ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『ウルトラゲート』のルール解説。
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ウルトラ ゲート
Last Update 1999/6/17 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるライフ破壊戦。プレイヤーは時空の管理者ゲートキーパーとなり、時空の彼方から招いた怪獣や宇宙人を誘導して相手プレイヤーを打ちのめす。
● 原作
TV特撮番組『ウルトラマン』。
● 世界設定
パリに本部を持つ国際警察機構の一組織、科学特捜隊。彼らの任務は従来の科学常識では存在し得ないはずの巨大生物や、最近頻繁に来訪する宇宙生物など、超現象に対処することであった……
そんな科特隊とはなんの関係もない異次元の世界、あなたは今日も次元と次元が突発的に繋がってしまう異界の門、ウルトラゲートを管理する任にあたっているのであった。
しかし……今度のゲートはなぜか勝手が違う。もしや何者かが意図的にゲートを操作して異世界の住人を招いているのでは? さあ、戦いの始まりだ!
● 本ゲームについて
日本におけるトレーディングカードゲームの黎明期に登場したゲームです。当時はまだメーカーもユーザーもTCGに対する認識が薄かったために、非常に精密なルールを持つ本ゲームは受け入れられませんでした。
メーカーは1つのTCGにありとあらゆる可能性を詰め込んだために内容が複雑になり過ぎ、逆にユーザーは難しく細かいルールを理解することができなかったのです。
現在のような複雑なTCGが何種類も世に出て普及している背景には、各地にプレイルームが設けられ、複雑なゲームを指導するためのイベントが定期的に行われるような、多大なサポートの必要があったのです。
その点で言えば、まさに早すぎた傑作であったと言えましょう。
基本構成
勝利条件
- 相手のプレイヤーのライフを0以下にする。
- 相手のデッキが尽きる(引くべき時に引けない)。
事前準備
● デッキ(スタック: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 40枚以上。
- 構築条件:
テレインカード以外で構成されていること。
同一名称カードはデッキに4枚まで。
● テレインデッキ(テレインスタック: 1人分の補助デッキ)
- デッキ枚数: 15枚ちょうど。
- 構築条件:
あらかじめ用意された15枚のテレインカードのみで構成されていること。
※具体的には 地底・宇宙・平地 が各1枚、海洋・山岳地帯・市街地・湖畔・発電所・コンビナート が各2枚ずつ。
● ウルトラダイス(1人分のの専用サイコロ群)
- 判定ダイス: 12面ダイスを 1個。
- キーダイス用ダイス: 6面ダイスを 3個。
ダイスの色は属性に対応する 赤・青・緑・黄 と無色の5種類であり、使用色は任意に選択する(無色以外の同一色は最大2個まで)。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ 各種表示用カウンター: エネルギー表示用におはじき状の物を適当数。
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ: 20。上限も同じ。
- 開始手札: 5枚。上限は6枚(自ターン内に調整有り)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 類似概念が存在(先攻は1ターン目のテレインロールフェイズとドローフェイズを飛ばす)。
その他構成
● カードの行動表現
- カード縦: リセット状態。行動力が有ることを示す。
- カード横: セット状態。行動力が無いことを示す。
● 基本構成細則
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 有り(勝利条件に関係)。なおテレインデッキは捨て札を再使用。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 有り(実体化エリアという形をとっている)。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 有り(蓄積する専用の場所が存在する)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: 無し。
- キャストたちの攻撃は、基本的に相手プレイヤーを対象とし、ブロックの指定は基本的に防御側が選択する。
- 1体のキャストの攻撃を、複数のキャストで防御できる。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれのテレインデッキをシャッフルし、テレインスタックとする。
- それぞれ自分のテレインスタックからカードを3枚引き、テレインとして左側から順に裏向きで配置する。
- それぞれ自分の使用するキーダイス3つを決める(無色以外の同色は2個まで)。
- 先攻・後攻を決定する。
- それぞれ自分のデッキから手札としてカードを5枚引く。
- それぞれ配置したテレインをすべて表向きにする。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ テレインロールフェイズ
- テレインロール(判定ダイスを振る)を行う。
- 判定ダイスのダイス目が 1 ~ 3 の場合、左からその数に対応する場所に乗っているテレインを捨て札にし、新たにテレインスタックからカードを1枚引いて対応する場所に配置し直す。
※テレインスタックが無くなった場合、テレイン捨て場のカードをシャッフルして新たなテレインスタックとして使用する。
○ リセットフェイズ
- キャストの状態異常に対する回復ロールを行なう(指定値以上のダイス目で成功)。
- カードをリセット状態にする。
○ チャージングフェイズ
- 実体化エリアのキャスト/ウエポンに、任意でエネルギーを乗せる(1体につき1個まで)。
- 実体化エリアのキャスト/ウエポンに、任意でエナジーストックに存在する無色エネルギーを移動させる(1体につき1個まで)。
- 実体化エリアのキャスト/ウエポンが必要チャージングコストを貯めた場合、に、任意でエナジーストックに存在する無色エネルギーを移動させる(1体につき1個まで)。
- 任意で手札のエフェクト:クイック/ジャマーを使用する。
○ ドローフェイズ
- デッキからカードを1枚引き手札に加える。
- 任意で手札などからエフェクト:クイック/ジャマーを使用する。
○ ゲートロールフェイズ
- ゲートロール(キーダイスを振る)を行う。振ったダイスのうち任意のダイスを「オープンダイス」として場に残す(オープンする)。
※不要な目のダイスはクローズとして、次のゲートロールまで使用しない。
※以前のターンから残っているオープンダイスは、今回振りなおしてもよいし残してもよい(その分ゲートロールの数が減る)。
○ アクションフェイズ
ゲームのほとんどの基本行動がとれる。実行できるのは以下のとおり。
- 戦闘を行う(任意で1ターンに1回)。
- 手札のエフェクト:プットカードを発動する。
- 手札のエフェクト:コンセントレイトを発動する。
- 手札のエフェクト:ニューオーダーを発動する。
- 手札のエフェクト:クイック/ジャマーを発動する。
- 手札のキャスト、ウィポンを実体化エリアに召喚する。
- 場のビークルへの乗車&降車、ウェポンのキャストへの脱着を行う。
戦闘の処理
▽ アタッカーの決定
- アタッカーとして攻撃に参加する任意数のリセット状態のキャスト/ウェポンを選択する。
- 各アタッカーがそれぞれどのテレイン(自分のテレイン)を通るかを選択する。
※いずれかのテレインを通れなければ攻撃に参加できない。
- アタッカーをすべてセット状態にする。
- 任意で手札のエフェクト:クイック/ジャマーを発動する。
▽ ブロッカーの決定
※防御側がブロッカーを選択する場合、ブロッカーは対象アタッカーが選択したテレインに進入可能な対象しか選択できない。
ただし攻撃側が指定する時は地形適正に関係なく指定できる。
- 攻撃を受けるプレイヤーは、任意で各攻撃メンバー以上の速さを持つリセット状態のキャスト/ウェポンを、アタッカー単位でブロッカーとして選択する。
- この時点でブロッカーがいない場合、攻撃側プレイヤーは任意でエイミング(攻撃メンバーより遅いリセット状態の相手を、強制的にブロッカー指定する)を行う。
- この時点でブロッカーが決定されてなければ、任意のリセット状態のキャスト/ウェポンをブロッカーとして選択する。
- 最終的にブロッカーが決定されてなければ、そのアタッカーの攻撃は相手プレイヤーに対する攻撃となる。
- 任意で手札のエフェクト:クイック/ジャマーを発動する。
▽ アビリティ判定
- 各種アビリティを判定する。
- 任意で手札のエフェクト:クイック/ジャマーを発動する。
▽ ダメージ判定
- アタッカー・ブロッカーがそれぞれ相手に攻撃ポイント分のダメージを与える。
- キャスト/ウェポンが防御ポイント以上のダメージを受けた場合、そのキャスト/ウェポンを破壊し、墓場へ送る。
- 相手プレイヤーが攻撃を受ける場合は、ダメージの値分だけライフから減らす。
○ エンドフェイズ
- 手札が上限を超えている場合、上限に収まるようにカードを捨てる。
- キャスト/ウェポンのダメージが0に戻る。
- ターンの終了を宣言する。
○ お祈りロールフェイズ
- お祈りロール(判定ダイスを振る)を行う。
- 判定ダイスのダイス目が 7 ~ 11 の場合は1個、12の場合は2個の無色エネルギーをエナジーストックに加える(6以下は0個)。
1ゲーム終了時の処理
特に無し。
ルール細則
基本ルール細則
● 実体化について
- キャストやウェポン(ビークルタイプの物)は、直接場に出るのではなく、一端実体化エリアで登場に必要なエネルギーを蓄積する必要が有る。
- 実体化中のキャストたちは、召喚コストを支払い実体化エリアに配置したのち、チャージングコスト分のエネルギーを溜める。
- チャージングフェイズにおいて必要なエネルギーを溜めた時点で、実体化エリアから活動エリアに移動する。
- 実体化中のカードに乗っているエネルギーを、「ブラッド」といい、カードの属性と同じ属性を持つエネルギーとして扱う。
- ブラッドは、あらゆるコストの支払いに使用できる(逆にブラッドでないと支払えない場合も多い)ため、プレイヤーがつい無駄遣いしてしまい、実体化できない場合も非常に多い。
- 実体化エリアには、一度に最大3体までしか存在できない。
● 属性について
- カードやキーダイスには属性の概念が存在し、さまざまな場面で使用される。
- 属性は 赤・青・緑・黄 の4種類が存在する。また無色(カラーレス)も存在する。
● コストについて
- カードを使用する際には各種のコストが必要となる。
- チャージングコストは実体化エリアでブラッドを溜めるしかないのだが、その他のコストはブラッドまたはエナジーストックのエネルギーから支払うことができる。
- コストの中にはオープンダイスの使用が必要なものもある。またダイスとエネルギーのどちらでも支払える物や両方を要求する物もある。
- 通常のコスト(ダイス含む)には属性があり、コストの支払いにはその指定属性分のコストの支払いが必要となる。
ただし無色のカラーレスというコストもあり、必要コストがカラーレスの場合はあらゆる属性のコストで代用が可能である。
- ブラッド1つにつき、対応する属性のコスト1つ分の支払いに使用できる。
- エナジーストックのエネルギー1つにつき、無色コスト1つ分の支払いに使用できる。
- ダイス目が指定ダイスの値以上かつ属性が一致するオープンダイス1つをクローズ(消費)することで、指定されたダイス1つのコストを支払うことができる。
カード構成
●永続的に場に残るカード
○ テレインカード (コスト不要)
- 相手に対して攻撃を仕掛ける際の通り道&戦場。侵入できなければ戦闘は発生しない。
※概念としての通り道であり、実際にキャストが移動するわけではない。
- 侵入数に制限はなく、可能なら全部まとめて一か所を通過できる。
- 戦場となるのは、常に攻撃側のテレインである。
○ キャストカード (コスト必要)
- 怪獣や宇宙人など(ウルトラマンや人間を含む)。実体化を経て活動エリアにキャストとして登場する。
- 各種モンスターやエイリアン・ヒューマン・メンバーズ(科特隊の隊員)・ヒーロー(ウルトラマン)などが存在する。
- 速さ、攻撃/防御ポイントを持ち、プレイヤーの武器/楯となる。
- 地形適正のアイコンを持ち、対応するテレインにのみ侵入できる。
- 防御ポイント以上のダメージを受けると破壊される。このダメージはターン終了時に初期化される。
- 一部のカードはさまざまな能力を持つ。代表的な物は以下の通り。
- 変身: これを持つ変身元(のキャスト)が場にいるときにのみ、ヒーローを召喚できる。
- 飛行: あらゆるテレインに進入可能。ただし本来の適応テレイン以外の場合、飛行修正として「0, -1/-1」の修正を受ける。
○ ウェポンカード (コスト必要)
各種の機械類。以下の種類が存在する。
- ウェポン
- 手持ち武器のたぐい。実体化不要で即座に場に出る。
- スモール・ヘビー・スペシャルの3種に大別される。
- 特定のキャストに付けて使用する。1体のキャストにつき1枚のみ使用可能。
- 自ターンに任意にキャストから外すこともできる(ウエポンは破棄される)。
- ビークル
- 科特隊の乗用兵器。扱いはキャストに準ずる。
- メンバーズという種類のキャストを搭乗者として乗せて使用し、能力値は両者の合算となる(地形適正はビークル側)。
- キャスト単位で自ターンに1度、任意に乗降できる。
- 搭乗者がいなければ、こちらから戦闘/ブロック使用できず、速度0、攻撃ダメージ0の扱いとなる。
- 搭乗者を乗せたビークルが破壊された場合、搭乗者ごと破壊される。
- オートビークル
- 無人機や他組織の機体。ビークルの一種だが搭乗者を必要としない(乗せることもできない)。
- ギア
- 単独で稼働する特殊兵器。場に存在することで一定の効果を得る。
● 永続・瞬間的に使用するカード
○ エフェクトカード (コスト必要)
作戦や外部的な特殊能力など。以下の種類が存在する。
- プットカード(永続使用): 特定対象に付くことで、対象の特定の能力を与えるエフェクト。
- ニューオーダー(永続使用): 場の全体に作用するエフェクト。
- コンセントレイト(瞬間使用): 自分のアクションカードにしか使用できないエフェクト。
- クイック(瞬間使用): ほとんどのタイミングで使用可能なエフェクト。
- ジャマー(瞬間使用): クイックの一種で、連鎖処理を強制的に打ち切る効果を持つ。
場の構成
相手 | 相手の活動エリア |
通 | | 通 | | 通 | テレイン |
路 | | 路 | | 路 |
自分 | 自分の活動エリア |
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- 場はそれぞれの本拠地となる活動エリアと、戦闘での通り道となるテレイン(の一式)に分割される(上図は場の構成図)。
- テレインはそれぞれ3ヶ所ずつ存在する。戦闘においては攻撃側のテレインのみが参照される。
- 永続カードが場に登場するには、実体化エリアという空間で、実体化の為のエネルギーを蓄積しなくてはならない。
なお実体化エリアには3体までのキャスト/ビークルが存在できる。
- 良い子と運がいいプレイヤーのために、神様がお土産をくれるエナジーストックという空間も存在する。ここには無色のエネルギーが蓄積されている。
- 永続カードが破壊された時と、瞬間カードの使用後は墓場という空間へ送られる。
商品情報
● メーカー: 丸越(開発はOZプランニングらしいが、詳細不明)
○ 発売開始: 1996年
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
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ウルトラゲート
| 1996
| 186
| スターター(60/1000)、ブースター(15/350)
|
Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
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