ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『M.S. War』のルール解説。
|
Gundam M.S. War Trading Card Game
新機動戦記ガンダムW
Last Update 2021/5/8 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
複数(基本は 2人)対戦による任務遂行合戦。プレイヤーは作戦部隊長となり、モビルスーツ部隊を率いて任務を遂行する。
● 原作
TVアニメ『機動戦士ガンダム』シリーズ(基本的には『新機動戦記ガンダムW』)。
● 世界設定
人類が宇宙開発をはじめて幾星霜、今や衛星軌道上のスペースコロニーがありふれたものとなっていた。
そして建設作業に使われていた人型機械も、軍用兵器であるモビルスーツへと変貌を遂げていたのである。
● 本ゲームについて
お馴染みのガンダムのTCGです。ルールとしては簡易ですが、身内の反乱という独自要素が存在します。
※今回は上級ルールである、“ニュータイプ レベル”について解説します。
基本構成
勝利条件
- 自分のミッションカードに記載された勝利条件を達成する(一定分の戦果獲得が基本となる)。
- 相手のデッキが尽きる(その瞬間)。
事前準備
● デッキ (Supply Base: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 50枚ちょうど。
- 構築条件:
ミッションカード以外のカードであること。
同一番号カードはそれぞれ 1枚のみ(公式Webより)。
● その他準備
○ ミッションカード: 任意の 1枚。
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ 戦果表示マーカー: 適当数。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 勝利ポイント (戦果): 0ポイント。以後蓄積する。
- 開始手札: 5枚。上限は無し。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(ただしそれぞれの 1ターン目には、攻撃フェイズが存在しない)。
その他構成
● カードの行動表現 (モビルスーツカード)
- MSドック: 待機状態。
- MSバトルフィールド: 消耗状態。
● 基本構成細則
- ディスカード: 無し。
- ライブラリアウト: 有り(勝利条件に関係)。
- 3人以上でのプレイ: 可能。
- 召喚酔い: 無し(ただし配置は攻撃後に行われる)。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(常にカードの形で存在)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: 戦場カード、両軍でユニーク、後出し生存。
- MSの攻撃は常に相手プレイヤーを対象とし、防御指定は相手側が任意に選択する。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれ自分のデッキから手札としてカードを 5枚引く。
- 先攻・後攻を決定する。
- それぞれ自分のミッションカードを配置する。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時にゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ 準備(Preliminary)フェイズ
- 自分の MSバトルフィールドにいる(反乱軍以外の)モビルスーツを、すべて MSドックに移動させる。
- デッキからカードを 1枚引き、手札に加える。
- 自分に対する反乱軍が登場している場合、デッキからカードを 1枚引く。
引いたカードがモビルスーツカードの場合は、反乱軍に追加される(それ以外のカードならば破棄)。
- 自分の場に反乱軍のモビルスーツがいる場合、反乱軍からの攻撃が行われる。
▽ 攻撃モビルスーツの指定
- 反乱軍が攻撃側となり、ターンプレイヤーに対して攻撃が実行される。
- 自分の場の反乱軍置き場にいるモビルスーツすべてが、自分に対する攻撃モビルスーツとなる。
▽ 防御モビルスーツの指定
- ターンプレイヤーが防御側となり、自分のモビルスーツで防御を行うかどうかを決定する。
- 防御を行う場合、自分の MSドックにいるモビルスーツの中から任意数を防御要員として選択する。
選択した今回の防御用のモビルスーツを、MSドックから自分の MSバトルフィールドに移動させる。
- 防御モビルスーツそれぞれを、攻撃モビルスーツそれぞれに割り振る。
- 可能な場合は、防御側が任意で手札からイベントカードを使用する。
- 今回の攻撃における、攻撃モビルスーツそれぞれの攻撃対象が決定される。
▽ 各戦闘の判定
- 攻撃モビルスーツごとに、それぞれの攻撃対象により以下のいずれかの処理を行う。
防御モビルスーツとの戦闘:
- 今回の戦闘が、攻撃側のモビルスーツとそれを防御する防御側モビルスーツによって行われる。
- 各種修正を加え、今回の戦闘におけるクラッシュポイントをそれぞれ算出する。
- それぞれのクラッシュポイントの値を比較する。
- 比較の結果により、今回の戦闘における勝敗がそれぞれ以下のように決定される。
- 値が大きい場合: 戦闘に勝利。ターンプレイヤーならば戦果を 1ポイント獲得する。
- 値が小さい場合(同値を含む): 戦闘に敗北。戦闘を行ったモビルスーツが破壊される。
ターンプレイヤーへの攻撃:
- 記載クラッシュポイントの値分の枚数だけ、デッキが破棄される(乾ドックに送られる)。
- 今回の攻撃が終了する。
○ 攻撃(Attack)フェイズ
- MSドックにいるモビルスーツを用いて、任意で以下の攻撃を行う。
攻撃の処理
▽ 攻撃モビルスーツの指定
- ターンプレイヤーが攻撃側となり、いずれかの相手に対して攻撃を宣言する。
- 攻撃側が、自分の MSドックにいるモビルスーツの中から任意数を攻撃要員として選択する。
選択した今回の攻撃用のモビルスーツを、MSドックから自分の MSバトルフィールドに移動させる。
- 攻撃側が、任意で手札からイベントカードを使用する。
▽ 防御モビルスーツの指定
- 攻撃を受けた相手プレイヤーが防御側となり、自分のモビルスーツで防御を行うかどうかを決定する。
- 防御側が防御を行う場合、自分の MSドックにいるモビルスーツの中から任意数を防御要員として選択する。
選択した今回の防御用のモビルスーツを、MSドックから自分の MSバトルフィールドに移動させる。
※攻撃モビルスーツ 1体を防御できるのは通常 1体のみなので、防御要員を余分に出しても意味は無い。
- 防御側がそれぞれの防御モビルスーツを、攻撃モビルスーツそれぞれに割り振る(対決させる)。
- 防御側が、任意で手札からイベントカードを使用する。
- 今回の攻撃における、攻撃側モビルスーツそれぞれの攻撃対象が決定される。
※防御されなければ相手プレイヤー(の補給基地)への攻撃となり、防御された場合は攻撃・防御側双方のモビルスーツ同士による戦闘となる。
▽ 各戦闘の判定
- 攻撃モビルスーツごとに、それぞれの攻撃対象により以下のいずれかの処理を行う。
防御側モビルスーツとの戦闘:
- 今回の戦闘が、攻撃側のモビルスーツとそれを防御する防御側モビルスーツによって行われる。
- それぞれが各種修正を加え、今回の戦闘におけるクラッシュポイントを算出する。
- それぞれのクラッシュポイントの値を比較する。
- 比較の結果により、今回の戦闘における勝敗がそれぞれ以下のように決定される。
- 値が大きい場合: 戦闘に勝利。戦果を 1ポイント獲得する。
- 値が小さい場合(同値を含む): 戦闘に敗北。戦闘を行ったモビルスーツが破壊される。
相手プレイヤーへの攻撃:
- 記載クラッシュポイントに各種修正を加え、今回の攻撃におけるクラッシュポイントを算出する。
- クラッシュポイントの値分の枚数だけ、バトルダメージとして相手のデッキを破棄する(乾ドックに送る)。
- 今回の攻撃が終了する。
○ 戦略(Strategic)フェイズ
- 以下の処理を任意で行う。
- 手札のモビルスーツカードを、場の MSドックに配置する。
- 手札のパイロットカードを、場に存在するモビルスーツに配置する。
- 手札の戦場カードを、場の戦場カードの置き場に配置する。
1ゲーム終了時の処理
特に無し。
ルール細則
基本ルール細則
● 所属勢力について
- カードには属性概念として所属勢力が存在し、さまざまな場面で使用される。
- 所属勢力は ウイングガンダムチーム・OZ(地球圏統一連合を含む)・地球連邦・ジオン公国 の 4種類が存在する。
● コストについて
- カードにはコスト(Price)の概念が存在し、カードの使用・配置には指定値分のコストを支払う必要がある。
- コストはデッキ・乾ドックのカードを使用することで支払うことができる。
- 以下のいずれかの行動を 1回行うごとに、コストが 1だけ支払われる。
※ただし 1度のコスト支払いにおいては、どちらか一方の方法で統一しなければならない。
- 自分のデッキの一番上のカード 1枚を、乾ドックに表向きに送る。
- 自分の乾ドックの任意のカード 1枚を、廃墟に裏向きに送る。
● 反乱軍について
- 本作には“反乱軍”の概念が存在し、自分のデッキの中の一部のカードが離反する場合がある。
- 反乱軍は 上級ルール(ニュータイプ レベル)にのみ存在し、中級ルールなどには登場しない。
- 反乱軍は各プレイヤー個別の内部離反勢力であり、対戦相手とは(物語的には内通していたとしても)直接の関係は無い。
ちなみに原作での抵抗・独立運動などとも無関係である(作中のコロニー反乱軍である WGチームに対しても、反乱軍は発生しうる)。
- 反乱軍の発生条件は、自分のミッションカードに記載されている。
記載条件が満たされるとそのプレイヤーに対する反乱軍が登場し、即座に以下の処理が行われる。
- 以下の処理を、引いたカードの中からモビルスーツカードが出るか、デッキをすべて引くまで繰り返す。
※この判定においては、デッキが尽きても敗北にはならない。
- デッキの上から 5枚のカードを引き、一時的に場に提示する。
- 引いたカードの中から、モビルスーツカードを抜きだす(出てきた時点でループ処理が終わる)。
- 引いたカードのモビルスーツカードの有無により、それぞれ以下の処理を行う。
モビルスーツカードがあった場合:
- 反乱軍が登場した扱いとなり、引いたモビルスーツカードすべてが反乱軍となる。
- 対象のモビルスーツカードを反乱軍のモビルスーツとして、自分の場のの反乱軍置き場に配置する。
- 判定で引いたカードの残り(モビルスーツ以外のカード)をデッキに戻し、シャッフルして新たなデッキとする。
無かった場合(デッキを引ききった場合):
- 以降そのプレイヤーには反乱軍はいない扱いとなる。
※判定するだけ無駄なので、以降は条件を満たしても登場判定は行われない。
- 判定で引いたカードをすべてシャッフルし、半分(端数切捨て)を破棄したうえで残りを新たなデッキとする。
- 反乱軍となったモビルスーツは、(実際のコストに関わらず)無コストで MSバトルフィールド内の反乱軍置き場に配置される。
- 反乱軍として配置されるのはモビルスーツのみである。パイロットの追加などは行われない(無名兵士による反乱となる)。
- 反乱軍が登場したプレイヤーは、以降は自分の準備フェイズごとに反乱軍の追加判定が行われる。
デッキからカードを 1枚引く。そのカードがモビルスーツカードであった場合は、追加の反乱軍としてコスト無しで反乱軍置き場に配置される。
※場の反乱軍がすべていなくなっても登場した事実は残り、毎ターン追加判定が行われる。
※追加されたカードは反乱軍置き場に配置される。なおモビルスーツ以外のカードであった場合はそのまま破棄される。
- 自分の準備フェイズ(追加判定後)に反乱軍がいる時は、反乱軍のモビルスーツからの攻撃が行われる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ ミッション(Mission Objective)カード (コスト不要)
- プレイヤーが受けた作戦指示。ミッションとして配置される。
- ゲーム開始時にそれぞれ 1枚ずつ配置され、ゲーム終了まで永続する。
- いずれかの勝利条件が記載されている。自分のミッションの条件を満たした時に、ゲームに勝利する。
- それぞれ反乱軍の発生条件が記載されている。自分の発生条件が満たされると、自身の場に反乱軍が登場する。
○ モビルスーツ(Mobile Suit)カード (コスト必要)
- 身長 16 ~ 20メートルほどの人型兵器。場にモビルスーツとして配置される。
- 場の MSドックに配置される。その後は状況に応じて MSドックと MSバトルフィールド間を移動する。
- 自分の場に何体でも配置できる。
- クラッシュポイント(Clash Point)の値を持ち、プレイヤーの武器となる。
- モビルスーツ同士の戦闘で相手のクラッシュポイント以下であった(相手MSに敗北した)場合に破壊され、乾ドックに送られる。
また相手のクラッシュポイントより高かった(相手MSを撃破して生還した)場合は、戦果を 1だけ獲得する。
- 本来の役割とは別に、プレイヤーに対する反乱軍となる場合がある。
○ パイロット(Pilot)カード (コスト必要)
- モビルスーツの操縦者。場にパイロットとして配置される。
- 場のモビルスーツに付ける形で配置され、モビルスーツの能力を強化する。
- モビルスーツ 1体につき、パイロットを 1体だけ付けられる。
- 反乱軍となっているモビルスーツに付けることはできない。
- 付けているモビルスーツが破壊された場合、ともに乾ドックに送られる。
○ 戦場(Battlefield)カード (コスト必要)
- モビルスーツが戦う環境。MSバトルフィールド内に設けられた専用置き場に配置される。
- 両軍でユニークである。最後に配置されたカード 1枚だけが永続し、従来分は破棄される。
※ただし自分の戦場カードを自分の戦場カードで置き換えることはできない(他のカードの効果で取り除く必要がある)。
- それぞれ独自の効果を持つが、カードによっては効果発動のための条件を個別に持つ場合もある。
- 戦いの傷痕(Battle Scars)の項目を持ち、場を離れる時に何らかの代償(デッキや手札の破壊など)が発生する。
● 一時的に使用するカード
○ イベント(Event)カード (コスト必要)
- ゲーム中におきるさまざまな出来事。基本的には使い捨て。
- 特に指定が無い限り、各ターンの 攻撃・戦略フェイズに任意に使用できる。
場の構成
MSドック | 敵軍 MSドック |
MSバトルフィールド | 敵軍 MSバトルフィールド |
|
MSバトルフィールド | 自軍 MSバトルフィールド |
MSドック | 自軍 MSドック |
- 永続カードは、それぞれの場という空間に存在する。
- それぞれの場は MSドックと MSバトルフィールドという空間に大別される(上図は場の構成図)。
- モビルスーツは MSドックに配置され、状況に応じて MSバトルフィールドに移動する。
- MSバトルフィールドの中に、戦場カードや反乱軍の置き場が存在する。
- 場の他にミッションカードの置き場などが存在する。
- カードの使用後やデッキからのコスト支払いに使用したカードは、乾ドック(Dry Dock)という空間に表向きに集められる。
- 乾ドックからのコスト支払いに使用したカードは、廃墟(Defunct pile)という空間に裏向きに集められる。
- 乾ドックと廃墟は似ているが、両者は明確に区別される。
商品情報
● メーカー: Bandai Entertainment
○ 発売開始: 2001年
- ○ ラインナップ
-
- 1st Series
- 2nd Series
- 3rd Series
Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
◆ Back ◆