ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『Doctor Who』のルール解説。
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Doctor Who The Collectable Trading Card Game
ドクター・フー
Last Update 2023/7/22 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるライフ破壊戦。プレイヤーは時の管理者? となり、手近なクリーチャーに干渉することで相手の時を崩していく。
● 原作
TVドラマ『ドクター・フー』(旧シリーズ)。
● 世界設定
電話ボックス。それは携帯電話が普及する前の 19 ~ 20世紀ごろに、世界中で使われていた公衆電話端末である。
中でもイギリスは、通常の電話ボックスに加えて“ポリスボックス”という警察署直通の電話ボックスを設置していた。
イギリスには日本の交番にあたる制度が無いため、市民が警察を頼るためには必須の存在であったのだ。
ポリスボックスは一時シェルターや警官の現場基地の機能を果たすため、鉄板で覆われほどほどに遮蔽されている。
そういう赤や青のシンプルな箱が、かつては街のいたるところに普通に見られたのであった。
さて、そのポリスボックスが、今まさに目の前にあるわけだが……
● 本ゲームについて
イギリスの人気SFドラマのTCGです。いわゆる旧シリーズ版が舞台で、7代目までの歴代ドクターが登場します。
プレイヤーの立場はドクターたちより遥か上位の存在で、カードも劇中内容に収まらない要素であふれています。
なお時間がテーマということで、本作の場は 過去・現在・未来という 3つの時代に分けられています。
そしてそれぞれの時代は基本的に独立しているため、実質 3ゲームを同時に行う多面打ちで相手と戦うことになります。
基本構成
勝利条件
事前準備
● デッキ (Draw deck: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 55枚以上。
- 構築条件:
同一カードはデッキに 4枚まで。
過去・現在・未来の 3つの時代のタイムカードが、それぞれの時代ごとに同数だけ投入されていること。
投入するタイムカードの枚数が、対戦相手と同じであること(あらかじめ枚数を決めておく。なお必ず 3の倍数となる)。
初期配置用としてクリーチャーカード《監視者/ The Watcher》が、3つの時代ごとにそれぞれ 1枚以上入っていること。
エピソードカードを投入する場合、記載解決番号すべての合計値が 25以下であること。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ: タイムカードの残り枚数が、プレイヤーライフに相当する(基準は 1人につき 6枚)。
- 開始手札: 7枚。上限は無し。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(先攻は 1ターン目からカードを引く)。
その他構成
● カードの行動表現
- カード縦: スタンド(Stand)状態。
- カード横: サイド(Side)状態。
● 基本構成細則
- ディスカード: 無し。
- ライブラリアウト: ペナルティが存在(タイムカードのヒットが行われる)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 有り(配置ターンには攻撃不可)。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: “Unique”を持つカード、全軍ユニーク、先出し生存。
- クリーチャーの攻撃は、相手クリーチャーに対する 1 対 1で行われる。
防御側クリーチャーの指定は攻撃側に選択権があり、攻撃側が直接指定するか防御側に選ばせるかの任意選択が行われる。
※防御側に選ばせたうえで防御クリーチャーがいない(選ばない)場合は、相手への直接攻撃となる。
ゲームの流れ
開始準備
- 相手と協議の上でタイムカードの投入枚数を揃え、それぞれのデッキを構築する。
- それぞれ自分のデッキから、タイムカードをすべて取り出してシャッフルする。
シャッフルしたカードは、タイムスタックとして表向きで場の脇に配置される。
- それぞれ自分のデッキから、初期配置用となる各時代の《監視者》計 3枚を取り出す。
そしてそれぞれ対応する時代のタイムゾーンの自分の場に、サイド状態で配置する。
- それぞれ残りのデッキをシャッフルする(こちらは普通に裏向き)。
- それぞれ自分のデッキから、手札としてカードを 7枚引く。
- 先攻・後攻を決定する。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、いずれかが勝利条件を満たした時にゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ フェイズ 1. 準備(Preparation)
● カードの起立(Stand cards)
- 自分のサイド状態のクリーチャーとリソースを、すべてスタンド状態にする。
- 今回使用するタイムゾーンを、3つの時代の中から 1つ選択する。
選択した時代が自分のタイムスタックの一番上のカードの内容と一致する場合、そのゾーンはボーナスタイムゾーンとなる。
● カードドロー(Draw a card)
- デッキからカードを 1枚引き、手札に加える。
デッキが尽きている場合、1枚引く代わりにタイムカードのヒットが 1回行われる。
● クリーチャー&リソースカードのプレイ(Play Creature and Resource cards)
- 今回のタイムゾーンに、任意で手札からクリーチャーカード 1枚をクリーチャーとして配置する。
- 今回のタイムゾーンに、任意で手札からリソースカード 1枚をリソースとして配置する。
- 今回のゾーンがボーナスタイムゾーンの場合は、任意で手札からクリーチャーかリソースのどちらかをもう 1枚追加で配置できる。
○ フェイズ 2. エピソード(Episodes)
● エピソードカードのプレイ(Play an Episode card)
- 今回のタイムゾーンの“相手の場”に、任意で手札からエピソードカード 1枚をエピソードとして配置する。
● エピソードの解決(Solve an Episode)
- 自分のいずれかの場にエピソードがある場合、任意で以下のいずれかの方法によりエピソードそれぞれの解決に挑む。
※エピソードの解決においては、今回のタイムゾーンに限らず(エピソードもその解決要員も)自分の場全体で行われる。
※解決されたエピソードは、持ち主の捨て札置き場に送られる。
※解決しなかった(解決に失敗した)エピソードは、最初の解決タイミング以降から記載効果が発動する。
- 支援値で解決: エピソードの解決番号の値以上の支援値を発生させることで解決する。
※支援値は、自分の場のスタンド状態のクリーチャーをサイド状態にすることで、それぞれ記載分の値が提供できる。
- ドクターにより解決: “ドクター・フー(Doctor Who)” 1体と“アシスタント(Assistant)” 2体により解決する。
※自分の場のスタンド状態である指定の特徴を持つクリーチャー 3体をサイド状態にすることで、解決番号に関係なく解決できる。
○ フェイズ 3. 戦闘(Combat)
● 戦闘宣言(Prepare for Combat)
- ターンプレイヤーが攻撃側、相手が防御側となる。
- 攻撃側が、任意で戦闘を宣言する。
宣言しない(主戦力を指定できない)場合は以降の処理を飛ばし、このフェイズが終了する。
- 攻撃側が今回の主戦力(Main combatant)として、以下の条件をすべて満たすクリーチャー 1体を指定する。
※主戦力に指定したクリーチャーは、“戦闘後処理”まではサイド状態にすることができなくなる。
- 前ターン以前から、自分の場に存在している。
- 今回のタイムゾーン(の攻撃側の場)に、スタンド状態で存在している。
- 攻撃側が、防御側の主戦力の扱いを以下のどちらかから 1つ選ぶ。
- 攻撃側が選ぶ: 攻撃側が、以下の条件をすべて満たすクリーチャー 1体を指定する。
そのうえで、以降の処理を飛ばし“戦闘本処理”に進む。
- 今回のタイムゾーン(の防御側の場)に、スタンド状態で存在している。
- 防御側に選ばせる: 防御側が、以下のどちらかから 1つ選ぶ。
- 主戦力を選ぶ: 防御側が、以下の条件をすべて満たすクリーチャー 1体を指定する。
そのうえで、以降の処理を飛ばし“戦闘本処理”に進む。
- 今回のタイムゾーン(の防御側の場)に、スタンド状態で存在している。
- 主戦力を選ばない(選べない): 次の“直接攻撃”に進む。
● 直接攻撃(Commence Combat)
- 以下の“ヒット”の処理を、タイムスタックの一番上のカードが別の時代になるまで繰り返す。
※つまり一番上のカードの時代が“繰り返し開始時点での時代”と同じならば、ヒットが繰り返される。
- タイムスタックの一番上のカードを、捨て札置き場に送る。
- 以降の処理を飛ばし、“戦闘後処理”に進む。
● 戦闘本処理(Combat)
- それぞれ任意で、場のクリーチャーによる支援やこのタイミングで使用できるカードなどを望むだけ使用する。
- それぞれ自分の主戦力の気力と体力の値に各種修正を加え、今回の気力と体力を算出する。
- それぞれの主戦力の気力と体力の値を比較する。
比較の結果、気力・体力の両方の値とも相手より低い側の主戦力は戦闘に敗北する。
※同値の場合や、片方だけが低い場合は引き分け(実質勝利)扱いとなる。
● 戦闘後処理(Outcome of Combat)
- それぞれの生き残った(勝利または引き分けの)主戦力が、サイド状態になる。
戦闘で敗北した主戦力は、持ち主の捨て札置き場に送られる。
- 今回の戦闘およびフェイズが終了する。
○ フェイズ 4. ボーナス(Bonus)
- 今回のゾーンがボーナスタイムゾーンかつフェイズ 1で追加配置をしていない場合は、任意でデッキからカードを 1枚引くことができる。
○ フェイズ 5. 正常化(Normalise)
- それぞれのカードの能力値がすべて元に戻り、ターン中に発動した効果がすべて終了する。
- 今回のターンが終了する。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール細則
● 時代について
- タイムカードとクリーチャーカードには属性区分として時代が存在し、さまざまな場面で使用される。
- 時代は 過去(緑)・現在(赤)・未来(青) の 3種類が存在する。
またクリーチャーカードには、どの時代でも使用できる無色(白)も存在する。
- 場は時代ごとの 3つのタイムゾーンで構成され、各カードは対応する時代のタイムゾーンに対して配置できる。
- 無色のカードには配置上限が存在し、それぞれ全タイムゾーン合計で自分の場に 5枚まで配置できる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ タイム(Time)カード
- プレイヤーが管理する時間。プレイヤーライフであるタイムスタックとして場の外側で使用される。
- 各時代ごとの 3種が存在する。時代以外の要素(イラストなど)は、本ゲームでは参照されない。
- 原作の外側部分の存在であり、カードイラストはそれぞれ抽象的なCG画像となってる。
※イメージ的には、ターディスが時間移動する際の背景画に相当する。
- デッキ構築の際は、相手と同数かつ各時代ごとに同数が投入される。
- ゲーム開始時にデッキから取り出され、固有のタイムスタックの山を形成する。
タイムスタックは表向き(デッキとは裏表逆)に配置され、一番上のカード内容が見えるようになっている。
- タイムスタックの一番上のカードが持つ時代が、ボーナスタイムゾーンを自ターンに得るための条件となる。
- 相手からの攻撃に対し、防御しない(防御主戦力を指定しない)場合にヒットとして破棄が行われる。
- 1回のヒットごとにタイムスタックの 1番上のカードが破棄され、捨て札置き場に送られる。
タイムスタックが尽きることで、そのプレイヤーはゲームに敗北する。
○ クリーチャー(Creature)カード
- プレイヤーの部下たち。場にクリーチャーとして配置される。
- 基本的に 1ターンに 1枚までを、今回のタイムゾーンの自分の場に配置できる。
ただし今回のゾーンがボーナスタイムゾーンの場合、追加配置の枠を使ってもう 1枚配置することもできる。
- 1つのタイムゾーンの自分の場に、リソースと合わせて計 6枚まで配置できる。
- 気力(Energy)と体力(Substance)の値を持ち、プレイヤーの武器/盾となる。
- 支援(Support)の値を持ち、戦闘の補助やエピソード解決などにおいて使用される。
それぞれスタンド状態からサイド状態にすることで、記載値分の支援値を提供することができる。
- 戦闘で主戦力となった際に、相手より気力・体力両方の値が低かった場合に破壊される。
また戦闘とは別に、カード効果などで気力・体力の値が両方とも 0以下となった時にも破壊される。
※ 監視者(The Watcher)
- クリーチャーの一種で、プレイヤーの直属の部下。
- 原作には登場しない存在であり、カードイラストはマーブル模様の球体(!!)である。
- 各時代ごとに 3種が用意されており、ゲーム開始時にはそれぞれ 1体ずつが場のそれぞれに配置される。
- 時代以外はすべて統一されており、能力は一律で 気力 1, 体力 1, 支援 0となる(誤植に注意)。
※ ドクター・フー(Doctor Who)
- クリーチャーの一種で本編主人公。ポリスボックス型タイムマシン“ターディス”で時を旅する謎多き人物。
- 固有の存在だが、治療設備の仕様なのか定期的に容姿が変化する。本作では初代 ~ 7代目までが登場する。
なお本作のユニーク判定はカード単位なので、別カード同士ならば並存できる。
- 強力なクリーチャーであることに加え、エピソード解決のための特別ルールを持つ。
○ リソース(Resource)カード
- クリーチャーが使用する道具や施設など。場にリソースとして配置される。
- 基本的に 1ターンに 1枚までを、今回のタイムゾーンの自分の場に配置できる。
ただし今回のゾーンがボーナスタイムゾーンの場合、追加配置の枠を使ってもう 1枚配置することもできる。
- 1つのタイムゾーンの自分の場に、クリーチャーと合わせて計 6枚まで配置できる。
- 場に存在することで、そのタイムゾーンに対して何らかの効果を発揮する。
○ エピソード(Episode)カード
- 相手の行動を阻害するような事件。場にエピソードとして配置される。
- 自ターンのエピソードフェイズに、今回のタイムゾーンに対して配置される。
ただし配置するのは自分の場ではなく、相手の場に対してとなる。
- 各タイムゾーンのそれぞれの場において、1枚だけ配置できる。
- 配置された場合、相手はそのエピソードの“解決者(Solver)”となり、事件の解決に挑むことになる。
- それぞれ解決番号(Solve Number)の値を持ち、エピソードを解決するための条件となる。
- 配置されたカードは、配置直後の相手ターンのエピソードフェイズに最初の解決チャンスが到来する。
そこで解決できない場合、以降はそのタイムゾーンの相手の場に対して何らかの効果を発揮する(それまでは効果未発動)。
以降は相手のエピソードフェイズごとに、解決のチャンスが到来する。
- 効果を発動することで、そのタイムゾーンの相手に対して何らかの妨害効果を発揮する。
- 相手の場に配置される都合から、記載テキストが独特の言い回しになっている。
テキストの“解決者”が配置されたプレイヤー、“相手(Opponent)”が配置したプレイヤーを意味している。
- 解決されることで、持ち主の捨て札置き場に送られる。
● 一時的に使用するカード
○ フラッシュ(Flash)カード
- プレイヤーが瞬間的に使用する効果。効果はさまざま。
- 指定タイミングに任意で使用でき、使用後は捨て札置き場に送られる。
効果の有効期間はさまざまであるが、いずれの効果もターン終了時には消滅する。
場の構成
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- 場は 過去・現在・未来 の 3つのタイムゾーンで構成され、ゾーンごとにそれぞれの場が存在する(上図は一方の側から見た場の構成図)。
※3つの時代(の Time Zone)であることが意味を持ち、過去が向かって右側か左側かどうかは重要ではない。
- タイムゾーンはそれぞれ独立した存在である。各ターンごとに 1つの時代を指定し、配置や戦闘がそこで行われる。
- 場のほかにも、それぞれのタイムカードの山であるタイムスタック(Time card stack)などが存在する。
- 永続カードが破壊された時や使い捨てカードの使用後は、捨て札置き場(Discard pile)という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: MMG Ltd.
○ 発売開始: 1996年
- ○ ラインナップ
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