ジャガーノーツのTCGカタログ
PC用トレーディングカードゲーム『Zap! The Magic』のルール解説。
|
Zap! The Magic
Last Update 2006/10/14 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
対コンピュータ対戦(構造的には2人対戦)によるライフ破壊戦。プレイヤーは魔導師となり、部下であるモンスターを使役して相手を打ちのめす。
● 原作
オリジナル作品。
● 世界設定
魔法の国トライフル。ここの魔法使いたちは“タロット魔法”という魔法を使用している。
個別の呪文をタロットと呼ばれるカードに封じ、おのれの魔力を注ぎ込んでカードを使用することで、ありとあらゆる呪文を駆使することができるのだ。
● 本ゲームについて
私の知る限り、商業作品としては初めてTCGをテーマとしたコンピュータゲームです。ストーリーそのものは某魔法少女のパロディなのですが、
カード対戦や購入などTCGプレイ環境を再現している現在でも充分楽しめる作品です。ただし古い時代のゲームゆえ、処理手順に融通性が無いことを念頭においてプレイしてください。
実はいまだにクリアできておりません(汗)。よってストーリー開始時の数値をもとに説明いたします。
基本構成
勝利条件
- 相手のHPを0にする。
- 相手のデッキが尽きる(その瞬間)。
事前準備
● デッキ(1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 60枚ちょうど。
- 構築条件:
同一カードはデッキに4枚まで(ただしイエロータロットは無制限に投入可能)。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ(HP): ストーリー進行により変化(開始時20)。上限は不明(最低でも100までは有る)。
- 供給魔力(スペルコンポーネント): ストーリー進行により変化(開始時8)。
- 召喚レベル: 1レベル。以後蓄積する。
- 開始手札: 0枚。上限は5枚(各手番開始時に補充する)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し(それぞれ1手番目からカードを引く)。
その他構成
● カードの行動表現
- “USED”マーク無し: 通常状態
- “USED”マーク有り: 行動済み状態
● 基本構成細則
- ディスカード: 無し。
- ライブラリアウト: 有り(勝利条件に関係)。
- 3人以上でのプレイ: 不可能。
- 召喚酔い: 有り(配置時に行動済み状態)。
- 手番を跨ぐカード外コスト蓄積: 考慮不要(毎手番ごとに補充)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: 無し。
- モンスターの攻撃は相手モンスターを優先的に対象とするが、相手の場に通常状態のモンスターがいない場合には相手を直接攻撃できる。
ゲームの流れ
開始準備
全体の基本進行
手番と呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
※1回の手番の中で双方が手順を行う。
1回の手番の進行
○ プレイヤーカード維持ターン
- すべての行動済み状態のカードが通常状態になる。
- それぞれスペルコンポーネントに応じた魔力が補充される。
- それぞれ必要に応じてカード永続のための維持コストが自動的に支払われる。
※コンピュータ側の維持コストの支払いも行われる。
※実際の処理順序がマニュアルなどと多少異なっていることに注意すること。
○ カードドロゥターン
- それぞれの手札が5枚になるように、自分のデッキからカードを補充する。
○ プレイヤー呪文ターン
- プレイヤー側が任意で手札のカードを使用(配置)する。
○ COM呪文ターン
- コンピュータ側が任意で手札のカードを使用(配置)する。
※本作は1人用であるためプレイヤー側が常に先に処理を行うが、本来は手番プレイヤーの概念を持ち込むべきものである。
○ イニシアチブ決定
○ 戦闘
先攻から順に、任意で攻撃(後述)を行う。
攻撃はモンスター単位で行い、先攻がすべての攻撃を終了した後で後攻の行動に移る。
各攻撃の処理
▽ 攻撃対象の選択
- 攻撃に使用する通常状態のモンスターを選択する。
- 攻撃対象を選択する。
防御側(相手)の場に通常状態のモンスターがいる場合はそのモンスターのいずれかを攻撃側が選択する。
ただしモンスターがいない(あるいは攻撃側にブロック回避能力がある)場合や、防御側のすべてのモンスターが行動済み状態の場合には相手を直接対象とする。
- 攻撃側がモンスターを攻撃対象とする場合、防御側はそのモンスターで戦うか代わりに自分自身が攻撃を受けるかを選択する。
▽ カウンターアタックの使用
- 防御側は任意でカウンターアタックのカードを使用する。
▽ ダメージ適用
- 攻撃対象により以下のいずれかの処理を行う。
- モンスターを攻撃する場合: 互いにモンスターのSTの値分だけ相手モンスターのHPを減らす(HPの値が0となったモンスターは破壊される)。
- 相手を直接攻撃する場合: 攻撃モンスターのSTの値分だけ相手本体のHPを減らす。
○ プレイヤーカード破棄ターン
- それぞれ任意で手札のカードを捨てる。
- 場に残っているモンスターのHPがすべて回復する。
1ゲーム終了時の処理
特に無し。
ルール細則
基本ルール細則
● 属性とスペルコンポーネントについて
- 魔法には4種類(赤・黒・青・白)の属性が存在し、さまざまな場面で影響を及ぼす。
- 4種類の属性は4つの魔法職業(赤: ウォーロック、黒: ネクロマンサー、青: サモナー、白: ウィザード)を象徴している。
- プレイヤーはストーリー開始時に魔法職業のいずれかを選択する。この選択が自分のプレイスタイルの指針となる。
- 魔法カードの使用時には、指定された分の属性に適応したコストを支払う必要がある。
- 無属性(無色)のカードなども存在する。
- プレイヤーを含む魔法使いはスペルコンポーネントと呼ばれる魔力蓄積の上限値を持ち、各手番の開始時にそれぞれの属性ごとの上限値まで供給される。
- スペルコンポーネントは個人の力量(およびストーリー進行)によって異なる。
- スペルコンポーネントは前の手番に残っていた魔力の量に関わらず上限値まで供給される。
- 基本的に対戦中のスペルコンポーネントの上限値は一定であるが、魔法によって一時的に上限値を上げることもできる。
- ゲーム開始時のプレイヤーで上限値は合計8(自分の魔法職業の属性が3、反対属性が1、その他各2)、以後ストーリー進行に応じて上限値は変化する。
● 召喚レベルについて
- それぞれの場には召喚レベルが設定されており、モンスター召喚に影響をおよぼす。
- ストーリー全体におけるプレイヤーレベルではなく、一時的な力場に相当する概念である。
- 自分の召喚レベル以下のレベルのモンスターのみ召喚することができる。
- 対戦開始時にレベル1で始まり、イエロータロットを使用することでレベルを上げることができる。
- 各対戦ごとに発生するものであり、同一箇所で同一相手と連続して戦う場合でもその都度レベル1から開始する。
カード構成
● イエロータロットカード(コスト不要)
- 自分の場の召喚レベルを上げるためのカード。
- レベルの数値が記載されており、使用することで値分だけ召喚レベルを上げられる。
- デッキに無制限に投入することができる。
- 当然レベル1のカードよりレベル2のカードをたくさん入れるほうが有利なのだが、ストーリー進行に応じて入手できるカードなので、デッキ投入枚数はかなり制限される(レベル1のみ最初から購入できる)。
● 魔法タロットカード(コスト必要)
- さまざまな魔法を封じ込めたカード。
- 使用することにより、それぞれに込められた効果を発揮する。
- その効果により、以下のような種類がある。
○ モンスター召喚
- プレイヤーの部下となるモンスターを召喚する。
- 召喚されたモンスターは、バトルフィールドに永続する。
- モンスターはST(攻撃力)を持ち、プレイヤーの武器となる。
- HP(生命力)以上のダメージを受けた場合破壊される。このダメージは手番終了時に初期化される。
- それぞれレベルの値を持ち(最大でレベル9)、自分の場の召喚レベルがこの値以上の時に配置可能である。
- 自分の場に最大5体まで配置できる。
○ エンチャント
- モンスターや場を強化する呪文。
- 特定の対象に付ける形で永続する。
- おおまかにカードに付ける物、自分の場に付ける物、対戦環境全体に付ける物に大別される。
- 自分の場に最大5枚、各モンスターに最大3枚まで配置できる。
○ トレジャー
- カードに収納してあった魔術的な道具を取り出す呪文。
- 取り出したトレジャーはトレジャー置場に永続する(ポーションなど瞬間使用の物もある)。
- 狭義ではトレジャー置場に配置される物のみを指すが、広義(破壊呪文の対象など)では属性を持たないカード全般を指す。
- 自分の場に最大5個まで配置できる。
○ カウンター
- 相手の行動を打ち消す呪文。すべて瞬間使用。
- 相手の魔法使用時に使用するカウンターマジックと、相手の攻撃時に使用するカウンターアタックに大別される。
○ その他
- 通常魔法や攻撃呪文など、効果はさまざま。すべて瞬間使用。
場の構成
- 永続カードは、場という空間に存在する。
- 場はバトルフィールド、フィールドエンチャント置場、トレジャー置場に大別される。
- 永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は捨て札置場(画面上は非表示)という空間に集められる。
商品情報
● メーカー: エクシング/ トップキャット
○ 発売開始: 1996年9月
○ 対応環境: マイクロソフト Windows 3.1
Trading Card Game Club JUGGERNAUTS
◆ Back ◆