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歴史トレーディングカードゲーム『三国志』のルール解説。
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歴史トレーディングカードゲーム 三国志
Last Update 1999/8/19 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるライフ破壊戦。プレイヤーは古代中国の君主となり、配下の武将を従え中国の覇権を握るべく相手君主を打ち滅ぼす。
● 原作
コーエーの『三国志』関連のシミュレーションゲーム諸作品。
● 世界設定
場所は古代の中国大陸。日本に卑弥呼がいたころの時代。
一時は曹操に敗れ流浪の身となった劉備ではあったが、伏龍として名のしられた諸葛亮孔明を軍師として迎え、国力を貯えつつあった。
魏のさらなる進軍に対し劉備の意を受けた孔明は、孫権の率いる呉の巨大水軍と共同で魏に立ち向かう確約を取りつけた。いよいよ決戦の刻がせまる!!
この戦いを乗り越えた時こそ、孔明の真の目的、すなわち魏呉蜀による「天下三分の計」が実現されるのだ。
● 本ゲームについて
『ポータル三国志』に遅れることわずか、今度はコンピュータシミュレーションで有名なコーエーによる三国志が登場です。
今回の部隊は三国志の中でも特にその名を知られている赤壁の戦いを扱っており、かなり細部にわたって再現されています。
その代わりといってはなんですが、時代範囲がとても狭いので呂布のような有名武将が亡霊といった形でしか登場できないのが残念といえば残念。
なお本ゲーム最大の特徴である気運の存在により、常に相手のデッキ構成を意識したデッキ構築や戦術が必要となっています。
基本構成
勝利条件
- 相手の君主の耐久値を 0にする。
- ゲーム終了時に、相手よりも君主の耐久値が多い。
事前準備
● 合戦デッキ (1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 40枚以上。
- 構築条件:
君主・気運カード以外のゲーム用カードで構成されていること。
同一名称カード(同一武将のことではない)はデッキに 3枚まで。
● 気運デッキ (共用する補助デッキの1人が担当する分)
- ゲーム中はそれぞれ気運デッキを全部混ぜて、「気運の山」として使用する。
- 大会においては、全ての気運カードを主催者側で用意するよう心がけるべし。
- デッキ枚数: 15枚ちょうど。
- 構築条件:
気運カードのみで構成されていること。
3種のカードの投入比率は原則自由だが、大会によってはそれぞれを各 5枚ずつ。
相手のカードと混じらないように、事前に協議の上でカードの枠の色を互いに白黒どちらかで統一しておくこと。
● その他準備
○ 君主カード: それぞれ任意の君主カードを 1枚。
○ ゲーム間交換カード: 無し(大会によっては 15枚)。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ (耐久値): 開始時は選択した君主の耐久値。上限は基本的には無いのだが、回復手段ごとに独自に上限が設定されている。
- 開始手札: 選択した君主に記載の開始手札。自ターン内に調整が有り、選択した君主の最大手札まで調整。
- マリガン: 無し(気運の山の存在が、むしろ意図的な事故を発生させている)。
- ファーストドロー制限: 有り(先攻の 1ターン目には合戦デッキからカードを引かない)。
その他構成
● カードの行動表現
- 行動力有り: 指令待ち。
- 行動力無し: 指令済み。
※行動力表現については、明確な表現方法が指定されていない。
一般的にはカードを指令待ち・済みの専用の置き場に置いて示すか、カードの縦横の状態で指令待ち・済みを示すかのどちらかを用いる。
● 基本構成細則
- ディスカード: 有り(君主によりその値は異なる)。
- ライブラリアウト: 有り(勝利条件に関係)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定(実質不可)。
- 召喚酔い: 無し(配置ターンに戦闘に参加可能)。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(その都度気運を消費する)。※例外的に余りコストが出る場合も、フェイズ終了時には消滅する。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し(君主を除く)。
- ユニーク処理: 武将・軍師(個人名単位)、両軍でユニーク、後出し生存。
- ユニットの攻撃は、原則的には相手プレイヤーを対象とするが、戦闘解決は、戦場の部隊群全体での解決となる。
ゲームの流れ
開始準備
- お互いの気運デッキを 1つにまとめてシャッフルし、気運の山を作る。
- 自分の使用する君主を用意する。
- それぞれの合戦デッキをシャッフルする。
- それぞれ自分の合戦デッキより君主の開始手札枚数分の手札を引く。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、終了条件を満たすか、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ 指令待ちフェイズ
- 場にある気運カードと自陣にあるカードを全て指令待ち状態にする。
○ 編成フェイズ
- 合戦デッキからカードを 1枚引く。
- 任意で気運の山から気運カードを 1枚引き、場に配置する。
- 任意で部隊を編制する。
- 任意で計略を行う(相手も使用可)。
○ 軍備、政略フェイズ(第1軍備、政略フェイズ)
- 任意で自軍に将兵を参陣させる(指令待ち状態で場に出す)。
- 任意でアイテムを使用する。
- 任意でイベントを発生させる。
- 任意で計略を行う(相手も使用可)。
○ 戦闘フェイズ
戦闘の処理
▽ 攻撃部隊決定
- 指令待ち状態の部隊群から、どれを出陣させるか決める。
- 戦闘参加部隊は、自陣から(概念として存在する)戦場へ移動する。
▽ 計略の実行
▽ 防御部隊、兵卒の決定
- 指令待ち状態の部隊群から、どれを出陣させるか決める。また、防御に関しては、部隊に属さない兵卒も出陣可能。
- 相手が一騎打ちの能力を持つ武将の場合は、こちらも 1体の武将しか出陣できない。
- 戦闘参加部隊、兵卒は、自陣から(概念として存在する)戦場へ移動する。
▽ 計略の実行
▽ 攻防
同時解決で以下の分類により、自軍部隊の攻撃力分のダメージを相手に与え、防御側君主の耐久値を攻撃ダメージ分だけ減らす。
- a. 攻撃部隊と、防御部隊との攻防
- それぞれの攻撃ダメージをお互いの部隊に与える。
- 部隊内でのダメージの割り振りは、それぞれのプレイヤーが決定する。
- 防御力分のダメージを受けた将兵は退陣(破壊)する。
- 部隊を率いる武将が退陣した場合、配下の兵卒も退陣する。
- b. 将軍が率いる大型部隊の攻防
- 部隊同士の攻防と同様の処理を行う。
- 将軍の率いている武将の部隊は、将軍とは完全に独立しており、将軍が退陣しても各部隊自体は武将を含め退陣の必要はなく、
間にいる武将が退陣すれば、将軍の存在に関わらず武将の配下も退陣する(将軍が直接率いる兵卒は、当然将軍の存在に左右される)。
- c. 未編成の攻撃兵卒と防御兵卒同士の攻防
- 計略などにより、攻撃部隊が兵卒だけになる場合が有る。この場合でも部隊同士の攻防と同様の処理を行う。
- 武将は存在しないが、各兵卒は自分が防御値以上のダメージを受けていなければ退陣する必要はない。
- d. 攻撃部隊と未編成の防御兵卒との攻防
- 部隊同士の攻防と同様の処理を行う。
- ただし防御兵卒が全員の防御値以上のダメージを受けた場合、防御値を超えた分のダメージを防御側の君主に与えることとなり、防御側君主の耐久値を攻撃ダメージ分だけ減らす。
- e. 未編成の攻撃兵卒と防御部隊との攻防
- 部隊同士の攻防と同様の処理を行う。
- 防御側が兵卒の場合とことなり、攻撃兵卒が全員の防御値以上のダメージを受けた場合でも、攻撃側君主はダメージを受けない。
- f. 攻撃部隊(未編成の攻撃兵卒)が、防御されなかった場合
- 防御側君主への直接攻撃と見なし、防御側君主の耐久値を攻撃ダメージ分だけ減らす。
▽ 戦闘終了
- 死亡しなかった将兵(部隊)は指令済み状態で自陣へ戻る。
○ 軍備、政略フェイズ その 2(第2軍備、政略フェイズ)
- 第1軍備、政略フェイズと同等の行動を行うことができる。
○ 終了フェイズ
- 手札が君主の最大手札枚数を超えている時、指定値になるようにカードを捨てる。
- 将兵のダメージが 0に戻る。
- 終了を宣言する。
1ゲーム終了時の処理
相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。特に気運カードは持ち主の元に返るように正確に分けること。
ルール細則
基本ルール細則
● 気運とコスト
- 本ゲームでは、コストの発生源となる気運カードを双方のプレイヤーの気運デッキを混ぜて共同で使用する。
これによってデッキ構築の際に相手のデッキ構成を考慮にいれなければ、気運カードが偏ってしまい自由な戦術がとれなくなる。
そのため常に相手の存在を考慮したデッキ構築が必要とされる。
- コストはおもにカードに記載された枚数分の気運カードを指令済みにすることで支払われる。
ただし計略に関しては、将兵(特に軍師)を指令済みにすることでその将兵から発生する知力が使用され支払われる。
- 自ターンにしか、気運カードから気運を発生させることができない。
● 将軍
- 武将・軍師の中には、「将軍」の能力を持つ者がいる。
- 将軍は通常の武将たちとは異なり、2体ではなく 3体、しかも兵卒だけでなく武将も配下にして部隊を組むことができる。
- 配下の武将も部隊を組めるので、合計10体による部隊が編成可能である。
- 将軍は、他の将軍の配下となることができない。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ 君主カード (配置コスト不要)
- プレイヤーの分身。耐久値・開始手札枚数・最大手札枚数 が記載されている。
- 君主と将兵間で同一個人が同時に存在したとしても、特に問題はない。
○ 気運カード (配置コスト不要)
- 世の趨勢を表現した物。各勢力の国力などを抽象化した概念。
- 天・地・人 の 3種が存在する。基本的に 天=魏・地=呉・人=蜀 をあらわしている。
- 気運カードにはカードの枠の色が 黒と白 の 2種類が有る。
これはお互いに使用する枠の色を決めておくことで、ゲーム終了時にそれぞれの気運カードを区別できるようにという配慮である。
○ 将兵カード (配置にコストが必要)
- 武将、軍師、兵卒を総称して、将兵と呼ぶ。
- 攻撃力/防御力/知力の値を持ち、プレイヤーの武器/盾となるほか、知力を用いて計略を行うことができる。
- 防御力以上のダメージを負った場合に敗走(死亡)する。このダメージはターン終了時に回復する。
- 部隊内に部下として組み込まれた将兵は、部下である間は攻撃力/防御力以外の能力を一時的に失う。
- 固有名(カードではなく、人物名で)を持つ将兵は、両軍合わせてユニークとなる。
後から同一人物を参陣させた場合、後から出したほうが指令済みで場に残り、現在場にいる将兵が捨て札となる(寝返りを現している)。
※ 武将・軍師
- 三国志で活躍した個人名の知られた人物たち。
- 武将、軍師と名称は分かれているが、実際には同一的存在であり、単に物語上の立場や知力の度合いで記述を変えているだけである。
また医者など、実際には将兵以外の者も便宜上ここに含まれる。
- 武将・軍師は単独でも攻撃できるほか、兵卒を最大 2体まで配下にして 1団の部隊を構成することができる(さらに将軍として巨大部隊を構成する場合も有る)。
※ 兵卒
- 一般の民兵。単独では部隊として存在できないため攻撃に参加できない。
○ アイテムカード (配置にコストが必要)
- 戦争や政治駆け引きに用いたさまざまな道具。
- 特定の将兵を強化する武将アイテムと、自陣に配置して場全体に効果をもたらす陣アイテムが存在する。
● 瞬間的に使用するカード
○ イベントカード (発動にコストが必要)
- 自然現象や君主自ら執り行う大掛かりな儀式など。自ターンのみ使用可能である。
○ 計略カード (発動に将兵の知力コストが必要)
場の構成
- 永続カードは、場という空間に存在する(上図は場の構成図)。
- 場はそれぞれの陣と、実在はしないが共用概念として存在する戦場という空間に区別される。
- まずユニットは自陣に配備され、戦闘時に必要に応じて戦場に出る。
- 永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は墓場という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: やのまん(コーエー)
○ 発売開始: 1999年7月
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
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赤壁大戦
| 1999/7
| 258
| スターター(60/1500)、ブースター(10/350)
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構築済みスターター
| 1999/12
| 2種
| 構築済みスターター(60/1500)
|
群雄割拠
| 2000/4
| 80
| ブースター(10/350)
|
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