ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『A Game of Thrones(七王国の玉座/ゲーム・オブ・スローンズ)』のルール解説。
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A Game of Thrones Collectible Card Game
氷と炎の歌シリーズ 七王国の玉座
Last Update 2003/11/27 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
複数(2 ~ 4人)対戦によるポイント獲得戦。プレイヤーは有力貴族となり、部下と知略を用いて貴族間での最大勢力を目指す。
● 原作
ジョージ・R・R・マーティン著 『A Song of Ice and Fire: 氷と炎の歌』 シリーズ (早川書房刊)。
● 世界設定
異常気象により、氷に覆われたような冬と炎で炙られたような夏が幾たびも続く“七つの王国”。その荒れた国土は国王の精神をも蝕んでいた。
国王の乱心の前に有力貴族は力を合わせて政権を奪取し、王国はひと時の平安を得ることができたが、今度は貴族間の中で、王座を巡る激しい勢力争いが始まっていたのであった。
● 本ゲームについて
SF作家の大御所であるマーティンのファンタジー小説を原作としたTCGです。原作は紋章などの様式美が随所にあふれており、本国では数々の賞を獲得した人気作なのだそうです。
本作はアメリカの原作付きTCGにありがちな時間のかかるビックゲームではなく、あくまでもプレイしやすさを前面に押し出しています。
発売前には全国からテストプレイヤーを募っての(500人以上が参加したとか)徹底したプレイテストによって高い品質を保持しています。
なんといっても最大の特徴はラウンドごとのプロットの存在。簡単なシステムながら、プレイヤーは逐次正しい状況を把握し、的確な作戦を立てる必要に迫られるのです。
ちなみに『A Game of Thrones: 七王国の玉座』とは、原作第1巻のタイトル名です。
基本構成
勝利条件
- 15点以上の勢力ポイントを獲得する(自分のキャラクターカードが個別に獲得した勢力ポイントも合計に含める)。
事前準備
● デッキ (House deck: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 60枚以上(40枚以上から変更)。
- 構築条件:
キャラクター・ロケーション・アタッチメント・イベントカードで構成されていること。
同一カードはデッキに 3枚まで。
● プロットデッキ (Plot deck: 1人分の補助デッキ)
※デッキと名が付いていますが、事実上 2つめの手札と考えてください。
- デッキ枚数: 7枚ちょうど。
- 構築条件:
プロットカードのみで構成されていること。
同一カードはデッキに 2枚まで。
● その他準備
○ 家系カード: 任意のカードを 各1枚。
○ 政策カード: 任意で 1枚まで(使用しなくても可)。
○ マルチプレイ用カード: レギュレーションに応じて使用。
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ 勢力表示カウンター: 適当数(1人 20個程度)。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 勢力ポイント: 0点。以後蓄積する(勝利条件に影響)。
- 開始手札: 7枚。上限は無し。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(先攻は 1回目の手番からカードを引く)。
※プロットカードの存在により、マリガン、ファーストドローは考慮不要となる。
その他構成
● カードの行動表現
- カード縦: 起立状態。通常の状態。
- カード横: 屈服状態。行動を行った直後の状態。
● 基本構成細則
- ディスカード: 無し。
- ライブラリアウト: 無し(デッキはそのまま続行。プロットデッキは再使用)。
- 3人以上でのプレイ: 有り。専用ルールが存在。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(ラウンド単位で計算)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: カード名に旗マークがついた物、自軍ユニーク。ただし最初に配置したもののみ場に存在する扱いとなるだけで、複数配置自体は可能。
- 攻撃は 1種類の攻撃ごとに、キャラクターの集団単位同士で行う。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれ家系カードを配置する(同じ家系同士で対戦することになっても、特に問題はない)。
- それぞれ任意で政策カードを配置する(使用しなくてもよい)。
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれ自分のデッキより手札を 7枚引く。
- それぞれ自分の手札から、コスト合計が 5以下になる範囲でカードを場に裏向きに配置する。
※ただし、“limited”と記載されたカードは各カードタイプごとに 1枚ずつしか配置できず、ユニークカードの複数配置もここではできない。
- それぞれ配置したカードを表向きにする。
- それぞれ自分のデッキより手札が 7枚になるまでカードを引く。
全体の基本進行
ラウンドと呼ばれる手順を繰り返し、いずれかが勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ラウンド(1回の手番)の進行
○ プロット(Plot)フェイズ
それぞれが自分のプロットデッキから任意の 1枚を選択し、場に裏向きで出す。
プロットデッキが尽きた場合は、プロットカード捨て札にあるカードをシャッフルした後、プロットデッキとして再使用すること。
それぞれ場に出したプロットカードを表にする。
場に出したプロットカードに記載されたイニシアティブ値の大きい側のプレイヤーから順に、以下の手番を実行する。
※イニシアティブ値が同じだった場合は、獲得した勢力ポイントの少ない者順、それでも同じ場合はランダムに順番を決定すること。
自分の手番の進行
○ ドロー(Draw)フェイズ
自分のデッキからカードを 2枚引く。デッキが尽きた場合はカードを引かずにそのまま続行すること。
○ 配置(Marshalling)フェイズ
今ラウンドに獲得したコスト分(プロットカードのインカム値に各種修正を加えたもの)までのカードを、任意に配置する。
自分の家系カードと異なる家系のカードを配置する場合は、配置するカードのコスト値に +2した値をコストとする。
“limited”と記載されたカードは、1回の手番につき各カードタイプごとに 1枚ずつしか配置できない。
○ 攻撃(Challenges)フェイズ
任意に攻撃を行う(後述)。
※攻撃には軍事(miltary: 斧のマーク)、陰謀(intrigue: 目のマーク)、政治(power: 王冠のマーク)の3種類がある。
特に指定がない限り、1回の手番につきそれぞれの攻撃を各1回ずつ(つまり軍事、陰謀、政治で計3回の攻撃を)行うことができる。
各攻撃の処理
▽ 攻撃宣言ステップ
- 3種類の攻撃のうち、どの攻撃を行うか(多人数プレイの場合は誰を攻撃するかも)指定する。
攻撃を指定されたプレイヤーは、今回の攻撃では防御側のプレイヤーとして攻撃を受けることになる。
- 攻撃に参加させるキャラクターカードを任意枚数(ただし 1枚以上であること)だけ決定する。
参加できるのは起立状態で今回の攻撃に適合するアイコンを持つキャラクターカードのみ。
また、攻撃に参加させるキャラクターカードの戦闘力の合計値が必ず 1以上でなくてはならない。
- 攻撃に参加させるキャラクターカードを屈服状態にする。
▽ 防御宣言ステップ
- 防御プレイヤーが、防御のための攻撃に参加させる自分のキャラクターカードを任意枚数(0枚でも可)だけ決定する。
参加できるのは起立状態で今回の攻撃に適合するアイコンを持つキャラクターカードのみ。
- 防御プレイヤーが、防御のための攻撃に参加させる自分のキャラクターカードを屈服状態にする。
▽ 解決ステップ
- 双方とも、それぞれの攻撃に参加したキャラクターカードの戦闘値を合計する。
- 双方の戦闘値の合計を比較し、もし防御側の方が値が大きかった場合、この時点で攻撃が終了する。
- 双方の戦闘値の合計を比較し、もし攻撃側の値が防御側の値以上であった場合、今回の攻撃方法により以下の処理を行う。
- 軍事の場合: 防御側プレイヤーの場に存在するキャラクターカードを、要求値分だけ破壊する(墓場へ送る)。
- 陰謀の場合: 防御側プレイヤーの手札を、要求値分だけランダムに破棄する。
- 政治の場合: 防御側プレイヤーの獲得している勢力ポイントを、要求値分だけ攻撃側が奪い取る(要求値分だけ勢力ポイントを防御側から攻撃側へ移す)。
※それぞれ、今手番のプロットカードに記載された要求値の値まで処理を行うが、現状の値より要求値の方が大きいときは、できる範囲内(端数切捨て)で処理を行うこと。
- もしも防御側の攻撃参加キャラクターがいなかったか、戦闘力の合計が 0だった場合は、攻撃側は勢力ポイントを 1点、追加ボーナスとして獲得する。
○ 優勢確認(Dominance)フェイズ
それぞれの場の起立状態のキャラクターカードの戦闘値の値を合計して比較し、合計値が一番多いプレイヤーは勢力ポイントを 1点獲得する(同値の場合は全員とも無し)。
○ 起立(Stand)フェイズ
それぞれの屈服状態のカードをすべて起立状態にする。
○ ラウンド終了
全員が手番を終了した時点でラウンドが終了する。
それぞれ今回使用したプロットカードを、使用済みプロットカードに送る。
1ゲーム終了時の処理
特になし。
ルール細則
基本ルール細則
● 家系について
本ゲームにおいてプレイヤーは貴族を演じるがゆえに、それぞれ特定の家系に属している。
家系は有力なものがラニスター家(Lannister: 東部のキャスタリーロックが拠点)、バラシオン家(Baratheon: 西部のドラゴンストーンが拠点で、現在の王家)、
スターク家(Stark: 北部のウィンターフェルが拠点、原作での主役的存在)の3つであり、他にもターガリエン家(先代王家)など多くの家系がある。
任意の家系カードを使用することでプレイヤーの家系が決定され、自分以外の家系に属するカードを使用する場合は、追加コストとして +2を支払わなければならない
(当然ながらいずれの家系にも属さない中立勢力も存在し、これについては追加コストは不要である)。
ちなみに、以下が原作における主な家系とその紋章である。
- バラシオン家: 金地に王冠を被った黒い鹿(本作のイラストでは王冠は無し)
- スターク家: 白地に灰色の狼
- ラニスター家: 赤地に金の獅子
- グレイジョイ家: 黒地に金のクラーケン(絵的にはイカ)
- ターガリエン家: 黒地に赤い三頭龍
- マーテル家: 金の槍に貫かれた赤い太陽
- アリン家: 紺(または空色)地に白の月と隼(これ以降は本ゲーム未登場)
- タリー家: 赤青のさざなみ模様に銀の鱒
- ティレル家: 緑に金の薔薇
- ドンダリオン家: 黒地に紫の稲妻
- フォソウェイ家: 赤いリンゴ
- キャロン家: 銀の竪琴
- エスターモント家: 薄緑地に暗緑色の海亀
- ブラッケン家: 赤い雄馬
- マリスター家: 藍色に銀の鷲
- スウォン家: 白鳥と黒鳥
- マーチ家: 夜鶯
- フレイ家: 双子城(フレイ家の居城)
- フロレント家: 花輪に囲まれた狐の顔
● ユニークカードの複数配置
- カード名に旗マークがついているカードは自分の場に対して唯一の存在(ユニークカード)であり、同名カードを複数配置しても、最初の 1枚以外は存在する扱いにならない。
ただし同名のユニークカードを複数配置することは可能であり、後から配置するカードは、本来のカードに対する影武者のような存在となる。
- 後から配置するカードは、本来のカードに付けて配置する(アタッチメントカードとは別扱い)。
- 後から配置するカードは、コスト 0で配置可能である。
- 本来のカードが破壊/破棄される際に身代わりとして、後から配置したカードを破壊/破棄することで、本来のカードをそのままの状態で守ることができる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ 家系(House)カード (コスト不要)
- プレイヤー自身が所属する家系。
- ゲーム開始時から永続し続ける。
- 家系を表す以外の効果は無いが、一応プレイヤーが獲得した勢力ポイント置き場として使用する。
○ 政策(Agenda)カード (コスト不要)
- プレイヤーの行動指針。使用しなくても特に問題は無い。
- ゲーム全体において、プレイヤーに記載された効果をもたらす。
- 家系カードの追加効果的な存在であり、並べて配置され永続し続ける。
○ プロット(Plot)カード (コスト不要)
- 1回のラウンドにおいて、プレイヤーが行う基本戦術の予定表。
- 今ラウンドに獲得するコストを表すインカム値、行動速度を表すイニシアティブ値、攻撃に勝利した際に、相手に与えるダメージを表す要求値などが記載されている。
- プロットフェイズにおいて、双方が1枚ずつ出し合い、イニシアティブ値が高い順にそれぞれの手番を行う。
- ラウンド終了時に、使用済みプロットカードに送られる。
○ キャラクター(Character)カード (配置コスト必要)
- プレイヤーの部下たち。
- 戦闘力を持ち、プレイヤーの武器となる。
- それぞれ得意な攻撃方法を持ち、3種の攻撃方法に応じたアイコンが記載されている。
攻撃に参加する場合は、その攻撃方法に対応するアイコンを持っている必要がある。
- 軍事攻撃を受けて、負けた場合にのみ破壊される(それ以外の場合は破棄はあっても破壊は無い)。
○ ロケーション(Location)カード (配置コスト必要)
○ アタッチメント(Attachment)カード (配置コスト必要)
- キャラクターの保有する道具や、病気などの状態。
- 敵味方、任意のキャラクターカードに付けて使用する。
- 既にアタッチメントカードが付いているキャラクターカードに付ける場合、以前に付いていたアタッチメントカードは破棄される。
● 瞬間的に使用するカード
○ イベント(Event)カード (コスト不要)
- 勢力争いの最中に起こるさまざまな出来事。
- 基本的にはコスト無しでいつでも使用できる。
● その他
○ マルチプレイ用(Multiplayer)カード
- 多人数対戦専用のカード。専用レギュレーションで使用され、ゲーム内での役職などが指定される。
- このカードだけで独立して使用されるため、それぞれのプレイヤーのデッキには使用しない。
- 多人数対戦ではゲーム開始時にそれぞれが 1枚つずつ保有し、記載ルールがそれぞれに適用される。
場の構成
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- 永続カードを破棄した時や、瞬間使用カードの使用後は捨て札(Discard pile)という空間に集められる。
- 戦闘によってキャラクターカードが倒された時は墓場(Dead pile)という空間に集められる。
- 使用した後のプロットカードは使用済みプロットカード(Used Plotcards)という空間に集められる。
- 捨て札、墓場、使用済みプロットカードは、それぞれ似ているが全く別の空間であるので注意すること。
商品情報
● メーカー: Fantasy Flight Games
○ 発売開始: 2002年8月
- ○ ラインナップ
-
- 基本セット
- Sea of Storms
- A Flight of Dragons
- Ice & Fire
- A Throne of Blades
- A Tourney of Swords
- Valyrian Edition
- Reign of Kings
- Winter Edition
- Song of Twilight
- Song of Night
- Iron Throne Edition
- A House of Thorns
- A House of Talons
- Five Kings Edition
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