ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『マイアース』のルール解説。
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地球環境カードゲーム マイアース
Last Update 2012/02/17 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるライフ破壊戦。プレイヤーは地球意思の中の一派閥となり、人間の力を借りつつ生物たちの行動を導くことで敵対派閥を一掃する。
● 原作
オリジナル作品。
● 世界設定
西暦21世紀初頭、地球に生息する生物たちの生命活動は、全体としてある種の統合意思を形成していた。
ただし地域ごとの環境の相違により、完全に1つの惑星意思としてはまとまりきらず、いくつかの派閥として並存していたのである。
ここで行動規模が大きく独自のイデオロギーを持つ生物である人類の存在により、並存していた意思たちは急速に衝突し、そして惑星単位での意思統合へと集結していくことになったのである。
今、地球は未来への舵取りの決定をせまられることとなったのだ。
● 本ゲームについて
地球環境TCGです。こういうエコロジーテーマのゲームは珍しくはありませんが、他の作品が人間の手が入らない秘境に棲む珍獣たちが主体であるのに対して、
本作では人間の行動を最前面に持ち出してきたところが特徴となっています。
環境問題のテーマを地球温暖化一本に絞っているくせに温暖化の扱いが最終目標ではなく単なる手駒にすぎなかったり、
温暖化進行 VS 阻止という基本軸がルール本体ではなくプレイ指針での指示にとどまっていたりと、
テーマとゲーム本体との方向性があやふやになっていますが、環境問題に興味を持ってもらうという趣旨としては問題ないのかもしれません。
基本構成
勝利条件
- 相手の地球ライフを0にする。
- ゲーム終了時(双方とも何もできなくなった時)に、相手より地球ライフが多い。
事前準備
● デッキ(山札: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 30枚ちょうど。ただし20枚ちょうどのレギュレーションも別途存在する。
- 構築条件:
同一カードはデッキに3枚まで(20枚デッキの場合は2枚まで)。ただし通常の“みなもとカード”は無制限に投入可能。
※本ゲームは、設定的には環境保全を目的とする“青いプレイヤー”と地球温暖化を目的とする“赤いプレイヤー”によって対決を行い、デッキ構築も立場に従った構築が推奨されている。
ただしゲーム的にはプレイヤーの立場が明瞭である必要は無く、対立属性が混じったデッキを使用しても特に問題は無い。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ(地球ライフ): 20(20枚デッキの場合は15)。上限は無し。
- 開始手札: 5枚。上限は無し(ただし補充方式のため実質5枚)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(ただし構造的に1ターン目にはカード補充が行われない)。
その他構成
● 基本構成細則
- カードの行動表現: 無し(ただし行動表現こそ無いが、みなもとカードにはコストとしての未使用・維持・使用済みの状態区別があることに注意)。
- ディスカード: 無し。
- ライブラリアウト: 無し(そのまま続行、ただし間接的に終了条件に関係)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(カードの形でのみ存在)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: SSカード、両軍ユニーク後出し生存。
- 対決は双方の場にある対決カードすべてにより一斉に行われる。
ゲームの流れ
開始準備
- 1ターン目の先攻・後攻を決定する。
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれ自分のデッキより手札としてカードを5枚引く。
全体の基本進行
ターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たたすか、双方とも何もできなくなった時点でゲーム終了。
※同一ターン内で先攻・後攻とも行動を行う。なお次ターンの先攻・後攻は対決の結果によりその都度決定される。
ターン(1回の手番)の進行
○ ターン開始時の処理
- 現在カード維持状態になっていない“みなもとカード”が、すべて未使用状態となる。
○ 先攻の行動
▼ 引く
- 自分の手札が5枚になるように、デッキからカードを補充する。
※5枚以上ある場合は補充できない。また、デッキが尽きた場合はそのまま続行。
▼ 出す
- 以下の処理を任意回数だけ行う。
- 自分の手札から、みなもとカードを配置する。
- 自分の手札から、対決カードを配置する。
▼ 捨てる?
○ 後攻の行動
▼ 引く
- 自分の手札が5枚になるように、デッキからカードを補充する。
▼ 出す
- 以下の処理を任意回数だけ行う。
- 自分の手札から、みなもとカードを配置する。
- 自分の手札から、対決カードを配置する。
▼ 捨てる?
○ 対決
- それぞれ自分の場に存在する対決カードの強さの値をすべて合計する。
※合体や属性などに関わらず、存在するすべてのカードの合計値を算出すること。
※現在場に対決カードが存在しない場合は便宜上値0とする。
- それぞれ合計した強さの値に各種修正を加え、今回の対決におけるそれぞれの強さの値とする。
- それぞれの場の状況により、以下の処理を行う。
- 双方の場に対決カードが存在する:
それぞれの強さの値を比較し、その結果により今回の対決の勝敗が決定される。
- 相手より値が大きい:
今回の対決における勝者となる。
次ターンにおいて先攻となる。
- 相手より値が小さい:
今回の対決における敗者となる。
次ターンにおいて後攻となる。
自分の場の対決カードがすべて捨て札となる(みなもとカードは残ることに注意)。
勝者側の今回の対決強さの値から自分の値を引いた差分だけ地球ライフを減らす。
- 相手と値が同じ:
対決は“あいうち”となる。
双方とも場の対決カードがすべて捨て札となる。
今ターンの先攻が、次ターンでも先攻となる。
- 一方の場にのみ対決カードが存在する:
対決カードが存在するプレイヤーが今回の対戦における勝者となり、次ターンの先攻となる。
対決カードが存在しないプレイヤーは今回の対戦における敗者となり、勝者側の今回の対決における強さの値分だけ地球ライフを減らす。
- 双方の場ともに対決カードが存在しない:
今ターンの先攻が、次ターンでも先攻となる。
それぞれ特に何もしないまま、対決の処理を終了する。
○ ターン終了
1ゲーム終了時の処理
特に無し。
ルール細則
基本ルール細則
● コストと属性について
- 対決・サポートカードを配置・使用する際に、コストの概念が存在する。
- 本ゲームにおけるコストは、基本的には瞬間消費されるものではなく維持を示すものである(ウォーゲームにおける補給線維持の概念に近い)。
- 1コストのコスト支払いは、未使用状態のみなもとカードを1枚使用することで行われる。
- 永続する対決・サポートカードをカードを配置する際には、コスト支払いとして対象カードの下に指定コスト分の未使用状態のみなもとカードを付けておく(維持状態とする)必要がある。
- 瞬間使用するサポートカードをカードを使用する際には、コスト支払いとして指定コスト分の未使用状態のみなもとカードを使用済み状態とする必要がある。
- 場に出ているカードを維持しているみなもとカードが破壊された場合、維持されていた側のカードも破壊される(別のみなもとカードによる維持の再設定はできない)。
逆にコスト維持されていたカードが破壊されても、維持していたみなもとカードはそのまま場に残る。
- また対決・サポートカードを配置・使用する際に、属性の概念が存在する。
- 属性はコスト支払いや合体など、さまざまな場面で影響を与える。
- 属性は陸・川・海・二酸化炭素・人の5種類が存在する。
● 合体について
- 対決カードの多くは、合体することで効率的に場に展開することができる。
- 合体は複数の対決カードを1群のまとまりとして場に配置する行為であり、基本的にはコスト軽減を目的とする。
- 手札にある対決カードを、場の合体対象(対決カードあるいは対決カードのグループ)に付ける形で配置することで合体が行われる。
- コスト維持のためのみなもとかーどは、合体の最下層のカードに付く形での配置となる。
- 合体している対決カードは1グループとして扱われる。よって除去能力などの対策カードに対しては、合体が不利となる場合があることに注意すること。
- 合体後のグループのカード内における最大コストを持つカード1枚に記載されているコストが維持されるだけで、すべての合体しているカードのコストが満たされている扱いとなる(属性については後述)。
- 合体の場合に限り、コストの属性とコスト値の判定が独立して処理される。
つまり必要コストの最大値分だけ維持でき、かつその維持コスト内に必要な属性がそれぞれ1つずつでも存在すれば、複数属性での配置・合体が認められる。
- 合体の場合に限り、グループに対してみなもとカードの維持追加(コスト再設定)が認められる。
- 一度合体させたグループを解体することはできない。
- すでに場に独立して存在する対決カード同士を合体させることはできない。合体はあくまでカードの追加配置時にのみ行える。
- 現時点では、生き物と地球温暖化を合体させることはできない。
- “生き物”の合体では、以下の条件が存在する。
- 手札の対決カードを、場の捕食関係が成立する合体対象に配置することで合体が行われる。
- 合体する際には、捕食される側に捕食する側のカードを少し重ねて付ける形で配置する。
- コストが満たされた上で食物連鎖が1列に繋がっている限り、何枚でも合体することができる。
- 捕食関係が成立するのであれば、合体で追加するカードは捕食側(そのカードに記載された対象に付ける)と捕食される側(付ける対象に追加するカード名が書いてある)のどちらでもかまわない。
- 食物連鎖は必ず1列に連なって配置し、合体における捕食関係が明確になるようにしなければならない。
1種類の生物を複数生物で捕食するとか1種類で何体も捕食するなどの、分岐のある連鎖はできない。
- 捕食対象が複数選択できる場合は、今回の捕食対象から1種類を選択すること。
- 可能であるならば、捕食関係の中間部分に割り込む形での合体もできる。ただし最終的には捕食関係が成立している必要がある。
- 紛らわしいが食物連鎖とコストであるみなもとカードは別概念であり、両者を混同しないよう注意すること。
- “地球温暖化”の合体では、以下の条件が存在する。
- 合体能力を持つ手札の対決カードを、場の合体対象に配置することで合体が行われる。
- 合体する際には、合体対象に合体能力を持つカードを少し重ねて付ける形で配置する。
- コストと記述条件のみ満たされていれば、何枚でも合体することができる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ みなもとカード (コスト不要)
- 土地や人類など、プレイヤーの活動源となる存在。
- 場に存在する1枚で、対決・サポートカードの配置・使用コストの1コスト分を供給できる。
- それぞれ属性を持ち、記載された属性コストの供給源となる。
- 対決カードのコストとなる生息域(二酸化炭素を含む)と、サポートカードのコストとなる人類に大別される。
- 未使用状態で場に配置される。
- 区別表現こそないが、実際には未使用・維持・使用済みの状態区別が存在することに注意すること。
- 通常のみなもとカード(特別みなもと以外)はデッキに何枚でも投入できる。
○ 対決カード (コスト必要)
- 動植物、および擬似生物としての温暖化や自然災害など。
- 強さの値を持ち、プレイヤーの武器となる。
- 二酸化炭素属性をコストとする“地球温暖化”と、陸・川・海属性をコストとする“生き物”に大別される。
- “生き物”には食物連鎖の捕食対象が記載されており、食物連鎖を成立させることで合体を行うことができる。
また“地球温暖化”についてはカードが合体能力を持つ場合のみ合体が可能となる。
- 対決に負けた場合(引き分けを含む)、一律にすべて破壊される。
● 永続・瞬間的に使用するカード
○ サポートカード (コスト必要)
- 人間のさまざまな活動。
- 効果はさまざまだが、いずれも非常に強力な効果を発揮する。
- 地球温暖化を促進するか阻止するかで、マークが分けられている(ゲームには直接は影響無し)。
- 各カードごとに、瞬間使用か永続するかが記載されている。
- コストとして、人属性が必要となる。
- 使用タイミングが明確に指示されていない限り、いつでも使用可能である。
場の構成
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- 永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は捨て場という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: マイアース・プロジェクト/ 丸善
○ 発売開始: 2008年8月
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
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第1弾
| 2008/8
| 71
| 構築済みスターター(40/1785)、ブースター(10/357)
|
新装版
| 2009/7
| 3種
| 構築済みスターター(40/980)
|
第2弾
| 2009/12
| 85
| ブースター(10/357)
|
スタートパッケージ
| 2010/4
| 2種
| 構築済みスターター(40/1260)
|
第3弾
| 2011/8
| 71
| ブースター(10/357)
|
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