ジャガーノーツのTCGカタログ
トレーディングカードゲーム『ラブひなTCG』のルール解説。
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ラブひな トレーディングカードゲーム
Last Update 2001/6/22 文責:DOP
ゲーム概要
● ゲームタイプ
任意数(基本的には2人)対戦によるダメージ応酬戦。プレイヤーは女子寮の管理人代理となり、なんとか言うことを聞いてもらった女の子たちの力を頼って、相手の女子寮からの追い出しを企てる。
● 原作
TVアニメーション『ラブひな』。
講談社コミック『ラブひな』。
● 世界設定
ここはとある温泉街にある女子寮“ひなた荘”。
ある時この女子寮の管理人が世界旅行に出かけるために、一時的な管理人代行を募集したところ、集まること集まること、何人もの管理人代理がやってきてしまいました。
まあこの代理集団にまかせて管理人は旅立ってしまったのですが、さすがに管理人代理が何人もいても意味がありません。
結局は、この個性的かつわがままな住人が寄り集まったひなた荘で、もっともトラブルを解決
……いや、トラブルを耐えぬいたタフな管理人候補のみが真の管理人代理の座を勝ち取ることになるのですが、果たしてみんな、耐えられるのか?
● 本ゲームについて
TV版のラブひなを再現した作品ですが、その再現方法として先発のTCGである『アクエリアンエイジ』のシステムを流用しています。
むしろゲームとして独立した作品であると共に、アクエリアンエイジの入門用ゲームとしての存在を兼ね備えています。
よって本カタログでは、アクエリアンエイジのルール解説をそのまま流用すればOK……と思ったのに、甘かった(笑)。
ベースとなるストーリーの違いから、ルールそのものは同一であっても、ルールを的確に解説するのは結構大変。
このあたり、本作品のルールブック自体でも一括置換せずこまめに用語を修正してあるので、ところどころにアクエリアンエイジの独自用語が残っていることからも伺えますねえ。
基本構成
勝利条件
- 相手の損害置き場のカードが 10枚以上(その瞬間)。
- 相手のデッキが尽きる(ターン終了時、引けない時)。
※複数対戦の場合は全てのプレイヤーに対して勝利すること。
※本ゲームにおいては、原則的に投了は認められていない……と思う。
事前準備
● デッキ (1人分のゲームカード)
- デッキ枚数: 40 ~ 60枚。
- 構築条件: 同一カードはデッキに 4枚まで。
● その他準備
○ ゲーム間交換カード: 無し。
ゲーム開始時基本設定
● 開始時基本設定
- プレイヤーライフ: 基本的には無し。
※ただしプレイヤーへのトラブル押付けが行われる場合、デッキをライフに相当するものとして使用する。
- 損害置き場のカード: 0枚。以後蓄積する。
- 開始手札: 7枚。上限も 7枚(自ターン内に調整有り)。
- マリガン: 無し。
- ファーストドロー制限: 無し。
その他構成
● 基本構成細則
- カードの行動表現: 無し。
- ディスカード: 有り。
- ライブラリアウト: 有り(勝利条件に関係)。
- 3人以上でのプレイ: 可能。
- 召喚酔い: 無し(ただし別途住人になってもらう必要がある)。
- 手番を跨ぐコスト蓄積: 無し(ただし住人へのパワーカードがコスト蓄積であると言えなくもない)。
- 手番を跨ぐカードダメージ蓄積: 無し。
- ユニーク処理: 今のところ無し(将来的にはネームレベルキャラクターの登場もあり得る)。
- 戦闘はいずれかのプレイヤーか、自分のトラブルエリアのアクティブトラブルを対象に 1 対 1 で行われ、損害も即時解決される。
ゲームの流れ
開始準備
先行・後攻(複数対戦のときはプレイ順)を決定する。
それぞれ自分のデッキより手札を 7枚引く。
全体の基本進行
互いにターンと呼ばれる手順を繰り返し、一方が勝利条件を満たした時ゲーム終了。
ターン(自分の手番)の進行
○ ドローフェイズ
デッキからカードを 1枚引く。
○ トラブルフェイズ
・自軍テリトリー内のアクティブトラブルからの被害? を解決する。手順は以下のとおり。
・自分のトラブルエリアにあるアクティブトラブルのうち、アグレッシブの能力をもつカード(▼マーク付きのカード: 実は全部(笑))がターンプレイヤー自身に対して押付け(後述)を行う。
・押付けの解決は白、赤、青、緑、黒の順でそれぞれ個別に解決する(例外的に、黒の次に“無所属”の色勢力が来る場合もある)。
・このフェイズでは、任意で全プレイヤーがファストカード・エフェクトを使用可能である。
○ メインフェイズ
ゲームのほとんどの基本行動がとれる。任意で実行できるのは以下のとおり。
- トラブルカードをトラブルエリアに配置する。
- ブレイクカードをトラブル/ブレイクカードに配置する。
- ファストカードを使う(相手も使用可能)。
- エフェクトを使う(相手も使用可能)。
- 相手の行動に対するレスポンスを行う(相手も使用可能)。
- 押付け宣言をして責任回避(わかりやすくいえば戦闘)を行う(後述、任意回数可能)。
押付けによる責任回避? (いわゆる戦闘: 押付け ~ トラブル解決の流れ)の処理
▲ プレイヤーの味方となった住人が押付けを行う場合
▽ 押付け(いわゆるアタック)
- パワーカードがついている住人から押付けを行う者を選択する。
- 押付け参加コストとして、その住人の持っているパワーカード1枚を支払う。
- トラブルの押付け先となる対象を選ぶ。基本的にはいずれかの相手プレイヤーを選ぶのだが、自分のトラブルエリアにいるアクティブトラブルも選択可能である。
▽ 協力者による代理解決(いわゆるガード)
- 押付けの対象とされたプレイヤーは、自分がトラブルの被害をうけるか、自分の代わりに自分になついた住人に解決を代行させるか選択する。
- 代理解決できるのは、原則パワーカードがついた住人か、解決コストが不要なインターセプト能力を持っている住人のみである。
- 解決コストとして、その住人のパワーカード1枚を支払う(例外あり)。
- アクティブトラブルは無条件で自力解決を行う。パワーカードの増減は起こらない。
▽ トラブル解決(いわゆるバトル)
a. プレイヤーがトラブルの被害を受ける場合:
- 相手の被害度と精神被害度の合計値(ダメージ)分の値と同数のカードを、デッキからダメージとしてめくる。
- めくったカードがトラブルカードだった場合、このカードは損害とは見なされずそのまま受けたプレイヤーのトラブルエリアへ送られ、対象勢力の新たなアクティブトラブルとなる。
- めくったカードがトラブルカード以外(または、今は無いけど既に場に存在するネームレベルキャラクター)の場合、プレイヤーの損害として損害置き場へ送られる。
b. 住人がトラブルの被害を受ける場合:
- 基本的に損害の判定は、押付け側と代理解決側とで同時に行う。
- 互いの修正被害度(損害)と迷惑度を比較する。ダメージが相手の迷惑度を超えた場合、そのトラブル/住人は破壊される。
- 互いの精神被害度での損害判定を行う(通常のトラブル解決と判定タイミングは同じ)。精神的なトラブルの場合は、住人とアクティブトラブルで処理が異なる。
- b1.住人が精神被害を受ける場合:
- 相手の修正精神被害度(損害)分のパワーカードを住人から破棄する。パワーカード以上の損害を受けた場合は、その住人は破壊される。
- b2.アクティブトラブルが精神被害を受ける場合:
- 相手の修正精神被害度とアクティブトラブルの迷惑度を比較する。損害が迷惑度を超えた場合、アクティブトラブルは破壊される。
トラブルの損害判定が終了した時点で、トラブル/住人の受けた損害は0に戻る。
▲ アクティブトラブルが攻撃を行う場合
▽ 押付け
- アクティブキャラクターがプレイヤーに対してアタックを行なう場合には、パワーカードの支払いは発生せず、自動的にアタックが行われる。
▽ 代理解決&トラブル解決
- 住人によるトラブル押付けと同様に、処理を解決する。
※損害処理により、各勢力のアクティブトラブルが変化するが、既に処理を解決した色のトラブルについては再判定しない。
また、これからトラブル押付けの解決を行う色については、判定する時点でのアクティブトラブルによってトラブルの押付け処理を行うか否かを判定する
……って、みんなアクティブスキルを持っているんで必ず実行されるんだけどね(笑)。
○ パワーカードフェイズ
・任意で手札から(支配しているチャージ能力数値分まではデッキからも)パワーカードを支払うことができる。
・支払う対象は、任意の自分の住人および自分のトラブルエリアのアクティブトラブルである。
・付けられるパワーカードは、対象カードたちの迷惑度の値分までである。
・パワーカードを付け終わった時点で、迷惑度0のアクティブトラブルおよび精神力と同数のパワーカードを付けたアクティブトラブルは自分の住人となる。
・住人となったアクティブトラブルは、トラブルエリアから住人エリアに移動する。
※1度住人になってもらえばパワーカードが無くなっても、その住人が倒されるか住人の支配権(というか信頼の絆)が移動しない限りは、住人として存在し続けたままの状態である。
また、住人は色ごとに群れることはなくなり、各個独立して存在する。
○ ディスカードフェイズ
手札が上限を超えている場合、上限に収まるようにカードを捨てる。
1ゲーム終了時の処理
特になし。
ルール細則
基本ルール細則
● コストとファクター
トラブルカード以外のカードの能力を使用する際には、指定された分のパワーカードを「コスト」として支払う必要がある。またコストの支払いとは別に、一定値の「ファクター」という要素が必要となる。
- 自分になついている住人に付いている任意のパワーカードを1枚捨て札にすることで、1コストが発生する。
- 通常のコスト支払いでは、複数の住人から別個にパワーカードを使用できる。
- 住人のコストを必要とするエフェクトや、トラブル押付け/代理解決の宣言のコストは、能力を使用する住人自身のパワーカードから支払う必要がある。
- ファクターとは、自分の味方についている(つまり支配している)住人に記載された 5色(白・赤・青・緑・黒)のうち、そのプレイヤーがどれだけの数を味方につけているかを示す物である。
- ファクターの値は支配した色ごとのキャラクター(最新の色勢力状態)の数で判断する。
- ファクター自体は消費されるものではない。住人エリアに指定色の住人が必要数存在しているだけで条件が満たされる。
- 便宜上5色のいずれにも属さない“色勢力無し”という状態も、色として例外的に扱われる場合もある。
● 色勢力とアクティブトラブル
トラブルカードは、配置した段階ではプレイヤーに敵対する存在である。5つの色の系統に分けられるトラブルとして、各色勢力ごとにトラブルのまとまりとなって存在している。
この中で各色勢力の1番上にいるトラブルが、その系統の当面の問題点であり、問題解決の糸口となる“アクティブトラブル”となる。
- 新しくトラブルカードを配置する場合は、5色ごとに分けた集団の1番上にカードを配置する。この行為によりアクティブトラブルが変化する
- アクティブトラブルがトラブルエリアから離れた場合、その次の1番上にいるトラブルがアクティブトラブルとなる。
- アクティブトラブルは、必ずしも必須の存在なわけではない。とある色のトラブルカードが1枚も無ければ、当然その色のアクティブトラブルは存在しない。
だが1枚でもあれば、その1枚が無条件にアクティブトラブルとなる。
● ブレイク
そもそもトラブルは、ひなた荘の住居者と管理人代理との意思の疎通に問題が有ることにより発生するので、説得を続ければいつかは問題も氷解するはずである。
このトラブルが崩れたうえに、“雨降って地固まる”のことわざ通り住人との強固な信頼を獲得した状態をブレイク(問題解決)と呼ぶ……で、いいんだよなあ(笑)。
アクエリアンエイジと“ブレイク”という用語名称自体は同じだけど、多分意味合いは違う気がするよ。
- ブレイクは場に有るトラブル/住人の上にブレイクカードを重ねて配置することで表現される(カード構成のブレイクカードの項参照)。
- 相手の住人をブレイクした場合には、相手の対象住人の構成カードはすべて捨て札となり、自分の場にはブレイクカードのみを新たな住人として配置する
(ストーリー的にのみ住人{の信頼の絆}が移動したと見なす。つまり、プレイヤー間での物理的なカード移動は、一切発生しない)。
- 相手の住人のブレイクにおいては、ブレイク以前の状態と言う物が存在しないため、
(今は無いけど、例えばアクエリの“秋緒”のような)一部カードの能力が制限されることになることに注意。
● 精神被害度
カードの中には、被害度の数値が括弧記号で括られているカードがある。この値は精神被害度とよばれ、通常の被害度とは異なる物として扱う。
- 被害度と精神被害度は並立して存在する物であり、実際にはトラブル/ブレイクカードは3つの数値欄の中に4つの数値を持っていることになる。
- 被害度しか表記されていない場合、そのキャラクターの精神被害度は0、精神被害度のみの表記なら、キャラクターの被害度は0となる。
- 能力値の増減処理により、1体のキャラクターが被害度と精神被害度の両方を持つ場合が有る。このキャラクターがトラブルの押付けに参加する場合、2種類のトラブル解決処理を同時に行う。
- 精神被害の場合、アクティブトラブルと住人では処理が異なる。これは、アクティブトラブルが意志を持たず野放図に暴れ回っているのに対し、
住人のほうは、プレイヤーに対しての好意から、自発的に活動している存在だからである……なんかアクエリと逆の説明をしている気もするが、まあいいか(笑)。
● 特殊能力
トラブル/住人はそれぞれ独自の能力を有する場合があるが、これらはすべて特殊能力と呼ばれ、大別するとスキル、エフェクト、それ以外に分類される。
これらは似ていても別々の存在ゆえ、無効化や打消しの際には注意すること。
- スキル: 本ゲームにおける基本技能。具体的には以下の項目(詳細説明は割愛)。
▼(アグレッシブ、全てのトラブルカードが備えている)、イニシアチブ、インターセプト、チャージ±X、ドロー±X、ペネトレイト
- エフェクト: その都度パワーカードをコストとして要求する効果
- スキルでもエフェクトでもない能力: 上記以外の恒常的な効果
カード構成
● 永続的に場に残るカード
○ トラブルカード (コスト不要)
- 女子寮の女の子たちが起こすさまざまなトラブル。原因は主にプレイヤー自身(笑)。
- 通常はそれぞれの色系統単位で暴走しているのだが、プレイヤーの献身的な説得? (パワーカードでご機嫌をとる)で、プレイヤーの信頼すべき協力者となる。
- 迷惑度、被害度、精神被害度、混乱度を持つ。
- 混乱度以上のダメージ(精神被害の時は迷惑度/パワー以上の損害)を受けることで破壊される。この損害は1回のトラブル押付けごとに初期化される。
- アクエリアンエイジにおける“キャラクターカード”に相当。ただ、キャラクターの定義自体はアクエリと微妙に異なることに注意。
○ ブレイクカード (コスト必要)
- トラブルを解決(ブレイク)して強力な住人となった状態。本ゲームでは、このカードが場に配置された状態を“キャラクター”と呼んでいる。
- ブレイクの条件として対象トラブル/住人が、使用するブレイクカードの示す個人と、同じ人物を示すアイコンを持っている必要が有る。
- ブレイクの対象とするには、自分のテリトリー内のトラブル/住人か、パワーカードの付いていない住人(誰のテリトリーに存在していても対象と成りうる)でなければならない。
- ブレイク後は従来のトラブル/住人の上に乗せ、以後一番上に乗せたブレイクカードの能力をそれ以後の住人の能力として扱う。
- ブレイクカードは条件が許す限り何枚でも重ねて使用可能である。
- アクエリアンエイジとカード種類の名称は同じだが、作品的な意味では“ブレイク”違いな気がする。
● 瞬間的に使用するカード
○ ファストカード (コスト必要)
- トラブル/メインフェイズであればいつでも使用可能な必殺技のたぐい。
場の構成
住人 | 敵陣住人エリア |
トラブル | 敵陣トラブルエリア |
|
トラブル | 自陣トラブルエリア |
住人 | 自陣住人エリア |
- 永続カードは、プレイヤーごとのテリトリーという空間に存在する。
- テリトリーは大きくトラブルエリアと住人エリアに分けられている(上図は 2人対戦時の構成図)。
- トラブルエリアには、まだ猛威を振るっているトラブルが存在し、大まかな被害系統で分類した色勢力ごとに群れを作っている。
そのトラブルを誠心誠意の献身で解消(支配)した状態になった場合に、住人エリアに置かれる。
- 永続カードが破壊された時や、瞬間使用カードの使用後は捨て札置き場という空間に集められる。
ただし、プレイヤー損害の支払い時とネームレベルキャラクターの破壊時(もし有れば)には、捨て札置き場ではなく損害置き場に置かれる。
- 捨て札置き場と損害置き場は、よく似ているが両者は明確に区別される。
商品情報
● メーカー: ブロッコリー
○ 発売開始: 2001年2月
- ○ ラインナップ
名称
| 発売時期
| 種類数
| 発売形式 (封入枚数/価格)
|
パート1
| 2001/2
| 69
| スターター(40/1000)、ブースター(9/300)
|
パート2
| 2001/6
| 100
| ブースター(9/300)
|
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