ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『パワードールTCG』のルール解説。
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パワードール トレーディングカードゲーム
Last Update 2002/12/27 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦による陣地制圧戦。プレイヤーは機甲部隊の隊長となり、敵の攻撃を排除しつつ戦場の制圧作戦を展開する。
● 原作
PC用ゲーム『パワードール』シリーズ。
● 世界設定
時に26世紀、人類は地球以外の天体に移民を開始した。新天地オムニの開拓に夢を託した移民に対し、地球政府はあくまで本国からの支配を強要した。
だが移民たちの決死の抵抗によって、オムニは遂に地球からの独立を果たし新たな1国家として誕生したかに見えた。
しかし移民たちの心は 1つにまとまっておらず、独立戦争から4年の後に反政府勢力ジアスの反乱によって、再び戦火に巻き込まれることになった。
この内乱を収束させるために、かつて独立戦争で活躍した人型歩行兵器パワーローダーで編成された特殊部隊、DoLLSが再び立ち上がるのだ。
● 本ゲームについて
パソコン用のシミュレーションゲーム『POWER DoLLS』を原作にしたカードゲームです。
原作では舞台となる惑星オムニの独立戦争から、移民間での軋轢から生じた内乱までの一連のストーリーにそった作品が何本か作られていますが、
本ゲームでは初期メンバーを含めた全体の流れでの中心的キャラが活躍する第2作目の内容で作られています。
主役機であるパワーローダーは、その肩や太股のボリュームがデザイン上の特徴になってますが、
その意味から言っても機体が最も丸い“X4”シリーズが戦闘の主力である対ジアス戦編というのは、一番パワードールらしい選択であるかも知れないですね。
ゲームのシステムは、そのパワーローダーが活躍する近接戦闘部分を扱っています。
基本構成
勝利条件
- 相手の最後方エリアを占領する(ターン終了時に自軍ユニットが相手の最後方エリアに到達しており、同エリアに相手ユニットが 1機も存在しない)。
- 相手のデッキが尽きる。
- 特定カードの効果によりゲームに勝利する。
事前準備
● デッキ (戦力デッキ:1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 45枚以上。
- 構築条件:
同一カードはデッキに 3枚まで。
※ユーザー間の紳士協定として、地形カード《ダム》は入れないことが望ましい。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ 各種表示用カウンター: 適当数。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ: 考慮不要。
- 開始手札: 7枚。上限も 7枚(自ターン内に調整有り)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(先攻は 1ターン目からカードを引く)。
その他構成
● カードの行動表現
- カード縦: 通常状態。
- カード横: 隠蔽状態のユニット、破壊された地形。
● 基本構成細則
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 有り(勝利条件に関係)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定(実質不可)。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐコスト蓄積: 無し(ターン終了時に消滅)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 有り。
- ユニーク処理: “キャラクター& SP、両軍でユニーク、先出し生存。
- ユニットの攻撃は、それぞれ個別のユニットや地形に対して行われる(基本的には、双方が一方的な攻撃を自分のターンごとに与え合う)。
ゲームの流れ
開始準備
先攻・後攻を決定する。
それぞれのデッキをシャッフルする。
それぞれ自分のデッキより手札を 7枚引く。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ 準備フェイズ
任意にさまざまな行動を行なう。ここで行なえる行動は以下のとおり。
- 後方支援カードを後方支援エリアに配置する。
- 既に場に有る後方支援カードの能力を使用する。
- 自分の最後方から順に、空いているエリアに地形カードを出す。
- ユニットカードを最後方エリアに配置する。配置時点では隠蔽状態である。
- 武器を自軍の PLD(パワーローダー)に装備させる。
- キャラクターを後方支援エリアか作戦地域上の PLDに配置する。
- スペシャルカードを使用する。
○ ドローフェイズ
デッキからカードを 1枚引く。
○ 移動フェイズ
任意に各ユニットを移動させる。移動には以下の制約がある。
- ユニットは 1ターンに 1回、隣接する 1エリア分のみ移動可能。
- 地形カードが配置されていないエリアには移動できない。
- 隠蔽状態のユニットは、移動によって通常状態になる。
- 移動させなかったユニットは、任意に隠蔽状態にすることが可能。
- 車両ユニットは相手ユニットが存在するエリアへは移動できない。
- 車両及び PLDは、移動開始時にそれ自身と同一エリアに相手ユニットが存在する場合、その場所から相手の最後方エリア側への移動はできない。
- ヘリユニットは相手の存在を無視して自由に移動が可能。地形カードが無いエリアへは移動できないが、地形の効果自体は無視できる。
○ 索敵フェイズ
自軍ユニットの捜索範囲内の隠蔽状態にいる相手ユニットを、すべて通常状態にする。
索敵範囲は、ユニットの現在位置から隣接した捜索値の値分のエリアを範囲とする。
捜索値が記載されていないユニットの捜索範囲は、一律で 1として扱う。
○ 戦闘フェイズ
任意に戦闘(後述)を行なう。攻撃は 1ユニットごとに 1ターンに 1回のみ。
各戦闘の処理
▽ 攻撃射程範囲の確認
- それぞれの攻撃には射程が存在する。自分がいるエリアへの攻撃が射程 0で、射程が 1増えるごとにより遠くのエリアの敵を攻撃対象に選択可能。
▽ 臨機射撃
- こちら側の戦闘行動に反応した、相手側の迎撃行動。
- 臨機射撃の能力を持つ武器か、臨機射撃能力を持つユニットのみ実行可能。
- 相手が実行した臨機射撃は、全ての自軍攻撃に先んじて解決される。
- 相手の行動であるという以外、攻撃の方法自体は射撃と同一の物として扱う。
▽ 射撃
- 自軍ユニットによる、最も一般的な攻撃方法。
- 任意で攻撃武器(固定武装も含む)を選択し、その武器の射程内で通常状態の航空能力を持たないユニットに対て射撃を行う。
- 攻撃側の火力から相手側の装甲値を引き、それに地形やキャラクターの修正値を加える。その結果の 1以上の値をダメージとして相手ユニットに与える。
- どれだけ武器を積んでいても、1ユニットの攻撃はいずれか 1つを 1回のみとなる。
▽ 格闘
- 本ターンに射撃をしていない自軍PLDのみ実行可能な攻撃方法。
- 任意で同一エリアにいる航空能力を持たないユニットに対て行う。
- 攻撃側の格闘力から、相手側の格闘値か装甲値のどちらか値が大きいほうの値を引き、(他の修正を加えた)その結果の 1以上の値をダメージとして相手ユニットに与える。
○ 終了フェイズ
ここでゲームの勝利条件を満たしているかどうかの判定を行なう。
手札が上限を超えている場合、上限に収まるようにカードを捨てる。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール細則
● 隠蔽状態
- ユニットカードは通常の状態に加え、戦場で隠れる隠蔽状態を選択することができる。
- 隠蔽状態のユニットは攻撃の対象にならない。さらに、全体攻撃を受けた場合には防御力が +1される。
● 輸送力
- 作戦地域にユニットを配置するには輸送力が必要とされる。
- 輸送力は基本的に後方支援カードが出すものであり、1ターンにそれぞれの出せる輸送力は決められている。
準備フェイズに配置されるユニットは、そのターンに輸送力の限界を超えないようにしなければならない。
- 輸送力は蓄積され、ターン終了時に消滅する。
● 航空能力
- 要するに飛行能力。この戦争での主力は陸戦兵器ばかりなので、通常後方支援用の輸送機やヘリなどの航空勢力が戦争に巻き込まれることは少ない。
しかし航空機には装甲や耐久力がないので、対空兵器の格好の餌食となってしまうのだ。
- 「航空 X」と記載されているカードは、すべて航空能力を持つ航空勢力と見なす。
- 航空勢力は、対空能力を持つ(「対空 X」と記載された)カードでしか攻撃できない。
- 航空勢力はユニットを含めて耐久力を持たない。ダメージを受けると即座に破壊される。
- 「航空 X/ 対空 X」の、Xの部分の値をそれぞれ「航空値/対空値」と呼ぶ。この航空値の値より大きい対空値で攻撃された場合、攻撃が命中したと見なす。
- 対空能力を持つユニット/武器による対空攻撃は、当然通常の射撃と同じ扱いであり後方支援カードに対しての攻撃はできない(イベントへのレスポンスは可能)。
- 航空勢力は大きく以下の3種に分類され、それぞれ対空攻撃の方法が異なる(イベントカード以外は、配置に対するレスポンスでの対空攻撃はできない)。
- イベントカード
- このカードの使用に対してのレスポンスでのみ、対空攻撃が可能。
- 後方支援カード
- 後方支援の航空勢力の攻撃が可能なカードでのみ、対空攻撃が可能。
- ユニットカード(ヘリ)
- ユニットに対する通常のタイミングでの対空攻撃に加え、相手航空ユニットの移動や射撃に対するレスポンスでも、対空攻撃が可能。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ 地形カード (コスト不要)
- 現在戦っている戦場。その地形の上の兵器は何らかの地形効果を受ける場合が有る。
- 作戦地域の自分の最後方エリアから相手最後方エリアへ向かって、順に 1エリア 1枚ずつ詰めて配置する。
- 1ターンに何枚でも配置可能だが、既に地形が配置されているエリアには配置できない。
- 一部の地形は戦闘により破壊することが可能であり、破壊された地形は横にして場に残る。
○ ユニットカード (配置に輸送力が必要)
- 自軍に配備された兵器群で、プレイヤーの武器となる。
- 輸送力・装甲・耐久力・火力・射程・格闘力などの項目を持ち、移動や戦闘で使用される。
- 装甲を超える攻撃を受けた場合にダメージを受け、耐久力を超えるダメージを受けると破壊される。このダメージは蓄積する。
- 作戦地域のそれぞれの最後方エリアに隠蔽状態で配置される。
- 敵による障害が無い限り、地形の存在する隣接エリアに任意で移動できる。
- 同一エリアに敵味方双方の複数のユニットが存在できる。
※ 車両
- 各種戦闘車両。この世界ではパワーローダーの支援兵器としての位置付けになる。
※ヘリ
- 地上部隊を支援する戦闘用ヘリコプター。航空能力をもつユニット群。
- 地形カードの効果を受けない(ただし移動には地形が必要)。
※ パワーローダー【PLD】
- この世界での戦闘の中核を担う人型兵器。
- 各種武器の搭載が可能である他、格闘能力を有する。
○ 後方支援カード (コスト不要)
- 戦闘部隊を影で支える輸送部隊などの面々。
- 後方支援エリアに配置され、輸送力の供給などを行う。
○ 武器カード (コスト不要)
- パワーローダーの攻撃力を強化する専用装備。パワーローダーに付ける形で配置される。
- 1体のパワーローダーに対して、肩用の武器 2つとその他の武器 1つの合計 3つを同時に搭載可能。
- 武器カードはあくまで追加武装なので、別に無くてもパワーローダーは戦闘可能。
○ キャラクターカード (コスト不要)
- DoLLSメンバー。パワーローダーのパイロットなどで構成された特殊部隊。
- 作戦エリア上のパワーローダーに付けるか、後方支援エリアに配置する。
- パワーローダーに付けた場合、パワーローダーの能力値にキャラクターの能力修正が加わる。
- 別にキャラクターカードが無くてもパワーローダー自体は行動可能である(修正値0の一般兵が代理で乗り込んでいる状態らしい)。
- 後方支援エリアに配置した場合、その能力を自ターンに任意に使用することができる。
- 場に両軍を通してユニークであり、後から同名のキャラクターを出すことはできない。
○ スペシャルカード (コスト不要)
- DoLLSメンバーが実力以上の能力を発揮した状態(とでも考えて)。
- 場に出ている同名のカード(といっても対象はキャラクターカードしか無いが)に付け、従来のカードの能力にスペシャルカードの能力を追加する。
- 場に両軍を通してユニークであり、後から同名のスペシャルカードを出すことはできない。
● 瞬間的に使用するカード
○ イベントカード (コスト不要)
- 支援攻撃や攻撃戦術など、戦場で起こるさまざまな事象。
- 特に記述がないかぎり、自ターンであればいつでも使用可能。
- 対空用カードなど、一部カードは相手行動に対するレスポンスとしても使用可能。
場の構成
- 永続カードは、作戦地域と後方支援エリアで構成された場という空間に存在する。
- 作戦地域は左右方向に 7つのエリアに分割され、両軍で同一のエリアを共有する。
各エリアはそれぞれ自分から見て右端が自分の最後方エリア、左端が相手の最後方エリアとなり、それぞれ敵側の最後方エリアの占領がゲームの主目的となる(上図は作戦地域の構成図)。
- 作戦地域の各エリアには、それぞれ1枚の地形カードと両軍の複数のユニットが存在できる。
- 後方支援エリアはプレイヤーごとに個別のエリアを保有してる。
- 地形以外の永続カードの破壊時と、瞬間カードの使用後は捨て札という場所へ送られる。
商品情報
● メーカー: ティーアイ
○ 発売開始: 1997年2月
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
|
Version 1.00
| 1997/2
| 135
| スターター(60/1500)、ブースター(15/400)
|
Version 1.01
| 1997/12
| 135
| スターター(60/1500)、ブースター(15/400)
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