ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『Austin Powers(オースティン・パワーズ)』のルール解説。
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Austin Powers Collectible Card Game
オースティン・パワーズ
Last Update 2020/7/18 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
複数(基本は二人)対戦によるポイント獲得戦。プレイヤーは英国情報局や悪の天才科学者となり、得意のノリで事件を解決したり世界に名をとどろかせたりする。
● 原作
映画『オースティン・パワーズ』シリーズ。
● 世界設定
時は20世紀の終わりごろ。悪の天才科学者 Dr. イーブルの野望を阻止するため、英国諜報員オースティン・パワーズが 30年の冷凍睡眠から甦ったのだ。
● 本ゲームについて
スパイアクションをテーマとするコメディ映画のTCGです。
原作からして露骨にプレイヤーの世代を選ぶ作品ですが、ノリさえ合えばみんなで楽しむことができます。
基本構成
勝利条件
一番最初に 100ポイント分のスコアを獲得する。それぞれの単位は以下の通り。
- オースティン陣営(主人公側): モジョ(魅力の根源)。
- Dr. イーブル陣営(悪役側): ビリオンダラーの身代金(ゲーム内通貨で総額一千億ドル)。
事前準備
● デッキ (1人分のゲームカード)
※本ゲームは オースティン陣営・Dr. イーブル陣営 の 2つの陣営に分かれて戦うゲームであり、
事前にどちらの陣営を担当するかを決めてからデッキを構築する必要がある
(大会などでは、どちらにも対応できるよう両陣営のデッキを用意することが望ましい)。
- デッキ枚数: 30枚ちょうど。
- 構築条件:
オースティン(カード裏面が赤)、Dr. イーブル(青)のどちらかの陣営のカードで統一されていること。
6種類のカラードット(赤・橙・青・黄・緑・紫)が、それぞれちょうど 5個ずつであること。
同一カードは何枚でも投入可能だが、カラードットの指定制限により実際には 5枚までとなる。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ 本作の未開封ブースター: 必要に応じて(一部カードの効果で使用)。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 勝利ポイント (スコア置き場のカードの合計スコア): 0ポイント。以後蓄積する。
- 開始手札: 6枚。上限も 6枚(各ターンごとに調整有り)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(全員が同一タイミングで手札調整を行う)。
その他構成
● 基本構成細則
- カードの行動表現: 無し。
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 無し(捨て札を再使用)。
- 3人以上でのプレイ: 可能。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: 無し(クローンとか日常茶飯事だし)。
- エージェントの悩殺・暗殺は、相手エージェントのいずれか 1体を対象とする。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれが オースティン と Dr. イーブル のどちらの陣営を担当するかを決定する。
※ 2人対戦の場合はそれぞれが異なる陣営を担当する。多人数の場合は善悪が同数になるよう心がけること。
- プレイヤーのプレイ順を決定する(多人数の場合、プレイ順が善悪交互になるよう心がけること)。
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれ自分のデッキから手札としてカードを 6枚引く。
全体の基本進行
最初のプレイヤーから順番にターンと呼ばれる手順を繰り返し、いずれかが勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ アクション実行
以下の中から任意に 2つまでの処理(アクション)を行う。
- エージェント配置 (Playing an Agent): 手札のエージェントカード 1枚を、エージェントとして自分の場に配置する。
- 悩殺 (Making a Shag): 自分の悩殺者のエージェント 1体により、悩殺を行う(後述)。
- 暗殺 (Assassination Attempt): 自分の暗殺者のエージェント 1体により、暗殺を行う(後述)。
- 駆け引き使用 (Using a Swinger card): 手札の駆け引きカード 1枚を、どちらかの効果で使用する。
- ハプニング使用 (Using a Happening card): 全員が使用できる。ジェスチャーを行い誰かが反応したら、手札のハプニングカード 1枚を使用する。
- その他のアクション: 一部カードの効果で指定されたアクションを行う。
各悩殺・暗殺の処理
▽ エージェントの指定
※悩殺と暗殺は、エージェントの種類と参照項目が異なるだけで処理自体は同じものとなる。
- 今回の処理の開始を宣言し、実行する自分のエージェント 1体を指定する。指定できるのは以下の通り。
- 悩殺: Kissアイコンを持つエージェント(悩殺者)。
- 暗殺: 拳銃アイコンを持つエージェント(暗殺者)。
- 今回の処理対象となる相手のエージェント(ターゲット) 1体を指定する。対象は以下の通り。
- 悩殺: 悩殺者と性別が異なる(一部例外あり)、いずれかの対戦相手の場にいるエージェント。
- 暗殺: 暗殺者と所属陣営が異なる、いずれかの対戦相手の場にいるエージェント。
- 今回の戦いが、実行エージェントとターゲットの間で行われる。
▽ 決戦
- ターゲット側から順に、交互に手札から骨抜きカード 1枚を使用する。
※悩殺と暗殺で必要なノリが異なることに注意すること。
- どちらかが骨抜きカードを使用できなくなった(または使用しない)時点で処理が終了する。
ただし多人数戦の時は以下の処理を行うことで、自分の代わりに他のプレイヤーに骨抜きカードを出してもらうことができる。
- 「誰かここに骨を投げてくれないか?」と叫び、援助を乞う。
※援助を乞うた場合、そのプレイヤーは処理が終わるまで自分の骨抜きカードを出せなくなる(援助を乞い続ける)。
- 今回の戦いの当事者以外のプレイヤーが、早い者勝ちで手札の骨抜きカード 1枚を使用する。
※使用する骨抜きカードの使用条件は、援助をするプレイヤー自身の場のノリを使用する。
- 複数プレイヤーが一度に援助してきた場合は、一番最初の骨抜きカードのみが有効とな。
それ以外のプレイヤーは、カードを手札に戻すこと。
- 今回の処理で、(援助してもらった分を含めて)一番最後に骨抜きカードを使用した側のプレイヤーが勝利する。
※ただし最初から誰も骨抜きカードを使用しなかった時は、実行エージェント側プレイヤーの勝利となる。
▽ 終了処理
- 勝利したプレイヤーは、戦いを行ったエージェントと使用した骨抜きカードをすべて持ち主のスコア置き場に送る(スコアを獲得する)。
※援助したプレイヤーは、自分が使用した骨抜きカードを自分のスコアとして獲得することになる。
- 勝利できなかったプレイヤーは、戦いを行ったエージェントと使用した骨抜きカードをすべて持ち主の捨て札置き場に送る。
○ イーブニングアップ(Evening Up)
- ターンプレイヤーのみ任意で、手札をすべて捨てる。
- 全員が、それぞれ手札が 6枚ちょうどになるように調節する。
※手札が 7枚以上の場合は 6枚になるよう手札を捨て、5枚以下の場合は 6枚になるまでデッキからカードを引く。
- 次のプレイヤーに「俺はヤったぜ!」と、ターンの終了を宣言する。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール細則
● 属性について
- カードにはいつくかの属性概念が存在し、さまざまな場面で使用される。
- 主な属性概念として所属陣営とカラードットが存在し、いずれもデッキ構築に使用される。
- 所属陣営は物語上の善悪を表すもので、オースティン・パワーズ(赤)、Dr. イーブル(青) の 2種類に分けられている。
カードの裏面が所属陣営で完全に二分されており、デッキ構築はいずれか一方のカードのみを用いて行われる。
- カラードットはカードの右下に記載された 赤・橙・青・黄・緑・紫 の 6色の項目で、デッキ構築でそれぞれを同数投入する必要がある。
● ノリについて
- 一部のカードには使用条件としてノリ(vibes)が存在し、カードの使用には指定値分の条件が満たされている必要がある。
- ノリは グルービー(赤)・シャガデリック(青)・ランディ(緑)・クリーピー(紫) の 4種類が存在する。
- ノリは自分の場のエージェントによって供給される。
エージェントはいずれか(複数の場合もある)の種類のノリを一定数だけ持ち、種類ごとの合算値が各プレイヤーのノリの値となる。
- プレイヤーのそれぞれのノリがカードの記載値以上であれば、手札からそのカードを使用することができる。
- ノリは消費概念では無いので、同じ種類のノリを何度でも参照することができる。
- 悩殺・暗殺の処理において戦いを行っているエージェント自身のノリも、戦いを終え場を離れるまでは使用条件に含まれる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ エージェント(Agent)カード (配置条件なし)
- 各国情報部の諜報員や(ボスを含む)悪の工作員など。場にエージェントとして配置される。
- 性別によって区別される(地色が水色なのが男性、橙色なのが女性)。
また能力的に悩殺者(Kissアイコン)と暗殺者(拳銃アイコン)に大別される。
- いずれかのノリの項目値を持ち、さまざまなカードの使用条件となる。ノリの数や種類はそれぞれで異なる。
- スコア値を持ち、悩殺や暗殺で勝利した(任務に成功した)時にスコア置き場に送られ獲得ポイントとなる。
勝利できなかった時は捨て札置き場に送られる。
※ ぶっ飛び野郎(Ship Agent)
- エージェントの一種で、宇宙船や戦闘機のパイロットたち。
- カードの左下に、世界をまたにかける ディック・ファイター のアイコンを持つ。
- 自分のターンに、2回のアクションとは別に 1体を配置することができる。
- ターンプレイヤーがぶっとび野郎を配置した場合、他のプレイヤーもそのターンにぶっ飛び野郎を 1枚配置できる。
他のプレイヤーがぶっとび野郎を配置した場合、ターンプレイヤーはもう一度ぶっ飛び野郎を 1枚配置できる。
…という連鎖を可能な限り繰り返すことができる。
● 一時的に使用するカード
○ 骨抜き(Frickin' Bone)カード (条件としてノリが必要)
- エージェントが悩殺や暗殺を行うための実行手段。いわゆるバトルカード。
- 悩殺と暗殺のどちらにも使えるが、それぞれで必要とするノリが異なるため双方の条件が記載されている。
- カード名はすべて劇中セリフである。使用時は必ず役になりきって演技する(カード名を読み上げる)こと。
- 攻撃力などは存在しない。基本的には交互に 1枚ずつ出していき、最後に出した側が勝利する。
※多人数戦の場合は他のプレイヤーに援助を乞うことができる。
- スコア値を持ち、悩殺や暗殺で勝利した時にスコア置き場に送られ獲得ポイントとなる。
勝利できなかった時は捨て札置き場に送られる。
○ 駆け引き(Swinger)カード (片方は条件としてノリが必要)
- エージェントが行う各種任務など。
- 2種類の内容が異なる効果を持ち、どちらか一方の効果を選んで使用する。
- 効果の一方は条件無しで使用できる汎用効果で、もう一方はノリが必要となる特殊効果となる。
- スコア値を持っておらず、使用後は捨て札置き場に送られる。
○ ハプニング(Happening)カード (条件としてジェスチャーが必要)
- ゲーム中に起きるさまざまな出来事。効果もさまざま。
- すべてのプレイヤーのターンで任意に使用することができる。
ただし自由に使えるわけではなく、一定の手順を踏んだ結果として使用することができる。
- ハプニングカードは以下の手順で行われる。
- まず以下のジェスチャーをすることでハプニングカード使用の意思表示を行う。
※普段からやりがち? なポーズであるが、本作ではハプニングカード使用時以外は以下のジェスチャーを行ってはならない。
- オースティン陣営: ピースサイン(カードでオースティン本人がしているポース)。
- Dr. イーブル陣営: 邪悪な小指のほくそ笑み(Dr. イーブルの例の決めポーズ)。
- 他のプレイヤーが、ジェスチャーをまねて効果対象に名乗りをあげる。
※ルール上は任意っぽいが、それではゲームが成立しないので全員強制でジェスチャーさせるべきかもしれない。
- ジェスチャーが出揃ったところで、使用したいプレイヤーが手札からハプニングカード 1枚を提示する。
- カードの記載効果を、一番最後にジェスチャーをしたプレイヤーに対して発動する(最後が不明瞭な時は、使用者が 1名を選ぶ)。
- スコア値を持ち、使用後はスコア置き場に送られ獲得ポイントとなる。
- どれもさほど利益がある効果では無いので、使っても誰もノってこないんじゃ…まあ気にしないでおこう。
場の構成
- 各エージェントは、それぞれの場という空間に存在する。
- 敗北したエージェントたちや駆け引きカードの使用後は、捨て札置き場(Discard pile)に集められる。
- 勝利したエージェントなどスコアとして獲得したカードは、スコア置き場(Score pile)に集められる。
- 捨て札置き場とスコア置き場は似ているが、両者は明確に区別される。
商品情報
● メーカー: Decipher
○ 発売開始: 1999年
- ○ ラインナップ
- The Spy Who Shagged Me
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