ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『Afterworld』のルール解説。
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Afterworld Trading Card Game
Last Update 2024/1/6 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦による陣地破壊戦。プレイヤーは帝国の支配者となり、配下の司令官たちが率いる部隊によって敵国領内に軍を進める。
● 原作
オリジナル。
● 世界設定
時代も場所も異なるさまざまな世界が、ある時を境に突然一つに繋がってしまった。
種族も宗教もすべてが異なる民族同士では話し合いもままならず、いつしか全面対決へと突き進んでいった。
● 本ゲームについて
世界各地の神話や歴史要素が一堂に会した、異国情緒あふれるファンタジーTCGです。
軸となる世界を設けずに異種族が連携無くぶつかっているせいか、別々のタイトルが詰め合わさったかのような作品となっています。
なお Score版については情報不足のため詳細がまったくわかりません。ここでは復刻された Panini版を中心に解説します。
基本構成
勝利条件
- Elimination: 相手の城塞を破壊する。
- Slash and Burn: 相手の領地 8ヶ所にあるテリトリーを、すべて破壊する。
- ゲームが何らかの理由(基本的にはデッキ切れ)で終了した場合、以下の条件を満たした側が勝利となる(より上位の条件が優先)。
- 破壊されずに残っているテリトリーの数が、相手より多い。
- 破壊されたテリトリーの記載戦力の合計値が、相手より小さい。
- 現在場に保有するユニットの記載攻撃力の合計値が、相手より大きい。
- 現在場に保有するユニットの記載体力の合計値が、相手より大きい。
事前準備
● デッキ (1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 60枚ちょうど。
- 構築条件:
司令官・テリトリー以外のカードで構成されていること。
自分が使用する司令官やテリトリーを含め、すべて同一派閥のカードのみで構成されていること。
各カードごとに固有の投入上限(Deck Limit)を持つので、同一カードがそれぞれ投入上限以下であること。
※盤上でカードが混じるので、スリーブなどで相手と区別をつけておくことが望ましい。
● 司令官 (1人分の補助デッキ)
- デッキ枚数: 3枚ちょうど。
- 構築条件:
司令官カードのみで構成されていること。
デッキなどと共に、すべて同一派閥のカードのみで構成されていること。
同一カードがそれぞれ投入上限以下であること。
● テリトリー (1人分の補助デッキ)
- デッキ枚数: 9枚ちょうど。
- 構築条件:
テリトリーカードのみで構成されていること。
デッキなどと共に、すべて同一派閥のカードのみで構成されていること。
城塞カードが 1枚だけ、城塞以外のカードが 8枚ちょうど投入されていること。
同一カードがそれぞれ投入上限以下であること。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ 部隊表示駒: スターター付属のマーカーなど個々の区別がつく物を、それぞれ 3つずつ。
○ 各種表示用マーカー: おはじき状の物を適当数。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ: 場に残っている領地と城塞が、プレイヤーライフを兼ねる。
- 開始手札: 6枚。上限は無し。
- マリガン: 任意で 1回。すべてデッキの底に送って引き直す。
- ファーストドロー制限: 無し。
その他構成
● カードの行動表現
- カード正位置: 準備(Ready/ Unexpended)状態。
※本作のカードは縦向きと横向きが混在する。自分から見てテキストが正しく見える位置が正位置、文字が 90度ずれているのが横向きとなる。
- カード横向き: 使用済み(Expended)状態。
- カード裏向き: 破壊された領地。
● 基本構成細則
- ディスカード: 無し。
- ライブラリアウト: ゲームの終了条件となる(その瞬間)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(ターン終了時に消滅)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し(ターン終了時に消滅)。
- ユニーク処理: 無し。
- 部隊による攻撃は、部隊がいるマスにある相手部隊および相手テリトリーを対象とする。
ゲームの流れ
開始準備
- 先攻・後攻を決定する。
- それぞれのテリトリーから城塞カードを取り除き、残りのテリトリーをシャッフルする。
- それぞれ自分の城塞以外のテリトリーを、領地として中身を確認しないまま裏向きで自分の領地部分に配置する。
※各領地ごとにテリトリーカードが 1枚ずつ、ランダム状態で配置される。
- それぞれの領地を、すべて表向きにする。
- それぞれ自分の城塞カードを、自分の城塞部分に配置する。
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれ自分のデッキから、手札としてカードを 6枚引く。
- 必要に応じてマリガン処理を行う。
- それぞれ自分の司令官カード 3枚を、各部隊に割り振って場の脇のデータ管理部分に配置する。
- それぞれ自分の部隊駒を、自分の城塞の上に配置する(各部隊の現在位置となる)。
- それぞれ自分の司令官がゲーム開始時効果持つ場合、その効果を発動する。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、いずれかが勝利条件を満たした時にゲーム終了。
※同一ターン内で双方が処理を行い、各処理ごとにターンプレイヤーから順に行動する。
ターン(自分の手番)の進行
○ 供給(Supply)ステップ
- ターンプレイヤーから順に、以下の処理をそれぞれ 1回ずつ行う。
- 自分のユニットとテリトリーを、すべて準備状態にする。
- デッキからカードを 3枚引き、手札に加える。
○ 侵略(Invade)ステップ
- ターンプレイヤーから交互に、それぞれが以下の個別アクション処理を繰り返す。
この処理は双方がパスをするか、いずれかが勝利条件を満たすまで行われる。
○ それぞれの個別アクションの進行
- 以下からいずれか 1つの処理を行う。
- 部隊を移動させる: 以下の条件で、自分の任意の部隊 1隊を移動させる。
- 司令官カードに記載されている移動方向に、一度に 1マス分移動できる。
なお司令官の移動方向は各ターンごとの移動回数で変化し、対応する回数目のアイコンの指定方向に移動できる。
- 移動先のマスに相手のまだ破壊されていないテリトリーがある場合、移動した部隊による攻撃が行われる(後述)。
- 攻撃を行う: 自分の任意の部隊 1隊による攻撃を行う(後述)。
- パスする: 何もしないでアクションを終える。
※なお一度パスを選んだ場合、そのプレイヤーは現ターンにおいてパス以外のアクションを選ぶことができない。
各攻撃の処理
▽ 攻撃の宣言
- アクションを行う側のプレイヤーが今回の攻撃側・相手が防御側となり、攻撃側が攻撃を宣言する。
- アクションを行った攻撃側の部隊がいるマスが、今回の戦場となる。
- それぞれ戦場に部隊が複数いる場合、一時的に 1つの部隊として統合される。
▽ ダメージの適用
- それぞれこのタイミングで行える効果などを発動させる。
- 攻撃側部隊の準備状態のユニットの記載攻撃力を合計し、各種修正を加えた上で今回の攻撃側部隊によるダメージを算出する。
- 今回の戦場に防御側の部隊がいる場合、以下の処理を行う。
- 防御側部隊の準備状態のユニットの記載攻撃力を合計し、各種修正を加えた上で今回の防御側部隊によるダメージを算出する。
- 攻撃側から順に以下の内容で、戦場にいる相手部隊のユニットに対してダメージを与える。
- 今回のダメージが、可能な限り対象ユニットたちに与えられる。
- ダメージ累計が相手部隊の体力合計未満の場合は、与える側が相手ユニットそれぞれに対して任意配分でダメージを割り振る。
なおそれぞれのユニットに与えたダメージは、そのターン中は蓄積する。
- ダメージ累計が相手部隊の体力合計を超える場合、相手ユニットそれぞれが体力分ちょうどのダメージを受けるように割り振る。
そのうえで残ったダメージは、とりあえず余剰ダメージとなる。
- それぞれ体力分の累積ダメージを受けたユニットは、破壊されて捨て札に送られる。
- 今回の戦場が防御側のまだ破壊されていないテリトリーである場合、以下の処理を行う。
- 攻撃側部隊による(まだ残っている)ダメージを、戦場のテリトリーにダメージを与える。
- 戦力分の累積ダメージを受けたテリトリーは、破壊されて裏向きになる。
- この時点で残っているダメージが、すべて失われる。
- 今回の攻撃が終了する。
○ 増援(Reinforce)ステップ
- ターンプレイヤーから交互に、それぞれが以下のいずれかの処理を繰り返す。
この処理は双方が何もしなくなるまで行われる。
- 手札からユニットカードを、自分の帝国内にいるいずれかの部隊に対して配置する。
- 手札からアイテムカードを、自分の帝国内にいる部隊内の司令官やユニットのいずれかに対して配置する。
- 何もしない。
- それぞれのテリトリー・ユニットが受けたダメージが、すべて消滅する(初期化される)。
- それぞれの残っている食料と黄金(コスト源)が、すべて消滅する。
- 今回のターンが終了する。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール細則
● 派閥について
- カードには属性概念として派閥(Factions)念が存在し、さまざまな場面で使用される。
- 派閥は エジプト(Egyptian)・日本(Japanese)・北欧(Norse)・アトランティス(Atlantean)の 4種類が存在する。
- 本作の北欧はそのまま北欧神話で、エジプトは先史文明を含めたエジプト神話。
日本はみんな大好き サムライ ワールドで、アトランティスは魚人の海底王国となる。
- デッキを構築する際は、それぞれ 1種類の派閥で統一されている必要がある。
※本作の設定的に、統一された国家(同派閥であっても互いに別勢力)同士による全面戦争が行われることになる。
● コストについて
- カードにはコストの概念が存在し、カードの使用・配置には指定値分のコストを支払う必要がある。
- コストは一時的に発生させた、食料と黄金を使用することで支払うことができる。
- 自分の準備状態のテリトリーを使用済み状態にすることで、それぞれ記載分の食料および黄金を発生(生産)できる。
- 発生させた食料と黄金は一時的に蓄積されるが、ターン終了時にすべて消滅する。
- 手札のカードを使用・配置する際は、コストとして記載分の食料や黄金が消費される(不足時は使用・配置ができない)。
● 部隊について
- それぞれのユニットはワールド上において部隊(Division)を編成し、移動や戦闘は部隊単位で行われる。
- 1つの部隊は 1体の司令官によって組織され、手札からユニットなどが追加配置されていく。
- 各司令官ごとに指揮できるユニットの上限(Unit Limit)を持つため、部隊として投入できるのはそれぞれユニット上限以下となる。
- 部隊はワールド上において、それぞれ専用の駒によって管理される。
司令官やユニットのカードは、データ管理部分に部隊単位で配置される。
- 移動や戦闘は部隊単位で行われる。なお戦闘時に対象マスに複数の味方部隊がいる場合、一時的に 1つの部隊としてまとめられる。
- 基本的には部隊からのユニット解雇や、部隊間でのユニット再編成はできない(専用のカード効果が必要となる)。
- 戦闘でユニットをすべて失い司令官のみとなった部隊は、すぐさま強制的に自軍城塞へ戻される。
● 移動アイコンについて
- 司令官カードには 1 ~ 3つの移動アイコン(Movement Grid)が存在し、配下の部隊を移動させるときはこのアイコンが示す方向に移動できる。
- 移動アイコンに八方向の中のいずれか 1 ~ 8つの矢印が記載され、移動時は現在地から矢印のいずれかの方向に 1マス分移動できる。
- それぞれの矢印の中の上方向が、相手側(いわゆる前方)であり北側である。つまり自分と相手では方角が逆になっている。
※これは戦場の中心が北極点なのではなく、次元融合で世界そのものが混乱していることを再現しているものと思われる。
- 移動アイコンが複数あるのは、1ターンに移動できる回数を示している。
つまり 1個しかなければ 1回だけ移動でき、3個あれば 3回移動できる。
- 移動アイコンが複数ある司令官が移動する場合、そのターンに移動するのが何回目かで使用するアイコンが変更される。
各アイコンには数字が振られているので、回数に応じて指定数値のアイコンを使用する。
※間違えることが無いように、使用した移動アイコン(の最大値部分)の上に移動済みマーカーを置くことが推奨されている。
- 移動における城塞マスは、1マスで領地マス 4つ分の広さを持つ。
自分の城塞マスからの移動は、左前・前・右前 方向へのいずれかの移動アクションにより自分の後列にあるいずれかの領地 1マスに移動できる。
自分のいずれかの後列領地マスから城塞マスへの移動は、左後・後ろ・右後 方向へのいずれかの移動アクションにより行われる。
※敵軍城塞マスに関する移動も、前後の向きが異なるものの同様に行われる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ テリトリー(Territory)カード (コスト不要)
- プレイヤーが支配する地域の内容。場に領地(あるいは城塞)として配置される。
- 横向きのカードであり、デッキとは別に 9枚一組の専用のセットとして用意される。
- ゲーム開始時に城塞部分に城塞テリトリーが 1枚配置される。
そして自分の 8か所の領地部分に、残りのテリトリーが領地としてそれぞれ 1枚ずつランダムに配置される。
※自分と相手のテリトリーにより、ワールド全体のマスが構成される。
- 戦力(Strength)の値を持ち、攻撃を受けた際に使用される。
- 食料(Food)と黄金(Gold)という、2種類の生産力(Resources Prduced)の値を持つ。
この値は他のカードを用いるための、コストの発生源として使用される。
- 戦力値以上のダメージを受けた場合に破壊され、裏向きとなる。このダメージはターン終了時に初期化される。
テリトリーは勝利条件に関わっており、領地部分 8枚すべてを破壊された場合はゲームに敗北する。
※ 城塞(Fortress)カード
- プレイヤーの居城。場に城塞として配置される。
- テリトリーカードの一種で、カード名に“FORTRESS”が含まれているカードである。
事実上プレイヤーの分身にあたるため、一般の領地とは異なる扱いを受ける。
- ゲーム開始に場に 1枚が配置され、以降は永続し続ける。
城塞は勝利条件に関わっており、破壊された場合は(残りの領地に関わらず)すぐさまゲームに敗北する。
○ 司令官(Commander)カード (コスト不要)
- プレイヤーの腹心の部下たち。データ管理部分に部隊を率いる司令官として配置される。
※本作では部隊の現在位置として盤上(ワールド)には駒が配置される。カードは部隊の内容を示すため、データ管理部分に配置される。
- 縦向きのカードと横向きのカードが混在している。この向きの違いはデザイン上の物であり、ゲームでは特に区別なく使用される。
- デッキとは別に、3枚一組の専用のセットとして用意される。
- 司令官カードは部隊駒と 1 対 1で対応しており、ゲーム開始時にデータ管理部分の各駒の対応位置(上下に 3つ並んだデータ欄のそれぞれ)に配置される。
- 移動アイコン(Movement Grid)をそれぞれ 1 ~3個ずつ持ち、部隊の移動の際に使用される。
- ユニット上限(Unit Limit)の値を持ち、指揮できる(その部隊に配置できる)ユニットの上限値となる。
- 司令官は基本的に破壊されない。
配下のユニットをすべて失った場合、部隊駒は即座に自分の城塞に戻され、管理部分は司令官カードのみとなる。
○ ユニット(Unit)カード (コスト不要)
- プレイヤー配下の司令官が率いる部下たち。場にユニットとして配置される。
- デッキに入れて使用される。
- 単独では行動できず、部隊内の一兵卒として行動することになる。
- 自分の帝国内にいる、自分のデータ管理部分のいずれかの部隊に対して追加する形で配置される。
- 攻撃力(Attack)の値を持ち、部隊の主戦力として行動する。
- 体力(Health)の値を持ち、部隊の耐久力となる。
- 体力以上のダメージを受けた場合に破壊され、捨て札置き場に送られる。このダメージはターン終了時に初期化される。
○ アイテム(Item)カード (コスト必要)
- 司令官やユニットの能力を強化する武器など。場にアイテムとして配置される。
- デッキに入れて使用される。
- それぞれ装備品(Equipment)や遺物(Relic)といった種類を持つ。
- 自分の帝国内にいる自分の部隊の、データ管理部分にある司令官やユニットのいずれか付ける形で配置される。
- 付けた対象が場を離れた場合、捨て札となる。
● 一時的に使用するカード
○ イベント(Event)カード (コスト必要)
- ゲーム中に起きるさまざまな出来事。使い捨てで使用される。
- デッキに入れて使用される。
- それぞれ任意のタイミングで使用でき、効果発揮後は捨て札となる。
場の構成
城塞 | 敵帝国 城塞 |
領地 | 領地 | 領地 | 領地 | 敵帝国 領地 |
領地 | 領地 | 領地 | 領地 |
領地 | 領地 | 領地 | 領地 | 自帝国 領地 |
領地 | 領地 | 領地 | 領地 |
城塞 | 自帝国 城塞 |
- 永続カードは、いわゆる場となるワールドという空間に存在する。
- ワールドはそれぞれの帝国(プレイヤーごとの場)に分割される(上図はワールドの構成図)。
- それぞれの帝国はは 4 * 2 の 8つの領地マスと、その後ろの城塞マスで構成される。
それぞれの帝国は直結しているため、全体で共用の 18マス内を移動してのゲーム展開が繰り広げられることになる。
- 本ゲームでは、部隊は駒とカード部分に分割して管理される。
場においては駒のみが配置され、駒が乗っているマスがそれぞれの部隊の現在位置となる。
そして部隊を構成する司令官とユニットは、各駒に対応するデータ管理用のカード置き場に纏めて配置される。
- 永続カードが破壊された時や使い捨てカードの使用後は、捨て札置き場(Discard pile)という空間に集められる。
- 効果により除外されたカードは、除外置き場(Removed pile)という空間に集められる。
- 捨て札置き場と除外置き場は似ているが、両者は明確に区別される。
商品情報
● メーカー: Score → Panini
○ 発売開始: 2006年ごろ(プレビューは 2005年だが実売時期は不明、復刻版は 2016年)
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