ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『ハイスクールオブブリッツ(ハイブリ)TCG』のルール解説。
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ハイスクール オブ ブリッツ
トレーディングカードゲーム
Last Update 2000/8/20 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるポイント獲得戦。プレイヤーは女子校の校長となり、自校の生徒をとにかく卒業させる。
● 原作
オリジナル作品。
● 世界設定
世界規模の災害を、異空間世界との融合という大胆な手段で救った天才科学者にして世界元首ノストラダマス。
ただし世界融合の結果登場した新世界フュージョニアでは、文明衝突の危機すら回避しても対処できなかった次なる危機に直面していた。
男子出生率の低下という新たなる脅威を前にして、国家的英雄ノストラダマスがこの世界の滅亡を回避するために彼が発見した究極の手段とは……
「世界平和のためには、女子高生のパワーが必要じゃ!!」
がーん。
● 本ゲームについて
コンシューマーゲーム版との同時企画として登場したTCGです。
プレステ版とほぼ同一のシステムを使用しており、特にカード単体ではそのデザインの美しさが目を引きます。
やはり全体に「あかほりワールド」らしさが炸裂しておりまして、特に吹き出し型のフレーバーテキストなど、TCG初心者にも理解しやすいアイディアが随所に取り込まれていて好感が持てます。
システムから見ると、大規模なゲームでは珍しく戦闘が有りません。
まあ学校が舞台ですからそれは好ましいことなのですが、そのぶん足の引っ張り合いがゲームのシステム中心に位置づけられるので大変です。
基本構成
勝利条件
- 自分の生徒を、3人卒業させる。
- ゲーム終了(いずれかのデッキ枯渇)時に、相手よりも卒業させた生徒数が多い。
事前準備
● デッキ (1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 40枚以上。
- 構築条件:
同一カードはデッキに 3枚まで。
投入した生徒カードをユニーク単位で見た場合、記載グレードの合計値が必ず 9以下になること(モブカードは計算に含めない)。
※例えばグレード2の生徒 2種とグレード3の生徒 1種をそれぞれ 3枚ずつ投入した場合は、その合計値は 7となる。
● その他準備
○ マーカー: スターター付属のチップなどを適当数(付属チップは両面仕様で、プラス・マイナスが表示できる)。
○ ゲーム間交換カード: 無し。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 勝利ポイント (卒業生徒数): 0人。以後蓄積する。
- 開始手札: 7枚。上限も 7枚(自ターン内に調整有り)。
- マリガン (フォルト): 有り。キャラカードが無い場合、本人のみ任意で 1回。
- ファーストドロー制限: 無し(ただしオプションルールとして、制限有りを選択可能)。
その他
● カードの行動表現
○ キャラカード:
それぞれ基本状態と 2段階の消耗状態を持つ。消耗状態からの回復は、順次 1段階ずつ行われる。
- カード縦: 起立。行動力が有ることを示す。
- カード横: 着席1。行動力が無いことを示す。
- カード上下逆: 着席2。行動力無し、着席1より更に消耗した状態。
○ プレイスカード:
現在有効な物と、効果を失っているものを任意の方法(基本的にカードの縦横)で表現する必要がある。
● 基本構成細則
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 終了条件となる。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 有り(着席1状態で登校する)。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(余剰コストは各行動ごとに立ち消え)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理:
キャラ: 両軍でユニーク、先出し生存。
プレイス: 存在自体は非ユニークだが両軍の場で 1枚のみ効果発動、後出し有効。
- 戦闘にあたるものは存在せず、カード効果による応酬のみとなる。
ゲームの流れ
開始準備
- 今回のレギュレーション(オプションの有無など)を確認する。
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- 先攻・後攻を決定する。
- それぞれ自分のデッキから、手札としてカードを 7枚引く。
- 必要に応じてマリガン処理を行う。
- オプション適用時は、先攻はファーストドロー無しとなる。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方のデッキが尽きるか勝利条件を満たした時にゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ 起立フェイズ
- 自分の着席状態のキャラを、それぞれ 1段階分だけ回復させる(起立状態に近づける)。
○ ドローフェイズ
○ プレイスフェイズ
- 任意でプレイスカードを配置する(1ターンに 1枚まで)。
- プレイスカードが無い場合、任意でロードルールを適用する。
○ メインフェイズ
ゲームのほとんどの基本行動がとれる。ここでのみ実行できる行動は以下のとおり。
- 手札からキャラカードを場に配置する(登校させる)。
- 場のキャラカードの記載能力を使用する。
- 場のキャラカードを強制ドロップする。
- 手札からシンボルカードを使用する。
○ エンドフェイズ
○ ディスカードフェイズ
- 手札が上限を超えている場合、上限に収まるようにカードを捨てる。
○ 卒業フェイズ
- 自分のグレード 4以上の在校生(まだ卒業したことがない生徒のみ)を卒業させる。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール細則
● コストとしてのグレードについて
- イベントカードを使用する場合、コストとしてグレードを消費する。
ちなみに本ゲームでは「グレード」を生徒の学年の意味で使っているが、コストとしてのグレードはその学年に応じた精神力のような概念のことである。
- 起立状態のキャラを着席1にすることで、そのキャラの現在のグレード値分のグレード(コスト)が発生する。
※グレード(コスト)を支払っても、状態が変わるだけでグレード自体は変化しない。
- グレード(コスト)は蓄積しない。余剰コストはその都度立ち消えとなる。
- “<サブコスト>”と記述された項を持つカードは、本来のコストの支払いの代わりにサブコストと書かれた条件を満たすことでコスト支払いを代用することができる。
● 色とアクティブカラーについて
- カードには属性概念として色が存在し、さまざまな場面で使用される。
- 色は 桃・黄・青・橙・緑・紫・茶 の基本色、および 白の 8種類で構成される。
- カードの使用の際には、コスト以外にアクティブカラーが重要となる。アクティブカラーは基本の 7色で構成される。
- イベントカードを使用する際には、そのカードのアクティブカラー欄に存在するカード色のキャラからしかグレード(コスト)を出すことができない。
- アクティブカラーは、そのカード色を 色の 3原色 に照らし合わせた場合の隣接色で構成されている。ただし茶色は基本の全色との隣接色として扱われる。
- 白色のカードは色が未定状態のカードである。配置する際に他の 7色のいずれか 1色を指定し、以後場においては指定した色のカードとして扱われる。
● ボーナスカード
- 特定の組み合わせのカードを数字順に使用することで、本来の効果に合わせてイージーコンボと呼ばれる特殊効果を発生するカード群。
- カードタイトル横の四角形で囲まれた数字を持つカードがボーナスカードである。
- ちなみに対象カードのタイトルを続けて読むと、あら不思議、川柳が完成しちゃう(笑)。
順番的には、プレイス(1)、シンボル(2)、ハプニング(3)の順となる。
- 相手カードを含むボーナスカードが順番を飛ばすことなく使用(カードの効果が成立)した時、他の処理に割り込まれること無くイージーコンボが発動する。
- それぞれのボーナスカード間の使用はターンを跨いで問題なく、同一のカードを使用することで同一のボーナスを何度も発生させることができる。
また発生したボーナスは、記載テキストの範囲内で効果が継続する。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
★ プレイスカード (配置コスト不要)
- 学校内や近隣のさまざまな施設。場にプレイスとして配置される。
- プレイスコーナーがそれぞれの場に一か所ずつ存在し、そこに重ねて積み上げる形で配置して行く。
- 1ターンにつき 1枚まで配置することができる。
- キャラを場に出すために用いる通常プレイスと、主に場にいるキャラに対して効果を発揮する特殊プレイスに分類される。
- 全プレイヤーの中で一番最後に出されたプレイスの効果のみが、場全体に影響を及ぼす。
- 通常プレイスにはアクティブカラーとグレード制限(大抵は範囲値)が記載され、キャラカードの配置条件となる。
※ ロード ルール
- 手札にプレイスカードが無い場合に、任意で手札から代理のプレイス「ロード」を出す行為。
- 「ロード」は、全アクティブカラーを持つグレード制限 1 ~ 3 の通常プレイスと見なされる。
- ロードは手札から相手にランダム選択してもらったカードをプレイスコーナーに表向きで出すことで行われ、そのターン中のみ有効となる。
- ターン終了時にロードは捨て札となり、以降はその直前に配置されたプレイスが再び有効となる。
★ キャラカード (配置条件が存在)
- 自校の生徒や職員など。場に在校生のキャラとして配置される(登校する)。
※本作では生徒としての意味ではなく学校にいる者ととして、教師を含めて“在校生”として扱われる。
- 着席1状態で場に配置される。なお配置条件として、プレイスが持つアクティブカラーのいずれかとグレード制限に一致している必要がある。
- それぞれの場に、最大 6人までのキャラを配置できる(ダミーなどを含む)。
- 両軍合わせて場全体でユニークとなる。なお卒業した場合は場からいなくなるため、新たに同名キャラを出すことができる。
- 学年に相当するグレードの値を持ち、配置時は記載分のグレード(学年)となる。
グレードは逐次変化する(いわゆる進級だが、学年低下の場合もある)ので、各キャラごとにマーカーなどで値を表示する必要がある。
- 起立状態から着席1状態にすることで、コスト源となるグレード(コスト)を発生させることができる。
- 起立状態であれば、記載能力を使用することができる。
ただし能力発動コストとして、指定された行動(着席1・着席2・帰宅{手札に戻す}・ドロップ{捨て札にする}など)を行う必要がある。
- グレードが 0になった場合は捨て札となる。
なお自ターンであれば、グレードなどに関わらず任意で強制的ドロップを行うことができる。
○ 生徒カード
- 女子校の生徒たち。種族はさまざまだが、一部の例外を除き女子高生である。
- グレードの値が 4を超えることで卒業し、卒業生として専用の置き場に送られる(勝利条件の一部となる)。
- 既にいずれかのプレイヤーが卒業させてしまった生徒と同名の在校生は、たとえグレードが 4を超えても卒業せずに場に留まる。
※この場合は最初から OGとして来校し、そのまま居座っている扱いとなる。
※ 幼女隊
- キャンペーン賞品の一つ。通常の生徒はいずれも高校生なのだが、彼女たちは例外的に小学生であり、卒業にグレード 7を必要とする。
- 別に飛び級とか付属小学校の生徒でもなさそうで、ある意味謎な存在(まあ SPカードだしね)。
- 高校生組と区別するためか、初期グレードが 4(4年生)となっている。
○ モブカード
- 教職員や交換留学生など、自校生徒以外の人物。グレードに関わらず卒業はできない。
- 基本的には生徒と同じ扱いをするが、グレード(コスト)の支払いや能力を使用した時点で捨て札となる。
※ ジュエリーズ
- フュージョニア 6世界の主要種族には含まれない少数民族で、宝石に変化できる。
- カードごとに指定された条件を満たすことにより、その扱いが生徒とモブの間で変化する。
- デッキ構築時やカード配置直後においては、カードの種族表示欄に“<モブ>”と書かれたカードをモブ、それ以外のカードを生徒として扱う。
- 一部のジュエリーズには、白色のカードも存在する。
● 永続/瞬間的に使用するカード
★ イベントカード (使用時にコスト必要)
- 学校内で発生するさまざまな事件や校内行事など。
- 大きくシンボルとハプニングに分類される。
○ シンボルカード
- 場に永続するイベント。自ターンにのみ使用できる。
- 対象が限定される通常分に加え、場全体に影響を及ぼす全体シンボルも存在する。
○ ハプニングカード
場の構成
- 永続カードは、それぞれの場という空間に存在する。
- プレイスカードはそれぞれの場に存在するプレイスコーナーに配置され、両プレイヤーが配置した中で最新の 1枚のみが有効となる。
- キャラカードは条件を満たすことで卒業生となり、専用の空間に集められる。
- ドロップされたり捨て札となったカードは、トラッシュコーナーに集められる。
商品情報
● メーカー: メディアワークス(現: アスキー・メディアワークス)/ 角川書店
○ 発売開始: 1999年8月
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
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基本セット
| 1998/8
| 187
| スターター(クラスパック: 45/1300)、ブースター(14/400)
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らぶらぶ愛島
| 2000/8
| 未公表
| ブースター(14/400)
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PS版
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