ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『大戦略』のルール解説。
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トレーディングカードゲーム 大戦略
Last Update 2020/7/4 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦による陣地攻略戦。プレイヤーは軍指令となり、ユニットを率いて相手陣地を占領する。
● 原作
PC&コンシューマーゲーム『大戦略』シリーズ。
● 世界設定
ソビエトの崩壊により冷戦は一応の終結を迎えた。しかし世界はまだまだ不安定、各国ともいざという時に備えているのである。
● 本ゲームについて
PC用戦略ゲームの名を冠するTCGです。ただしPC版のカード化ではなく、同一テーマの戦術級シミュレーションゲームとして製作されています。
基本構成
勝利条件
- 自分の移動準備フェイズに、敵軍最後列のグリッドに自軍ユニットか施設が補給状態で存在する(自軍後列から敵軍後列までの補給線が引ける)。
- 相手の根拠地にある《小規模補給廠》(規模拡大した場合はその後継施設)を撃破する。
- 相手のデッキが尽きる(補充できなかったとき)。
事前準備
● デッキ (本国: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 好きなだけ(最低8枚は必要)。ただし大会参加時には 50枚ちょうど。
- 構築条件: 特になし。
※ただしカードが混じるため、それぞれ異なる柄のスリーブを使用することが望ましい。
● 地形マーカー (1人分の補助デッキ的存在)
- 枚数: 任意数(基本は15枚)。ただし大会参加時には 15枚ちょうど。
- 構築条件:
専用の地形マーカーで構成されていること。
基本的には相手と同数であること(それなりの数は必要となる)。
通常は地形内容に関する制限無し。ただし大会参加時には以下の構成であること。
- 平地・都市・浅瀬: 各1枚ずつ。
- 砂漠・森林・沼沢・山岳: 各3枚ずつ。
※他に“海洋”のマーカーも存在するが、大会では使用しない。
※地形マーカーは裏表を持つが、カードとは別の存在である。
● その他準備
○ 施設カード《小規模補給廠》: 初期配置用に 1枚。
○ ユニットカード《工兵隊》: 初期配置用に 1枚。
○ ゲーム間交換カード: 無し
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ: 自軍後列(および根拠地)の保持こそが、ライフに相当する。
- 開始手札 (予備カード): 7枚。上限も 7枚(自ターン内に調整有り)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(先攻は 1ターン目からカードを引く)。
その他構成
● カードの行動表現
● 基本構成細則
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 有り(勝利条件に関係)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(枠内消化であり蓄積できない)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: 無し。
- 戦闘はグリッド単位で行われ、該当グリッドの双方のユニット同士が攻撃距離単位で同時に攻撃を行う。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれ地形マーカーを 5枚ずつの 3組(前列・中列・後列)に振り分ける。
- それぞれ地形マーカーを組ごとにシャッフルし、指定した列単位で裏向きのまま各グリッドに配置する。
- それぞれすべての地形マーカーを表向きにする。
- それぞれの根拠地(自軍後列の中央グリッド)に、《小規模補給廠》と《工兵隊》をそれぞれ 1枚ずつ配置する。
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれ自分のデッキから予備カード(手札)としてカードを 7枚引く。
- 先攻・後攻を決定する。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ 補充フェイズ
- デッキからカードを引き手札に加える(通常は 1枚)。
○ 移動準備フェイズ
- 自身のユニットの補給状態を確認する。
補給切れならば完了状態、それ以外は待機状態にする。
- それぞれがこのタイミングで使用できる戦術カードを使用する。
○ 移動フェイズ
- 補給状態で航空タイプ以外のユニットを任意で移動させる。
- それぞれがこのタイミングで使用できる戦術カードを使用する。
○ 航空移動フェイズ
- 補給状態の航空タイプのユニットを任意で移動させる。
※作戦移動とフェリー移動の 2種類があるので、あらかじめどちらを行うのか指定してから移動を行う。
- 相手プレイヤーから交互に、自身の補給状態の航空タイプのユニットで任意に迎撃移動を行う。
- それぞれがこのタイミングで使用できる戦術カードを使用する。
○ 戦闘準備フェイズ
- それぞれがこのタイミングで使用できる戦術カードを使用する。
○ 戦闘フェイズ
- 双方のユニット・施設が同一グリッドに存在する場合、グリッド単位で戦闘を行う(後述)。
※ターンプレイヤーが攻撃側、相手プレイヤーが防御側となる。また戦闘中は対象グリッドが“戦場”となる。
各戦闘の処理
▽ 遠距離戦ステップ
- それぞれのユニットにより、以下の遠距離攻撃を同時に行う。
※攻撃の結果、戦場が一方のユニット・施設だけとなった場合はそのプレイヤーが戦闘に勝利、双方全滅の場合は引き分けで戦闘が終了する。
- 攻撃参加ユニットの選出: それぞれ該当距離の兵装を持つユニットの中から攻撃参加するユニットを、任意数選ぶ。
※攻撃参加ユニットが片方のみの時は一方的な攻撃が行われ、双方ともいない時はこの距離での攻撃が発生しない。
- ダメージ数の決定: それぞれの攻撃参加ユニットの威力を各種修正を加えて属性ごとに合算し、ダメージ値を算出する。
- ダメージの適用: それぞれが同時に、属性単位で算出した分のダメージをターゲットに与える。
※ターゲット(ダメージを受けるユニット・施設)はダメージを受ける側が、戦場にいる自軍の中から順番に選んでいく。
※耐久力以上のダメージを受けたユニット・施設は撃破される(ダメージは属性単位で別属性とは合算せず、次のステップへは持ち越さない)。
※余剰ダメージは貫通し、次のターゲットに順次与えられる(一発の攻撃で複数体の撃破もあり得る)。
- ステップの終了: 今回のステップが終了する。
▽ 中距離戦ステップ
- それぞれのユニットにより、中距離攻撃を同時に行う(詳細は遠距離攻撃に準ずる)。
▽ 近距離戦ステップ
- それぞれのユニットにより、近距離攻撃を同時に行う(詳細は遠距離攻撃に準ずる)。
▽ 零距離戦ステップ
- それぞれのユニットにより、零距離攻撃を同時に行う(詳細は遠距離攻撃に準ずる)。
▽ 勝敗判定ステップ
- この時点で戦場に双方のユニット・施設が存在する場合、以下の方法で勝敗を判定する。
- 戦場に施設がある場合: 施設を持つ側のプレイヤーの勝利。
※ルール的に双方が同一グリッドに施設を持つことは無い。
- 施設が無く、航空タイプ以外のユニット数が同じ場合: 防御側の勝利。
- 施設が無く、航空タイプ以外のユニット数に差がある場合: 対象ユニット数の多い側の勝利。
- 敗北した側の残った航空タイプ以外のユニットは、相手側のユニット・施設がいない隣接グリッドに退却させられる。
敗北した側の航空ユニットは、完了状態で駐留地(移動準備フェイズに存在していたグリッド)に退却する。
※退却できるグリッドが無い場合、そのユニットは撃破される。
○ 配備フェイズ
- 手札から任意で能力に該当するユニットカードをユニットとして、(配置能力を持つ)施設に配置する。
○ 設置フェイズ
- 手札から任意で配置条件を満たす施設カードを施設として配置する。
○ エンドフェイズ
- それぞれが作戦・迎撃移動した(勝利した)航空タイプのユニットを、すべて完了状態で駐留地に移動させる。
※フェリー移動したユニットは、移動先が新たな駐留地となる。
- 自軍支配下の施設を任意に破棄する。
- 手札が上限を超えている場合、上限に収まるようにカードを捨てる。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール細則
● 各種属性について
- ユニットカードには属性概念として国籍が存在し、さまざまな場面で使用される。
- ユニットカードに記載されているそれぞれの兵装は、距離や属性を持ち戦闘の際に使用される。
- 国籍は 日本・アメリカ・ロシア などさまざまな種類が存在する。
- 国籍を持たない場合もあるが、この場合は無国籍ではなく各国が使用する普遍的な兵器という扱いとなる。
- 距離は 遠距離・中距離・近距離・零距離 の 4種類が存在する。
- 属性は 対航空・対地上・対水上・対水中・対施設 の攻撃目標に応じた 5種類が存在する。また複数の属性を持つ場合もある。
- 戦闘における各距離ごとの攻撃において、属性単位でダメージの算出と適用が行われる。
● コストについて
- ユニットカードには配置条件としてコストが存在する。
- コストは施設の配置能力によって支払われる。それぞれ個別で各ターンごとに支払うことができるコスト数が指定されている。
- 施設の供給分ではコストが不足する場合、追加コストとして手札を 1枚破棄するごとに 1コスト分を支払うこともできる。
- 複数ユニットを同時に配置する場合は、施設単位で一括してコスト支払いが行われる。
- 本ゲームのコストは生産物では無く、施設ごとに割り当てられた予算枠のような扱いとなる。
そのため施設間でのコストのやり取りは行うことができず、未使用分は使われないままで終わる。
※追加コストは司令部付けの補正予算のような別種の存在である。
● 補給について
- 場のユニットは自ターン開始時に補給が行われることで、待機状態となることができる。
- ユニット単位で補給線を引くことができれば、そのユニットは補給されている扱いとなる。
- ユニットから他の自軍ユニットや自軍施設がいるグリッドを経由して自軍後列のいずれかのグリッドまで、連続で繋がっていることで補給線が成立する。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ 施設カード (配置条件が存在)
- 簡易的な軍事施設。場に施設として配置される。
- グリッド 1つに付き 1つの施設を配置できる。
- 規模拡大として、施設の置き換えが行われる場合がある。
- 多くの施設は特定のユニットの配置能力を持つ。手札からユニットを配置する際には、該当施設(のグリッド)に配置される扱いとなる。
- ゲーム開始時に根拠地に 1つ目の施設《小規模補給廠》が配置される。この施設は他とは扱いが異なる。
根拠地の施設は任意破棄できず(規模拡大は可能)、撃破されるとゲームに敗北する。
※ニュアンスとしては、プレイヤーは前線司令部となる根拠地に在籍している扱いとなる。
○ ユニットカード (配置コスト必要)
- 軍用兵器や兵士たち。場にユニットとして配置される。
- 航空・地上・水上・水中 などさまざまなタイプが存在する。
中でも航空タイプとそれ以外のタイプとでは、移動方法や戦闘後の処理がそれぞれ異なっている。
- 本ゲームではカード1枚で地上部隊は 1個中隊、水上および水中艦艇は 1隻、航空部隊は 10機程度を表している。
- 数種類の兵装を持ち、プレイヤーの武器となる。
各兵装ごとに異なる攻撃距離と属性・威力を持つ。
- 手札から配置する際には、該当タイプの配置能力を持つ施設に配置される。
- 1つのグリッドに複数のユニットが存在できる。
- 耐久力以上のダメージを受けると撃破される。ダメージ計算は各距離での属性ごとに行われ、次距離には持ち越されない。
- 地上・水上・水中タイプといった、航空タイプ以外のユニットは以下の特徴を持つ。
- それぞれ進入可能な地形が記載されている。
- 進入可能な地形であれば、縦横で隣接するグリッドに任意で 1マス移動できる。
※複数距離移動できるユニットもあるが、相手カードは飛び越せない(迂回するか戦闘に突入する)。
- 航空タイプは以下の特徴を持つ。
- (飛行しているため)すべての地形に侵入できる。
- 駐留可能グリッド(飛行場や空母など)が個別に指定されており、条件を満たす任意の 1グリッドを駐留地として行動する。
- 航続力を持ち、その範囲内で移動を行う。なお作戦・迎撃移動では相手カードを飛び越せないが、フェリー移動ならば飛び越えられる。
- 自ターンに作戦移動として駐留地から戦場となる場所へ一時的に出向き、戦闘後は駐留地に戻ってくる。
相手もそれに対抗して、駐留地から戦場となる場所へ迎撃を行うことができる。
※エスカレーションとして、迎撃移動はそれぞれが交互に行うことができる。
- 作戦移動とは別に、駐留地を変更するフェリー移動を行うこともできる。
● 瞬間的に使用するカード
○ 戦術カード (使用条件が存在)
- 最前線で行われるさまざまな戦術。効果はさまざま。
- 使用条件や使用タイミングなどは、それぞれ個別に指定されている。
場の構成
■ | ■ | 根 | ■ | ■ |
敵軍 | 後列 |
■ | ■ | ■ | ■ | ■ | 中列 |
■ | ■ | ■ | ■ | ■ | 前列 |
■ | ■ | ■ | ■ | ■ | 自軍 | 前列 |
■ | ■ | ■ | ■ | ■ | 中列 |
■ | ■ | 根 | ■ | ■ | 後列 |
- 永続カードは、戦域という共通の場で存在する。
※ニュアンスとしては国家間での全面戦争ではなく、小規模な地点をめぐっての戦いとなる。
- 戦域は 5 * 6 のグリッドというマスで構成される(上図は場の構成図)。
※戦域のサイズは大会時用のものであり、通常対戦時はサイズが多少増減してもかまわない。
- 戦域は中央でそれぞれのエリアに分けられ、さらに前列・中列・後列に細分される。
- それぞれの後列はいわば最終防衛ラインというべき存在であり、このグリッドのいずれかを占拠することでゲームに勝利する。
また後列の中央グリッドはそれぞれの根拠地となり、初期配置用のカードが配置される。
- それぞれのグリッドには地形マーカーが 1枚ずつ配置され、それぞれ指定された地形となる。
※ただし根拠地は、地形マーカーの内容に関わらず一律で平地として扱われる。
- それぞれのグリッドに複数のユニットを配置できる。ただし施設は各グリッドに 1つしか配置できない。
- それぞれのグリッドは縦横に繋がっており、ユニットは(進入可能地形や航続力の範囲で)任意に移動することができる。
移動によって 1つのグリッドにそれぞれのユニット・施設が同時に存在する場合、戦闘が発生する。
- 永続カードが撃破された時や、瞬間使用カードの使用後はカード捨場という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: システムソフト・アルファー
○ 発売開始: 2002年7月 (ベータ版は2001年12月)
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
|
自衛隊演習編
| 2001/12
| 91
| ベータ版、スターター(50/1500)
|
日米露軍編
| 2002/7
| 240
| スターター(50/1500)、ブースター(12/400)
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Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
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