ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『Scooby-Doo!』のルール解説。
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Scooby-Doo! Expandable Card Game
スクービー・ドゥー
Last Update 2023/8/12 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるカード名の判別戦。プレイヤーは怪奇現象に悩む一市民? となり、ミステリー社の力を借りて難事件を解決する。
● 原作
TVアニメ『スクービー・ドゥー』シリーズ。
● 世界設定
この世には科学では解明できない不思議な出来事がたくさん存在する。
不思議で不可解な謎を解き明かし、恐怖から人々を守る組織はアメリカにはいくつもある。
そんな組織の中で、老舗にして有名なのが…そう、ミステリー社である!
60年代スタイルで決めた若者たちと人語を解す大型犬のチームは、一見頼りないけど信頼できる頼もしい存在なのであった。
● 本ゲームについて
アメリカの定番アニメのTCGです。推理物の一種ですが、事件を当てるのは登場キャラクターではなくプレイヤー本人です。
『Xファイル CCG』の直系にあたる作品で、ちらかっていたシステムがより整理され遊びやすくなっています。
基本構成
勝利条件
- 一番最初に、ミステリー案件(相手が引いた手がかりカード)のカード名を正しく言い当てる。
事前準備
● デッキ (Play Deck: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 60枚ちょうど。
- 構築条件:
手がかり・ミステリー社以外のカードで構成されていること。
同一カードはデッキに 2枚まで。
ロケーションカードは、マスター・メジャー・マイナー の各サブタイプごとにそれぞれ 3枚以上ずつ入っていること。
ロケーション以外(アイテム・フレンド・モンスター・イベント)は、カード種類ごとにそれぞれ 3枚以上ずつ入っていること。
● 手がかりの山 (Clue Pile: 1人分の補助デッキ)
- デッキ枚数: 15枚ちょうど。
- 構築条件:
手がかりカードのみで構成されていること。
スターター封入の 15種類をそのまま使用する(同一カードは各 1枚)。
※相手のカードを扱う都合から、プレイヤーごとに柄が異なるスリーブで区別を付けておくことが望ましい。
● ミステリー社 (Mystery, Inc.: 1人分の補助カード群)
- デッキ枚数: 1枚以上。
- 構築条件:
ミステリー社カードのみで構成されていること。
同一キャラクターのカードはデッキにそれぞれ 1枚まで。
カード記載の勇敢値の合計が、-10以上であること(値はマイナス記載であり、-11以下にはしないこと)。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ チェックシート: ルールブックの後半部などを必要に応じて。
○ 筆記具: 鉛筆などをそれぞれ一組。
○ スクービー・スナック: スターター付属、またはおはじき状の物をそれぞれ 10個程度。
○ 各種表示用トークン: おはじき状で他と区別が付く物を適当数。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 勝利ポイント(正解したミステリー案件カード): 0枚。誰かが 1枚当てた時点でゲーム終了。
- 開始手札: 8枚。上限も基本的には 8枚(各ターン終了時に調整可能)。
- スクービー・スナック保有数: 後攻は 7個、先攻は 0個(ただし自ターン開始時に 10個ちょうどに調整)。
- マリガン: 手札にロケーションカードが無い時、本人のみ戻してシャッフル後に引き直す。
マリガンを 1回行うごとに、相手は初期手札を 1枚増加できる(相手はデッキから追加で 1枚引ける)
- ファーストドロー制限: 無し(先攻は 1ターン目からカード調整が可能)。
その他構成
● カードの行動表現
- 能力トークンが乗ったミステリー社カード: 能力使用可能状態。
- 能力トークンが乗ってないミステリー社カード: 能力使用済み状態。
- 正位置のロケーションカード: 調査未完了状態。
- 逆位置のロケーションカード: 調査済み状態。
● 基本構成細則
- ディスカード: 任意。
- ライブラリアウト: 無し(捨て札を再使用)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 有り。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: 無し。
- 直接の戦闘は存在せず、モンスターによるミステリー社への妨害という形で反映されている。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれの手がかりの山をシャッフルする。
- それぞれ自分の手がかりの山から、ミステリー案件カードとしてカードを 1枚引く。
引いたミステリー案件カードは、相手に見えないよう裏向きで自分の場の脇に配置しておく。
- それぞれ自分の残った手がかりの山を、裏向きのまま“相手の”場の脇に配置する。
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- 先攻・後攻を決定する。
- それぞれのミステリー社カードを、ミステリー社メンバーとして自分の場のモルトショップに配置する。
※配置する際に、それぞれのカードに能力トークンを 1つずつ乗せておくこと。
- 後攻のスクービー・スナック保有数を、7個ちょうどに変更する(7個分を自分のスナック置き場に配置する)。
- それぞれ自分のデッキから、手札としてカードを 8枚引く。
- 必要に応じてマリガン処理を行う。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、いずれかが勝利条件を満たした時にゲーム終了。
※ターンプレイヤーが“ミステリー社プレイヤー”、相手が“悪役プレイヤー”となる。
ターン(自分の手番)の進行
○ ターン開始
- ターンプレイヤーのスクービー・スナック保有数を、現在の数に関わらず 10個ちょうどに変更する。
○ アクション実行
ターンプレイヤーから交互に、双方がパスするまで以下のいずれかの行動行う。
- ロケーション配置: 手札からロケーションカード 1枚を、ロケーションとして場に正位置で配置する(ターンプレイヤーのみ、1ターンにつき 1枚まで)。
- 調査開始: 自分のミステリー社メンバーたちによるロケーションの調査を行う(ターンプレイヤーのみ、1ターンにつき 1回まで)。
調査は自分の正位置のロケーション 1つが対象で、自分のモルトショップにいる任意数のメンバー移動させることで行われる。
- カードプレイ: 手札のロケーション以外のカード 1枚を、配置・使用する。
※フレンドカードはターンプレイヤー、モンスターカードは相手プレイヤーが使用する。
- アイテム使用: 場のアイテム 1つを破棄することで、その効果を使用する。
- 能力使用: 能力アイコンを消費することで、自分のミステリー社メンバーの固有能力を使用する。
- パス: 何もしない。
○ ロケーションの調査判定
- 今回ロケーションの調査が行われなかった場合、以降の処理を飛ばし“ターン終了”に進む。
- 対象ロケーションの恐怖レベルに、現時点でそのロケーションにいるミステリー社メンバーそれぞれの勇敢値を加える。
さらに各種修正を加え、今回の判定値を算出する。
- 判定値が 0以下となる場合、ロケーションの調査に成功する。
- ロケーションの調査に成功した場合、以下の処理が行われる。
- 対象ロケーションを逆位置(調査済み状態)にする。
- 対象ロケーションの種類に応じた枚数だけ、ターンプレイヤーが(相手から渡された)手がかりの山のカードを引く。
※引いたカードは、内容をチェックリストに記したうえで脇にどけておく。
- ターンプレイヤーが任意で相手のミステリー案件カードのカード名を言い当て、相手がその成否を答える(調査成功時に任意で 1回まで)。
その成否によって、以下の処理を行う。
- 見事いい当てた場合: 今回のゲームに勝利する。
- 間違えた場合: ペナルティとして、相手が(調査側から渡された)手がかりの山のカードを 1枚引く。
- ターンプレイヤーのミステリー社メンバーが、すべてモルトショップに移動される。
○ ターン終了
- 場のフレンドカードがすべて破棄される。
- それぞれ任意で手札を好きなだけ捨てる(ただし捨てる場合は必ず手札を 7枚以下にしておくこと)。
手札を捨てたプレイヤーは、8枚ちょうどになるようにデッキからカードを引き手札に加える。
1ゲーム終了時の処理
相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること(特に手がかりカードには、細心の注意を払うこと)。
ルール細則
基本ルール細則
● スクービー・スナックについて
- カードにはコスト概念としてスクービー・スナックが存在し、カードの使用には指定値分のスナックを支払う必要がある。
- 本ゲームでのスクービー・スナックは、厚紙製のトークンとしてスターターに 25個分が封入されている。
- スクービー・スナックはゲーム外に無尽蔵に存在する扱いとなる。そこから各プレイヤーごとのスナック置き場に、一定量が定期的に供給される。
それぞれ自分のスナック置き場にあるスクービー・スナックを、任意でコストとして使用することができる。
- それぞれのスナック置き場には、自ターン開始時に(直前の保有数に関わらず)保有数がちょうど 10個に変更される。
そして次の自ターン開始時まで、その 10個を駆使してゲームをやりくりすることになる。
※なお特例として、1ターン目の後攻プレイヤーにはあらかじめ 7個のスクービー・スナックが供給される。
- カードの使用コストは、自分が保有するスクービー・スナックを使用することで支払うことができる。
1つのスクービー・スナックを消費するごとに、コストが 1だけ支払われる。
なお消費されたスクービー・スナックは、ゲーム外に戻される。
- ちなみに原作でのスクービー・スナックは人間用のパフスナックで、スクービーとシャギーの大好物である。
ストーリー的には製菓会社がミステリー社に救われた際に、既存の商品をスクービーにあやかって改名したらしい。
※現在は犬用と人間用の菓子が実際に売られている。なお同名のカクテルはこれが元ネタらしいが直接の関係は無い
● チェックシートについて
- 本ゲームのルールブックは糊付けの平とじで、後半部がゲームで使用するチェックシートになっている。
※この仕様のためルールブックは非常にちぎれやすい。扱いには注意すること。
- チェックシートは記入用に切り離すことができ、筆記具を用いて書き込むことができる。
※さすがに実際に書き込むのではなく、コピーして使用するべきである(この部分については、複製が許可されている)。
- チェックシートには手がかりカードのカード名一覧が記載され、(手がかりとして引いたカードの)名称横のマス目にチェックを入れられる。
なおシート片面で 8ゲーム分のマス目(チェック欄)が用意されている。
- ミステリー案件カードのカード名を当てる際には、このチェックシートへの記入内容を見ながら解答することができる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ 手がかり(CLUE)カード (コスト不要)
- 今回解くべき謎とその手がかり。
- 横向きのカードで、それぞれ初代シリーズの各話タイトルとそのイラストが描かれている(タイトル自体がカード名となる)。
ゲームカードとしてはカード名のみの存在で、特殊能力や数値などは存在しない。
- デッキとは別に、それぞれの手がかりの山に入れて使用される。
- ゲーム開始時にランダムな 1枚が自分のミステリー案件カードとなり、そのカードのカード名を相手が当てる。この名称当てがゲームの目的となる。
- 残った手がかりカードはシャッフルされ、手がかりの山として相手に渡される。
相手はこれを引いていくことで、この山に唯一入っていないミステリー案件カードを推察していくことになる。
- ルール的に自分のカードを、相手が山札として使用することになる。
そのため各ゲーム終了時には、相手とカードが混じっていないかよく確認すること。
○ ミステリー社(Mystery, Inc.)カード (コスト不要)
- プレイヤーが雇ったオカルト事件の専門家。場にミステリー社メンバーとして配置される。
- デッキとは別に用意され、ゲーム開始時にそれぞれの場のモルトショップに配置される。
- いつもの 4人と 1匹に加え、特別長編版のゲストキャラクター 2体が登場している。
なおスクラッピー(スクービーの甥っ子)や従兄弟の犬たちは、本ゲームには未登場。
- 勇敢(Bravery)の値を持ち、調査において使用される。
値は恐怖レベルを下げるために使用するためマイナス記載で、より低い値(絶対値が大きくなる)ほど勇敢という意味になる。
- 勇敢値は構築条件を兼ねており、全員の合計値が -10以上の(より 0に近い)範囲でメンバーを選定できる(メインの 5体でちょうど -10になる)。
- それぞれゲーム中に 1回だけ使用できる固有能力を持ち、能力トークンを消費することで任意タイミングに使用できる。
※能力はさまざまで、相手ターンに使用できる場合もある。
- 調査の成否に関わらず、ターン終了時には自分のモルトショップに集められる。
- 本作も“ソロプレイの早解き合戦”の一種であり、お互いのミステリー社はパラレルな存在である。
ロケーションの調査などの行動は、自ターンにのみ行われる。
○ ロケーション(Location)カード (コスト不要)
- 事件の発生現場や解決の糸口となる場所。場にロケーションとして配置される。
- デッキに入れて使用される。
- サブタイプとして マスター(Master)・メジャー(Major)・マイナー(Minor)の 3種類が存在し、それぞれ以下の効果を持つ。
- マスターロケーション: 調査に成功した場合、手がかりの山から手がかりカードを 1枚引く。
- メジャーロケーション: 調査に成功した場合、手がかりの山から手がかりカードを 2枚引く。
- マイナーロケーション: マスターまたはメジャーロケーションの調査が、ゲーム中に 1回以上成功している場合にのみ配置できる。
調査に成功した場合、手がかりの山から手がかりカードを 3枚引く。
- 場に複数配置できるが、配置するのは 1ターンに 1枚までに限られる。配置時は正位置(調査未完了状態)で配置される。
- ミステリー社メンバーを移動させることで、ロケーションの調査が行われる。
なお調査は自分のロケーションに限られ、相手のロケーションは調査できない。
- 恐怖レベル(Fright level)の値を持ち、調査の判定条件となる。
- 一部のカードはキーワードを持ち、他のロケーションの配置条件として参照される。
※例えばとある建物(Master)とその部屋(Major)の組み合わせで、部屋の配置には屋敷名(要は建物本体)の事前配置が必要な場合がある。
- 調査に成功した場合は逆位置(調査済み状態)となり、以降は調査対象として選ぶことができなくなる。
○ アイテム(Item)カード (コスト必要)
- 事件を調査したり妨害したりするためのさまざまな道具たち。場にアイテムとして配置される。
- デッキに入れて使用される。
- 場に一度配置したうえで、任意タイミングに場から破棄することで効果を発揮する。
- 一部のカードは永続効果を持ち、破棄しなくても存在するだけで効果を発揮することができる。
- 一部のカードは場の何らかの対象に付ける形で配置される(対象を持たず場に直接配置される場合もある)。
ロケーションの場合は調査成功によって役目を終え、ミステリー社の場合はそのメンバーの追加能力のような存在となる。
○ モンスター(Monster/ Villan)カード (コスト必要)
- 事件に関わる怪物や悪人など。場にモンスターとして配置される。
- デッキに入れて使用される。
- 相手ターンに使用され、相手の場の調査未完了状態のロケーションに付ける形で配置される。
配置後は、条件が満たされるまで場に永続する。
- 恐怖レベルの修正値(プラス値)を持ち、相手の調査を妨害する目的で使用される。
- 付けたロケーションの調査が成功した時点で、すべて捨て札となる。
またアイテムなど一部のカード効果により、途中で捕獲(破棄)される場合もある。
● 一時的に使用するカード
○ フレンド(Friend)カード (コスト必要)
- ミステリー社の協力者など。場にフレンドとして一時配置される。
- デッキに入れて使用される。
- 恐怖レベルの修正値(基本的にマイナス値)を持ち、調査を行う際に使用される。
- 自ターンに使用され、ターン終了時にすべて捨て札となる。
○ イベント(Event)カード (コスト必要)
- ゲーム中に起きるさまざまな出来事。
- デッキに入れて使用される。
- 任意のターンに使用され、効果発揮後は捨て札となる。
場の構成
Opponent's Malt Shop | 相手 モルトショップ |
Field | 相手の場 |
|
Field | 自分の場 |
Player's Malt Shop | 自分 モルトショップ |
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- 場はそれぞれの場に分割され、その中にモルトショップ(Malt Shop)という空間が存在する(上図は場の構成図)。
※モルトショップとはメンバーが溜まり場にしている食堂のことで、本ゲームでは基地としての役割を果たす。
- 場のほかに、それぞれ自分のミステリー案件カード・相手の手がかりの山・自分のスナック置き場(Supply)などが存在する。
- 永続カードが破壊された時や使い捨てカードの使用後は、捨て札置き場(Discard pile)という空間に集められる。
ただし使用後の手がかりカードは、他のカードと混じらないよう他の捨て札とは別に纏めておくこと。
商品情報
● メーカー: United States Playing Card Co./ Journeyman Press
○ 発売開始: 2000年
- ○ ラインナップ
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Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
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