ジャガーノーツのTCGカタログ
玩菓トレーディングカードゲーム『Pez(ペッツ)』のルール解説。
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Pez Card Game
ぺッツ
Last Update 2021/4/17 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
複数(4人くらいでの)対戦によるポイント獲得戦。プレイヤーはペッツのコレクターとなり、情熱と欲望の赴くままにペッツを集めまくる。
● 原作
玩具菓子『ペッツ』。
● 世界設定
ヨーロッパで生まれ、いまや世界中の子供たちに親しまれているキャンデー菓子ペッツ。
お菓子としての側面とは別に、アメリカ版発売の際に採用された人形付きケースが大人気となりました。
伝統的なキャラクターから新作映画の登場人物までさまざまな人形がケースとなり、そのケースを集めるコレクターも多数登場したのです。
● 本ゲームについて
昔懐かしい玩具菓子であるペッツ。輸入雑貨店の隆盛により、近年は日本でも人気を盛り返してきました。
時によっては、キャラクターグッズとしてコンビニにも並ぶほどの普及ぶりです。
そんなペッツをTCGにしたのが本ゲームです。ちなみにカードショップよりは輸入雑貨店で売られることが多い作品でした。
基本構成
勝利条件
- 獲得したペッツに記載されたポイントの合計値が、一番最初に 25ポイント以上になる。
※ただし作成中のペッツは、完成するまでは -1ポイント扱いとなる。
事前準備
● キャンディーデッキ (Flavor Deck: 全員で共用するゲームカード)
- デッキ枚数: 100枚ちょうど。
- 構築条件: 4種類のキャンディーカードを、各25枚ずつ。
● 人形デッキ (Dispenser Deck: 全員で共用する補助デッキ)
- デッキ枚数: 20枚ちょうど。
- 構築条件:
人形カードのみで構成されていること。
カードに記載されたポイントの合計値が、「勝利ポイント * プレイヤー人数 + 40」 であること。
ただしプレイヤー人数が 3人以下の場合は、4人対戦時の値を使用する(例えば勝利ポイント 25の基本ルールならば、4人対戦での構築ポイントは 140となる)。
※同一カードについての制限は特に無いが、できればすべて異なるカードであることが望ましい。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 勝利ポイント: 0ポイント。以後蓄積する。
- 開始手札: 5枚。上限も 5枚(自ターン内に調整有り)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(最初のプレイヤーは 1ターン目からカードを引く)。
※なおバランスに問題が生じる時は、一巡目は“全員がペッツ作成開始 1アクションのみ”など何らかの制約を加えてもよい。
その他構成
● 基本構成細則
- カードの行動表現: 無し。
- ディスカード: 無し。
- ライブラリアウト: 無し(キャンディーデッキは捨て札を再使用)。
- 3人以上でのプレイ: 可能(多人数戦が基本となる)。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: 無し。
- 妨害を行う場合は、いずれかのプレイヤーが製作中のペッツ 1体が対象となる。
ゲームの流れ
開始準備
- 今回のゲームにおけるレギュレーションなどを決めておく(通常ルールでは、25ポイント獲得で勝利となる)。
ここで決定される処理ポイントの値に従って、人形デッキが構築される。
- プレイする順番を決定し、時計回り順になるように車座となる。
順番が最後となる人物が、ゲーム開始時の親(ディーラー)の役割を担う。
- 親がキャンディーデッキと人形デッキを、それぞれシャッフルする。
- 親がキャンディーデッキから各5枚ずつのカードを、自身を含めた各プレイヤーに手札として裏向きに配る(残りはデッキとして場に配置)。
- 親が人形デッキから 4枚のカードを引き、場の人形置き場に表向きに並べて配置する。
全体の基本進行
最初のプレイヤーから順にターンと呼ばれる手順を繰り返し、いずれかが勝利条件を満たした時にゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ アクションの実行
- 以下のアクションを、任意で 2つまで実行する。
※何もしない時や 1つだけ行う場合は、パスを宣言して以降の処理を終える。
- ペッツ作成開始 (Starting a DISPENSER CARD):
- 人形置き場にある任意の人形カード 1枚を、自分が作成するペッツとして選択する。
- 選択したペッツの構築条件の一番上の部分にある味を確認する。
- 確認した味と同じ味のキャンディーカードを、手札から選択した人形に付ける。
※構築条件が上から連続で同じ味の場合は、同じ味のカードを指定分だけ同時に付けることができる。
- 対象の人形を作成中のペッツとして、自分の場に移動する。
- 作成中のペッツの構築条件で指定された味がすべて配置された場合、対象のペッツが獲得される。
獲得されたペッツは自分の場から獲得エリアに移され、勝利ポイントの得点源となる。
また獲得されたペッツに付いているキャンディーカードは、すべて捨て札となる。
- ペッツ作成継続 (Working on a DISPENSER CARD):
- 自分が作成中のペッツ 1体を選択する。
- 選択したペッツの構築条件を上から順番に見て、まだ付いていない中で一番上にある味を確認する。
- 確認した味と同じ味のキャンディーカードを、手札から選択したペッツに付ける。
※一度に付けられる味は 1種だけ。同じ味の条件が連続する場合は、指定分だけ同時に付けることができる。
- 作成中のペッツの構築条件で指定された味がすべて配置された場合、対象のペッツが獲得される。
獲得されたペッツは自分の場から獲得エリアに移され、勝利ポイントの得点源となる。
また獲得されたペッツに付いているキャンディーカードは、すべて捨て札となる。
- 他プレイヤーの妨害 (Blocking an Opponent from completing a DISPENSER CARD):
- いずれかのプレイヤーが作成中のペッツ 1体を、今回の妨害対象とする。
- 対象のペッツに付けられているキャンディーカードの中で、最後に付けられたカードを確認する。
- 最後に付けられたカードと同じ味のキャンディーカードを、手札から 1枚出す。
※ニュアンス的には、相手のキャンディーを“食べた”ことになる。
- 相手の最後に付けられたカードと自分が手札から出したカードが、共に捨て札となる。
- 対象のペッツにキャンディーカードが無くなった場合、そのカードが裏向きで人形デッキの底に送られる。
- ペッツの能力使用 (Using DISPENSER CARDS with SPECIAL ABILITIES):
○ ターン終了
- キャンディーデッキからカードを 2枚引き、手札に加える。
- 手札が上限を超えている場合、上限に収まるようにカードを捨てる。
- 人形置き場のカードが 3枚以下の場合、人形デッキからカードを引いて表向きに配置し 4枚ちょうどにする。
1ゲーム終了時の処理
特に無し。
ルール細則
基本ルール細則
● 味について
- ほとんどのカードには属性概念として味が存在し、さまざまな場面で使用される。
- 味は ぶどう・レモン・オレンジ・いちご の 4種類が存在する。
- 人形カードには一定数の味が記載されており、ペッツを完成させる条件となる。
- キャンディーカードにはいずれかの味が 1つだけ記載され、ペッツ完成のために使用される。
- なお“ペッツ”の名称はペパーミントから来ているが、本作に ハッカ味は登場しない(コーラやチェリー味なども未登場)。
● ペッツの作成について
- ペッツは場の人形にキャンディーを配置する(装填する)ことで作成され、指定分のキャンディーがすべて揃った時点で完成する。
- 人形は人形置き場にある間は誰の物でもない。1つ目のキャンディーを付けた時点で作成中となり、プレイヤーの場に送られる。
- 配置していくキャンディーカードには決まりがある。
人形カードの味一覧(作成条件)の上から順番に、味の並びが完全に一致する形で手札から付けていく必要がある。
- 1つのアクションで作成中のペッツに付けられるキャンディーカードは、1つの味に限られる。
なお同じ味の指定が複数連続で並んでいる場合は、(1アクションの中で)手札から同じ味をまとめて出すこともできる。
- 作成条件をすべて満たしたペッツは、完成したものとしてプレイヤーに獲得される。
獲得されるのは人形カードのみで、キャンディーカードはすべて捨て札となる(!)。
- ペッツは完成すれば記載ポイントを獲得できるが、作成中は勝利ポイントに -1点の影響を与える。
- 何で人形に特定の味を付けるとペッツが完成するのかは、正直なところよく分からない(完成したら飴捨ててるし)。
ファンの集いにて飴を含めての芸術性を競っているか、あるいはペッツに魂を吹き込んで精霊化? しているのかもしれない。
※現実にはどの人形にどの飴をいくつ入れるかは完全に自由であり、好きな味を存分に堪能できる。
カード構成
● 一時的に使用されるカード
○ 人形(Dispenser)カード (コスト不要)
- キャンディーを排出する人形型のケース。場に人形および作成中のペッツとして配置される。
※オリジナルでは 1体につき 十数個のキャンディーを入れることができ、手動で 1つずつ取り出すことができる。
- 共用の人形デッキに投入される。
- ポイントの値を持ち、獲得された場合の勝利ポイントとして使用される。
- ペッツの作成条件として、複数の味が縦一列に記載されている。
指定された味のキャンディーカードを指定内容で上から順番にすべて配置することで、ペッツが完成する。
※各カードごとに内容は異なるが、2 ~ 16枚分が指定されている。
- 場の人形カード置き場に常時 4つずつが、まだ誰の物でもない人形として配置される。
人形はキャンディーカードを付けることで作成中のペッツとなり、自分の場に移動させることができる。
- それぞれの場に作成中のペッツを複数配置できる(同時に複数を作成できる)。
ただし作成中のペッツは 1体に付き勝利ポイントに -1の修正を与えるので、安易な着手は慎むこと。
- 完成したペッツは獲得したとして自分の獲得エリアに送られる。獲得エリアのカードのポイント合計値が勝利ポイントとなる。
- ごく一部のカードには個別の能力が記載されており、任意で効果を使用することができる。
※能力を持つカードは、いずれもポイントが低くなっている(マイナスの場合もある)。
○ キャンディー(Flavor)カード (コスト不要)
- 人形型ケースに装填される直方体の飴。場にキャンディーとして配置される。
※菓子としては飴と固形ラムネが存在するようだが、本作では特に意識はされていない。
- 共用のキャンディーデッキに投入され、それぞれの手札として使用される。
- それぞれ 1種類の味が記載されている。というか味以外の情報を何も持たない。
- 基本的には手札から自分の作成中のペッツに付ける形で配置することで、ペッツ完成のために使用される。
他にも対戦相手のペッツ作成の妨害に使用することもできる。
- 作成中のペッツが完成した場合、付けていたキャンディーカードはすべて捨て札となる。
場の構成
- 永続カードは、人形置き場とそれぞれの場という空間に存在する。
- 人形置き場は共用空間で、常時 4つの(まだ誰にも選ばれていない)人形カードが表向きに配置される。
- それぞれの場には、作成中のペッツ(人形とキャンディーの複合体)が配置される。
- 獲得されたペッツは、それぞれの獲得エリアに集められる。
※獲得されるのは人形カードだけ。キャンディーは(今まで何のために付けてきたのかは不明だが)捨て札となる。
- キャンディーカードの使用後は、捨て札という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: United States Games Systems Inc.
○ 発売開始: 2000年
- ○ ラインナップ
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基本セット
Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
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