ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『Dragon Dynasty』のルール解説。
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Dragon Dynasty Collectible Card Game
Last Update 2023/9/30 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるポイント獲得戦。プレイヤーは中国の軍司令となり、部下であるユニットを率いて世の支配権を勝ち取る。
● 原作
歴史小説『三国志』。
小説『水滸伝』。
● 世界設定
悠久の歴史と広大な領土を持つ中華の大地。
この地の覇権をめぐって、人々は数限りない戦闘を繰り広げてきたのであった。
● 本ゲームについて
中国の英雄たちを集めたTCGです。
あらゆる部分の情報が乏しく不明な部分が多いのですが、もともとは香港で作られた中国語版の作品だそうです。
宣伝文を見る限り『西遊記』や『功夫映画』も想定されていたようですが、それらが実際に出ていたかどうかまではわかりません。
※本作のメインルールは不明瞭な部分が多いため、当時の連載記事から判明した内容も加えて解説します。
※トーナメント用ルールの本体部分がまだ探し出せていないので、入門用のオープンゲームルールについて説明します。
基本構成
勝利条件
- 保有勝利ポイントが 10以上となる。
- 相手の保有勝利ポイントが 0以下となる(1ターン目を除く)。
- 双方のデッキが尽きた時点で、相手より勝利ポイントが大きい。
- カードに記載された勝利条件(相手の敗北条件)を満たす。
※なお先攻・後攻決定の際に、双方の初期手札が尽きた場合は引き分けとなる。
事前準備
● デッキ (1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 指定無し。
- 構築条件:
オープンゲームでは、特別な構築条件は存在しない。
※トーナメント用ルールでは、同一カードはデッキに 4枚まで。さらにデッキ枚数(40枚ちょうどらしい)が指定される。
※相手とカードが混じるので、柄が異なるスリーブなどで相手と区別できるようにしておくことが望ましい。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 勝利ポイント(Victory Point): 0ポイント。以降それぞれのプレイヤーの場において増減する。
- 開始手札: 7枚。上限も 7枚(自ターン内に調整有り)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 未設定。ただ無いといろいろ不都合なので、以下の項目について事前に協議しておくこと。
- 先攻 1ターン目の手札補充。
- 先攻 1ターン目の戦闘の有無。および戦闘が強制か任意かどうか。
- 先攻 1ターン目の調略(そもそも対象がいないので実施不可)。および調略が強制か任意かどうか。
- 勝利条件の判定(先攻 1ターン目は非実施が順当だとして、後攻 1ターン目をどうするか)。
その他構成
● カードの行動表現
- カード縦: 通常(Non-jugong)状態。
- カード横: 消耗(Jugong)状態。
● 基本構成細則
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: そのまま続行、ただし双方のデッキが尽きた時点でゲーム終了となる。
- 3人以上でのプレイ: 可能。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: レジェンドカード(カード名が白文字のカード)。カード種類ごとに以下の処理を受ける。
- イベントカード以外: 両軍ユニーク、先出し生存。
- イベントカード: レジェンドイベント全体で 1ターンにつき 1枚まで。
- 戦闘ユニットの戦闘は、それぞれが指定した 1 対 1で行われる。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれ今回のレギュレーション(というかルールの不明部分)を、事前に協議して決めておく。
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれ自分のデッキから、手札としてカードを 7枚引く。
- それぞれ先攻・後攻が決定するまで、以下の処理を繰り返す。
※この処理を行うことでそれぞれの手札は減少するが、減ったことに対する救済措置などは存在しない。
※その結果として双方の手札が尽きた場合は、今回のゲームは引き分けとなる。
- それぞれ自分の手札から、任意のカード 1枚を場に提示する。
- 提示したカードの記載ダイス値が大きい側が先攻、小さい側が後攻となる。
値が同じであった場合は無効となり、次の手札で決定することになる。
- それぞれが今回提示したカードは捨て札となり、それぞれの捨て札置き場に送られる。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、いずれかが勝利条件を満たした時にゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ ドロー(Draw)フェイズ
○ アクション(Action)フェイズ
- 以下の行動を任意で行う。
- 手札の人物・部隊・アイテム・土地カードのそれぞれを、場に配置する(各カード種類ごとに、1ターンに 1枚まで)。
- 手札のイベントカードを使用する(1ターンに 1枚まで)。
- 自分の場にあるカードを、手札に戻す(各カード種類ごとに、1ターンに 1枚まで)。
- 自分の場にあるカードの記載効果を使用する。
○ 戦闘(Combat)フェイズ
※ルール記述では戦闘が任意なのか強制なのか(および 1ターンに行う回数)が判別できない。どちらにするかは事前に協議して決めておくこと。
○ 宣言(Declaration)ステップ
- ターンプレイヤーが攻撃側・相手が防御側となり、攻撃側が攻撃を宣言する。
○ 配備(Deployment)ステップ
- 攻撃側が今回の戦闘ユニットとして、自分の場にいるユニットの中から任意の 1体を選択する。
- 防御側が今回の戦闘ユニットとして、自分の場にいるユニットの中から任意の 1体を選択する。
- 今回の戦闘が、攻撃側と防御側のそれぞれの戦闘ユニットにより行われる。
○ 解決(Resolution)ステップ
- それぞれが自分のデッキからカードを 1枚引き、引いたカードのダイス値を今回の自分の戦闘修正値とする。
- それぞれが自分の戦闘ユニットの記載軍事力に戦闘修正値などの各種修正を加え、今回の自分の戦闘力を算出する。
- それぞれの戦闘力を比較する。
比較の結果、値が大きい側が戦闘に勝利する(同値は双方勝利)。
- 戦闘に敗北した側の戦闘ユニットは、捨て札となる。
- それぞれが戦闘修正値用に引いたカードや戦闘用に使用した使い捨てのカードが、すべて捨て札となる。
- 戦闘フェイズが終了する。
○ 調略(Bribery)フェイズ
※ルール記述では任意か強制かが判別できない。どちらにするかは事前に協議して決めておくこと。
○ 宣言(Declaration)ステップ
- 今回の調略対象として、相手の場の 人物・部隊・土地 の中から任意の 1枚を選ぶ。
○ 配備(Deployment)ステップ
- ターンプレイヤーが調略判定用のカードとして、手札から任意枚数のカードを場に裏向きで提示する。
- 相手プレイヤーが調略判定用のカードとして、手札から任意枚数のカードを場に裏向きで提示する。
○ 解決(Resolution)ステップ
- それぞれの調略判定用のカードを、すべて表向きにする。
- それぞれ自分が出した調略判定用のカードのダイス値を合計し、今回の自分の判定値を算出する。
- それぞれの判定値を比較する。
比較の結果、ターンプレイヤーの値が大きければ調略に成功する(同値は調略失敗)。
- 調略に成功した場合、ターンプレイヤーは調略対象のコントロール権を獲得し、自分の場に移動させる。
- それぞれが判定に使用したカードが、すべて捨て札となる。
- 調略フェイズが終了する。
○ ディスカード(Discard)フェイズ
- 手札が上限を超えている場合、上限に収まるようにカードを捨てる。
1ゲーム終了時の処理
相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること(特に調略で場を移動しているカード)。
ルール細則
基本ルール細則
● 勝利条件について
- 一部のカードは勝利条件に影響を与える個別効果を持ち、ゲーム進行に大きな影響を与える。
- 勝利条件に影響を与える効果には、一律で“★”アイコンが付けられている。
- その効果はカードによって異なり、以下のような種類が存在する。
- ゲームの勝利に必要な勝利ポイント(の基準値側)を変更する。
- 新たな勝利条件(あるいは相手の敗北条件)を追加する。
- 他のカードの勝利条件を無効化する。
- 本作の場合、勝利条件を変更させる効果は場に配置するカードが備えている(つまり場にある時に有効となる)。
- 勝利条件に関わる効果の有無は、シリーズごとに大きく異なる。
三国志の場合は、ほとんどの人物や一部の土地・アイテムがこの効果を備えている。
対して水滸伝は、保有勝利ポイントの一次的な増減がメインギミックとなるため、勝利条件そのものを変更する効果は登場しない。
- 複数のカードが存在することで、それぞれの効果が相反する場合がある。
基本的には否定や打消し側が優先されるが、それでも問題がある場合は協議の上で対応を決めること。
※どうにもならない場合は引き分け、あるいは無効試合となる。
● ユニットについて
- 場に存在するカードは、ユニットという形でそれぞれの場に存在する。
- ユニットはそれぞれ独立した存在であり、場に 1体単位で存在する。
- 戦闘は、それぞれのユニット同士による 1 対 1で行われる。
- ユニットに他のカードが付いている場合、付いているカードをまとめて 1体のユニットとなる。
- ユニットのコントロール権を相手に奪われた場合、付いているカードもまとめて相手に支配される。
- ユニットが場を離れる場合、付いているカードはすべて破棄される。
- 本作にはいわゆるコストが無いうえに、気軽に手札に戻すことができる(消耗状態の回復はこれで行う)。
さらには調略されて相手に奪われることもあるため、各ユニットへの依存度はかなり低いものとなる。
● ダイス値について
- カードにはそれぞれ、いずれかのサイコロアイコン 1つが記載されている。
このサイコロの目の値がそのカードのダイス値(Random Dice)となり、さまざまな判定において使用される。
- 判定でダイス値を用いる場合、判定内容によってデッキの一番上か手札の任意のカードが使用される。
大抵の場合は双方が 1枚ずつカードを出して、その値の大小で判定が行われる。
- 各判定で使用される判定カードは以下の通り。
- 先攻・後攻の決定: 双方の手札の任意のカード 1枚。これを決着がつくまで繰り返す。
- 戦闘の解決: 双方のデッキの一番上のカード 1枚。
- 調略の解決: 双方の手札のカードから任意枚数。
- カードの記載効果: 特に指示が無い場合は、使用者のデッキの一番上のカード 1枚。
- サイコロという立場上、それぞれのダイス値は 1 ~ 6となる。
- 実際のサイコロを使用することは考慮されていない(デッキを判定に用いるという行為が、ゲームバランスに組み込まれているのだと思われる)。
- 判定に使用したカードは、基本的にすべて捨て札となる。
● ライトニング シンボルについて
- 一部のカードは、ライトニング シンボル(Lighting Symbol)としてカード側面に稲妻型のアイコンを持っている。
このアイコンを持つカードは、手札から任意のタイミングでいつでも使用することができる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ 土地(Land)カード
- プレイヤーの支配領土。場にユニットの一種である土地として配置される。
本作においては、砦や守備隊といった軍事部隊としての参加となる。
- 場に望むだけの数を配置できるが、配置は 1ターンにつき 1枚までとなる。
- 他のユニットに付くことは無く、独立したユニットとして扱われる。
- 勝利ポイント(Victory Point)の値を持ち、配置されている間は記載分がプレイヤーの保有勝利ポイントに加えられる。
- 軍事力(Military)の値を持ち、戦闘において使用される。
- 戦闘ユニットとして戦闘を行った際に、戦闘力比較で敗北したら破壊される。
○ 部隊(Troop)カード
- プレイヤーの部下となる一般兵。場にユニットの一種である部隊として配置される。
- 場に望むだけの数を配置できるが、配置は 1ターンにつき 1枚までとなる。
- 独立したユニットとして配置することもできるし、場の土地に(守備隊の増援として)付ける形で配置することもできる。
※付く対象は変更できないが、一旦手札に戻して別対象に付け直す(あるいは独立配置させる)ことはできる。
- 勝利ポイントの値を持ち、記載分が保有勝利ポイントに加えられる。
- 軍事力の値を持ち、戦闘において使用される。
- 戦闘ユニットとして戦闘を行った際に、戦闘力比較で敗北したら破壊される。
○ 人物(Personality)カード
- プレイヤーの腹心の部下たち。場にユニットの一種である人物として配置される。
- 場に望むだけの数を配置できるが、配置は 1ターンにつき 1枚までとなる。
- 独立したユニットとして配置することもできるし、場の土地や部隊に付ける形で配置することもできる(守備隊長などになる)。
- 勝利ポイントの値を持ち、記載分が保有勝利ポイントに加えられる。
- 知力(Intellect)の値を持ち、さまざまな効果で参照される。
- 軍事力の値を持ち、戦闘において使用される。
- 戦闘ユニットとして戦闘を行った際に、戦闘力比較で敗北したら破壊される。
○ アイテム(Item)カード
- ユニットたちが使用する武器や祭器など。場にアイテムとして配置される。
- 場のいずれかのカードに付ける形で場に配置される(付ける対象はそれぞれで異なる)。
- 場に望むだけの数を配置できるが、配置は 1ターンにつき 1枚までとなる。
- 勝利ポイントの値を持ち、記載分が保有勝利ポイントに加えられる。
- それぞれ何らかの効果を持ち、ついた対象の能力強化などを行う。
- 付けた対象が場を離れた場合に捨て札となる。
● 一時的に使用するカード
○ イベント(Event)カード
- ゲーム中に起きるさまざまな出来事。使い捨てで使用される。
- 基本的には自ターンに使用するが、一部のカードは相手ターンに使用することもできる。
- 勝利ポイントの値を持ち、使用したターン限定で記載分のポイントが加えられる。
場の構成
- 永続カードは、それぞれの場(Play Field)という空間に存在する。
- 永続カードが破壊された時や使い捨てカードの使用後は、捨て札(Discard pile)という空間に集められる。
- 効果により除外されたカードは、専用の除外空間に集められる。
商品情報
● メーカー: Romancing Cathay
○ 発売開始: 1998年(英語版は 2001)
- ○ ラインナップ
-
- Three Kingdoms 1
- Water Margin 1
Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
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