ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『カルドセプト』のルール解説。
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カルドセプト カードゲーム
Last Update 2002/12/27 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦による通商戦。プレイヤーはセプターと呼ばれる魔術士? となり、相手から通行料を根こそぎふんだくる。
● 原作
コンシューマーゲーム『カルドセプト』シリーズ。
● 世界設定
そこはリュエードという世界のとある大陸バブラシュカ。あるとき無数の小さな石版が世界の各地から発見された。
この石版から力を引き出すことができる能力者“セプター”は、こぞってこの石版を求め全土で争いを繰り広げることになる。
実はこの石版こそ、太古の神々の時代に破壊と創造をもたらした究極の書“カルドセプト”の破片そのものであったのだ。
● 本ゲームについて
コンシューマー用カードゲームの中では最も成功を収めているといえるプレイステーションの人気作『カルドセプト』が遂にTCGになりました。
とはいえ商品としてではなく、コンシューマー版新作の発売記念の一環としてですが。
本ゲームは商品化を前提としてのテスト版として登場し、ユーザーを巻き込んでの一大デバック大会が実施されたのですが、検討の結果、残念ながら商品化は見送られてしまい、幻の作品となってしまいました。
もともとのコンシューマー版では、カードを使用する双六といったシステムでしたが、本作では双六を廃し、2人対戦用の土地を守るタイプのゲームに仕上がっています。
ここでは入手できなかった方のために、テスト版(Ver. 0.75)の内容を説明いたします。
基本構成
勝利条件
- 相手から 10ポイント以上の通行料を獲得する。
- 相手が通行料を支払うことができない。
事前準備
● デッキ(ブック: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 60枚以上。
- 構築条件:
同一名称カードはデッキに 4枚まで。
● その他準備
○ 開始土地カード: それぞれ規定の 6枚(火山・草原・湖・森林・都市・廃虚 を各1枚ずつ)。
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ 6面ダイス: 適当数。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- 勝利ポイント(通行料): 0ポイント。以後蓄積する。
- 開始手札: 6枚。上限は 10枚(自ターン内に調整有り)。
- マリガン: 無し(開始土地カードがあるため)。
- ファーストドロー制限: 無し。
その他構成
● 基本構成細則
- カードの行動表現: 無し。
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 無し(そのまま続行)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定(実質不可)。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐコスト蓄積: 無し(その都度支払うこと)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: 無し。
- 戦闘は、侵略/防御クリーチャーの 1 対 1で行われる。
ゲームの流れ
開始準備
それぞれ自分の開始土地をランダムな順番で領地に配置する。
それぞれのデッキをシャッフルする。
それぞれ自分のデッキより手札を 6枚引く。
先攻・後攻を決定する。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ ドローフェイズ
デッキからカードを 1枚引く。引けない場合は引かずにそのまま続行する。
○ スペルフェイズ
任意で 1枚スペルカードを使用する。
○ 移動フェイズ
ダイスを振り移動先を決める。ダイスの出た目の数ぶん、左端から数えた自分の土地を移動先とする。
「移動先」とは言うが、実際に物理的な何かが移動している訳ではない。
プレイヤーは常に 1つの領地(及びエリア)に対して行動が許されており、この権限の行使対象が「移動」しているのである(まあ物語的に見れば、移動先こそがセプターの滞在地と取れないこともない)。
※コンシューマー版では双六上のマップを循環移動しているために、つい直前の所在地から出た目だけ移動する物と思い込みがちだが、
TCG版では常に自分の土地の左端部から移動先の土地を算出するので注意すること。
○ 戦闘/領地フェイズ
移動フェイズで決定された分岐条件により、後述の戦闘/領地のどちらかのフェイズを実行する。分岐条件は以下のとおり。
- a. 対向土地に相手の支配クリーチャーが“いない”
- さらに対向土地にレベルカードが有る場合“相手側が”通行料を支払う。この通行料は、対向土地のレベルカードの中のいずれか 1枚であること(レベルカードがない場合は支払いは無し)。
→ 領地フェイズへ
- b. 対向土地に相手の支配クリーチャーが“いる”
-
- b-1: 侵略クリーチャーを対向土地に送り込む
- 侵略クリーチャーは、移動先にもともといる支配クリーチャーを用いても構わないし、新たに手札から呼び出しても問題ない。
→ 戦闘フェイズへ
- b-2: “相手に対して”通行料を支払う
- 対向土地のレベルぶんの枚数のカードを、デッキから通行料パイルへ送る(通行料が全額支払えない場合は、この時点で敗北)。
→ 領地フェイズへ
● 戦闘フェイズ
移動先の対向土地を戦場にして、クリーチャー同士が戦闘を行う(後述)。
戦闘フェイズの処理
▽ 戦闘開始ステップ
- 地形効果を適用する。防御側は、戦場とクリーチャーの属性(除く無属性)が同じ場合に、戦闘フェイズ中は(戦場の土地レベル * 10)の値だけ余分に HPを得る。
- 支援効果を適用する。侵略側は、侵略クリーチャーと別に、移動先に支配クリーチャーが存在する場合、戦闘フェイズ中は 10だけ余分に STを得る。
- その他の効果を適用する。
▽ 戦闘カードステップ
※戦闘カードとは、アイテムと援護能力を持つクリーチャーカードのことである。
- 戦闘カードを選択する。侵略側から交互に 1枚ずつ、裏向きで出す。ブラフや対象が不適正なカードも選択できるが、それらのカードは公開した時点で手札に戻す。
- 戦闘カードを公開する。侵略側から交互に表向きにする。適正なカードであるならば、コストを支払うこと。
- 戦闘カードの効果を適用する。防御側の戦闘カードから効果を適用する。
▽ 戦闘順決定ステップ
- 戦闘フェイズ中の先攻/後攻を決定する。特に指示が無い場合は、侵略側が先攻、防御側が後攻となる。
▽ 先攻クリーチャー攻撃ステップ
- 先攻側のクリーチャーが、後攻側のクリーチャーにダメージを与える。
▽ 戦闘チェックステップ
- 先攻の攻撃結果を判定する。後攻側のクリーチャーが死亡しているか、攻撃できない場合、次の後攻クリーチャー攻撃ステップを飛ばす。
▽ 後攻クリーチャー攻撃ステップ
- 後攻側のクリーチャーが、先攻側のクリーチャーにダメージを与える。
▽ 戦闘終了ステップ
- 戦闘終了により発生する効果を以下のとおりに適用する。使用した戦闘カードをすべて捨て札とする。
★ 戦闘の結果の適用
防御クリーチャーが死亡した場合は侵略側の(この戦闘における)勝利、生き残っている場合は防御側の(この戦闘における)勝利となる。
- ☆ 侵略側が勝利した場合
- 防御側が戦場をレベルダウンさせる(通行料を支払う)。戦場のレベルカードの任意の1枚を通行料として支払う。1レベルの土地の場合は、デッキから 1枚支払う。
- 侵略クリーチャーを戻す。自分の移動先に侵略クリーチャーがいない場合、生き残った侵略クリーチャーをその土地の新たな支配クリーチャーとする(コスト不要)。
もともと支配クリーチャーが別にいる場合や、存在条件が合わない場合には、侵略クリーチャーをプレイヤーの手札に戻す。
- ☆ 防御側が勝利した場合
- 侵略側が通行料を支払う。戦場のレベルぶんの枚数のカードを、デッキから通行料として支払う(通行料が全額支払えない場合は、この時点で敗北)。
- 生き残った侵略クリーチャーを元へ戻す。手札から呼んだ場合は手札、支配クリーチャーなら元の土地へ戻す。
● 領地フェイズ
移動先の自分の土地(領地)に対して、任意で領地コマンドのいずれか 1つを行う。使用できる領地コマンドは以下のとおり。
- 領地のレベルアップ(最大 3枚まで):
手札の任意のカード1枚を裏向きにして土地カードの下に重ねる。
- 領地のレベルダウン:
レベルアップに用いたカード 1枚を手札に戻す。
- 地形変更:
手札の土地カード 1枚を、現在の土地カードの上に表向きに重ねる。以後この地形は、重ねた土地カードの地形であると見なす。土地カード自体は、レベルアップカードとは別物として扱う。
- 支配クリーチャーのプレイ:
領地に支配クリーチャーを呼び出す。1つの土地につき 1体まで。
- 支配クリーチャーの交換:
手札のクリーチャーと支配クリーチャーを入れ替える。コストは普通に支払う。
- 支配クリーチャーの移動:
領地の支配クリーチャーを隣接する土地に移動させる。コスト不要。
○ ターン終了
手札が上限を超えている場合、上限に収まるようにカードを捨てる。
自動的に終了を迎える。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
ルール細則
基本ルール細則
● プレイ条件とコスト
- スペルの使用やクリーチャーを呼び出す場合、カード使用のための条件と使用にあたってのコストの支払いが必要となる。
- プレイヤーがカードを使用する際には、自分の支配クリーチャーが配置された土地がカードのプレイ条件に書かれただけの属性を持っていなければ使用できない。
- またカード使用の際に、必要とされるコストの数だけ、デッキから捨札パイルへカードを送る。この際、全額を支払えないのならばカードは使用できない。
● 土地レベル
- それぞれの土地には固有の土地レベルが存在し、通行料の支払いに影響を与える。
- 土地レベルは通常 1レベルである。レベルカード(裏向きにした任意のカード)を 1枚領地に配置するごとに対象の土地レベルが 1ずつ上昇する。
- それぞれの土地レベルの上限は、レベル 4(レベルカード 3枚)である。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ 土地カード (コスト不要)
- 自分の支配する領土を示す。自分の土地に配置される。
- 領地は常に相手との侵略が繰り返されており、たとえ自分の土地と言えど相手の影響下にあっては移動時に通行料を請求されることになる。
※ 開始土地カード
- ゲーム開始時に配置する専用カード。カード裏面が他と異なる。
- ゲーム開始時にランダムな方法で、自分の領地にそれぞれ 1枚ずつ配置する。
※ 土地カード(通常)
- 領地の状態を開始土地カードから変更させるために使用する。
- 従来の土地カードの上に表向きに重ねて配置され、一番上の土地カードがその土地の状態となる。
- スペルやクリーチャーの必要コストによっては無用な存在となりうる。
○ クリーチャーカード (コスト必要)
- 特定の領地を防衛したり、相手クリーチャーを倒すための部下やモンスター。
- 使用状況により、領地を守る「支配」クリーチャー、相手の土地に進撃する「侵略」クリーチャー、それを迎え撃つ「防御」クリーチャーと呼び区別する。
- それぞれ 1つの土地につき 1体しか存在できない。
- HP(体力)/ ST(攻撃力)を持ち、HP以上のダメージを受けると破壊される。このダメージは戦闘フェイズ終了時に初期化される。
● 永続/瞬間的に使用するカード
○ スペルカード (コスト必要)
- セプターの使用する魔法の呪文。スペルフェイズに任意で 1枚使用可能。
- 以下の 2種類が存在する。
※ スペルカード(即効)
- 使用した瞬間に効果を発揮するタイプのスペル。
- 使用と同時に捨て札となる。
※ スペルカード(継続)
- 条件を満たす限り効果を発揮し続けるスペル。
- 対象を失うか、同対象の継続スペルに捨て札とされない限り場に残る。
● 瞬間的に使用するカード
○ アイテムカード (コスト必要)
- クリーチャーを強化するための武具。場に残らず、すべて使い捨てである。
場の構成
- 永続カードは、それぞれの場という空間に存在する(上図は場の構成図)。
- それぞれの場には 6個所の土地が存在する。6個所の土地はそれぞれが対になっており、この対のことをエリアと呼ぶ。
- 便宜上自分の土地を領地、相手側の土地を対向土地と呼ぶ場合がある。
- 永続カードは、6つのエリアのいずれかに存在する。
- カードの使用後は捨札パイルという空間に集められる。ただし、相手への通行料として支払われたカードについては、捨札パイルではなく通行料パイルに置かれる。
- 捨札パイルと通行料パイルは、よく似ているが両者は明確に区別される。
商品情報
● メーカー: メディアファクトリー
○ 発売開始: 非売品(1999年配布)
- ○ ラインナップ
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