。
同一カードはデッキに 4枚まで(“Unlimeted”と記載されているカードは無制限に投入可能)。
アイコンが記載されているカードは、自分が使用するヒーローカードに記載されているアイコンといずれか 1つが一致していること。
特定のヒーロー専用と記載されているカードは、自分が使用するヒーローカードと条件が一致すること。
● その他準備
○ ヒーローカード: 任意の1枚。
○ ゲーム間交換カード: 無し(一部の大会では 10枚ちょうど)。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ: ヒーローカードの記載ヘルス値。上限も同じ。
- 開始手札: 7枚。上限も 7枚(自ターン内に調整有り)。
- マリガン: 任意で 1回。
- ファーストドロー制限: 有り(先攻は 1ターン目にはカードを引かない)。
その他構成
● カードの行動表現
- カード縦 (レディ): 待機状態。
- カード横 (エキゾースト): 消耗状態。
- カード裏: リソース(通常カード)・パワー使用後状態(ヒーローカードのみ)。
● 基本構成細則
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 有り(勝利条件に関係)。
- 3人以上でのプレイ: 不明(日本語版上は未想定)。
- 召喚酔い: 部分的に有り(アライは配置ターンに原則戦闘不可)。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(常にリソース列にあるカードの形で存在)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 有り。
- ユニーク処理: “UNIQUE”記載カードおよびロケーションカード、自軍ユニーク、生存対象は任意選択。
- クリーチャーの攻撃は、相手キャラクター(ヒーローかアライ)を対象とし、最初は攻撃側が指定する。
防御側は任意で本来の攻撃対象からプロテクター能力を持つキャラクターに変更することができる。
- 戦闘では攻撃側・防御側それぞれが相手キャラクターに対してダメージを与えあう。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれ自分のヒーローカードを表(パワー項目などが記載されている側)向きに配置する。
- 先攻・後攻を決定する。
- それぞれデッキをシャッフルする。
- それぞれ自分のデッキより手札としてカードを 7枚引く。
- 必要に応じてマリガン処理を行う。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ スタート(Start)フェイズ
▲ レディ(Ready)ステップ
▲ ドロー(Draw)ステップ
○ アクション(Action)フェイズ
ゲームのほとんどの基本行動がとれる。実行できるのは以下のとおり。
- 手札からカードをプレイ(使用・配置)する。
- 場に配置されたカードのパワーを使用する。
- 手札の任意のカードをリソースとして配置する(1ターンに 1回のみ)。
- 戦闘を行う(後述のコンバットステップを行う)。
各コンバット(Combat)ステップの処理
▽ 戦闘宣言&攻撃(Proposing and Attacking)
- ディフェンダーとなる相手のキャラクター(ヒーローおよびアライ)を選択する。
- アタッカーとなるレディ状態のキャラクターを選択する。
- 戦闘を宣言する。
- アタッカーをエキゾースト状態にする。
- 攻撃に関する各種行動を行う。
▽ 守り&防御(Protecting and Defending)
- 相手側がディフェンダーを決定する。
任意でレディ状態のプロテクター能力と持つキャラクターを盾役とすることでディフェンダーに指定することができるし、
特に指定しなければ攻撃側が指定したキャラクターがそのままディフェンダーとなる。
- 相手側が防御に関する各種行動を行う。
▽ 戦闘結果(Combat Conclusion)
- この時点でアタッカーとディフェンダーが健在である場合、それぞれが相手アタッカー/ディフェンダーに対してこちらの(各種修正を加えた)ATK値分のダメージを与える。
○ エンド(End)フェイズ
▲ ラップアップ(Wrap-Up)ステップ
- 手札が上限を超えている場合、上限に収まるようにカードを捨てる。
1ゲーム終了時の処理
特になし。
ルール細則
基本ルール細則
● リソース
- カードには本来の使い方とは別に、他のカードのコストを支払うために使用するリソースとしての役割がある。
- デッキや手札の中にはリソースは存在しないが、手札のカードをリソースとして配置することでリソースとなる。
- リソースは場のリソース列に裏向きのレディ状態で配置される。
- リソースの配置はカードプレイとは異なるためコストは必要ない。
- リソースは本来のカード種別とは別の存在として扱われる。
- 1ターンに付き 1枚だけリソースを配置することができる。
- レディ状態のリソース 1枚をエキゾースト状態にすることで、コストを 1支払うことができる。
● 配置制限
- 永続配置するカードの中には、配置枚数に制限がかかっているものが存在する。
- 制限がかかっているカードには項目欄の部分に制限についてのタグが記載されている。
- 制限についてのタグに数値が記載されている場合、自分の場にタグ名称単位で指定枚数まで配置することができる。
- タグがユニーク(UNIQUE)である場合、自分の場に同一名称単位で1枚ずつ配置することができる。
- もしも自分の場に制限の上限を超えた枚数のカードが存在する場合は制限に収まる枚数だけ場に残し、それ以外を破棄する。残す対象は任意に選択する。
- ロケーションカードも配置制限を持つが、ここで説明している配置制限とは別個の概念であり扱いは異なる。
カード構成
○ ヒーロー(Hero)カード (コスト不要)
- プレイヤーの分身。両面カードである。
- ゲーム開始時に場のヒーロー列ににヒーローとして表向き(パワーの効果が記載されている方)で配置される。
- ヘルス値以上のダメージを受けた場合破壊され、ゲームに敗北する。このダメージは蓄積する。
- ゲーム中一度だけ記載のパワーを使用できる。パワー使用後はカードを裏返す(以降パワーは使用できない)。
- 基本的には ATK(攻撃力)値を持たない。ただしウエポンカードの能力を使用することで ATK値を得ることができる。
- いずれかのアイコンを持ち、デッキの構築条件として用いられる。
○ アライ(Ally, 仲間)カード (コスト必要)
- プレイヤーの部下たち。種族などはさまざま。
- 場のアライ列に配置される。
- ATK(攻撃力)/ヘルス値を持ち、プレイヤーの武器/盾となる。
- ヘルス値以上のダメージを受けた場合破壊される。このダメージは蓄積する。
○ エクイップメント(Equipment, 装備)カード (コスト必要)
- ヒーローのみが使用するさまざまな装備。ヒーロー列に永続配置する。
- それぞれ使用できるヒーローが決まっており、使用するヒーローカードと同一アイコンを持つ場合にデッキに投入できる。
- ウエポン(Weapon)・アーマー(Armor)・アイテム(Item)などの種類が存在する。
- ウエポンは、以下の特徴を持つ。
- ATK値を持ち、能力を使用することによってヒーローに攻撃力を加える。
- 配置コストとは別に、戦闘に使用するごとに支払うストライクコストを持つ。
- 戦闘の際にストライクコストを支払いエキゾースト状態にすることで、ヒーローに ATKを加える。
- 配置ターンから戦闘に使用できる(戦闘自体はヒーローが行うので)。
- アーマーは、以下の特徴を持つ。
- DEF(防御)値を持ち、能力を使用することによってヒーローへのダメージを軽減する。
- 戦闘などの際にエキゾースト状態にすることで、ヒーローへ与えられるダメージを DEF値分だけ軽減する。
○ アビリティ(Abilitiy, 能力)カード (コスト必要)
- ヒーローが使用する(という扱いの)特殊技能など。効果はさまざま。
- 瞬間使用カードと永続配置カード(“Ongoing”と記載されたカード)の2種類が存在する。
- 添付(Attach)の記載がある永続配置カードは、対象となるカードに付ける形で場に配置する。
- 添付するカードは 1つの対象に対して複数添付できる。
- 添付対象のカードが除去された場合、添付したカードはすべて破棄される。
○ クエスト & ロケーション(Quest & Location)カード (コスト不要)
- 特殊効果を持つリソース専用カード。要するに追加任務と戦場の地形。
- いずれもリソースとして永続配置し、必要な時に記載効果を使用する。
※カードのプレイではなく、リソースの配置であることに注意すること。
- リソースを配置する際に、これらのカードは裏表どちら側でも配置することができる。
※もちろん裏向き配置なら通常通りのリソースとして扱われるので、わざわざ使用する意味は無くなるが。
- 表向きに配置しても、リソースとしては通常どおり使用できる。
- クエストカードは記載条件を満たすことで、記載の報酬効果を1度だけ得ることができる。
報酬効果を得た後は裏向きとなり、以降は通常のリソースとして扱われる。
- クエストカードは特に指示のない限り、いずれのターンにもレディ・エキゾースト状態のどちらでも条件判定が行われる。
- ロケーションカードは何度でも効果を使用できる(記載効果で裏向きになることは無い)。なお使用タイミングなどはそれぞれで異なる。
- ロケーションカードは自分の場に1枚しか配置できない。複数配置したときは、任意の1枚を残し残りは裏向きにする。
場の構成
リソース列 | 敵陣 |
ヒーロー列 |
アライ列 |
|
アライ列 | 自陣 |
ヒーロー列 |
リソース列 |
- 各カードは、場という空間に存在する。
- 場は永続カードが存在するプレイゾーンと、瞬間カードの判定処理用のチェーンゾーンに大別される。
- それぞれのプレイゾーンは、アライ列・ヒーロー列・リソース列 の3種に大別される(上図はプレイゾーンの構成図)。
アライ列にはアライ、ヒーロー列にはヒーローとその付随カード、リソース列にはリソースなどが配置される。
- 永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は墓地という空間に集められる。
- 墓地とは別に、ゲーム外ゾーンが存在する。
商品情報
● メーカー: The Upper Deck Company(日本発売はアッパーデックジャパン) → Cryptozoic Entertainment(日本語版発売はコナミ)
○ 発売開始: 2006年10月(日本発売は2010年1月)
- ○ ラインナップ
-
- Heroes of Azeroth(基本セット)
- Through the Dark Portal
- Flres of Outland
- March of the Legion
- Servants of the betrayer
- Hunt for Illidan
- Drums of War
- Blood of Gladiators(日本発売)
- Fields of Honor(日本発売)
- Scourgewar
- Wrath Gate
- Icecrown
- Worldbreaker(日本語版あり)
- War of the Elements(日本語版あり)
- Twilight of the Dragons
- Throne of the Tides
- Crown of the Heavens
- Tomb of the Forgotten
- War of the Ancients
- Betrayal of the Guardian
- Reign of Fire
Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
◆ Back ◆