ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『エレメンツオブカオスTCG』のルール解説。
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エレメンツ オブ カオストレーディングカードゲーム
Last Update 2019/2/9 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦による陣地獲得戦。プレイヤーは勇者候補の生徒となり、クラスメイトを率いて相手陣地を目指す。
● 原作
コンシューマーゲーム(PS2用)『学園都市ヴァラノワール』。
PC用ゲーム『ジェネレーションオブカオス』シリーズ。
● 世界設定
ネバーランドにその名を知られる“学園都市ヴァラノワール”。
そこは戦乱に明け暮れるネバーランドにて最強の戦士を養成すべく設立された学園都市が、そこで育成された優秀な生徒たちの力により自治権を獲得した自由都市である。
ここで勉学や軍事訓練にいそしむ若き戦士たちへの教育課程の中でも、最強の実力を備え人々に敬われる“勇者”を育成すべき選抜クラスが存在した。
選抜クラスの生徒は選ばれた40人でスタートするが、定期的に行われる選抜実技試験を上位成績で通過しなければクラスに残れない。
明日の勇者を目指し、彼らは己を極めるために日々精進するのであった。
● 本ゲームについて
アイデアファクトリーとティーアイ東京の共同企画によって登場したTCGです。
どうやら企画段階からTCGの製作が決まっていたようで、実際には『学園都市ヴァラノワール』は原作ゲームというより姉妹作品といった感じです。
基本構成
勝利条件
- 自分のキャラクターが相手ベースに到達する。
- 相手のキャラクターを4体以上倒す(相手のダウンキャラ置き場に4枚以上のカードがたまる)。
- 相手のデッキが尽きる(その瞬間)。
事前準備
● デッキ(山札: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 51枚ちょうど。
- 構築条件:
同一カードはデッキに3枚まで。
※カードが混じるため、それぞれ相手とは異なる柄のスリーブを使用することが望ましい。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 勝利ポイント(相手のダウンキャラ置き場のカード枚数): 0枚。以後蓄積する。
- 開始手札: 7枚。上限は無し(基本的に蓄積しないので、各ターンごとに7枚補充)。
- マリガン: 任意で1回。戻してから引き直す。
- ファーストドロー制限: 無し(双方が同時タイミングで手札を補充する)。
その他構成
● カードの行動表現
- 表向き: 本来の目的で使用。
- 裏向き: エリアカードとして使用。
● 基本構成細則
- ディスカード: 無し。
- ライブラリアウト: 有り(勝利条件に関係)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定(実質不可)。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: 同名キャラクター、自軍ユニーク、先出し生存。
- キャラクターの攻撃はSTEPの処理の中で選択できる1行動として行うことができ、隣接するキャラクターいずれか1体に対して行われる。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれ自分のデッキから手札としてカードを7枚引く。
- 必要に応じてマリガン処理を行う。
- それぞれ自分のデッキからエリアカードとしてカードを4枚引く。
引いたカードは内容を確認したうえで、エリアの手前の4マスに裏向きで1枚ずつ配置する。
- 最初のターンでのアクティブプレイヤー(AP: 要するに先攻)・ノンアクティブプレイヤー(NAP: 後攻)を決定する。
全体の基本進行
ターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
※同一ターンにそれぞれが処理を行う。AP, NAPは各ターンごとに交代する。
ターン(1回の手番)の進行
○ ターン開始
○ 手札補充
- それぞれ手札が6枚以下の場合、手札が7枚になるようにデッキからカードを補充する。
○ キャラクターセット
- APから交互に、任意で手札から1枚だけ、自分のベースにキャラクタカードをキャラクターとして配置できる。
配置する際の条件は以下のとおり。
- エリア全体に自分のキャラクターが2体以下の場合にのみ配置できる(つまり合計3体)。
- 自分のベースにキャラクターがいる場合は配置できない。
- 自軍ユニークであり、すでにエリアにいる自分のキャラクターと同名のキャラクターは配置できない。
○ カードセット
- APから交互に、任意で手札から1枚だけ、エリアカードとして任意のカードを裏向きに配置できる。
配置する際の条件は以下のとおり。
- 手札のカードであれば、どのカードでも構わない。
- 1マスにつき配置できるエリアカードは1枚のみ。
- APは、すでにエリアカードやアイテムが配置されているマスには配置できない。
- NAPは、任意のマスに配置できる。そのマスに従来から配置されているエリアカードやアイテムは、持ち主のデッキの一番下に送られる。
○ 行動表の提出
- APのプレイヤーのみ、手札から任意のカード1枚を行動表として自身の行動表置き場に重ねるように配置する。
○ 手札破壊
○ 手札補充
- それぞれ手札が6枚以下の場合、手札が7枚になるようにデッキからカードを補充する。
○ STEP進行
以下のSTEP処理を3回行う(STEP1 ~ STEP3 を1回ずつ行う)。
各STEPの処理
▽ STEPの開始
- STEPの開始(および何番目であるか)を宣言する。
▽ APの行動選択
- AP側が、今ターンに配置した行動表に記載された現在のSTEPでの行動一覧の中から、任意の行動を1つ選択する。
▽ イベントやアイテムの使用の宣言
- APから交互に、イベントやアイテムの使用宣言あるいは使用しない宣言を行う(割り込みも可能)。
双方が(以降は)何もしない宣言を行うまで繰り返す。
▽ イベントやアイテムの効果の処理
- 先ほど使用宣言したイベントやアイテムの効果を、逆順で処理する。
▽ 行動の処理
- 先ほどAPが選択した行動を、APから順にエリア上の自身のキャラクターに行わせる。
※NAP側のキャラクターも、APが選択した行動を行うことに注意。
▽ 突撃の後退効果の処理
- “行動の処理”の部分で“突撃”が行われた時のみ、APから順に突撃による後退効果の処理を行う。
▽ キャラダウン判定
- エリアにいるそれぞれのキャラクターのHPの値を確認する。
HPが 0になったキャラクターは、そのプレイヤーのキャラダウン置き場に送られる。
○ 勝利条件(ベース到達)のチェック
- それぞれ自分のキャラクターが相手のベースに到着しているかの判定をここで行う。
※到達していれば、この時点でゲームに勝利する。
○ HPの回復
- エリア上のすべてのキャラクターのHPが基準値に戻る(回復する)。
○ ターン終了
- それぞれターン終了時に行われる効果を解決する。
- 次のターンでは AP と NAP が入れ替わる。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール細則
● カラーについて
- カードには属性概念としてカラーが存在し、さまざまな場面で使用される。
- カラーは Red・Green・Black・White などの種類が存在する。
- 複数カラーを持つカードや、カラーを持たないカードも存在する。
- カラーはイベントカードの発動条件などに使用される。
● エリアカードについて
- カードは本来の役割とは別に、エリアカードとして使用される。
- それぞれカードセットのタイミングにおいて、手札の任意のカード1枚いずれかのマスにエリアカードとして裏向きに配置することができる。
この時APは空白マスにのみ配置できるが、NAPは任意のマスに配置できる(そのマスに他のエリアカードなどがある時は破棄される)。
- エリアカードは基本的には裏向きのままである。ただしアイテムカードを配置した場合は、条件を満たしたときにアイテムとして表向きにすることができる。
- エリアカード(およびアイテム)が配置されているマスにのみ、キャラクターは移動できる。
- 配置されたエリアカードは、NAPによるカード置き換えなどで取り除かれる場合がある。
● 行動表について
- カードは本来の役割とは別に、行動表として使用される。
- カードには行動表として、STEP 1 ~ 3 のそれぞれにおける選択可能な行動の一覧が記載されている。
※各STEPごとに、行動が 1 ~ 3 種類ほど記載されている。
- APは行動表の提出のタイミングで、手札から任意のカード1枚を行動表として自身の行動表置き場に配置する。
そのターンでの行動は、ここで配置した行動表により決められる。
- 行動表は積み重ねるように配置され、常に最新の1枚のみが使用される。
- 一度配置された行動表は、ゲーム終了時まで行動表置き場に留まることになる。
● キャラクターの行動について
- それぞれのキャラクターは各STEPにおいて、AP側が選択した行動を行うことになる。
- 行うことができる行動は、今ターンの行動表に記載された一覧の中から選ばれる。
- 行動は基本的にすべてのキャラクターが任意で行うが、対象の有無や行動順によっては何もしないまま終わる場合もある。
- 行動の種類は以下のとおり。
- 移動: 以下の条件で、キャラクターを移動させる。
- キャラクター1体単位で移動を行う(同時移動による入れ替えなどはできない)。
- エリアカードかアイテムが存在するマスの上のみを移動できる。空白マスを飛び越えることはできない。
- 他のキャラクターを飛び越えての移動はできない。
- 記載の移動方向で指定されている向きの中から任意の一方向に、移動力の範囲で移動できる。
※移動力を除けば、チェスにおける ルーク・ビショップ・クイーンの移動方向とほぼ同じである。
- 一直線にのみ移動でき、途中で方向転換はできない。
- 攻撃: 以下の条件で、キャラクターによる攻撃を行う。
- 1つのSTEPにつき合計で1回だけ行うことができる。
- 以下の手順で行われる。
- 今回攻撃を行う自身のキャラクターを指定する。
- 攻撃を行うキャラクターに(縦横位置に)隣接するキャラクターの中から、今回の攻撃対象1体を指定する。
- 攻撃対象に与えるダメージを決定する(攻撃対象のHPから、今回のダメージ分の値を減らす)。
- ダメージの値は、自分のデッキの上から1枚カードをめくることで決定される(後述)。
- 防御: このターン終了までにそれぞれのキャラクターが受けるダメージを一律で -1 する。
※防御自体は 1つのSTEPにつき1回であるが、複数のSTEPで行うことで効果を重複させることもできる。
- 突撃: 攻撃のバリエーション。攻撃との相違点は以下のとおり。
- 突撃対象に与えるダメージは固定で1ダメージ(デッキはめくらない)。
- 突撃によって、突撃対象に後退効果が発生する。
- 後退効果はすべてのSTEPの処理が終了した後に、AP側から順に行われる。
- 後退効果によって、対象のキャラクターは突撃を行ったキャラクターと逆方向の隣接マスに1マス移動させられる。
ただし以下の場合には後退が行われない。
- 移動先となる部分にマスが存在しない。
- 移動先のマスにエリアカード(およびアイテム)が存在しない。
- 移動先のマスに他のキャラクターが存在する。
- 特殊能力: キャラクターに記載された特殊能力を使用する。
※特殊能力は1つの行動であるため、行動を指定しなければ使用できない。
※それぞれのキャラクターが、1つのSTEPにつき1回だけ使用できる。
● ダメージ判定について
- カードは本来の役割とは別に、攻撃によるダメージ判定のダメージ計算カードとして使用される。
- カードにはSIZE値が記載されており、この値がダメージの基準値となる。
- ダメージ判定として自分のデッキからカードを1枚めくり、めくったカードの記載SIZE値の分だけ相手キャラクターにダメージを与える(HPの値を減らす)。
- カードによってはSIZEボーナスのカラーと値が記載されている。特定の条件を満たした場合は、SIZEとSIZEボーナスの合計値がダメージとなる。
SIZEボーナスは、攻撃を行うキャラクターのカラーとSIZEボーナスのカラーが一致することで条件を満たす。
※SIZEボーナスによってはダメージが減少する場合もある。
- このターンに防御が行われている場合、その修正分だけダメージの値は減少する。
- ダメージ判定後、めくったカードはデッキの一番下に送られる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ キャラクターカード(配置条件が存在)
- ファンタジー世界の学生たち。場にキャラクターとして配置される。
- それぞれ場に3体まで配置できる。ただし自軍の同名キャラクターは複数配置できない。
- 任意で1ターンに1体、自身のベースに配置される。
- 移動方向と移動力を持ち、周囲のマスの指定方向に移動力の値分だけ移動することができる。
- キャラダウン判定時にHPの値が0であればダウンする(ダウンキャラ置き場に送られる)。HPはターン終了時に回復する。
○ アイテムカード(発動条件が存在)
- エリアカードとしての役割に特化したカード。場にアイテムとして存在する。
- エリアカードとしていずれかのマスに配置された後、該当マスにいずれかのキャラクターが存在することで表向きとなり効果を発動する。
- 一度表向きになれば、以降は表向きのまま破棄されるまでエリアに存在し続ける。
- アイテムの記載効果は永続的に発動する(対象がいなければ立ち消えとなるだけで効果は続いている)。
● 瞬間的に使用されるカード
○ イベントカード(使用条件が存在)
- キャラクターが行うさまざまな行動。
- キャラクターが使用するカードであり、使用する際にはどのキャラクターが使用するかを宣言する必要がある。
- 使用条件として、使用するキャラクターのカラーとイベントのカラーが一致している必要がある。
※イベントカラーを持たないイベントカードは、どのキャラクターでも使用できる。
場の構成
- 永続カードは、エリアという共用の空間に存在する。
- エリアは 4 * 4 の20マスで構成される(上図はフィールドの構成図)。
エリアの中で、それぞれの手前右隅の1マスがそれぞれのベースとなる。
それぞれゲーム開始時に、ベースを含めた手前の4マスに自分のエリアカードが配置される。
- エリアのそれぞれのマスには、任意でエリアカード(およびアイテム)が配置される。
それぞれのキャラクターは、いずれかのプレイヤーが配置したエリアカード(およびアイテム)の上を移動することができる。
- それぞれのベースはキャラクターを配置位置として用いられる。
自身のキャラクターが相手ベースに到達することでゲームに勝利する。
- エリアのほかに、今回行うことができる行動を指し示す行動表置き場という空間が存在する。
- 瞬間カードの使用後や破棄したカードなどは、捨札という空間に集められる。
- キャラクターカードが攻撃などでダウンした場合、ダウンキャラ置き場という空間に集められる。
- 捨札とダウンキャラ置き場は似ているが、両者は明確に区別される。
商品情報
● メーカー: ティーアイ東京
○ 発売開始: 2003年3月
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
|
学園都市ヴァラノワール編
| 2003/3
| 135
| スターター(60/1500)、ブースター(12/400)
|
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