ジャガーノーツのTCGカタログ
スポーツトレーディングカードゲーム『FootballChampions』のルール解説。
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Football Champions Trading Card Game
Last Update 2023/1/14 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるポイント獲得戦(スポーツ競技の再現)。プレイヤーはプロサッカーリーグのオーナーおよび監督となり、契約を交わした選手を率いて相手チームから勝利を勝ち取る。
● 原作
実在のスポーツ(サッカー)。
● 世界設定
世界のプロサッカー(現在イギリス、イタリア、フランスの各リーグ)。時代的には中田選手がパルマにいた頃。
● 本ゲームについて
ウィザーズ社の製品でありながら、なぜか米国ではなくヨーロッパで発売されたTCGです。
まあアメリカのサッカー人気ってのはその程度ってことなんでしょうかね(笑)。
そういう事情により、本作については他のウィザーズ製スポーツゲームのように“SHOWDOWN”の名は冠していません。
さすがにヨーロッパのTCG事情というのは全然わからないので、本作がどのくらい人気があるものなのかは正直わかりません。ゲーム自体はとてもおもしろいんですがね。
基本構成
勝利条件
- 終了時に、相手より多く得点している(同点の場合は延長戦&PK戦で決着をつける)。
事前準備
● 選手 (スターティングメンバー: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 11枚ちょうど。
- 構築条件:
選手カードのみで構成されていること。
スタメン・控え合わせて、すべて異なる人物のカードであること(相手チームと同じ選手を使用するのは可)。
ゴールキーパーが必ず 1枚だけ入っていること。
フォワード・ミッドフィールダー・ディフェンダーが 各6枚以下であること(キックオフ用に、ミッドフィールダーは必ず 1枚必要)。
選手コストの合計が 1100ポイント未満であること。
フォワードとミッドフィールダーの選手コストの合計が 600ポイント未満であること。
ディフェンダーとゴールキーパーの選手コストの合計が 600ポイント未満であること。
● 控え選手 (コーナーキックのタイミングで、1試合につき 3枚まで選手との入れ替えが可能)
- デッキ枚数: 5枚ちょうど。
- 構築条件:
選手カードのみで構成されていること。
それぞれの選手コストが、スターティングメンバーの選手コストの最低値未満であること。
● アクションカードデッキ (1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 25枚ちょうど。
- 構築条件:
アクションカードのみで構成されていること。
同一効果カードはデッキに 2枚まで(サイドカードも含む)。各言語ごとの表記の差を悪用しないこと(笑)。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード (サイドカード): 6枚のアクションカード。使用しなくてもかまわない。
○ サイコロ: 通常の 6面ダイスを適当数。
○ コイン: 適当数(サイコロなどで代用してもよい)。
○ ボールマーカー: 1個。
○ イエローカードマーカー: 適当数。
○ レッドカードマーカー: 適当数。
○ 判定値プラス修正表示マーカー: 必須ではないが、あると便利。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 獲得点数: 0点。以後蓄積する。
- 開始手札: 5枚。上限無し。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 考慮不要(双方が同時に引く)。
その他構成
● 基本構成細則
- カードの行動表現: 無し。
- ディスカード: 無し。
- ライブラリアウト: 終了条件にのみ関係(枯渇時に前半/後半が終了)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 考慮不要。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 考慮不要。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 考慮不要。
- ユニーク処理: 考慮不要。
ゲームの流れ
開始準備
- コイントスなどで、ゲーム開始時点(前半戦開始時)の攻撃・防御側を決定する。
- 場に選手を配置する。配置方法は以下のとおり。
- それぞれのゴールキーパーを、各自のゴールエリアに配置する。
- それぞれのフォワードを、各自のフォワードラインの任意のセクションに配置する(1セクション 2枚まで)。
- それぞれのディフェンダーを、各自のディフェンスラインの任意のセクションに配置する(1セクション2 枚まで)。
- 攻撃側のミッドフィールダーを、ミッドフィールドの任意のセクションに配置する(1セクション 2枚まで)。
この際にキックオフ要員として、センター部に必ず 1枚は配置すること。
- 防御側のミッドフィールダーを、ミッドフィールドの任意のセクションに配置する(1セクション 2枚まで)。
- それぞれ自分のアクションデッキよりカードを 5枚引き、それぞれの手札とする。
- キックオフとして、中央(ミッドフィールドのセンター)のセクションの任意の攻撃側選手がボールを保持する。
全体の基本進行
“前半戦”と“後半戦”という2つの処理の中で互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、それぞれアクションデッキが尽きた時に処理が終了する。
前半戦が終了したら“ハーフタイム”の処理を行ったうえで、後半戦を開始する。
※双方とも同一ターン内にて行動するので、攻防の概念はあるがターンプレイヤーの概念は無い。
● 前半戦
いずれかのアクションカードが尽きるまで、以下のターンを繰り返す(ただしロスタイムにより、若干の延長が発生する場合がある)。
ターン(1回の手順)の進行
○ 攻撃・防御側チームの決定
ターンの開始時にボールを保持(ボールマーカーを選手の上に置くことで表現)しているほうがこのターンの攻撃側、保持していないほうが防御側となる。
※途中でボールの所有が防御側に移っても、このターン終了まで攻撃・防御の関係は持続する。
○ ステップ1: 攻撃側チームの選手移動&パス
サイコロを 1つ振り、その目によって以下の行動を行う。
- 1 ~ 3: 選手の通常移動はできない。
ただし、アクションカードを矢印として 1枚使用することで、ボールを保持していない選手を 1枚だけ、矢印方向に 1セクション移動することができる。
- 4 ~ 5: ボールを保持していない選手 1枚を、通常移動できる。
対象の選手を任意に隣接するセクション(斜め含む)に 1セクションだけ移動できる(通常移動に関しては、アクションカードは使用しない)。
1つのセクションには各陣営 2枚ずつの選手までしか入ることができないことに注意すること。
- 6: 次のどちらかの行動を、任意に行うことができる。
- ボールを保持していない選手を 2枚まで、通常移動する。
- ドリブルする(ボールを保持している選手を通常移動する)。
ドリブルを行っていない場合、任意で隣接するセクションの味方選手にボールパスを行うことができる。
この時、横か後方(斜め後ろを含む)へのパスの場合、ボール奪取時の攻撃側の修正値として +1 を得る。
また、パスの際にアクションカードを矢印として使用することにより、ボール奪取時の攻撃側の修正値として +2 を得る。
なおゴールキーパーがボールを保持している場合に限り、ゴールキックとしてミッドフィールドにいる選手へのパスを行うことが可能となる。
○ ステップ2: 防御側チームの選手移動
サイコロを1つ振り、その目によって以下の行動を行う。
- 1 ~ 3: 選手の通常移動はできない。
ただし、アクションカードを矢印として 1枚使用することで、選手を 1枚だけ矢印方向に 1セクション移動することができる。
- 4 ~ 5: 選手 1枚を通常移動できる。
- 6: 選手を 2枚まで通常移動できる。
○ ステップ3: 防御側チームのボール奪取
ボールを保持している選手と同じセクションに防御側選手がいる場合、以下の処理にしたがって、任意にボールの奪取を試みることができる。
- 通常ボール奪取(Pace)とタックル(Tackle)のどちらの値で判定を行うか、防御側が決定する。
更に、今回攻撃側がゴールキックを行っていたのならば、防御側は本来の判定に加えてヘディング(Header)値を選択することもできる。
どの判定値を用いるかは双方に適用されるが、今回攻撃側がフォワードラインにて横へのパスを行っていたのならば、攻撃側は本来の判定値ではなくヘディング(Header)値を代用することも可能。
- ボール奪取を行うセクションの選手が、攻撃側1枚防御側2枚の場合、防御側は修正値として +1 を得る。
- それぞれアクションカードを任意に使用する。
- アクションカードなどの各種修正値を、それぞれの判定値にに加える。
- 修正を加えた判定値にそれぞれがサイコロを 1つ振った目を加えてボール奪取の判定を行う。ボールは判定値の大きい側のものとなる(同値の場合はサイコロを振りなおす)。
○ ステップ4: 攻撃側チームのシュート(可能な場合)
ボールを保持している攻撃側の選手がフォワードラインにいる場合、以下の処理にしたがって、任意にシュートを行うことができる。
- 攻撃側が任意にアクションカードを矢印として 1枚使用して、通常シュートに対して +1 の修正値を得る(ヘディングには適用されない)。
- それぞれアクションカードを任意に使用する(矢印の修正とは別物)。
- 通常シュート(Shot)とヘディングシュート(Header)のどちらの値で判定を行うか、攻撃側が決定する。
ちなみにゴールキーパーは、常にセーブ(Save)値を使用する。
- アクションカードなどの各種修正値を、それぞれの判定値にに加える。
- 修正を加えた判定値にそれぞれがサイコロを 1つ振った目を加えてシュートの判定を行う。判定は以下のとおり。
- 攻撃側の値が大きい: シュート成功により攻撃側は 1点の得点を得る。
次ターンは両チームすべての選手をスタート時の配置に戻し、
点を入れられた側が攻撃側となって中央(ミッドフィールドのセンター)のセクションの選手がボールを保持した状態でターンを開始する。
- 防御側の値が大きい: キーパーキャッチ。ボールはゴールキーパーか防御側のディフェンスラインにいる任意の選手が保持する。
- 双方の値が同じ: 攻防はそのままでコーナーキックを行う(後述)。
○ ステップ5: カードドロー
それぞれアクションデッキから、カードを 2枚引いて手札に加える。
いずれかのデッキが尽きた場合は、その時点で(とりあえずの)前半/後半の終了となる。
ただし、ロスタイムの概念があるので、サイコロを 1つ振り、その目によって以下の行動を行う。
- 1 ~ 3: ロスタイムで試合続行。デッキが尽きた状態のまま、次のターンを行う(以後前半/後半が本当に終了するまで、毎ターン判定を行う)。
- 4 ~ 6: 本当の意味で、前半/後半が終了する。
● ハーフタイム
- それぞれ任意でデッキ調整(デッキとサイドカード間でのカード入れ替え)を行う。
- それぞれアクションデッキに捨て札を加えて再シャッフルし、すべての選手をスタート時の配置に戻す。
- それぞれ自分のアクションデッキよりカードを 5枚引き、それぞれの手札とする。
- ゲーム開始時に防御側だったプレイヤーが攻撃側となり、(前半とは攻守を入れ替えて)後半戦のキックオフを行う。
● 後半戦
前半戦と同様に、いずれかのアクションカードが尽きるまでターンを繰り返す。
1ゲーム終了時の処理
- 双方の獲得得点に差があれば、そのままゲーム終了。
同点の場合は以下の延長戦を行い、それでも勝敗が付かない時は PK戦を行う。
- 相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
● 延長戦
- それぞれ任意でデッキ調整を行う。
- それぞれアクションデッキの再シャッフルを行い、上側 15枚のみを延長戦用のアクションデッキとする。
- それぞれすべての選手をスタート時の配置に戻す。
- それぞれ自分のアクションデッキよりカードを 5枚引き、それぞれの手札とする。
- コイントスなどで、延長戦開始時の攻撃・防御側を決定する。
- 以降は前半戦と同様に、いずれかのアクションカードが尽きるまでターンを繰り返す。
ルール細則
基本ルール細則
● コーナーキックについて
シュートなどによりコーナーキックが発生する場合がある。コーナーキックは以下の手順で行われる。
各コーナーキックの処理
- 通常ターンのステップ1の処理の方法にて、攻撃側選手の移動を行う(この時点では誰もボールを保持していないので、ドリブル&パスは無し)。
- 通常ターンのステップ2の処理の方法にて、防御側選手の移動を行う。
- サイコロを1つ振り、その目によって以下の(攻撃側から見た)セクションにボールが配置される。
- 1 ~ 2: フォワードライン レフトウイング セクション
- 3 ~ 4: フォワードライン センター セクション
- 5 ~ 6: フォワードライン ライトウイング セクション
- ボールが配置されたセクションの選手の配置状況によって、以下の処理を行う。
- 攻撃側選手のみが存在した場合: そのセクションにいる攻撃側の任意の選手がボールを保持する。
- 防御側選手のみが存在した場合: そのセクションにいる防御側の任意の選手がボールを保持する。
- 両チームの選手とも存在しなかった場合: 防御側のゴールキーパーがボールを保持する。
- 両チームの選手とも存在した場合: そのセクションにいる攻防それぞれの選手から、ボール奪取を行う選手を 各1人ずつ選択する。
次にサイコロを1つ振り、その目によって今回使用する判定値を決定する。
- 1 ~ 2: 通常ボール奪取(Pace)値を使用。
- 3 ~ 4: タックル(Tackle)値を使用。
- 5 ~ 6: ヘディング(Header)値を使用。
判定値にそれぞれがサイコロを 1つ振った目を加えてボール奪取の判定を行う。ボールは判定値の大きい側のものとなる(同値の場合は、どちらもボールを保持できない)。
- この時点で攻撃側チームがボールを保持している場合、通常ターンの ステップ4 の処理の方法にて任意にシュートを試みることが可能となる(以後シュート結果の処理にしたがう)。
- シュートを試みなかった場合及び防御側がボールを保持した場合は、以後通常のターン進行の処理に戻ってゲームを続行する
※どちらもボールを保持できなかった場合は、もう一度コーナーキックの処理を行う。
● ペナルティキックと PK戦について
- カード効果などにより、ペナルティキックが発生する場合がある。
また延長戦を行っても決着がつかない場合は、ペナルティキックによる PK戦が行われる。
- PK戦は、以下の手順で行われる。
- それぞれ自分の選手の中から、PK戦を行う 5体を選出する。
- コイントスなどで、先にペナルティキックを行う側を決定する。
- 先に行う側から 1体ずつ交互に、選んだ 5体の選手分だけペナルティキックによる判定を行う。
- ペナルティキックを各 5回ずつ行っても成功回数が同じ場合は、決着がつくまで選手 1体ずつでのペナルティキック処理を繰り返す。
- 最終的にペナルティキックの成功回数が多い側が、ゲームに勝利する。
- それぞれのペナルティキックは、以下の手順で行われる。
各ペナルティキックの処理
- 今回ペナルティキックを行う選手を指定する。
- ペナルティキックを行う側に見えないように、相手側がサイコロを 1つ振る。
その出目により、相手側のゴールキーパーが(ゴールからの)左右と中央の 3方向の中でどの方向に反応したかが指定される。
- 1 ~ 2: 左側に反応。
- 3 ~ 4: 中央に反応。
- 5 ~ 6: 右側に反応。
- ペナルティキックを行う側に見えないように、相手側がゴールキーパーがどちらに反応したかをマーカーなどで指定する。
- 今回ペナルティキックを行う選手側が、今回の選手が左右と中央の 3方向の中でどの方向にシュートしたかを宣言する。
- 相手側が、ゴールキーパーがどちら側に反応したかを公開する。
反応した方向とシュートの方向により、以下の処理が行われる。
- 方向が不一致: シュート成功。試合中であれば 1点を獲得、PK戦であれば 1回分の成功として処理全体を終える。
- 方向が一致: 続けて選手とゴールキーパーによるシュート判定が行われる。
- 通常ターンのステップ4の処理の方法にて、シュート判定が行われる。
ただしここではヘディングシュートを行うことはできず、PK戦の場合はシュートした側の値が大きい時のみシュート成功となる。
カード構成
● 場に永続的に存在するカード
○ 選手(Player)カード (配置コストなし)
- ゲームに使用する選手。
- 選手ごとにさまざまな能力と、その実力を表した選手コストを持ち、試合にてその力を発揮する。
- あらかじめ選手ごとに配置ポジションが決まっており、チーム編成や初期配置などで使用される。
● 一時的に使用するカード
○ アクション(Action)カード (使用コストなし)
- 特殊な技能や状況を再現するカード。
- 3色の色があり、赤は攻撃時専用、青は防御時専用、緑はどちらでも使用可能となる。
- 記載記述の効果を適用する通常使用と、8方向の矢印マークの効果を適用する矢印としての使用の 2種類の使用法がある。
使用する際にどちらの目的で使うかを明確にした上で使用すること。
- 矢印として使用した場合、黄色で記載された矢印方向に対して、選手の矢印移動や各種能力値の強化が行われる。
場の構成
| 相手のゴールエリア
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フォワードラインレフトウイングセクション
| フォワードラインセンターセクション
| フォワードラインライトウイングセクション
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ミッドフィールドレフトウイングセクション
| ミッドフィールドセンターセクション
| ミッドフィールドライトウイングセクション
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ディフェンスラインレフトウイングセクション
| ディフェンスラインセンターセクション
| ディフェンスラインライトウイングセクション
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| 自分のゴールエリア
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- 選手カードは、フィールドという空間に存在する。
- フィールドは 2つのゴールエリアと、9つのセクションから存在する。
上図は自分から見たフィールドの構成図(相手から見れば、前後左右が逆になる)。
- ゴールエリアにはゴールキーパーのみが存在でき、それ以外の選手はセクションの中に存在する。
- 1つのセクションには、敵味方それぞれ 各2枚、計4枚の選手までしか存在できない。
- アクションカードの使用後は捨て札(Discard)という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: Wizards of the Coast / メディアファクトリー
○ 発売開始: 2001年
- ○ ラインナップ
-
- イギリス版: プレミアリーグ
- Season 2001-2002
- Title Race
- Subbuteo (2002-2003 Season)
- イタリア版: セリエA
- フランス版: ディビジョン1
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