ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『Ultimate combat』のルール解説。
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Ultimate Combat!
Last Update 2021/5/22 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるライフ破壊戦。プレイヤーは格闘家となり、持てる技を駆使して相手を打ち倒す。
● 原作
実際の格闘技を基にしたオリジナル。
● 世界設定
アメリカでは護身術やスポーツとして、格闘技が大人気。
それはボクシングやレスリング、空手に柔道とさまざまな流派の特徴を取り入れ、総合格闘技へと進化していた。
だが流派の乱立と統合は、いつしか最強の格闘技を目指す格闘家の登場を促した。
そして己の技を極めるため究極の闘いに身を投じる猛者たちが、一堂に会する武闘会の日がやってきたのだ。
● 本ゲームについて
格闘技、特に空手や功夫といったアジアの武術をテーマにしたスポーツTCGです。
カードイラストも写真取り込みで、アメリカのさまざまな格闘技協会の監修も受けているそうです。
ただしまじめ一辺倒な格闘ゲームというわけではなく、海外で受けそうなネタが全部組み込まれています。
基本構成
勝利条件
- 相手のヒットポイントを 0ポイントにする(KO勝ち: 同時に 0ポイントになった場合は引き分け)。
- 相手のデッキが尽きる(TKO勝ち: 相手ターンの引くべきときにカードが引けない)。
事前準備
● デッキ (1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 50枚以上。
- 構築条件:
同一カードはデッキに 4枚まで(ただし基本覚醒カードと基本移動カードは無制限に投入可能)。
制限カード(ドクロアイコンが付いたカード)は、デッキにそれぞれ 1枚まで。
※本ゲームは習熟度やカード保有枚数による昇段制をとっている。
白帯や黒帯といったランクにより構築条件や大会での獲得得点などが変化するが、ここでは割愛(同ランク対戦と)する。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ 各種表示用カウンター: 適当数。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ(Hit Point): 20ポイント。上限は無し。
- 開始手札: 10枚。上限も基本的に同じ(自ターン内に調整有り)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(先攻は 1ターン目からカードを引く)。
その他構成
● カードの行動表現
- カード表・正位置: 通常状態。
- カード表・逆位置: テクニックなどの配置状態。
- カード裏向き: ドレイン状態。
● 基本構成細則
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 有り(勝利条件に関係)。
- 3人以上でのプレイ: 可能。
- 召喚酔い: 有り(攻撃用カードの配置は上下逆位置)。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理:
移動カード。自軍ユニーク、後出し生存。
環境カード。両軍ユニーク、後出し生存。
- テクニックなどによる攻撃は常に相手プレイヤーを対象とし、防御側が任意でテクニックなどによる防御を行う。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれ自分のデッキよりカードを 1枚引き、アンティとして裏向きに配置する。
※この当時はアンティ(賭けカード)の風習があった。現在は無理に行う必要は無い。
- それぞれ自分のデッキより手札としてカードを 10枚引く。
- 先攻・後攻を決定する。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ リカバリー(Recovery)フェイズ
- 自分の場の裏向きのカードを、すべて表向きにする。
- 自分の場のカードに乗っている時間カウンターを、それぞれ 1個ずつ取り除く。
○ ドロー(Draw)フェイズ
- 手札が 10枚ちょうどの場合、デッキからカードを 1枚引いて手札に加える。
手札が 10枚未満の場合、手札が 10枚になるようにデッキからカードを引く。
○ 準備(Build)フェイズ
- 以下のどちらか一方の行動を行う。
- 覚醒カード 1枚を場に配置する(1ターンに付き 1枚のみ)。
- 手札のカードを任意枚数だけ捨て、その数と同じ枚数だけデッキからカードを引き手札に加える。
○ 行動(Activity)フェイズ
- 自分の場の逆位置のカードを、すべて正位置にする。
- 任意で以下の行動を行う。
- 手札のテクニックカードを、テクニックとして場に逆位置に配置する(自分の場に 4枚まで)。
- 手札の移動カードを場に配置する。
- 手札の環境カードを場に配置する。
- 手札の武具カードを、武具として場に逆位置に配置する。
- 手札の防具カードを、防具として場に配置する。
- 手札のお守りカードを、お守りとして場に配置する。
- 手札のアクションカードを使用する。
- 場の武具・移動カードを破棄する。
- 場の正位置のテクニックや武具により、戦闘を行う(後述)。
※戦闘は通常は 1ターンに 1回のみ。ただし一部カードの効果により連続攻撃が発生する場合もある。
- それぞれこのターンの戦闘で武具を使用した場合、その武具の破壊判定を行う。
- ゲームの勝敗判定を行う。
各戦闘の処理
▽ 攻撃の宣言
- ターンプレイヤーは攻撃側となり、今回攻撃を行う手段として自分の正位置のテクニック(または武具) 1枚を選択する。
- 攻撃側が選択した攻撃用カードを戦闘アリーナに出すことで、そのカードによる攻撃を宣言する。
- 攻撃側が任意で場の移動カードを戦闘アリーナに出すことで、攻撃に移動の効果を追加する。
▽ 防御の選択
- 相手プレイヤーは防御側となり、任意で防御を行うかどうかを選択する。
防御は場のテクニック・武具か手札のアクションカードのいずれか(防御が可能な) 1枚によって行うことができる。
- 防御側が防御を行う場合、防御用のカードを戦闘アリーナに出すことで防御を宣言する。
▽ アドバンテージの使用
- 攻撃側から順に、それぞれが任意で手札からアドバンテージカードを使用する。
※防御側は防御を行わなくても、アドバンテージカードを使用できる。
▽ 戦闘の判定
- 攻撃側の攻撃用カードの攻撃力に各種修正を加え、今回の攻撃力の値を計算する。
- 防御側の防御用カードの防御力に各種修正を加え、今回の防御力の値を計算する。
※防御しない場合は値が 0になる(ただし防御力とは別に、ダメージ軽減が発生する場合もある)。
- 攻撃側の攻撃力から防御側の防御力を引いた値が、今回のダメージ値となる。
- 今回のダメージの値分だけ、防御側のヒットポイントを減らす。
※値がマイナスの時は通常は無視される。ただし防御側がカウンターを使用した場合、マイナス値の絶対値分のダメージを攻撃側が受けることになる。
▽ 戦闘の終了
- それぞれこのタイミングで使用できるアドバンテージカードを、手札から任意で使用する。
- それぞれ今回使用した攻撃・防御用のカード(テクニック・移動・アドバンテージ)をすべて捨て札とする。
※得意技化したテクニックや武器のように、捨て札とならずに場に戻されるカードも存在する。
- 今回の戦闘が終了する。
○ ディスカード(Discard)フェイズ
- 手札が上限を超えている場合に限り、手札からカードを 1枚捨てる。
1ゲーム終了時の処理
通常の大会では 3ゲームマッチである為、次のゲームに備えること(負けた側が次のゲームでの先攻となる)。
ルール細則
基本ルール細則
● 属性について
- 覚醒カードには属性の概念が存在し、さまざまな場面で使用される。
- 属性は コンディション(Conditioning)・経験(Experience)・闘志(Fighting Sprit)・知識(Knowledge) の 4種類が存在する。
● コストについて
- カードにはコストの概念が存在し、カードの使用・配置には指定値分のコストを支払う必要がある。
- コストは覚醒カードを使用することで支払うことができる。
- 場の覚醒カード 1枚を裏向き(ドレイン状態)にするごとに、対応する属性のコストが 1だけ発生する。
● 移動による攻撃修正について
- 移動カードは攻撃の際の補助カードとして使用され、攻撃するカードの攻撃力を変化させることができる。
- あくまでも攻撃力の修正であり、防御側は移動カードを使用しない。
ただし判定の際に、防御側の場に存在する移動カードの内容が参照される。
- 攻撃における移動カードの使用は任意である。使用しなくてもかまわない。
- 攻撃に移動カードを使用した場合、移動カードは攻撃後に捨て札となる。
- ちなみに本ゲームが想定している戦いは、マットや試合場といった平坦な場所での個人戦である。
武具や飛び技の要素はあるものの、立体移動(リングでの場外乱闘や空中殺法など)は想定されていない。
- 攻撃時に移動カードを使用した際の、攻撃力の修正値は下図の通り。
※それぞれの内容は各移動カードに記載されている。またマルチ移動の場合は、いずれか選んだ一方向で判定する。
※一部のテクニックカードはこの修正に加え、移動カードとの同時使用で発動する効果を持つ場合がある。
自分の移動 | 相手の移動 | 攻撃力修正 |
前 | 前 | -1 |
右 | 0 |
左 | 0 |
後ろ | 2 |
無し | 1 |
右 | 前 | 0 |
右 | -1 |
左 | 2 |
後ろ | 0 |
無し | 1 |
左 | 前 | 0 |
右 | 2 |
左 | -1 |
後ろ | 0 |
無し | 1 |
後ろ | 前 | 2 |
右 | 0 |
左 | 0 |
後ろ | -1 |
無し | 1 |
未使用 | 状態問わず | 0 |
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ 覚醒(Foundation)カード (コスト不要)
- プレイヤーが学んできた格闘技における修行の成果。場に覚醒カードとして配置される。
- 1ターンに 1枚だけ配置可能で、自分の場に望むだけの数を配置できる。
- いずれかの属性が記載されており、本ゲームにおけるコストの発生源となる。
- 該当属性に対する覚醒(開眼度合い)を表し、場に多く出すほど修行の成果が発揮されていることになる。
- 基本覚醒カードとマルチ覚醒カードの 2種類が存在する。
- 基本覚醒カードは属性を 1つだけ持つカードであり、デッキに無制限に投入できる。
- マルチ覚醒カードは属性を複数持つカードであり、コスト発生時は記載属性からいずれか 1つを選んで使用する。
○ 移動(Movement)カード (コスト必要)
- 相手との間合いを調整するための前後左右の動き。場に移動カードとして配置される。
- それぞれ自分の場に 1枚だけが存在でき、追加配置時は自分の従来カードが捨て札となる。自ターンに破棄もできる。
- 基本移動カードとマルチ移動カードの 2種類が存在する。
- 基本移動カードは移動方向(およびアイコン)が 1方向だけ記載されたカードであり、デッキに無制限に投入できる。
- マルチ移動カードは移動方向が複数記載されたカードであり、各戦闘ごとにどちらの方向かを 1か所選んで使用する。
※基本的にななめ移動カードであり、X軸・Y軸からそれぞれ 1つずつが記載されている。
- 攻撃の際の攻撃補助カードとなり、任意で場の 1枚を戦闘アリーナに出すことができる。
移動カードを攻撃用カードと一緒に出すことで、攻撃用カードの攻撃力が変化する。
- 移動カードを戦闘アリーナに出した場合、攻撃終了時に捨て札となる。
○ テクニック(Technique)カード (コスト必要)
- プレイヤーが繰り出すさまざまな格闘技の攻撃・防御技。場にテクニックとして一時配置される。
- それぞれ自分の場に 4枚まで配置できる。
- 攻撃力/ 防御力の値を持ち、文字通りプレイヤーの武器/ 盾となる。
- 戦闘において攻撃・防御に使用することで捨て札となる(得意技など維持手段も存在する)。
- 1回の戦闘において、攻撃・防御側ともそれぞ 1枚ずつ使用できる。
- 一部のカードは投げ・絞め・飛び技などの項目を持ち、さまざまな場面で参照される。
- 一部のカードは移動カードとの連動効果(および移動アイコン)を持ち、対応する移動カードを攻撃に使用した時に発動する。
○ 武具(Weapon)カード (コスト必要)
- 格闘技で使用するさまざまな武器。場に武具として配置される。
- 本ゲームは基本的に素手での戦いである。武具は強力ではあるが、その扱いは独特な物となる。
- 攻撃力/ 防御力の値を持ち、テクニックカードに準ずる存在として戦闘に使用される。
- それぞれ自分の場に 1枚まで配置できる。
ただしテクニック 3枚分の枠を占有するため、武具配置中はテクニックを 1枚しか配置できなくなる(超過分は破棄)。
- 任意で破棄(武具を手放すことが)でき、武器の置き換えも可能となる。
- 武具配置中は、投げ技や絞め技(つまり両手を使う技)が使用できない。
- 連続攻撃中は、武具を 1度しか使用できない。
- 攻撃・防御に関わらず戦闘で使用した場合は、その活動フェイズの終わりに各武具ごとの破壊判定が行われる。
判定はジャンケン(あいこ無し)で行われ、判定の結果により以下の処理が行われる。
- 持ち主がジャンケンに勝利: 武具健在。場に残った上で時間カウンターが乗せられる。
- 持ち主がジャンケンに敗北: 武具破壊。即座に捨て札となる。
- 破壊判定で壊れなかった場合は、時間カウンターが 2個乗せられる。
時間カウンターが乗っている間は武具として使用できず、場に放置される。
時間カウンターは自ターンごとに 1個ずつ取り除かれ、すべて無くなった時点で改めて武具として使用可能となる。
○ 防具(Armor)カード (コスト必要)
- 格闘技で使用するさまざまな防具。場に防具として配置される。
- それぞれのカードごとに、自分の場に 1枚ずつ配置できる。
- 防御力の修正値を持ち、場に存在することで防御用カードが強化される。
○ お守り(Talismon)カード (コスト必要)
- 格闘家の精神や集中力を高めるさまざまな小物。場にお守りとして配置される。
- それぞれのカードごとに、自分の場に 1枚ずつ配置できる。
- 場に存在することで、さまざまな効果を発揮する。
○ 環境(Environment)カード (コスト必要)
- 闘いの舞台となる場所など。場に環境カードとして配置される。
- すべての場を通じて 1枚だけ存在でき、追加配置時は従来の環境カードが捨て札となる。
- 場に存在することで、全員に対してさまざまな影響を与える。
- 配置時に時間カウンターが 3個乗せられる。
時間カウンターは自ターンごとに 1個ずつ取り除かれ、すべて無くなった時点で捨て札となる。
● 一時的に使用するカード
○ アドバンテージ(Advantage)カード (コスト必要)
- 技のアレンジ要素で、威力を高めるための追加動作や攻撃に対するカウンターなど。
- 戦闘での攻撃・防御時に手札から任意で使用し、戦闘終了時に捨て札となる。
- いずれも攻撃・防御用カード 1枚に対して使用され、威力を強化や能力の追加などが行われる。
- 一部のカードはカウンターの能力を持ち、相手のターンごとに 1回だけ使用できる。
カウンター使用時は、防御力が攻撃力を上回ればその差分値分のダメージを攻撃側に与えることができる。
- 一部のカードはコンビネーションの能力を持ち、今回の攻撃に続けて攻撃を行うことができる。
※要するに連続攻撃として、自ターンに複数の攻撃を行うことができる。
○ アクション(Action)カード (コスト必要)
- フェイントや秘密の作戦など、攻撃技以外のさまざまな行動。
- 通常は行動フェイズにおける戦闘以外の部分で使用する。ただし一部のカードは戦闘中にも使用できる。
場の構成
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- 場はそれぞれの場と、擬似的な戦闘アリーナという空間で構成される。
- 永続カードが破壊された時や瞬間使用カードの使用後は、捨て札という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: Ultimate Games
○ 発売開始: 1995年
- ○ ラインナップ
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- 基本セット
- Ancient Fighting Arts of China
Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
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