ジャガーノーツのTCGカタログ 番外編。『カードの王様』の劇中トレーディングカードゲーム『CHAOS』のルール解説。 |
Last Update 2001/8/5 文責:DOP
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● ゲームタイプ
2人対戦によるライフ破壊戦。プレイヤーは神々の長か魔界の帝王(あるいはそれらの力を借りる魔術師)となり、仲間である神話世界の住人の力によって相手の野望を打ち砕く。
● 原作
『カードの王様』(白泉社 花とゆめコミックス)の作品世界内部でのオリジナル作品。
● 世界設定
ゼウスに率いられた、ギリシャ神話を中心とした有り有りファンタジー世界、以上。
いや、CHAOS以前に『カードの王様』の説明がいりますね。
高校生水見まなみは、従兄弟の風間保が夢中になっているTCG『CHAOS』を始めてみることになった。
ところが、初めて購入した初心者セットには、偶然にも最も稀少なカードの1つ《大魔道士サガン》が封入されていたのだ。
この日を境に、彼女は貴重なカードである《大魔道士サガン》を欲する街中のデュエリストと対決する宿命を背負ってしまったのだ。
果たして彼女は“カードの王様”サガンを守りきることができるか?
……個人的には、CHAOSと一緒に陳列されていた『エルフ・コレクション』の方がはるかに気になるんですけど(笑)。
● 本ゲームについて
別冊花とゆめ誌上にて連載されている『カードの王様』の作品中に登場するゲームです。
原作自体TCG少女漫画という非常に珍しい存在でありますが、別に作者自身はTCGに精通している訳じゃないようで、正直“はやりもん”をネタにしたという面は否めません。
とはいえ、わからないなりに努力している点は非常に評価できますし、むしろ現実のプレイヤーとしての視点が無い分、他には無い独特な味わいを醸し出しています
(結果的に悪いマナーを啓蒙しちゃっているあたりは、まあご愛敬ですね)。
本ページでは現在発売されている単行本の情報によりルールを再構築しているのですが、正直なところ、我々の調査レベルではルールの整合性がまったく取れませんでした。 実際、劇中で「ポーカーと同じ」と言っているのは、あくまで“役”の部分の話であり、システム的には最初期の『マジック&ウィザーズ』に非常に類似したシステムのようです (ただし、このシステムへ無配慮に役の概念を持ち込むと、いきおいルールが崩壊するのですが……)。 まあ、連載の進展でルールの根幹が変化している以上、これからも正確なルールはどうにもならないので、さまざまな解釈(例えば手札を常時5枚で維持するなど)ができる中から、 今回はもっとも無難であろうと思われるルールでまとめてあります。
※当然ながら今後の連載いかんでは、ここで考察したルールは全て無意味な物となります。あしからず。
● デッキ(1人分のゲームカード)
● その他準備
○ ゲーム間交換カード :無し
● 開始時基本設定
● 基本構成細則
それぞれのデッキをシャッフルする。
それぞれ自分のデッキより手札を5枚引く。
それぞれが天使軍側と悪魔軍側のどちらの陣営であるかを決定する。
先攻・後攻を決定する(おそらくは悪魔軍側が先攻であると思われる)。
互いに以下の手番を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
※同一の手番内で交互に攻撃するため、ターンプレイヤーの概念は無いものと思われるが、
それぞれの攻撃が同時ではなく交互に実施しているため、先攻・後攻の概念は存在しているらしい。
それぞれ手札から任意枚数のカードを捨て札にする。手札が6枚以上の場合は、必ず5枚以下になるまで捨てること。
それぞれ手札が5枚になるように、デッキからカードを補充する(デッキが尽きた場合、その都度捨て札をシャッフルし、デッキとして再使用する)。
※カードチェンジと戦闘は二者択一の可能性もあるが、今回は同一ターン内の別フェイズとして解釈する。
先攻側より、後述する戦闘を交互に繰り返す。
戦闘(攻撃)は任意であるためパスすることもでき、双方がパスするか、いずれかが防御不能な攻撃を実行した時点で戦闘が終了する。
全ての戦闘が終了した時点で、各戦闘のダメージを合算して最終的な攻撃ダメージを算出し、それぞれ相手プレイヤーにダメージを適用する。
戦闘終了後、戦闘に使用したカードを全て捨て札とする(一部永続カードを除く)。
▽ 攻撃の宣言と実行
▽ 防御側のカードドロー
▽ 防御の実行
▽ 攻撃成立の判定
※初期に攻撃を攻撃で返していた描写もあるが、迂闊にその概念を組み込むとルールの整合性がとれなくなるので、 今回は個々の攻撃は独立した行動とした上で、防御はその攻撃に付随する処理の一環であるものとして解釈する。
この手番に受けたダメージの大きいほうが、次の手番での先攻となる(ダメージが同一の場合は先攻・後攻は変化しない)。
特にないが、本ゲームでは何らかの賭けを行うのが一般的なので、勝者は敗者より戦利品を受け取ること。
本ゲームにおけるカード記述は非常に少ない、いやゲームの必要レベルに達していない。
これはおそらく、カードテキスト(属性や特殊能力、特殊役など)がルールブック側にすべて記載されているからだと思われる。
劇中においての対戦では、常に専属のレフリーが存在し、かなり大きい(概算でA4サイズ300ページ以上)
ルールブックを参照しながら試合を進める描写が頻繁に現れていることより、このゲームのルールブックは、カードセットとは別個に雑誌形式で定期刊行されているものと考えられる
(ひょっとしたらルールブックとカード大全の2冊で一組の可能性もある)。
※いや、一見馬鹿馬鹿しいこの雑誌形式、実は誤植や最新エラッタへの対応が迅速に進むという点では、
非常に素晴らしいシステムといえる。現実に存在するTCGにおいても採用を考慮すべき案の一つといえる
(とはいえ、カードに載っていない“役”を、全員丸暗記していないとまともなプレイができないのはきっついなあ……)。
もっとも、この雑誌が売れなくてゲームが廃れたり、そもそも雑誌に誤植があったら台無しなのだが。
モンスターカードはそれぞれ個別の種族を持ち、各種族は天使軍側、悪魔軍側、および中立のいずれかに分類される。
カードの種族が属する陣営が、プレイヤーが選択した陣営と敵対陣営であった場合、この種族のカードで作る“役”の攻撃力が半減する
(陣営が混在している場合の攻撃力の計算方法は不明)。
また記述自体は無いが、カードはそれぞれ属性を持っており、戦闘時における“役”の作成時に使用される。
★ 基本的な役
役の名称 | 成立条件 | 攻撃力 |
---|---|---|
ワンペア | 同一カード2枚 | カードレベル * 2 |
ツーペア | ワンペア2組 | 各ワンペアの攻撃力の合計値 |
スリーカード | 同一カード3枚 | カードレベル * 3 |
フォーカード | 同一カード4枚(コンボでのみ成立) | カードレベル * 4 + 50 |
フルハウス | スリーカードの役 + ワンペアの役 | スリーカードとワンペアの攻撃力の合計 |
ストレート(注1) | 属性とレベルが同一のカード5枚 又は
種族とレベルが同一のカード5枚 |
カードレベル * 5 |
ストレートフラッシュ(注2) | ストレートに“こじつけ”が付いたもの | カードレベル * 7.5 |
注1: ポーカー等のストレートとは異なる。通常でいうところの“ストレートフラッシュ”的な意味で用いているものと思われる。
注2: なんつうかゲームとして、こじつけの度合がいくらなんでも酷くない?
※“フラッシュ”という役は存在しないはず(単属性デッキを組めば、必ずフラッシュになるため)。
※ルール的に“役の高さ”が攻撃力と全然関連がないため、高い役は目指すだけ無駄かもしれない(笑)。
というか、70枚デッキで何の苦もなくスリーカードの役を作れる彼女たちって、超人?
★ 特殊な役
役の名称 | 成立条件 | 攻撃力 |
---|---|---|
サガンのスリーカード | 適当なワンペアの役 + 大魔道士サガン | ワンペアの攻撃力 * 1.5 |
ゴルゴンの三姉妹 | メデューサ + ステノー + エウリュアレ | 120 |
死天のストレート | ストレート(詳細条件不明) + 死天使 | ストレートの攻撃力 + 150 |
四大天使(注3) | ミカエル + ガブリエル + ウリエル + ラファエル | 200(天使軍の場合) |
四魔王(注3) | ウリクス + マモン + バイモン + エギュン | 200(悪魔軍の場合) |
滅天のストレート | レベル20以上の魔物カード4枚 + 滅天使 | 250 |
死のストレートフラッシュ | 死の神タナトス + 死の女神モーリアン + 大天使ミカエル + アズラエル + 死天使 | 465 |
破壊天使 | 死天使 + 滅天使 | 200 |
双天樹 | “破壊天使” + 大魔道士サガン | 1000 |
四大魔道士 | 赤魔道士レビ + 青魔道士レム + 黒魔道士ルツ + 白魔道士ラビ | 200 |
魔道天 | “四大魔道士” + 大魔道士サガン | 1000 |
凜霊天 | “四大魔道士” + 錬金術師トウラス | 1000 |
注3: これらの役は“破壊天使”や“四大魔道士”と同格扱いなので、あるいはサガンがらみの特役が有るかもしれない。
※“ゴルゴンの三姉妹”など、役に特殊効果が付随する例も存在する。
※役とイベントが融合した物やクリスマスイベントの特役群などは、正式な役とは言いがたいのでここでは割愛とする。
○ モンスターカード(コスト不要)
○ イベントカード(コスト不要)
● メーカー・ラインナップ:
一切不明(笑)。かなりの種類があるらしい。