ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『デジモンアドベンチャーカードタクティクス』のルール解説。
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デジモンアドベンチャー
カードタクティクス
Last Update 2019/1/5 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
ソロプレイ(または2人対戦)によるライフ破壊戦。プレイヤーは選ばれし子供たちとなり、パートナーとなったデジモンを戦わせて悪のデジモン(あるいは相手プレイヤー)を打ち倒す。
● 原作
携帯ゲーム『デジタルモンスター』シリーズ。
コンシューマーゲーム『デジタルモンスター』シリーズ。
TVアニメーション『デジモン アドベンチャー』。
● 世界設定
人間のいる世界とは異なる電子の世界、デジモンワールド。このデジモンワールドに突如発生した危機を救うため、伝説の“選ばれし子供たち”が人間界から召喚された。
彼らとそのパートナーのデジモンたちは、今日も平和なデジモンワールドを取り戻すために旅を続けているのであった。
● 本ゲームについて
デジモンシリーズのひとつですが、どちらかというと携帯ゲーム機の『デジタルモンスター』では無く、TVアニメの『デジモンアドベンチャー』を原作とするTCGです。
本作は非常にユニークな存在でして、ある意味純粋なTCGでありながら、対戦するのは人間では無く機械。なんとこれ、携帯電子ゲーム機にTCGをそのまんま融合させちゃった豪快な作品なのです。
モデレーターという専用機械を使用しますので、対戦相手がいなくても機械が対戦相手となってくれますし、2台を通信ケーブルで接続することでモデレーターに計算処理を任せての対戦プレイも楽しめます。
プレイアビリティを確保するためゲームシステムの簡略化が進む昨今、本ゲームの存在は貴重であるということができます。
ただし、カードと携帯ゲーム機という組み合わせでありながら、通常のデジタルモンスターシリーズとのデータ通信機能がいっさい無く、
さらにカードも従来のデジモンカードも流用できないという、互換性を欠いた独自仕様の製品である点が、欠点といえば欠点でしょうか。
※今回は2人対戦であるツインモードを、モデレーターによる内部処理部分を含めて説明いたします。
基本構成
勝利条件
- 相手のメインポジションにいるデジモンを撤退させる(キャラクターポイントを 0にする)。
- 相手が降参する。
事前準備
● デッキ (山札: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 30枚以上。
- 構築条件:
同一カードはデッキに 3枚まで(ただしチームパワーカードは無制限に投入可能)。
スタートデジモンに使用できるデジモンカードが 3体以上入っていること。
● その他準備
○ カードダスのデジモンアドベンチャーカード: 対応している 55種中、任意で 3枚まで。
○ ゲーム間交換カード: 無し。
○ モデレーター (専用ゲーム機): 各1台、電池残量に余裕があること(笑)。
○ 通信ケーブル: 1本。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ: 無し。ただし類似概念としてメインデジモンのCPが存在。
- チームパワー: プレイヤーレベルに応じて配布(50 ~ 100)。上限は 199。
- チェンジストック: 0。上限は 3。
- 開始手札: 6枚。上限も基本的に 6枚(自ターン内に補充有り)。
- マリガン: 無し(初期配置が有るため)。
- ファーストドロー制限: 無し(同時に行動するため)。
その他構成
● 基本構成細則
- カードの行動表現: 無し(配置時に裏向きにするのみ)。
- ディスカード: 無し(原則 6枚を超えることは無い)。
- ライブラリアウト: 未設定(おそらくそのまま続行)。
- 3人以上でのプレイ: 不可。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 有り(チームパワー、ゲーム開始時から終了時まで蓄積)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 有り(各デジモンのキャラクターポイント)。
- ユニーク処理: 無し。
- 戦闘は攻撃側全体で防御側1体を集中攻撃する。
ゲームの流れ
開始準備
- 事前にプレイヤーレベルやオプション設定の扱いについて協議しておく。
- それぞれモデレーターや通信ケーブルのセッティングを行い、起動しておく(以降のデータ入力操作そのものについては割愛)。
- それぞれにプレイヤーレベルに応じたチームパワーの量(各レベルによりそれぞれ 50・80・100)が配分される。
- それぞれ任意のスタートデジモン 3体を、指定の3個所のポジションに裏向きで任意配置する。
- カードダスを使用する場合、それぞれカードダス置き場に配置する。
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- それぞれ自分のデッキより手札を 6枚引く。
- それぞれのフィールド上のデジモンを、すべて表向きにする。
全体の基本進行
ターンと呼ばれる以下の手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
※同一手順内で双方のプレイヤーが同時に処理を行うため、ターンプレイヤーの概念は無い。
ターン(1回の手番)の進行
○ 行動入力
- それぞれ任意で以下のいずれかを行う。
- ポジション変更: フィールドのデジモンの配置ポジションを入れ替える(初回ターンは選択できない)。
- 入れ替え: フィールドのデジモンと手札の同ランクのデジモンカードを入れ替える。
※初回ターンは選択できない。また空欄となったポジションに手札のデジモン(スタートデジモン限定)の配置もできる。
- デジモンごとの行動入力: 自身の各ポジションのデジモンごとに、以下の中からいずれかの行動を行わせる。
※チーム全体に関わるカードの使用なども、いずれかのデジモン 1体の行動として行うことになる。
- 各デジモン固有のデジモンコマンドを指示する。
- ランクアップ(進化/ チェンジコマンド)を指示する(メインデジモンのみ)。
- 特殊技を指示する(場のカードダスから任意の 1枚を使用する)。
- チャージを指示する。
- 手札からサポートカード1枚を対象のデジモンに裏向きで配置する。
- 手札からチームパワーカード1枚を対象のデジモンに裏向きで配置する。
- 何もしない(チームパワー回復に徹する)。
- それぞれ今回の一斉攻撃における、こちらからの攻撃対象とする相手のポジションを1か所選択する。
○ カードオープン!
- それぞれのデジモンに配置されたカードをすべて表向きにし、各デジモンごとの行動を明確化する。
- 選択した行動の中で、一斉攻撃前のタイミングの効果が発動する。
- それぞれフィールド上の各デジモンが持つ“配置されているポジションに対応するPPの値”を合計した値に各種修正を加え、今回のトータルポイントを算出する。
- トータルポイントを比較し、値が大きい側が今回の攻撃側・小さい側が防御側となる(同値の場合はランダムに決定)。
○ 一斉攻撃
- 攻撃側が指定した攻撃対象ポジションのデジモンに対して、攻撃が行われる(ダメージが与えられる)。
※ダメージはトータルポイントや属性による相性などから決定される(モデレーター内部で算出される)。
※サポートカードなどの行動やアタック/ディフェンスチャージ、ランダムに発生するメガヒットチャンス(ルーレットの目押し)などで、ダメージ量はある程度操作できる。
- 攻撃目標となったデジモンは、受けたダメージ分だけ自身の CP(キャラクターポイント)を減らす。
CPが0となったデジモンは破壊される(捨てカード置き場に送られる)。
- 選択した行動の中で、一斉攻撃後のタイミングの効果が発動する。
○ ターン終了
- 使用したカード枚数などにより、チェンジストックが蓄積される。
- ディフェンスデジモンがいる場合、ダメージを受けているデジモンの CPが一定量回復する。
※回復量はディフェンスデジモンの現在CP値などで変化する。
- 状態異常の処理が行われる(ランダムで回復する場合もある)。
- デジモンの配置ポジションとポジション適正により、アタックチャージとディフェンスチャージが一定量補充される。
- フィールドのすべてのデジモンに行動をさせなかった場合(ポジション変更/入れ替え時を含む)、チームパワーが 20回復する。
- 設定によっては、デジモンがパワーアップする特性がランダムで変更される。
- それぞれ今回使用した、サポート・チームパワーカードおよびカードダスをすべて捨てカード置き場に送る。
- それぞれ手札が6枚になるように、デッキからカードを補充する。
- ターンが終了する。
1ゲーム終了時の処理
特にないが、モデレーターの電源は切っておこう(笑)。
ルール細則
基本ルール細則
● モデレーターについて
- 本ゲームは電子ゲーム機の一部としてカードを使用するゲームであり、行動の大半は本体であるモデレーターが行う。
- モデレーターは液晶画面やテンキーを持つ電子手帳型のゲーム機で、ゲーブルを介して他のモデレーターとの対戦も可能。
- データはテンキーによる数値入力で、データ管理やランダム処理などはモデレーターが内部的に処理している。
- すべてのカードにはカード番号が記載されており、この数値を用いてモデレーターに入力する。
なおカード番号はカードダスのカードにも(対応分のカードについては)記載されている。
● チームポイントについて
- カードにはコストの概念としてチームポイントが存在し、デジモンコマンドやカード使用などで指定値分のチームポイントを支払う必要がある。
- チームポイントはゲーム開始時に一定量が供給され、以後増減する。
- ゲーム開始時のチームポイントはプレイヤーレベルによって変化する。
なおプレイヤーレベルは実際に遊んだ度合いをレベル化したもので、モデレーターに記録されている。
- プレイヤーレベルによって供給されるチームポイントは以下のとおり。
- プレイヤーレベル 1: 50ポイント
- プレイヤーレベル 2: 80ポイント
- プレイヤーレベル 3: 100ポイント
- チームポイントは 1ターンデジモンを行動させないか(20ポイント獲得)、チームプレイカードを使用することで獲得される(記載値分を獲得)。
なおチームポイントの上限値は 199となる。
● 属性について
- デジモンカードには属性の概念が存在し、さまざまな場面で使用される。
- 属性は ワクチン・データ・ウイルス の 3種類が存在する。
- 一斉攻撃や特殊技使用の際には、モデレーター内部でデジモンやカードダスの属性を使用しての処理が行われる。
● ランクアップについて
- 配置されたデジモンは、ランクアップによってより強力なデジモンへと変化することができる。
- ランクは 成長期 を基準として、成熟期 さらには 完全体 へと一時的な成長を遂げていく。
※本作の原作であるデジモンアドベンチャーにおいては、成長は一時的であり戦闘後はもとの段階(個体によるが多くは成長期)に戻ってしまう。
※本作においては、玩具発売時期の都合もあって幼年期や究極体以降の姿は登場しない。
- ランクアップはデジモンの行動の一種であり、メインデジモンの上にランクアップ後のデジモンカードを重ねて載せることで行われる。
- ランクアップには以下の使用条件をすべて満たす必要がある。
- メインデジモンであること。
- 手札にメインデジモンのランクアップ後としての条件を満たすデジモンカードがあること。
- チェンジストックが 1以上あること。
- ランクアップを行う際にチェンジストックを 1消費する。なおチェンジストックは一度に 3つまで蓄積できる。
ゲーム中はカードを 3枚使用するするごとに、チェンジストックが 1だけ蓄積される。
あるいはサポートカードの《デジヴァイス》・《デジヴァイス起動》の効果によって蓄積することもできる。
- ランクアップすることで、メインデジモンはランクアップ後のデジモンとなる。CPや能力は新しいデジモンの物となり状態異常も回復する。
● 進化とチェンジについて
- デジモンのランクアップは、その種類により 進化 と チェンジ の2種類の系統が存在する。
- デジモンカードに“進化”と記載されているのが進化デジモン、記載が無いのがチェンジデジモンとなる。
- 進化デジモンは決められた一種類へと一方向に変化する。次に何に進化するかはカードごとに記載されている。
- チェンジデジモンは現在のランクから1つ上位のランクのいずれかのデジモンへとランクアップできる。
ただし進化デジモンにチェンジすることはできない。
- ※本作における進化デジモンとチェンジデジモンの区別は、アニメにおける主人公たちのパートナーデジモンかどうかを反映したものである。
おそらくは同一種でも個体ごとに進化の方向性が異なるが、単一個体としては進化の道筋が一方向なのだと思われる。
ただ主人公たちにはパートナーでないデジモンと接する機会が少なく初対面のデジモンがどう進化をするかわからないので、
それらをまとめてチェンジとして多方向に変化するものと理解した描写が、この形になっているものと思われる。
● チャージについて
- デジモンの行動の一種としてチャージが存在する。
- チャージはアタックチャージとディフェンスチャージの2種類が存在する。
- チャージを行うことで内部データとして一定量が蓄積される。
- それぞれ 100%に達した場合、一斉攻撃の際に任意で該当分を使用することでダメージ量を増減させることができる。
● 状態異常について
- フィールド上のデジモンは、相手の攻撃などで状態以上に陥る場合がある。
- 状態異常となった場合、デジモンはさまざまな制約を受ける。状態異常の種類とその制約は以下のとおり。
- 物忘れ: コマンド入力ができなくなる。
- 毒: ターン終了時に、残り CPの 1/10 のダメージを受ける。
- 猛り: カード入力ができなくなる。
- 消沈: PPの値が半分になる(端数切捨て)。
- サポートカードの《デジタル注射》を使用したり、入れ替えやランクアップを行うことで、状態異常は回復する(通常の状態となる)。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ チームパワーカード (コスト不要)
- 一緒に旅する仲間たちの声援など。チームパワーの供給源となる。
- 使用することで、一斉攻撃後に記載の基本ストック量だけのチームパワーが供給される。
- 多くは修正条件の項目を持ち、条件を満たしている場合は使用時の供給量が増減する。
○ デジモンカード (コスト不要)
- 仲間となって一緒に戦うデジタル生命体。場にデジモンとして配置される。
- フィールドの各ポジションに、それぞれ 1体ずつ配置される。
- メイン・アタック・ディフェンスの 3種の PP(ポジションポイント)を持ち、プレイヤーの武器となる。
フィールドに配置された時に、配置ポジションに対応する値がそのデジモンの PPとして使用される。
またそれぞれのポジションに対するポジション適正を持ち、さまざまな場面で使用される。
- 属性の項目を持ち、さまざまな場面で使用される。
- ランクと進化またはチェンジのどちらかの系統を持ち、対応するより強いデジモンに変化していくことができる。
- いわゆる体力値として CP(キャラクターポイント)の値を持つ。
CPの値は攻撃のダメージなどでゲーム中に増減し、CPが 0となった時点で破壊される。
- メインポジションにいるデジモンが倒された場合、ゲームに敗北する。
※ スタートデジモン
- デジモンの中でスタートデジモンアイコンを持つデジモン。いずれも成長期で、ゲームの初期配置などで使用される。
● 瞬間的に使用するカード
○ サポートカード (コスト必要)
- ゲーム中に起きるさまざまな出来事。
- 一斉攻撃前・一斉攻撃後 の2種類の効果タイミングが存在し、指定タイミングに効果が適用される。
○ カードダス デジモンアドベンチャー (コスト不要)
- 別売りトレカであるアニメ版のカードダス。本ゲームではデジモンの強化に使用される。
- 55種類のデジモンのみが対応している(一覧は説明書に記載)。
- ゲーム開始時にフィールドのカードダス置き場に配置される。
- 基本的には特殊技使用の発動条件として任意の 1体を選んで使用され、ランダムで相手を妨害する効果を発動させる。
場の構成
ディフェンス ポジション | | アタック ポジション |
| メイン ポジション | |
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| メイン ポジション | |
アタック ポジション | | ディフェンス ポジション |
- 永続カードは、フィールドという空間に存在する。
- それぞれのフィールドは、3つのポジションという空間に大別される(上図は双方のフィールドの構成図)。
- ポジションはメイン・アタック・ディフェンスの 3種の役割が振り当てられ、それぞれを担当するデジモンが配置される。
※それぞれ配置されている間はメインデジモン・アタックデジモン・ディフェンスデジモンとなる。
- 各ポジションの直後には、それぞれのデジモンに対して使用されたカードが一時的に配置される。
- 他にもそれぞれ3体分のカードダスカード置き場が存在する。
- 永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は捨てカード置き場という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: バンダイ
○ 発売開始: 1999年12月
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
|
カードタクティクス
| 1999/12
| 133
| スターターセット(62/3300)、ブースター(10/300)
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(参考)デジモンアドベンチャー
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| カードダス(5/100)
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Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
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