ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『悠久幻想曲TCG』のルール解説。
|
悠久幻想曲 ensemble
トレーディングカード
Last Update 1999/11/26 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
複数(2 ~ 4人)対戦によるポイント獲得戦。プレイヤーは自警団のリーダー? となり、街の人々の信頼を勝ち取っていく。
● 原作
コンシューマーゲーム『悠久幻想曲』シリーズ。
● 世界設定
平和な街エンフィールド。とはいえ全くトラブルが無いわけではありません。
そんなときのための自警団なのですが、あいにく自警団は1つではないのです。
あなたの所属している第3部隊はメンバーが次々抜けてゆき、このままでは消滅の憂き目にあってしまいます。残された期間はあとわずか。
それまでに街の人々の信頼を勝ち取らなければならないのです。頼りになるわずかな仲間たちを引き連れて。
● 本ゲームについて
初めに断っておきますが、本ゲームルールはトレーディングカードの特典です。
よってBOX単位(1BOX5パックなので安いのですが)で買わないとそもそもルールが付属しませんし、マップカードが揃っていないと遊ぶことすらかないません。
というよりも、コンプリートしたカードを有効的に活用している一手段だと理解してください。
システムとしてはカードゲームというよりもボードゲームの一種でありまして、誰でも気軽に楽しむことができます。
※本ゲームのルールは基本システム部分のみが提示されており、それ以外の部分は「追加ルール」となっています。
プレイヤーごとに独自に考案して遊ぶことを推奨していて、カードの表記も追加ルールの存在を前提にルール外のデータまで作成されていますが、
あまりに普遍性に欠けるので、今回は追加分に関しては見送っています。
基本構成
勝利条件
事前準備
● デッキ(1人分のゲームカード。本ゲームでは事実上の手札となる。)
- デッキ枚数: 12枚ちょうど。
- 構築条件:
同一カードはデッキに4枚まで。
※実のところ、アクションカード(サブキャラクター)以外は任意のカードで構わない。
● パーティー(1人分の部下として行動するキャラクター)
- デッキ枚数: 3枚ちょうど。
- 構築条件:
パーティーキャラカードであること(デッキと同一カードでも、特に問題ない)。
同一カードの上限指定は特にないが、やはり1枚までが望ましい(もちろん他プレイヤーと同一キャラクターを選択して構わない)。
● その他準備
○ 駒: プレイヤーの現在位置を表わすものを各1つずつ。
○ 信頼マーカー: 方向が表示できるものを各5つずつ。
○ 6面ダイス: 適当数。
○ マップカード: 1揃い(全18枚で、全員で共用するゲームマップを構成する)。
○ ゲーム間交換カード: 無し。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 信頼得点: 0点。以後蓄積する。
- 開始手札: 0枚。ただしデッキ自身が事実上の手札として扱われる。
- マリガン: 考慮不要。
- ファーストドロー制限: 無し(考慮不要)。
その他構成
● カードの行動表現(パーティーメンバーのみ)
- カード縦: 通常状態。
- カード横: 行動状態(戦闘に参加できない)。
● 基本構成細則
- ディスカード: 無し。
- ライブラリアウト: 考慮不要。
- 3人以上でのプレイ: 可能(2 ~ 4人用)。
- 召喚酔い: 考慮不要。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(考慮不要)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し(考慮不要)。
- ユニーク処理: 無し(マップなどは一応ユニークである)。
- 戦闘は移動処理の一環として、移動先のプレイヤー間で行われる。
ゲームの流れ
開始準備
- マップカードにより場にゲームマップを構成する。
- それぞれ自分の場にパーティー3人を配置する。
- それぞれ自分の駒をジョートショップ(下図のマップ上のSTの場所)に配置する。
- ダイスなどで順番を決定する(具体的な決定方法は任意)。
全体の基本進行
それぞれ以下に指定された順番(季節)のとおりの行動(詳細は後述)を繰り返し、全ての順番が終了(ゲーム内で1年が経過)した時にゲーム終了。
★ 1年の進行
- 1順目: 平日行動(4月)
- 2順目: 平日行動(5月)
- 3順目: 平日行動(6月)
- 4順目: 休日行動
- 5順目: 平日行動(7月)
- 6順目: 平日行動(8月)
- 7順目: 平日行動(9月)
- 8順目: 休日行動
- 9順目: 平日行動(10月)
- 10順目: 平日行動(11月)
- 11順目: 平日行動(12月)
- 12順目: 休日行動
- 13順目: 平日行動(翌年1月)
- 14順目: 平日行動(2月)
- 15順目: 平日行動(3月:最終行動)
1ゲーム終了時の処理
特にないが、マーカー等が本来の所有者の元に戻るように注意すること。
平日行動
- それぞれ自分のデッキより、任意のカードを1枚選択し、各プレイヤーごとの目標場と呼ばれる部分に配置する。
※目標場のカードを平日行動内の処理によって入手し、パーティーのメンバーに与えることで、初めてこのカードが(パーティーによって)使用可能な状態になる。
- 各プレイヤーが開始時に決めた順番に従い、自分の手番の処理を実行する。
- 全プレイヤーの行動終了をもって、平日行動を終了する。
● 平日行動内における自分の手番の進行 ●
○ 移動
- 6面ダイスを1個振って、出た目の数だけ駒を進める。
駒の進行方向はその都度任意に決められるが、同一の手番の中では、既に通過したマスを2度も通らない事。
- 移動の結果により、次の処理が「仕事/戦闘/待機」より決定される。
次に行う処理は、以下の条件により決定される。
※決定された処理を行った後は、一律で「結果」の処理に進むことになる。
a. 移動途中、あるいは移動先のマスに他プレイヤーの駒が存在する場合:
b. 移動先のマスに、他の駒がおらず、既に信頼マーカーが置かれている場合:
c. 移動先のマスに、他の駒がおらず、信頼マーカーが置かれていない場合:
○ 戦闘
- プレイヤーが戦闘を行うか行わないか、任意で選択する。
※1つのマスに複数の他プレイヤーの駒が存在する場合がある。この場合の戦闘については、明確には指示されていない。
おそらくは1人のプレイヤーごとに順次解決するものと思われるが、実際のところそういう戦闘は避けるべきである。
a. 戦闘を行う場合:
- 移動途中の場合、移動はそこで打ち切られる。
- 実際の戦闘(後述)を行う。
- 戦闘終了後、「結果」の処理へ進む。
b. 戦闘を行わない場合:
- 移動途中の場合、本来の移動先へ移動する。
- 「移動」処理の要領で「待機/仕事」の処理を行う(相手プレイヤーの存在はひとまず無視する)。
実際の戦闘の処理
- 戦闘に参加するプレイヤーは、任意でアクションカードの能力を使用する。
- それぞれ行動不能状態でないパーティーメンバー全員を戦闘に参加させる。
※この時点で一方のパーティ全員が行動不能状態の場合、相手は無条件に戦闘に勝利する。
- 戦闘を仕掛けた側のプレイヤーから順に、パーティーメンバー1人単位で以下の処理を行う。
最終的に戦闘不能状態になっていない全ての戦闘参加メンバー全員が以下の処理を行い、結果として戦闘不能になったパーティメンバーが多いプレイヤーが戦闘に負ける(同数なら引き分け)。
- 3-1. セレクト
自分の戦闘不能でなく、行動が終了していないパーティメンバーから今回行動するメンバー1人を選択する。
- 3-2. コマンド
通常攻撃か魔法攻撃を行うかのどちらかを選択する。
- 3-3. ターゲット
攻撃対象となるメンバーを選択する(味方の選択も可能)。
- 3-4. 判定
選択した攻撃方法ごとに、以下の命中判定を行う。
- a. 通常攻撃:
6面ダイスを1個振って、出た目の数により命中判定を行う。
※クリティカルの効果は累積しない(ずっと100のまま)。
- a-1. ダイス目が 1, 2(ファンブル): ダメージは適用されない。
- a-2. ダイス目が 3 ~ 5(通常命中): ダメージ 50。
- a-3. ダイス目が 6(クリティカル): (通常の2倍の)ダメージ 100。
- b. 魔法攻撃:
メンバーに付けられているカードをはがしてごみ箱へ送る。
以下の4種の魔法から効果を選択する(魔法攻撃は発動コストがある分、必ず効果を発揮する)。
- b-1. 物理魔法: ダメージ 50。
- b-2. 神聖魔法: 味方のHPを 50まで回復する。
- b-3. 精神魔法: 通常攻撃のダイス目 1, 2, 6 をクリティカルにする。
- b-4. 錬金魔法: 通常攻撃のダイス目 1, 2, 6 をファンブルにする。
※精神/錬金魔法の発動タイミングは、実は明確に表記されていない。ここではこの2種の魔法に関しては、魔法が発動してから以後戦闘が終了するまでの間だけ、指定メンバーに対し効果を発揮する
継続的な効果の魔法であるものと解釈して説明する(つまり、カウンター的な即時発動は行われないとみなす)。
- 3-5. ダメージ適用
ダメージを攻撃対象となったメンバーに適用する。
※累積ダメージが最大HPを超えたパーティメンバーは戦闘不能になる。
※戦闘不能になった場合、回復するまで以降の戦闘には一切加わることができない。
- 戦闘の結果を以下のように適用する。
a. 戦闘に勝った場合:
- マップ上にある相手の得た信頼マーカー1つを、自分の得た信頼とする(マーカーの向きを変えることで、信頼の対象指定を変更する)。
どのマーカーを変更するかは、負けた側が指定するものと思われる。
- 相手がマップ上に信頼を得ていない場合、戦闘を行ったマスに新しく相手の信頼マーカーを、勝者の得た信頼として置く。
※ただし、相手の信頼マーカーが既に無い(全て他人に奪われた)場合や、該当のマスに別の信頼マーカーがあるのであれば、今回の信頼は得られず、マーカーを新たに置くこともできない。
- 戦闘を仕掛けた側が勝った場合、目標場のカードを入手する。
b. 戦闘に負けた場合:
- 信頼を1つ失う(詳細は勝った場合を参照)。
- 戦闘を仕掛けた側が負けた場合、目標場のカードは入手できずごみ箱へ。
c. 引き分けの場合:
- 信頼マーカーは特に変化無し。戦闘を仕掛けた側の目標場のカードは、入手できずごみ箱へ送られる。
- 戦闘に参加したメンバーの受けたダメージ、戦闘不能状態が全て回復する。
※行動不能状態は、戦闘処理とは無関係なことに注意。
○ 待機
- 既に置かれている信頼マーカーが、自分が得た信頼を示すマーカーであれば、自分の目標場に配置したカードを入手できる。
- 信頼マーカーが、他プレイヤーの得た信頼を示している場合、自分の目標場のカードは入手できず、ごみ箱へ送られる。
- 「結果」の処理へ進む。
○ 仕事
- 6面ダイスを1個振って、出た目により仕事の遂行結果を判定する(ゲームキャラ的に言えば、依頼先で依頼された仕事を遂行する)。
a. ダイス目が1の場合:
- 仕事に失敗。自分の目標場のカードは入手できずごみ箱へ送られる。
- 自分のパーティーの任意の1人を、行動不能状態(カード横向き)にする。このパーティーメンバーは次の休日行動まで回復できない。
b. ダイス目が1以外の場合:
- 仕事に成功。自分の目標場のカードを入手する。
- 現在自分の駒があるマスに自分の信頼マーカーを自分の方向に向けて置く。
このマーカーが、自分がこの場所で信頼を得たことをあらわす(既に5個のマーカーを使い切っている場合は、何も置かない)。
- 仕事の遂行後、「結果」の処理へ進む。
○ 結果
- 今回の処理で自分の目標場のカードを入手した場合、そのカードをパーティー内の任意のキャラクターに与える(パーティーカードの上あたりに乗せておく)。
休日行動
- 全プレイヤーのパーティーそれぞれにおいて、行動不能状態になっているメンバーを通常の状態(カードを縦)に戻す。
ルール細則
基本ルール細則
● 信頼得点の計算方法
- 本ゲームの勝利条件は信頼得点をより多く得ることであるが、得点の計算は以下の方法の合計により行う。
a. 自分の得た信頼マーカーで独占できていない「通り」に自分の得た信頼マーカーが存在する場合:
b. 3つのマスで構成されている「通り」の全てのマスが、自分の得た信頼マーカーで埋められている場合:
- マーカー1つに付き、本来の2倍である2点の得点を得る。つまり1つの通りで (1 *2) *3 の6点を得ることになる。
c. 4つのマスで構成されている「通り」の全てのマスが、自分の得た信頼マーカーで埋められている場合:
- マーカー1つに付き、本来の3倍である3点の得点を得る。つまり1つの通りで (1 *3) *4 の12点を得ることになる。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ マップカード(コスト不要)
- 本ゲームの舞台であるエンフィールドの街を構成するカード。
- 18種一組で構成され、ゲームの駒を配置するためのマップとして使用される。
○ パーティーカード(配置コスト不要)
- プレイヤーの部下として、任務(というか、雑用?)をこなすキャラクター。
- キャラクターの能力はたくさん表記されているが、本ゲームで用いるのは実は最大HP(四角で囲まれた「*/ *」の左側の部分)程度である
(好みにより、ダメージ計算にダメージメーターが活用できる)。
- ダメージが最大HPを超えた場合戦闘不能となる。このダメージは1回の戦闘ごとに回復する。
- パーティーとして以外にも、デッキ内のカードとしても使用可能であるが、デッキに入れた場合にはカードであるという存在以外、特別な能力は無い。
● 瞬間的に使用するカード
※基本的に、魔法攻撃のコストとして使用する。
○ アクションカード(サブキャラクター)
- 戦闘時において、アクションという特殊な効果を発揮するカード。本ゲームで特別な効力を持つ数少ないカードである。
- 戦闘の判定の直前に、パーティーメンバーからこのカードをはがしてごみ箱へ送ることによって、カードに指定した効果を発揮する。
- その効果はさまざまであり、一時的にパーティーメンバーとなる物もある。
○ アクションカードカード(DISC)
- 裏面に「DISC」と書かれているアクションカード。
- サブキャラクターカードと異なり、カードである以外特別な能力はない。
○ バトルカード
- プレステ版でのバトルに登場するキャラのカード。
- 本ゲームではカードであるという存在以外、特別な能力はない。
● その他のカード
○ スペシャルカード
- BOXに1枚封入されているスペシャルなカード。
- 基本的にはゲームに使用しないが、使用しても特に問題はない。
場の構成
-
| | |
紫 |
紫 |
紫 |
紫 |
土 |
土 |
|
紺 |
|
土 |
|
紺 |
|
桃 |
桃 |
桃 |
土 |
|
紺 |
紺 |
桃 |
|
赤 |
赤 |
青 |
|
紅 |
紅 |
ST |
赤 |
|
青 |
|
黄 |
| |
青 |
|
黄 |
黄 |
黄 |
橙 |
橙 |
橙 |
|
- 永続カードは場という空間に存在し、共用のゲームマップとそれぞれの場に大別される。
- ゲームマップはマップカードにより構成され、エンフィールドの街の地図として機能する(上図はゲームシステムとしてのマップ概略図)。
- プレイヤーの現在位置を現す駒は、ゲームマップ上のエンフィールドの街の中に存在する。
- ゲームマップのマス1つが原則として1つの建物をあらわしており、この建物部分が3 ~ 4つ集まって1つの「通り」を形成している(上図の同一の色部分が、それぞれ1つの通りを示す)。
- それぞれのプレイヤーごとの独自の場は、パーティーの配置場所や1回の行動で入手予定のカードを配置する目標場、使用済みのカードが集められるごみ箱などで構成される。
商品情報
● メーカー: メディアワークス(現: アスキー・メディアワークス)
○ 発売開始: 1999年4月
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
|
悠久幻想曲
| 1994/4
| 72
| パック販売(10/600)
|
Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
◆ Back ◆