ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『スーパーヒーロー戦線スクランブルデュエル』のルール解説。
|
スーパーヒーロー戦線 スクランブルデュエル
Last Update 1999/11/29 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦によるライブラリ破壊戦。プレイヤーは秘密防衛組織の長官/悪の大首領となり、
自分の率いるヒーローや怪人たちに司令を与え、悪の野望を打ち砕いたり達成したりする。
● 原作
コンシューマーゲーム『スーパーヒーロー戦線』シリーズ。
● 世界設定
時に西暦199X年、人類は未曾有の危機にさらされていた。
突発的な異次元との通路の接続、外宇宙生物の飛来、地下組織の暗躍、そして謎の採点ロボット群が送り込む教育不完全なロボットの押し付け……
警察は強力な防御力を誇る彼らにまるで歯が立たず、
自衛隊や州兵は市民生活に見事に溶け込んでしまった異分子を排除する術を何ひとつ持たないままでいたのである。
そんな中、人類の命と心を救うため、さまざまな国家組織が対策チームの設立を急いでいたのである。
そして、必要以上の才能をもてあました天才科学者までも勝手に地球防衛を企んでいた……ってこれが一番迷惑じゃあ!
● 本ゲームについて
従来のスクランブルギャザーのルールを流用した、コンシューマーゲーム『スーパーヒーロー戦線』内の東映作品のみによるTCGです。
しかしながら、ロボットと等身大ヒーローの特徴の違いを再現するために基本ルールに大幅に手を加えています。
変更点はかつてスクランブルギャザーで初心者が躓きやすいポイントだった部分と被るだけに、最初のプレイにおいては両者がごっちゃになって混乱するかもしれませんね。
まあ、その分ヒーローらしく「殴って勝つ」感じに仕上がりましたが。
なお、精神カードを使用せずブースターのみでプレイできる EASYルールも採用されましたが、ここでは割愛してあります。
基本構成
勝利条件
事前準備
● デッキ(山札: 1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 50枚ちょうど。
- 構築条件:
同一ナンバーカードはデッキに 3枚まで(同一名称や同一人物の変身状態は、構築時には別カードと見なす)。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード(サイドボード): 10枚。トーナメントルールにおいての採用項目であり、常に 10枚であること。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ: デッキそのものがライフに相当する(勝利条件に影響)。
- 開始手札: 7枚。上限は無し。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し。ただしトーナメントルールでは存在する(先攻は 1ターン目にはカードを引かない)。
その他構成
● カードの行動表現
- カード縦: 行動力有り。
- カード横: 行動力無し(精神カード)。
- カード裏向き: 麻痺状態(ユニット)。
● 基本構成細則
- ディスカード: 無し。
- ライブラリアウト: 有り(勝利条件)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 無し。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 無し(コストに端数が発生することはなく、必要なだけその都度支払う)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: フィールドカード、フィールドの各マス単位で両軍でユニーク、後出し生存。
- 戦闘においては、攻撃ユニットと相手(本体含む)は常に 1 対 1の関係になる。ただし 1体の相手に対して、複数ユニットが個別に戦闘を仕掛けることは可能。
ゲームの流れ
開始準備
- それぞれのデッキをシャッフルする。
- 先攻・後攻を決定する。
- それぞれ自分のデッキより手札を 7枚引く。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ 復帰フェイズ
- タップしている味方の精神カードをすべて起こす。
- 麻痺している味方のユニットを表向きにする。
○ 維持フェイズ
- 永続カードそれぞれの維持コストを、デッキのカードを捨山に裏向きに捨てることで支払う。維持コストを払えないカードは墓場に捨てられる。
○ ドローフェイズ
○ 配置フェイズ
以下の処理を任意で行う。
- ユニットの配置
- 任意で 1枚、ユニットを自分のベースフィールドに配置する。この際にプレイヤー単位でユニットがユニークであること。
- フィールドカードの配置
- 任意で 1枚、フィールドカードを記載されている配置可能なフィールドに配置する。
この時すでにフィールドカードが配置されているフィールドである場合、従来のフィールドカードは墓場へ送られる。
- ユニットの変身、チェンジ
- 精神カードの配置
- 任意で 1枚、精神カードをユニットに付ける(スタックする)ことが可能。
ただしスタックするためには、ユニットの精神欄に対象の精神カード名がなければならない。
- スタックは 1ユニットにつき精神カード 1枚まで。新たにスタックした場合、以前の精神カードは破棄される。
○ 移動フェイズ
- それぞれのユニットごとに任意で 1歩ずつ移動を行う。
自分のベースフィールドから相手のベースフィールドまでの 6フィールドすべてが移動対象となる。また後退することもできる。
○ 作戦フェイズ
- 任意でユニットのワザ・精神カード・作戦カードを使用する。
○ 戦闘フェイズ
- 戦闘可能なユニットが存在する場合、任意で戦闘を行う(後述)。
各戦闘の処理
▽ 攻撃/ターゲットの決定
- 自分のユニットから攻撃ユニットを 1体選ぶ。
- 攻撃ユニットの射程範囲の相手ユニット 1体/山札からいずれかを指定する。
※相手の山札は相手のベースフィールドに存在している扱いとなる。
※攻撃ユニットより後ろ(自分側)の位置にいる相手ユニットは指定できない。
▽ 攻撃/命中判定
- 自分の捨山から 1枚めくり、墓場に送る。
- このカードが精神コマンドカードであった場合、攻撃命中とする。
※能力「必中」を使用している場合、及びどちらかのベースフィールド上に存在するユニットが攻撃している場合は、命中判定無しで攻撃命中となる。
※捨て山が 0枚の場合は、命中判定を行えない。
▽ 攻撃/ダメージ計算
- 攻撃が命中した場合、相手側のダメージ判定を行う。
- 相手が山札: 攻撃側の攻撃力の枚数だけ、デッキから捨山にカードを送る。
- 相手がユニット: 攻撃側の攻撃力(と蓄積ダメージの合計)が相手側の HPを超えた場合、相手ユニットは撃破されたとして墓場へ送られる。
HPのほうが大きい場合は、相手ユニットは反撃のチャンスが与えられる(今回のダメージは、そのターンの間そのまま蓄積される)。
▽ 反撃/ターゲットの確認
- 攻撃対象となった相手ユニットが破壊されなかった場合、攻撃ユニットに対して相手ユニットの射程が届くならば任意で反撃できる。
※反撃対象は、今回の攻撃ユニットのみに限られる。
※山札は攻撃対象であっても反撃できない。
▽ 反撃/命中判定
- 攻撃側の命中判定と同様に命中判定を行う。必中の処理も同様に判定する。
▽ 反撃/ダメージ計算
- 攻撃側のダメージ計算と同様にダメージ計算を行う。但し再反撃はない。
▽ 戦闘の続行
- 攻撃可能ユニットが残っている場合、任意で上記の戦闘処理を繰り返す。
※このターン既に攻撃を行ったユニットは、このターンは攻撃を再開できない。
※直前に攻撃対象となった相手ユニットに対し、攻撃を複数回行うことが可能。
○ ターンの終了
1ゲーム終了時の処理
- 相手とカードが混じっていないかどうか、よく確認すること。
- 大会自体は 1ゲームマッチであるが、次の試合に向けてデッキとサイドボードのカード交換を行う。
ルール細則
基本ルール細則
● 属性
- ユニットは属性を持ち、さまざまな場面で使用される。
- 属性は 男・女・正義・悪・巨大 の 5種類が存在し、ユニットごとに一定数の属性が記載されている。
● 移動
- それぞれのユニットは、自分のベースフィールドから相手のベースフィールドまでの間を自由に行き来できる。
- 各ユニットは、基本的にはフィールドを 1ターンに 1つずつ移動できる。
- それぞれの山札はそれぞれのベースフィールド上に存在するものとする。
● 変身
- 一部のユニットは変身することでより強固な姿となることができる。
ただし本ゲームでは最初から変身後の姿のユニットが大半を占めており、変身能力はコストの軽減が目的の能力といえる。
- 変身できるユニットは変身前と後の両方のユニットが用意されているが、変身能力自体は変身後のユニットの側が持つ能力である。
- 変身能力を持つユニットには変身前のユニット名が記載されており、その記載ユニットからのみ変身できる。
配備フェイズにフィールド上の変身前のユニットに変身後のユニットを重ねることで変身が完了する。この時コストが不要なうえ、どのフィールドにいても変身できる。
- 変身では従来の能力は受け継がれないが、精神カードは受け継ぐ(変身によってスタックの条件が狂っても、破棄されるまでは有効)。
- 変身後のユニットが破壊された場合、変身前のカードも一緒に破壊される。
- 変身前と後のユニットは別物と見なすので、場のユニークに影響しない。
- あえて変身前を経由しなくても、配置コストを払えば普通に変身後のユニットの配置できる。
● チェンジ
- 一部のユニットはチェンジの能力を持ち、いわゆるフォームチェンジを行うことができる。
- チェンジは手札とフィールド上の同名(異ナンバー)カードを、1 対 1で交換することで行われる。
- チェンジでは配置コストは支払わなくてよい。
- チェンジは以下の手順で行われる。
- 自分の配置フェイズの際に「チェンジ」を宣言する。
- 場に存在する対象のチェンジ前のユニットを手札に戻す。
- 手札の同名のユニットを対象が配置されていたフィールドに再配置する。
- チェンジの際にスタックされていた精神カードなどは、そのまま引き継ぐ。
● 搭載
- 一部のユニットは輸送用の乗り物として搭載能力を持ち、他のユニットを内部に搭載できる。また搭載されたユニットは内部から出撃することができる。
- 搭載は同一フィールドにいる自分のユニット間で行われ、搭載能力を持つ(輸送側)ユニットの下へ搭載される(収納側の)ユニットが移動することで行われる。
- 搭載・出撃は自身の移動フェイズに任意に行える。ただし収納側の今ターンでの移動は搭載・出撃することで完了する。
- 1体の輸送側ユニットに何体でもユニットを搭載することができる(ただし指定されたユニットしか搭載できない輸送ユニットも存在する)。
- 巨大属性のユニットを搭載することはできない。
- 搭載されるユニットにスタックしていた精神カードはすべて破棄される。
- 輸送側ユニットの移動に伴い、搭載されているユニットも一緒に運ばれる。
- 輸送側ユニットが破壊された場合、搭載されているユニットはその瞬間に現存するフィールドに新たに出撃した扱いで場に配置される(要するに脱出する)。
- 搭載されているユニットは場に存在しないものとして扱われる(維持コスト不要で、攻撃などの対象にならない)。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ ユニットカード (配置コストが必要)
- ヒーローや悪の戦闘員および巨大兵器などのさまざまな戦力。場にユニットとして配置される。
- 攻撃力、HPを持ち、プレイヤーの武器/盾となる。
- HP以上のダメージを負った場合に破壊される。このダメージはターン終了時に初期化される。
○ フィールドカード (配置コストが必要)
- 移動要塞や不思議時空など、戦いの舞台となる場所。
- いずれかのフィールドに配置して、そのフィールド全体に影響を及ぼす。
- 配置できるフィールドは各カードごとに異なる(通常は自分側のフィールドいずれか)。
- その時点で自分のユニットが存在するフィールドにのみ配置できる。配置後はユニットがいなくても問題ない。
- 各フィールドには1枚のフィールドカードしか配置できず、新しく配置した場合従来のフィールドカードは墓場へ送られる。
● 永続・瞬間的に使用するカード
○ 精神カード (使用コストが必要)
- 通常以上の力を引き出す、ヒーローたちの底力。
- 場のユニットに付けて配置(スタック)しユニットの能力扱いで使用する方法と、手札から直接使用する方法の二通りの使い方を持つ。
- 配置にはコストは存在せず、必要となった時に使用コストを支払う。
- それぞれのユニットに付けられる精神カードの名称が記載されており、一致するカードのみをユニットに付ける形で配置できる。
- 1体のユニットにつき精神カードは 1枚だけ付けることができる。
- 使用する際にスタックしているか手札から直接使用するかで、使用後の処理が異なる。
- スタックしている場合: 使用後に精神カードを横向きにする(復帰フェイズにカードを起こすまでは再び使用できない)。
- 手札から使用する場合: 使用後に精神カードを破壊する。手札から使用できるのは 1ターンに 1枚まで。
● 瞬間的に使用するカード
○ 作戦カード (使用コストが必要)
場の構成
BASE | 相手ベースフィールド |
BACK | 相手バトルフィールド(バック) |
FRONT | 相手バトルフィールド(フロント) |
FRONT | 自分バトルフィールド(フロント) |
BACK | 自分バトルフィールド(バック) |
BASE | 自分ベースフィールド |
- 永続カードは共用のフィールドという空間に存在する。
- フィールドはそれぞれのフロントとバックという 2種のバトルフィールドおよびそれぞれのベースフィールドに大別される(上図はフィールドの構成図)。
ただし自分と相手の区分けは便宜上の物で、ニュアンスとしては縦に 6マス一直線の共用フィールドの両端にそれぞれの本陣が存在する形となる。
- それぞれのベースフィールドは自身が存在する本拠地に相当し、それぞれのカードはこの場所に配置される。
フィールドとはニュアンスが異なるデッキ(山札)も、戦闘においてはベースフィールド上に存在するものとして扱われる。
- それぞれのユニットは各フィールドを任意で前後に移動することができる(相手のベースフィールドにも移動できる)。
- 各フィールドは 1フィールド 1射程相当の距離を持ち、それぞれのユニットは射程範囲の相手を攻撃することができる。
ただし自分よりも後ろ(手前側)フィールドにいる相手ユニットに対しては攻撃ができない(射程は自分から前方に対してのみ有効となる)。
- ユニット破壊時や、精神カードの使用後のカードは墓場という空間に表向きで集められる。
- 各種コストの支払いや本体が受けたダメージは捨山という空間に裏向きの状態で集められる。
- 墓場と捨山は似ているが、両者は厳密に区別される。
商品情報
● メーカー: バンダイ
○ 発売開始: 1999年5月
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
|
スクランブルデュエル
| 1999/5
| 194
| スターター(60/1300)、ブースター(10/314)
|
スクランブルデュエル2 新たなる戦場
| 1999/5
| 108
| ブースター(10/314)
|
Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
◆ Back ◆