ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『VS. SYSTEM』のルール解説。
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Trading Card Game
VS. SYSTEM
Last Update 2019/10/5 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
複数対戦(原則的には2人)によるライフ破壊戦。プレイヤーはアメリカにいる超人となり、仲間のヒーローや悪人たちを率いて相手を粉砕する。
● 原作
アメリカンヒーローが登場するコミック誌各種。
● 世界設定
世界は危機に満ち溢れていた。個人による強盗から惑星捕食まで騒動のタネは尽きない。
そんな世界を救うべく、地球の各地や宇宙空間、果ては異次元からスーパーヒーローが参上するのである。
● 本ゲームについて
アメコミヒーローのTCGです。アベンジャーズやジャスティスリーグといったチーム戦を再現しています。
カードの裏面も統一されており、スリーブなどを使わなくても出版社の枠を超えたチーム編成を行うことができます。
基本構成
勝利条件
- リカバリーフェイズにおいてすべての対戦相手のプレイヤーライフ(endurance)を 0以下にする。
- すべての対戦相手のデッキが尽きる(引くべき時に引けない)。
- すべての対戦相手が投了する。
事前準備
● デッキ (1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 60枚以上。
- 構築条件:
同一カードはデッキに 4枚まで。ただしバージョンの部分にアーミーと記載されたカード(アーミーキャラクター)は無制限に投入可能。
※キャラクターはカード名称とバージョンの部分を併せた項目で同一カードの判別を行うことに注意すること。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ 各種表示用マーカー: イニシアチブ表示用トークンなどを適当数。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ(endurance): 50。上限は無し。
- 開始手札: 4枚。上限は無し。
- マリガン: 任意で 1回。
- ファーストドロー制限: 無し(全員 1ターン目からカードを引く)。
その他構成
● カードの行動表現
- カード縦: レディ状態。
- カード横: エグゾースト状態。
- カード横かつ裏向き: スタン状態。
● 基本構成細則
- ディスカード: 無し。
- ライブラリアウト: 有り(勝利条件に関係)。
- 3人以上でのプレイ: 可能。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(ステップ単位で消滅)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: アーミー以外のキャラクターカードと、“ユニーク”の記述があるカード。自軍ユニーク、生存カードはプレイヤーが選択。
- キャラクターの攻撃は 1つのチームまたは単体ごとに行い、相手のキャラクター 1体を対象とする。
ただしキャラクターが実質上存在しないプレイヤーに対しては、直接攻撃を行うことができる。
ゲームの流れ
開始準備
- ゲーム開始時のイニシアチブ(ターン内における行動順)を決定する。
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれ自分のデッキより手札としてカードを 4枚引く。
- 必要に応じてマリガン処理を行う。
全体の基本進行
ターンと呼ばれる手順を繰り返し、いずれかが勝利条件を満たした時ゲーム終了。
同一ターン内ですべてプレイヤーが処理を行う。ただし処理の順番を決定する手段としてイニシアチブという概念が存在する。
※イニシアチブを持つプレイヤーがそのターンにおいて最初に行動する。なおイニシアチブを持つプレイヤーはターンごとに変化する。
ターン(1回の手番)の進行
○ ドロー(Draw)フェイズ
- それぞれがデッキからカードを 2枚引き手札に加える。
○ ビルド(Build)フェイズ
イニシアチブを持つプレイヤーから順に、以下の 3ステップを実施する。
※ 3ステップとも終えた後に、時計回りで次のプレイヤーの手番が回ってくる。
○ リソース(Resource)ステップ
- 任意で手札のカード 1枚を、リソース列に裏向きに左詰めで配置する。
○ リクルート(Recruit)ステップ
- リソース列に存在するカードの枚数分だけ、リソースポイントが発生する。
- 任意で手札からキャラクター・装備品カードを場に配置する。
- リソースポイントがすべて消滅する。
○ フォーメーション(Formation)ステップ
- 任意で自分の場のキャラクターの配置列や位置を変更する。
○ 戦闘(Combat)フェイズ
イニシアチブを持つプレイヤーから順に、時計回りで以下のアタックステップを実施する。
○ アタック(Attack)ステップ
- 各プレイヤーごとに以下の攻撃を、キャラクター(またはチーム)単位で任意分だけ行う。
各攻撃の処理
▽ 攻撃の宣言
- レディ状態かつ攻撃できる条件を満たしているキャラクター 1体(あるいはチーム一組)をアタッカーとして指定し、攻撃を宣言する。
- 攻撃対象(ディフェンダー)として、いずれかの相手キャラクター 1体を選択する。
ただしキャラクターがいなかったりすべてスタン状態になっているプレイヤーに対しては、プレイヤーへの直接攻撃を行うことができる。
※攻撃を行うキャラクターの能力などにより、ディフェンダーに指定できるキャラクターが変化する。
- 攻撃を行うキャラクターを、エグゾースト状態にする。
- ディフェンダーが存在する時は次の“攻撃の解決”の処理に、プレイヤーに攻撃する時は以降を飛ばして“対戦相手への直接攻撃”の処理に進む。
▽ 攻撃の解決
- それぞれ(パワーアップなどの)各種修正を加え、今回の戦闘における ATKと DEFの値を算出する。
- アタッカーの ATK値とディフェンダーの DEF値を比較し、その結果により以下の処理を行う。
- ATK > DEF: ディフェンダーがスタン状態となる。
スタン状態となったことで、ディフェンダー側のプレイヤーライフの値を対象キャラクターのリクルートコストの値分だけ減らす。
さらにブレイクスルーとして、ディフェンダー側のプレイヤーライフの値を DEF値を超えた ATK値の差分値だけ減らす。
※チームによる攻撃ではブレイクスルーは発生しない。またブレイクスルー時に支援による軽減措置が行われる場合がある。
- ATK = DEF: ディフェンダーがスタン状態となる。
スタン状態となったことで、ディフェンダー側のプレイヤーライフの値を対象キャラクターのリクルートコストの値分だけ減らす。
- ATK < DEF: 何も無し。
- アタッカーの DEF値とディフェンダーの ATK値を比較し、その結果により以下の処理を行う。
※アタッカーがチームの場合、ディフェンダー側がチーム内から任意のアタッカー 1体を選択して比較する。
- DEF > ATK: 何も無し。
- DEF ≦ ATK: アタッカーがスタン状態となる。
スタン状態となったことで、アタッカー側のプレイヤーライフの値を対象キャラクターのリクルートコストの値分だけ減らす。
- 以降の処理を飛ばし、今回の攻撃が終了する。
▽ 対戦相手への直接攻撃
- それぞれ各種修正を加え、今回の戦闘における ATKの値を算出する。
- 対象となる相手のプレイヤーライフの値を、アタッカーの ATKの値分だけ減らす。
○ リカバリー(Recovery)フェイズ
- ここでプレイヤーライフの確認(勝利条件の判定)を行う。
- イニシアチブを持つプレイヤーから順に、それぞれ自分のスタン状態のキャラクター 1体をリカバー(エグゾースト状態に)させる。
それ以外のスタン状態のキャラクターは、すべて KOパイルに送られる。
- 場に残っているカードを、すべてレディ状態にする。
- イニシアチブが時計回りで次のプレイヤーに移る。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール細則
● 所属チームについて
- キャラクターカードは属性概念として所属チームを持ち、チームアタックや支援などさまざまな場面で使用される。
- 所属チームは Avengers(アベンジャーズ)・JLA(ジャスティス・リーグ)・X-MEN など多くの種類があり、中には無所属のキャラクターも存在する。
● リソース列について
- すべてのカードは本来の役割とは別に、リソース用のカードとしてリソース列に配置することができる。
- それぞれターンごとに 1枚だけ、手札の任意のカードを場のリソース列に裏向きに配置できる。なおこの配置にコストなどは必要ない。
- リソース列にカードが存在することで、リクルートコスト用のリソースを発生したり、スレショルドコストの条件として扱うことができる。
- ロケーションなど一部のカードは、あらかじめリソース列に配置することで使用できる。
これらはあらかじめリソース列に裏向きで配置された状態で、条件を満たした時に表向きにすることで効果が発動される。
※表向きになってもリソース用のカードとしてそのまま列に残る。
● コストについて
- カードにはコストの概念が存在し、カードの使用・配置には指定値分のコストを支払う必要がある。
- コストにはリクルートコストとスレショルドコストの 2種類が存在し、カードによって使用コストが異なる。
- リクルートコストはキャラクターなどの配置に用いるコストであり、指定値分のリソースポイントを消費することで支払うことができる。
- リソースポイントはそれぞれのリクルートステップの間だけ一時的に発生する。
ステップ開始時の自分のリソース列にあるカード枚数分の値だけ、リソースポイントが供給される。
- スレショルドコストはプロットツイストの使用などに用いるコストであるが、消費概念ではなく使用条件である。
自分のリソース列に、指定コスト以上のカードが存在する場合に対象カードを使用することができる。
● チームアタック(Team Attack)について
- キャラクターの攻撃時に、複数のキャラクターを 1体にまとめてのチームアタックを行うことができる。
- チームアタックは非力なキャラクターたちで強力な相手を倒す手段であり、アタッカー側のみ行うことができる。
- チームを組むキャラクターは、すべてが同じ所属チームに属している必要がある。
またチームを組むすべてのキャラクターがレディ状態かつ対象を攻撃できる条件を満たしていなければならない。
- 攻撃の解決時において、チームの ATK値はチームに参加したキャラクターの合算値が用いられる。
ただし DEF値においては、ディフェンダー側が指定したチーム内のキャラクター 1体の値が用いられる。
※つまり全員で相手 1体に攻撃を加えるが、相手の攻撃はチームの中の 1人に限られる。
- チームアタックの場合、ブレイクスルー(による相手のライフ減少)は発生しない。
● パワーアップ(Power-Ups)について
- キャラクターカードは、本来の役割とは別に場の同一キャラクターのパワーアップに使用することができる。
- 手札のキャラクターカード 1枚を破棄することで、自分のアタッカー・ディフェンダーの ATK・DEF 値がそれぞれ +1 される。
- パワーアップの対象はキャラクター名のみで判断され、バージョン部分は問われない。
- パワーアップは一度に複数回行うことができる。
● 保護(Protected)について
- フロント列のキャラクターは、自身の直後の位置にいるサポート列のキャラクター 1体を保護することができる。
- 保護は配置位置によって決まり、フロント列のキャラクターの真後ろのサポート列にキャラクターを配置することで自動的に保護される。
- 飛行アイコンを持たないキャラクターは、保護されたキャラクターを攻撃対象に選ぶことができなくなる。
- フロント列のキャラクターがスタン状態になったり場から取り除かれた場合は、保護の対象から外れる。
● 支援(Reinforcement)について
- キャラクターが攻撃を受けた際に、場のキャラクターが支援を行うことでブレイクスルー(いわゆる貫通ダメージ)を防ぐことができる。
- 支援は、ディフェンダーと同じ所属チームのキャラクターのみ行うことができる。
またレディ状態で、かつディフェンダーと左右隣接か直後の位置にいる場合にのみ行うことができる。
- 支援はディフェンダーがスタン状態となりさらにブレイクスルーが発生する状態の際に、任意で行うことができる。
支援を行うことでそのキャラクターはエグゾースト状態となり、ブレイクスルーによるライフ減少は 0となる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ キャラクター(Character)カード (リクルートコスト必要)
- この世界の住人たち。場にキャラクターとして配置される。
- いわゆるスーパーヒーローやヴィランたちであるが、まれに一般人もいる。
- キャラクター名とともにバージョンを持ち、デッキ構築などは両者を合わせた名称で区別される。
※本ゲームにおけるバージョンとは数値ではなく、そのキャラクターの姿や所属の変遷などの名称が記されている。
- 場のフロント列かサポート列のいずれかに配置され、可能であれば一度に何体も配置できる。
- 基本的にはキャラクター名で自軍ユニークである。
ただしバージョンの部分にアーミーと記載されたカード(アーミーキャラクター)は、自分の場に何体でも配置できる。
- 所属チーム名を持ち、通常は何らかのチームに所属している。
※キャラクターカードに限り、他のカードにおけるカード種類の部分が所属チーム名となっている。
- ATK/ DEF の値を持ち、プレイヤーの武器/盾となる。
- 一部のカードは飛行とレンジのアイコンを持ち、攻撃の範囲が変化する。変化の内容は以下の通り。
- アイコン無し: 自軍フロント列から、相手フロント列の相手または保護されていないサポート列の相手を攻撃できる。
- 飛行アイコンのみ: 自軍フロント列から、保護の有無に関わらず相手フロント列・サポート列の任意の相手を攻撃できる。
- レンジアイコンのみ: 自軍フロント列・サポート列のどちらからでも、相手フロント列または保護されていないサポート列の相手を攻撃できる。
- 両方のアイコン有り: 場のどこからでも、任意の相手を攻撃できる。
- 攻撃で相手キャラクターの ATK値がこちらの DEF値以上の場合にスタン状態となる。
スタン状態になった場合、そのキャラクターの記載リクルートコストの値分だけプレイヤーライフが失われる。
- スタン状態のキャラクターは事実上場に存在しない扱いとなり、リカバリーフェイズに回復(リカバー)できなければ破壊される。
○ 装備品(Equipment)カード (リクルートコスト必要)
- キャラクターが携帯する武器や乗り物など。場に装備品として配置される。
- 場のキャラクターに付ける形で場に配置される。
- 1体のキャラクターに付き、1枚の装備品を付けることができる。
- 付いているキャラクターが場を離れる場合、装備品は破棄される。
- 一部の例外を除き、同一カードを場に複数配置できる。
○ ロケーション(Location)カード (表向きにする際にスレショルドコスト必要)
- 物語世界におけるさまざまな場所。
- あらかじめリソース列に裏向きに配置し、コストが満たされている状態の任意タイミングに表向きにすることで記載効果を発揮する。
- 基本的には自軍ユニークである。
● 永続・瞬間的に使用するカード
○ プロットツイスト(Plot Twist)カード (スレショルドコスト必要)
- ゲーム中に起きるさまざまなイベント。使用タイミングなどは各カードごとに異なる。
- 手札から直接使用することもできるし、一度リソース列に裏向きに配置したうえで後から表向きにして発動することもできる。
- 手札から使用した場合、使用後は破棄される。
- リソース列に配置した場合、コストを満たしたうえで表向きにすることで効果を発動する。カードは発動後も表向きのままリソース列に残る。
※効果発動は 1度きりで、再び裏向きになることは無い。
- 効果は基本的には瞬間的な物であるが、一部のカードは継続アイコンを持ち永続的な効果を発揮する。
場の構成
Resource Row | 敵陣 リソース列 |
Support Row | 敵陣 サポート列 |
Front Row | 敵陣 フロント列 |
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Front Row | 自陣 フロント列 |
Support Row | 自陣 サポート列 |
Resource Row | 自陣 リソース列 |
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- 場はそれぞれのフロント列とサポート列、リソース列に大別される(上図は場の構成図)。
- フロント列とサポート列にはキャラクターが配置される。
- フロント列とサポート列はそれぞれ一列の空間である。また列の前後左右などの位置関係は意味を持ち、保護や支援などの発生条件となる。
- リソース列にはリソースポイントを発生させる分のカードが配置され、ロケーションやプロットツイストはここに配置することで効果を発揮できる。
- 永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は KOパイルという空間に集められる。
商品情報
● メーカー: The Upper Deck Company/ ホビージャパン
○ 発売開始: 2004年(日本語版は2005年8月)
○ ラインナップ
MARVEL版
- 基本セット
- Web of Spider-man
- Marvel Knights
- Avengers(日本語版有り)
- The X-Men(日本語版有り)
- Heralds of Galactus
- Team-Up
- Legends
- Universe
- Evolution
DC版
- 基本セット
- Superman Man of Steel
- Green Lantern Corps
- Jystice League of America(日本語版有り)
- Infinite Crisis(日本語版有り)
- Legion of Super-Heros
- World's Finest
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