ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『DON』のルール解説。
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Don: Continuing Criminal Enterprise
Last Update 2003/11/04 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦による経済戦。プレイヤーはギャングのドンとなり、部下どもを率いて相手を破産に追い込む。
● 原作
オリジナル。
● 世界設定
1920年代のアメリカ。第一次世界大戦に端を発する好景気で、アメリカはこの世の春を謳歌していた。
しかしながら、光あるところ闇が潜む。繁栄している世界の陰でギャング同士による抗争が、毎日のように繰り返されていた。
彼らはあらゆる手段で資金を稼ぎ、組織を大きくしていくと共に、殺し屋を雇って対立組織を次々とつぶしあっていたのである。
● 本ゲームについて
ギャングの抗争をテーマにしたTCGです。ただし暗殺といった下っ端の仕事ではなく、組織を維持する首領同士の経済抗争がテーマです。
全ての行動が資金によって左右されるので、非常にシビアな経済観念が要求されます。
なお本ゲームはカードも箱も全てがモノクロで統一され、実に渋い仕上がりです。
昨今のアニメTCGブームと真っ向から対立するその姿勢は、ある意味非常に目立っています。
まあ一般的なユーザー受けは良くないかもしれませんが、テーマがテーマだけに玄人受けしそうな作品です。
基本構成
勝利条件
事前準備
● モブデッキ (1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 44 ~ 48枚(モブデッキとヴァイスデッキの合計が、60枚ちょうどであること)。
- 構築条件:
裏家業カード以外で構成されていること。
● ヴァイスデッキ (1人分の補助デッキ)
- デッキ枚数: 12 ~ 16枚。
- 構築条件:
裏家業カードで構成されていること。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ ゲーム内資金: それぞれ 20 ~ 30万ドル程度。
○ 行動済み表示マーカー: 適当数。
○ 各種表示用カウンター (誘拐の表示など): 適当数。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 資金: 15万ドル。上限は無し。
- 開始手札: 支払う金額による。上限は 10枚(自ターン内に調整有り)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(先攻は 1ターン目からカードを引くことができる)。
その他構成
● 基本構成細則
- カードの行動表現: 無し。
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 無し(そのまま続行)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 無し(ただし配置はアクションの後)。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 有り(すべてゲーム内通貨である資金の形で存在する)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: ファミリーおよび構成員(Ally)カード、自軍ユニーク、先出し生存。
- 攻撃の概念は基本的には存在しない。暗殺(カード除去)や資金強奪といった形で存在するのみである。
ゲームの流れ
開始準備
- 初期資金として、それぞれ 15万ドルを獲得する。
- それぞれ 2つのデッキをよくシャッフルし、デッキ置き場に配置する。
- 先攻を決めるため、それぞれ初期入札(Bid War)を行う。
0 ~ 2万5千ドルの間でいくら支払うかを密かに決めて、決めた額をいっせいに宣言する。
入札額が高いほうが先攻となる(結果に関わらず入札額は支払われる)。
もし入札額が同じ場合は初期入札を再度行い、3回やっても同じ場合は、コイン投げなどで先攻を決める。
- それぞれヴァイスデッキからカードを何枚引くかを決め、相手に枚数を伝える(手札上限の 10枚を超えないこと)。
- それぞれ宣言した枚数だけヴァイスデッキからカードを引き、手札とする。
その際 5枚までは無料で引けるが、6枚目からは 1枚引くごとに 2万5千ドルずつ支払うこと。
※無料で引けるのはゲーム開始時だけ。以降は 1枚目から支払う必要がある。
- それぞれ配置費用を支払い、手札の裏家業カードを任意に配置する。
- それぞれモブデッキからカードを何枚引くかを決め、相手に枚数を伝える(手札上限の 10枚を超えないこと)。
- それぞれ宣言した枚数だけモブデッキからカードを引き、手札とする。1枚引くごとに 1万ドルずつ支払うこと。
※モブデッキには無料で引けるカードはなく、またヴァイスデッキとは支払額が異なるので注意すること。
- それぞれ配置費用を支払い、手札の構成員・ファミリーカードを任意に配置する。
- それぞれ場のカードの収益欄に記載された合計金額を獲得する(ここでは金額以外の効果は無視する)。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ 資金調達(Source)フェイズ
- 自分の場のカードに乗っている行動済みマーカーを、すべて取り除く。
- 任意に場のカードの収益欄に記載された金額を獲得する(獲得に使用したカードの上には、行動済みマーカーを乗せておくこと)。
- 場のカードの給料欄に記載されたそれぞれの金額を支払う。
○ アクション(Action)フェイズ
- 任意に構成員カードに記載されたアクションの効果を使用する。
アクションの費用はきちんと支払うこと(使用したカードの上には行動済みマーカーを乗せておくこと)。
- 任意に構成員カードにアクションカードを使用させる(収益欄に“アクション”と記載されたカードのみ)。
アクションカードに記載された費用(Cost)はきちんと支払うこと(使用したカードの上には行動済みマーカーを乗せておくこと)。
- 任意に場のカードの特殊効果を使用する(ファミリーカードと収益欄に“スペシャル”と記載された構成員カードのみ。使用したカードの上には行動済みマーカーを乗せておくこと)。
- 任意にルーレット(Roulette)カードを使用する。
※相手側も任意にカードの効果やアクションカードを使用できる。
○ 配置(Deployment)フェイズ
- 配置費用を支払い、手札の裏家業・構成員・ファミリーカードを任意に配置する。
○ ドロー(Draw)フェイズ
- 2つのデッキから任意枚数だけカードを引き、手札に加える。
カード 1枚引くためにヴァイスデッキなら 2万5千、モブデッキなら 1万ドルの支払いが必要となる。
- 手札が上限を超えている場合、上限に収まるようにカードを捨てる。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ 構成員(Associate)カード (配置コスト必要)
- ギャングの下っ端。場に構成員として配置され、さまざまな任務を実行する。
- モブデッキに入れて使用される。
- 配置費用(Recruitment)・給料(Payroll)の値を持ち、場に出してから破棄されるまで常に一定の費用が必要となる。
- 収益(Revenue)欄に記載されたいくつかの能力を発揮する。
このうち金額が記載されているカードは、裏家業カードのように資金を稼ぐことができる。
一部は特定のアクションが記載されており、その効果をアクションカード無しで実行することができる(実行費用は必要)。
- カードによっては、以下の特徴が記載されている。
- アクション(Action): アクションカードを使用できる。
- アリー(Ally): ファミリーに次ぐ存在で、自軍ユニーク。
- スペシャル(Special): ファミリーに匹敵する特殊効果を持つ。
- 原則として、場の中央部に配置すること。
○ ファミリー(Family)カード (配置コスト不要)
- ギャングの幹部。場にファミリーとして配置され、基本的にプレイヤーの親族である。
- モブデッキに入れて使用される。
- 存在的には構成員カードの上級バージョンといった存在で、配置費用や給料は必要としない。
- 自軍ユニークで、それぞれ何らかの特殊効果を持つ。
- 原則として、場のプレイヤーから見て左側に配置すること。
○ 裏家業(Vice)カード (配置コスト必要)
- ギャングが資金を稼ぐための、さまざまな裏家業。場に裏家業として配置される。
- ヴァイスデッキに入れて使用される。
- ターン開始時に、配置カードの収益欄に記載された金額分の資金を獲得できる。
- 原則として、場のプレイヤーから見て右側に配置すること。
● 瞬間的に使用するカード
○ アクション(Action)カード (使用コスト必要)
- 構成員が行う任務。内容はさまざま。
- モブデッキに入れて使用される。
- アクションカードの使用能力を持つ構成員カードが使用する。
- 使用するためには費用(Cost)を支払う必要が有るが、カードによっては収益分の金額が獲得できる。
- 構成員カードによっては、カードの効果として特定のアクションをアクションカード無しで実行できる。
○ ルーレット(Roulette)カード (使用コスト必要)
- プレイヤー自身が使用する、一発逆転カード。
- モブデッキに入れて使用される。
- ロシアンルーレットのように、相手と自分とで交互に押し付けあうような感じで使用する。
- 使用するには、カードごとにいくつかの使用条件を満たす必要が有る。
場の構成
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- 永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は捨て札というドラム缶(Cannery)に葬られる。
本ゲームには様々なレギュレーションが設定され、いくつかの追加ルールが設定されている。主なものは以下の通り。
- 勝利条件に、相手の裏家業カードの全滅(デッキ・手札・場のカード全てが捨て札となる)を追加。
- 場の裏家業カードの最大配置数を 5とする。
- モブデッキのデッキ枚数を 45枚、ヴァイスカードのデッキ枚数を 15枚に固定。
- ルーレットカードは使用対象(対裏家業や対ファミリーなど)ごとに、各デッキに 1枚のみ。
- デッキの同一カードの上限を以下のように設定。
- 同一ルーレットカードはデッキに 1枚のみ。
- 同一ファミリーカードはデッキに 3枚まで。
- 同一構成員カードはデッキに 4枚まで(ただし同一構成員(Ally)はデッキに 2枚まで)。
- 同一アクションカードはデッキに 5枚まで。
- 同一裏家業カードはデッキに 5枚まで。
商品情報
● メーカー: Mythintentions
○ 発売開始: 2003年6月
- ○ ラインナップ
- Capo
Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
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