ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『サイバレックス』のルール解説。
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サイバレックス
Last Update 2002/10/23 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
2人対戦による勝ち抜き戦。プレイヤーは格闘チームのオーナーとなり、雇った選手を率いて相手選手を打ち倒し、チームに勝利をもたらす。
● 原作
オリジナル作品。
● 世界設定
今から約100年後の世界、ユーロポリスを中心に人々を熱狂させる命を賭けた格闘技パワークラッシュ。
オーナーであるあなたは世界中から集めた選りすぐりの選手たちをチャンピオンにすることができるだろうか? そして一攫千金の夢を果たすことは…
● 本ゲームについて
今やSFの1ジャンルとして定着した感のあるサイバーパンクの世界をそのまま形したら、まさにこのゲームになるのでしょう。
目まぐるしく変わる攻守、息を付かせぬ素早い展開。嗚呼、これで初版の封入事故さえ無かったら…
まさに事実は小説より奇なり。そろそろ入手も困難になり始めています。オリジナリティ溢れる独特のテイストを是非あなたも味わってみてください。
基本構成
勝利条件
- 以下の勝利条件を満たした上で、勝利ポイント(後述)が相手より高いこと。
- 相手の選手を3体以上死亡/退場させる(合体選手は分離時の人数で計算)。
- 相手のロボ・クラッシャーを1体でも破壊する。
- 時間切れにより、得点計算による判定に持ち込む(トーナメントルール)。
事前準備
※対戦相手と共用するユニバーサルデッキと、プレイヤーが個別に使用するプライベートデッキ&キャラクターを用意する必要がある。
● ユニバーサルデッキ(2人で共用するゲームカード)
- デッキ枚数: 80枚ちょうど。
- 構築条件:
スターターに付属のパワーカードをそのまま使用すること(構成を変えてはならない)。
● プライベートデッキ(1人分のゲームカード、ただし必須ではない)
- デッキ枚数: 無制限。0枚でも構わない。
- 構築条件:
追加パワーカードのみで構成されていること。
● キャラクター(1人分の補助デッキ)
- デッキ枚数: 3 ~ 5枚(合体選手は合体前/後のカードとも枚数に含む)。
- 構築条件:
キャラクターカードのみで構成されていること。
キャラクター名単位でユニークであること。
星の合計が10以内であること(各キャラクターの星については、後述のエラッタも参照すること)。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 大会時においてはプライベートデッキ10枚まで、キャラクターの予備を2枚まで。
○ ダメージカウンター: スターター付属の物。カウンター1つにつき 赤:10点、緑:5点、青:1点のダメージを表わす。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ: 考慮不要。
- 勝利ポイント: 考慮不要。
- 開始手札: 選手のHOLD値の枚数(ユニバーサルデッキから引く)。上限も同じ。
- 先攻の決定: 選手のSPEED値が速いほうが先攻(同じ値なら協議の上決定)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し。
その他構成
● 基本構成細則
- カードの行動表現: 特に無し(プレイベートデッキのドロー表示のみ存在)。
- ディスカード: 無し(代わりにキャラクターごとの手札最大値が存在)。
- ライブラリアウト: 無し(ユニバーサルは再使用、プライベートは使い切り)。
- 3人以上でのプレイ: 未想定。
- 召喚酔い: 考慮不要。
- 手番を跨ぐコスト蓄積: 無し(蓄積コストの概念が存在しない)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 有り。
- ユニーク処理: 無し。
ゲームの流れ
開始準備
ユニバーサルデッキとそれぞれのプライベートデッキ(用意している場合のみ)をシャッフルする。
任意の選手1人を場に配置する。
それぞれ自分の選手のHOLD値の枚数のカードをユニバーサルデッキから引く。
選手のSPEED値より、先攻・後攻を決定する。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ 退場フェイズ
任意で自分の選手を退場(リタイア)する。
○ 出場フェイズ
ドリーネにどちらかの選手がいない場合、いない側のプレイヤーは次の選手をドリーネに出す。今ターンはここで打ち切り。
選手を出したプレイヤーは、開始時同様にユニバーサルデッキより手札を準備し、新選手と相手選手とで先攻の決定を行う。
先攻になったプレイヤーは新たにターンを開始する。
○ ドローフェイズ
選手のDROW値の限界かつHOLD値の限界の間の枚数で、ユニバーサルデッキ/プライベートデッキのどちらか1方からカードを引く。
この際に、前の自ターンにプライベートデッキから引いていた場合は、次に引く時は必ずユニバーサルデッキから引くこと(デッキを横にするなどして相手にわかるようにする)。
前の自ターンにユニバーサルデッキから引いていた場合には、どちらのデッキから引いてもかまわない。
ウェイト中の選手の正体を任意で明かすことができる。
○ ディスプレイフェイズ
任意で手札からカードを好きな枚数だけ捨てる。
○ アタックフェイズ
任意で戦闘(攻撃を仕掛ける)する。
各戦闘の処理
▽ 攻撃側の行動
- 手札から任意枚数の攻撃、チャージカードを出す。カードは同一の系統で、選手が使用可能なものであること
(系統のレベルの使用可能判断はそれぞれのカードごとに行なう。合算しない)。
- 攻撃と同一系統のディスプレイされているチャージカードは、使用者の意志に関わらず勝手に使用される。
- DP(ダメージポイント:打撃力)を算定する。算定方法は順に以下のとおり。
- 攻撃カードの打撃力の合計
- チャージによる修正
- 選手ごとの特殊ボーナス(任意使用)
- カードに特殊効果がある場合の処理
▽ 防御側の行動
攻撃された場合、防御側は攻撃を防御するか、攻撃を切り返すか(あるいは素で受ける)を選択する。
- 防御する場合:
手札の防御カードでGP(ガードポイント:防御力)を作り出し、相手のDPをGP分減少する(GPがDPを上回ってもDPが0になるだけ)。
防御カードは、選手が使用できるものなら、系統がばらばらであってもかまわない。
ディスプレイされている防御カードは、手札のカードに優先して勝手に発動する。
- 切り返しをする場合:
攻撃側と同様の方法により反撃力を作り出す。
反撃力は同一系統の攻撃、チャージカードである必要があるが、相手のDPと同じ系統にする必要はない。
ダメージポイントと反撃力の大小の差によって、以下の処理を行う。
- DP ≧ 反撃力: DPが直接防御側へのダメージとなる。
- DP < 反撃力: 今度は防御側が攻撃側として攻守の立場が入れ替わる。
DP + 反撃力を、「新DP」として、新しい防御側が“防御側の行動”を行う(ここでも切り返しの系統は、DP、新DPと違って構わない)。
- ダメージを素で受ける場合:
DPが直接防御側へのダメージとなる。
▽ ダメージの算定
- 上記の処理を繰り返し、最終的にどちらかの選手がダメージを受けたら、ダメージを表わすためにダメージカウンターをその選手にのせる。
- ダメージは、選手がリタイア/死亡するまで累積し、累積ダメージが選手のスタミナを超えた場合、その選手は死亡する。
▽ 戦闘後の処理
- 選手が死亡したばあい、キャラクターカードをリタイアブースへ送り、その選手用にディスプレイしてあったカードすべてを場から取り除く。
- ゲーム終了時の勝利ポイント計算のために、誰が誰を死亡させたのかは控えておくこと。
- 使用したパワーカードは、それぞれの捨て場に送る。
○ エンド
「パス」と宣言する。宣言によってターン終了。
1ゲーム終了時の処理
○ 勝利ポイント計算
以下方法にしたがって勝利ポイントの計算を行なう。
- そのゲームに勝利した場合: +1点
- 出場選手の(選手)レベル以上の相手を倒した: 倒した選手1人につき +1点(出場選手の生死を問わない、ただし相打ちの場合は計算しない)。
基本の勝利条件(前述)を満たし、勝利ポイントの上でも相手に勝利した場合に初めて完全な勝利となる。
※双方が部分的な勝利を満たした場合は引き分けとなる。
○ 次ゲームの対応
通常の大会では3セットマッチで、1ゲームごとに直前の試合に負けたプレイヤーのみ任意でプライベートデッキとキャラクターの交換を行う。
プライベートデッキ: 10枚以内の範囲でデッキと交換カードとの交換が可能。
キャラクター: 2枚(2人)以内で選手と交換カードとの交換が可能。
ルール細則
基本ルール細則
● ディスプレイ
- 一部のパワーカードには、「ディスプレイOK」と書かれたカードがある。
このカードは通常のパワーカードと同じように使うだけでなく、あらかじめ場に出しておいて、手札上限には影響されず戦闘時に使用できる。
- 場には種類、枚数を問わず好きなだけ出すことができる。
- ディスプレイしてあるカードを使用可能な状況が発生した場合、ディスプレイされたカードは無条件に効果を発揮する。
- 1度使用されたディスプレイカードは、手札から使用したパワーカードと同じように場から取り除く。
● (選手の)レベル
- 選手はキャラクターごとに階級分けされており、勝利ポイントの計算時に影響を及ぼす。
- 対戦キャラクターよりも格下の選手を倒しても勝利ポイントは得られない。
- キャラクターレベルは、強い順に以下の通り。
- タイタン
- テラ
- ギガ
- メガ
- ノーマル & ロボクラッシャー
● 系統と(系統の)レベル
- 選手の使用できる技にはいくつかの系統、及び系統のレベルが有り、キャラクターごとに使用できる系統と、系統ごとの使用可能レベルが設定されている。
- ある系統のパワーカードを使用するには、選手であるキャラクターの使用可能系統レベルがパワーカードのレベル以上であることが必要とされる。
- 系統の種類は以下の通り。
- 青: 武術系統
- 水色: 白刃系統
- 赤: 火炎系統
- 桃色: 電撃系統
- 緑: 精神系統
- 黄緑: 光線系統
- 灰色: 通常戦闘系統
※ルール改定に伴い、“精神系統”の技についても、他系統の技との同時使用はできなくなっている。
● ウェイト中選手の特殊能力
- 一部の選手はウェイト中の状態でゲームに影響を及ぼすことができる。
- 自分ターンドローフェイズ中において能力の有無に関わらず任意でウェイト中のキャラクターを表にできる。
- あくまでウェイト中の行動ゆえ、正体を明かしても攻撃目標や効果の直接対象にはならない。
- 正体をあらわしたウェイト中の選手は、自分の持つウェイト中に使用できる能力を使用することができる(能力の大半はゲーム中1回しか使用できないことに注意)。
● 合体
- 選手の中には仲間との合体により、能力を飛躍的に強化できる者がいる。
- ゲーム開始前の選手決定時に、合体する前の選手と合体後の選手を対戦メンバーに選択しておく(人数の都合上、現在のところ2組の合体選手を組み込むことはできない)。
なお、2重計算になるため合体後選手の星の数は無いものと見なす。
- 合体する選手が1人でもリタイア/死亡している場合、合体できない。
- 合体する選手のうち、だれか1人がドリーネにいる場合のみ合体が可能。
- まず合体を宣言した後、ウェイト中の残りの合体選手全員の正体を明かす。そしてドリーネの選手を合体後の選手と取り替える。
合体前の選手はそれとわかるように脇にどけておく(この時点では合体前選手はリタイアも死亡もしていない)。
- 合体後選手は、合体前選手のダメージをすべて引き継ぐ。合体時点でダメージ合計がスタミナ値を超えていれば即死亡したと見なす。
- 合体後選手がリタイア/死亡した場合、それは合体前の選手が全員リタイア/死亡したと見なす。
- 1度合体したら、ゲーム中に分離することはできない。
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ キャラクターカード(コスト不要)
- 勝ち抜き戦を戦い抜く選手。大半が武装したクローン&サイボーク選手である。
- 手札のドロー枚数や最大値を含むほとんどの情報がここに記述されている。
- ダメージはキャラクターがリタイア/死亡するまで累積していき、スタミナ以上のダメージを負った場合に死亡する。
※ ロボ・クラッシャー
- 人間に似せた? ロボット選手。通常星4つ&ノーマルクラス扱いとする。
- ロボットの使用は物語上では反則行為とされるため、勝ってる間は問題ないが、もし倒された場合はロボットであることがバレたと見なし、使用プレイヤーの負けとなる(イラストは人間に偽装前の状態か?)。
※ スペシャルカード版キャラクター
- オリジナル(に限りなく近いクローン)選手。ちなみに通常の選手は、彼等から作られた量産型クローンに過ぎない。
- ゲーム上ではスタミナにボーナスがつく以外は普通のキャラクターと同様に使用可能(合体時にごちゃ混ぜでも問題なし)。
● 状況により変化するカード
○ パワーカード/追加パワーカード(瞬間/永続使用、コスト不要、使用条件有り)
- キャラクターが使用するさまざまな技。パワーカードはユニバーサル、追加パワーカードはプライベートデッキに投入される。
- デッキの状態、及び捨てる場所では区別されているが、ゲーム中で使用する間はパワーカードと追加パワーカードは全く同一のカードと見なす。
- パワーカードには7種の系統と1 ~ 4の系統レベルがあり、使用選手が使用するパワーカードと同じ系統でパワーカード以上の系統レベルを所有する時初めてそのパワーカードが使用できる
(パワーカードを複数使用する場合の系統レベルの確認は、合算せず個別のカードごとに行なう)。
- 一部の例外を除き、同一系統のカードを同時に使用することで威力を増強できる。
- 使用タイミングにより、以下のように区別される。
- 攻撃カード(矢印マーク): 攻撃技(反撃技)。
- 防御カード(逆矢印マーク): 防御技。
- チャージカード(丸マーク): 力を溜めて次の技の威力を増強させる。
○ 地形カード(コスト不要)
- ディスプレイすることで使用できる、特殊な追加パワーカード。
- ディスプレイOKな追加パワーカードとして扱う。
- ディスプレイしていない地形は使用できない。
- 双方場に1枚ずつ出すことができる。
- プライベートデッキに同じ地形を何枚入れてもよいが、1種類の地形はゲーム中1回しか使用することができない。
- 飛行している選手には何ら影響を与えない。
- 地形はドリーネに残り続け、以下の場合にのみ撤去さる。
- 攻撃で使用したとき
- 切り返しで使用したとき
- 特殊能力の回避、離脱、幻惑、回収を使用したとき
- 自分の選手がリタイアしたとき
- 自分の選手が死亡したとき
- 別の地形をディスプレイしたとき
場の構成
- 選手たちはクラッシュ会場とおぼしき空間に存在する。そのうち現在戦っている選手は競技場(ドリーネ)に入場し、リタイヤ及び死亡した選手はリタイア・ブースに集められる。
- パワーカードの使用後はユニバーサル捨て場に、追加パワーカードの使用後はプライベート捨て場に集められる。
パワーカードはユニバーサルデッキとして再使用するので、両者を混ぜたりしないよう注意すること。
トーナメントルールについて
※本来TCGカタログはルールの解説を目的としているため、トーナメントルールについてはある程度までしか言及しないのが原則である。
ただし、本ゲームについてはサポートが事実上打ち切られた状態であるため、以下にトーナメントルールの詳細部についてを特別に記載する。
● キャラクターのポイントのエラッタ
- ギガ・ホーン・プラス: 6ポイント
- アルガード: 6ポイント
- キショニフ: 5ポイント
- GR-100S:5ポイント
- BR-150: 5ポイント
- GR-100S/ BR-150以外のロボット: 4ポイント
- ジャクスン・ジョーカー: 4ポイント
- ユーリー: 2ポイント
● 3レベル精神技“TERROR”に関する制限
- プライベートデッキに何枚もTERRORを入れてもかまわないが、効果を発揮するのは、各プレイヤー1ゲームにつき1枚までとする。
● 地形カードに関する制限
- プライベートデッキに何枚も地形カードを入れてもかまわないが、効果を発揮するのは、各地形につき1枚までとする。
● プレイタイムに関する制限
- ユニバーサルデッキが3周(3回デッキアウト)した時点で、現在行われているゲームは無条件に終了となる。
商品情報
● メーカー: はなやま玩具
○ 発売開始: 1997年11月
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
|
ユーロポリス編
| 1997/11
| ?
| スターター(90/1300)、ブースター(12/350)
|
ヴァンガード編
| 1998/9
| ?
| ブースター(12/350)
|
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