ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『Hecatomb』のルール解説。
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Hecatomb
Last Update 2021/7/3 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるポイント獲得戦。プレイヤーは終末の担い手(Endbringer)となり、軍勢を率いて相手を押しのけ理想の終末を迎える。
● 原作
オリジナル。
● 世界設定
世界は終焉を迎えようとしていた。邪神がもたらした忌まわしき者たちが満ち溢れ、果てることなき争いが続いている。
救世主はすでに消え、異界から訪れた破壊者の下に集う信者たちが魂を捧げようとしている。
そんな中であなたは……最高の終末をめざす。そう、あなたこそが世界の破壊者なのだ!
● 本ゲームについて
なんと五角形のカードゲーム、しかも透明のプラスチックカード。これがウィザーズ製でなければ、TCGだなんて思いもよらない存在です。
カード自身の奇抜さに比べると、積上げ要素がある他はシンプルなゲームシステムとなっています。
基本構成
勝利条件
事前準備
● デッキ(1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 40枚以上。
- 構築条件: 同一カードはデッキに 3枚まで。
※材質上カードが傷つきやすいので、可能であれば専用スリーブを使用することが望ましい。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ 表示用カウンター: ソウル表示用に適当数。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 勝利ポイント(ソウル/ Soul): 5ポイント。以後増減する。
- 開始手札: 4枚。上限は無し。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 有り(先攻が 1ターン目に引けるカードは 1枚のみ)。
その他構成
● カードの行動表現
※本作のカードは正五角形であり、一番上のカード名が記載されている辺の部分が正位置での上面となる。
- プレイゾーンのカード:
- カード正位置(カード名が上): アンタップ状態。
- カード横(カード名が右側): タップ状態。
- マナカード:
- カード逆位置: アンタップ状態。
- カード横(カード名が左側): タップ状態。
● 基本構成細則
- ディスカード: 無し。
- ライブラリアウト: 無し(そのまま続行)。
- 3人以上でのプレイ: 可能。
- 召喚酔い: 有り(新規・追加配置ターンは攻撃不可)。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(攻撃開始・ターン終了時に消滅)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: ゴッドカード、自軍ユニーク、後出し生存。
- アボミネーションの攻撃は、常に相手プレイヤーを対象とし、ブロックの指定は防御側が任意に選択する。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれソウルを 5ポイント獲得する。
- 先攻・後攻を決定する。
- それぞれ自分のデッキより手札としてカードを 4枚引く。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、いずれかが勝利条件を満たした時にゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ 準備(Ready)フェイズ
- 1ポイントのソウルを獲得する。
- 自分のカードを、すべてアンタップ状態にする。
- デッキからカードを 2枚引き、手札に加える。
○ メイン(Main)フェイズ
以下の行動を任意で行う。
- 手札から任意のカード 1枚を、マナカードとして配置する(1ターン 1回のみ)。
- 手札のミニオン カードを、アボミネーションとして場に配置(または追加配置)する。
- 手札のレリック カードを場に配置する。
- 手札のゴッド カードを場に配置する。
- 手札のフェイト カードを使用する。
- 場のアボミネーションにより攻撃を行う(後述)。
各攻撃の処理
▽ 攻撃の宣言
- ターンプレイヤーが攻撃側となり、任意数の攻撃要員を選択する。
攻撃要員に指定できるのは、以下の条件を満たす自分のアボミネーションに限られる。
- このターンに新規配置されておらず、追加配置もこのターンには行っていない。
- 2枚以上のカードで構成され、アンタップ状態である。
- 攻撃要員をすべてタップ状態にすることで、攻撃を宣言する。
※ちなみに攻撃は単体攻撃を何度も行うこともできるし、複数での総攻撃を行うこともできる。
▽ 戦闘用カードの使用
- 攻撃側から順に、それぞれ手札からこのタイミングで使えるカードを使用・配置する。
▽ ブロックの指定
- 相手プレイヤーが防御側となり、任意で自分のアボミネーションによるブロックを行うかどうかを選択する。
- ブロックを行う場合、以下の条件を満たす任意数のブロック要員を決定する。
※ブロック要員を選択したことで、攻撃対象が防御プレイヤーからブロック要員に変更される。
- 攻撃要員 1体に付き、割り当てることができるブロック要員は 1体まで。
- 2枚以上のカードで構成され、アンタップ状態である。
- 今回の攻撃における、攻撃要員と攻撃対象が決定される。
▽ 戦闘用カードの使用
- 攻撃側から順に、それぞれ手札からこのタイミングで使えるカードを使用・配置する。
▽ 攻撃の判定
- 各攻撃要員ごとに、攻撃対象によってそれぞれ以下の処理を行う。
相手プレイヤーの場合:
- この時点での、攻撃要員の構成数(アボミネーションを構成する枚数)が、今回の獲得ソウル数となる。
- 防御側の獲得ソウルから獲得ソウル数分のソウルを、攻撃側の獲得ソウル置き場に送る。
※算出した値が防御側の保有分より多い場合は、可能な範囲での獲得となる(別空間からの補充などは無し)。
ブロック要員の場合:
- 攻撃要員とそれに対応するブロック要員によって、戦闘が行われる。
- 戦闘を行うぞれぞれのアボミネーションの強さ合計に各種修正を加え、今回の戦闘における強さを算出する。
- それぞれが算出した強さ分のダメージを、戦闘を行う相手に与える。
- それぞれ相手から受けたダメージの値により、以下の処理を行う。
- ダメージが自分の強さ合計以上の場合: そのアボミネーションは破壊され、墓地に送られる。
- ダメージが自分の強さ合計未満の場合: 以下のダメージ処理を行う。
- アボミネーションの上のカードから順番に、そのカードの強さ分までのダメージを割り振る(通常の場合)。
- カードの強さちょうど分のダメージが割り振られたカードは、アボミネーションから剥がされ墓地に送られる。
- 記載値までのダメージが割り振られていない分のカードが、生き残ったアボミネーションとして場に残る。
※その時点で一番上にあるカードが、そのアボミネーションの現在の姿となる。
- この時点でアボミネーションに割り振られた残りダメージが初期化される。
- 残ったアボミネーションのカード状態(角度)を調整する。
▽ 攻撃の終了
○ ターン終了(End of Turn)
1ゲーム終了時の処理
特になし。
ルール細則
基本ルール細則
● ドゥーム(Doom)について
- ほとんどのカードには属性概念としてドゥームが存在し、さまざまな場面で使用される。
- ドゥームは 腐敗(Corruption, 灰)・欺瞞(Deceit, 青)・破壊(Destruction, 赤)・強欲(Greed, 緑)の 4種類が存在する。
● マナカードについて
- カードは本来の役割とは別に、コスト発生源となるマナカードとしての役割を持つ。
- 手札のカードをマナゾーンに配置することで、マナカードとなる。
- マナカードは自ターンにつき 1枚だけ配置でき、アンタップ状態として表側の逆位置で配置される。
● コストについて
- カードにはコストの概念が存し、本来の目的での使用・配置時には指定値分のコストを支払う必要がある。
- コストはマナカードを使用することで支払うことができる。
- アンタップ状態のマナカード 1枚をタップ状態にするごとに、対応するドゥームのコストが 1だけ発生する。
● ソウルについて
- 本ゲームではソウルという概念が存在し、勝利ポイントとして使用される。
- ソウルはそれぞれ同一の存在で、通常はマーカーによって獲得数が表示される。
なお物語上はプレイヤーを崇拝する信者たちの数であり、十分に集まった信者が魂を捧げた時に世界が終わる(ゲームに勝利する)。
- ゲーム開始時にそれぞれ 5ポイントずつのソウルが配布され、毎自ターンごとに 1ポイントずつ供給される。
※供給源はゲーム外に存在し、各プレイヤーに対して無尽蔵の供給を行うことができる。
- 攻撃を行うことで、(ブロックされなければ)相手のソウルを奪い自分のソウルとして獲得することができる。
- ソウルは獲得分以上は奪われない。過剰攻撃を受けても値はマイナスではなく 0になるだけである。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ ミニオン(Minion)カード (コスト必要)
- モンスターなどさまざまな生物で、場にアボミネーションの構成要素として配置される。
- 正五角形の透明なカード? で作られており、重ねて配置した時に下のカードの情報も部分的に読み取ることができる。
※5つの外周部のうち一辺が能力欄、残り四辺が透明欄となっている。
- 新たなアボミネーションとしての配置と、既に場にいるアボミネーションに重ねて配置する方法が存在する。
- 既存のアボミネーションに追加で配置する場合は、従来の能力欄がすべて見えるように角度をずらして配置すること。
※そのうえで アンタップ/タップ状態となるように、配置位置を正しく調整する。
- 強さ(Strength)の値を持ち、アボミネーションとなった際にプレイヤーの武器/盾となる。
- 一部のカードは固有の能力を持ち、アボミネーションとなった際に効果を発揮する。
- 通常は自ターンの非戦闘時に配置を行うが、一部のカードは戦闘中に配置することができる。
※ アボミネーション(Abomination)
- プレイヤーの部下となって戦う、融合生物のような存在。
- 1 ~ 5枚のミニオンカードによって構成される。なお 1体のアボミネーションに 6枚以上のカードを重ねることはできない。
- 最初はミニオンカード 1枚によるアンタップ状態で配置される。
ただし 1枚だけの状態では攻撃とブロックが行えない。攻撃などは構成が 2枚以上になってから可能となる。
- カードを重ねる(ミニオンを追加する)ことで、能力が強化される。
配置は追加分を上に積み上げる形で行い、すべてのカードの能力欄が見えるように角度を変えて配置される。
- 重ねたカードの強さの記載値の合計値が、アボミネーションとしての強さの値となる。
なお強さは戦闘でダメージを与える時には合算値を用いるが、自分がダメージを受けた時は各カード単位の値が使用される。
- 重ねたカードのすべての記載能力が、アボミネーションの保有能力となる。
- 重ねたカードの枚数の値分だけ、相手プレイヤーへの攻撃時に相手のソウルを奪い取る(刈り取る)ことができる。
- ドゥームなど能力欄以外の情報は、一番上のカードの内容のみが有効となる。
- 戦闘でダメージを受けた場合、一番上のカードから順にダメージが適用される。
記載強さ値分のダメージを受けたカードは、順に取り除かれて墓地に送られる。
だたし残ったダメージが記載値に届かなければ、その時点でダメージが初期化される。
○ レリック(Relic)カード (コスト必要)
- プレイヤーが使用するさまざまな道具。場にレリックとして配置される。
- 自分の場にそれぞれ独立して配置される。
○ ゴッド(God)カード (コスト必要)
- 邪神たちの加護。場にゴッドとして配置される。
- いわゆる邪神たちだが、本人というより周囲にもたらす影響を表したカードとなる。
- 自分の場に独立して 1枚だけ配置でき、追加配置すると従来カードが破棄される。
● 一時的に使用するカード
○ フェイト(Fate)カード (コスト必要)
- ゲーム中におきるさまざまな出来事。
- 基本的には使い捨てで、使用後は墓場に送られる。
- 通常は自ターンにのみ使用できるが、一部のカードは戦闘用として相手ターンにも使用できる。
場の構成
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- 場はそれぞれのプレイゾーン(Play Zone)に分割される。
- 場とは別に、それぞれのマナゾーン(Mana Zone)や獲得したソウル置き場などが存在する。
- 永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は墓場(Graveyard)という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: Wizards of the Coast
○ 発売開始: 2005年8月
- ○ ラインナップ
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- 基本セット
- Last Hallows Eve
- Blanket of Lies
Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
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